【沖縄の仏壇】六種供養で最小限・心重視の供養を。最小限の仏具とは

2022.01.21
【沖縄の仏壇】六種供養で最小限・心重視の供養を。最小限の仏具とは

今沖縄ではお仏壇の買い替えが進んでいますよね。リビングに置いても馴染むようなシンプルなお仏壇が選ばれています。そんなコンパクトなモダン仏壇や手元供養を選んだ家で行われる、シンプルな日々の供養方法が「六種供養」です。今回は沖縄のコンパクトな仏壇で六種供養を行うために必要な、最小限の仏具をお伝えします。

今沖縄ではお仏壇の買い替えが進んでいますよね。家の引っ越しやリフォームとともに、昔ながらの大きな沖縄のお仏壇を買い替えて、リビングに置いても馴染むようなシンプルでコンパクトなお仏壇が選ばれています。

この背景には昔ながらの平屋が亡くなり、現代風の戸建てや分譲マンションに住む人々が増えたことが一因です。

ただ一方で、タブーが数多くあり「拝み方を誤ると祟りが起きる(ウグァンブスク=御願不足)」と恐れられがちなトートーメー(先祖代々位牌)を永代供養し、純粋にご先祖様や故人の魂を弔い供養したい沖縄の人々が増えたためでもあります。

そこで今沖縄でコンパクトな仏壇や手元供養で行われる、シンプルな日々の供養方法が「六種供養」です。

今回は沖縄のコンパクトな仏壇で六種供養を行うために必要な、最小限の仏具をお伝えします。どうぞ参考にしてください。

沖縄で広がる「六種供養」とは

沖縄で広がる「六種供養」とは
沖縄でトートーメー(先祖代々位牌)を永代供養して、しきたりの多い御願から自由になる流れは、本州で言うところの「離檀」ではないでしょうか。

沖縄ではご先祖様を「カミ」とする祖霊信仰が根付いていますが、本州では寺院の信徒になり(檀家)信仰する「檀家制度」が根付いてきました。

けれども菩提寺(信仰する寺院)が遠くお墓を建てることが難しい、その宗旨宗派に倣った法要や供養が難しいとして、離檀(檀家を辞めること)し無宗教になる家が増えつつあります。

また沖縄と同じように実家は信仰しているものの、若い世帯では無頓着で「実家の宗旨宗派が分からない」まま無宗教としている世帯も多い傾向です。

けれども大切な家族や身内が亡くなった時、小さなお仏壇を仕立てて日々供養したい方々は多くいますよね。そこで注目されている供養方法が「六種供養」となります。

【 沖縄でコンパクトな仏壇に広がる「六種供養」とは 】

● 「六種供養」は全ての宗旨宗派に共通する最低限の事柄を残した、ごくシンプルな日々の供養方法です。

→ 大まかな流れとしては、朝ごはんの前ご飯とお茶(お水)を供えて手を合わせ供養し、夕ご飯の前にご飯とお茶(お水)を片付けながら手を合わせ供養します。

※ 沖縄ではお線香の本数なども12本など多く供える習慣がありますが、六種供養では3本もしくは1本で充分です。

現代の沖縄で増えたシンプル仏壇は、コンパクトな棚上仏壇も少なくありません。このようなお仏壇に配置できる仏具もまた、小さな仏具ばかりですので、12本ものお線香を供えると、危ないばかりかパリンと割れてしまいかねません。

このような現実的な意味合いでも、六種供養は今沖縄で求められる供養方法です。

※ 「六種供養」のより詳細な拝み方に関しては別記事「沖縄で増えた手元供養。負担の少ない最小限の供養「六種供養」」でお伝えしていますので、コチラをご参照ください。

沖縄のコンパクトな仏壇に配置する仏具

沖縄のコンパクトな仏壇に配置する仏具
沖縄で今人気の仏壇は、とてもシンプルでコンパクトなものも少なくありません。

最近ではお墓の継承問題により墓を閉じ、遺骨を自宅で供養する「手元供養」を選ぶ家も増えましたが、そうなるといよいよ小さな骨壺を中心としたB5用紙サイズほどのスペースのステージも多いです。

このようななかで仏具を選ぶため、沖縄でも仏壇に配置する仏具を最初に揃える時は「三具足」もしくは「五具足」が多い傾向があります。

【 沖縄のコンパクトな仏壇に配置する、三具足・五具足 】

(1) 三具足(みつぐそく)→ 香炉、ロウソク立て、花立てがそれぞれひとつずつです。

(2) 五具足(ごぐそく)→ 香炉がひとつに一対2つのロウソク立て、一対2つの花立てで五具足となります。

沖縄でコンパクトな仏壇に揃えるなら、最初は三具足でも充分でしょう。ただ、日々ご飯やお茶を供えるので、三具足とは別に茶湯器や仏飯器もあると便利です。

また、沖縄仏壇ではあまり扱っている家は少ない傾向にありますが、日々のお勤め前にご先祖様へ合図ができるよう、お倫は揃えておくと良いかもしれません。

【 沖縄のコンパクトな仏壇。一緒に揃えたい仏具 】

(1) 茶湯器(ちゃとうき)→ 名前の通りお茶やお湯を供えるための器です。

(2) 仏飯器(ぶっぱんき)→ こちらも名前の通りで仏様へご飯をお供えする時に盛りつける器となります。

(3) お倫(おりん)→ お倫の音色は極楽浄土へ繋がるとされ、日々のお供養や法要時にも、「これからお供養をします」との合図になります。
※ この世で言うところの電話線やネットワークのような役割です。

ただ、茶湯器や仏飯器などについては、沖縄では他の食器で代用する家も見受けられます。近年増えた沖縄のコンパクトな仏壇に限らず、昔からお供え物専用とするならば、仏具でなくても構わないとされてきました。

ですから最初に沖縄でお仏壇を仕立てる時には三具足・五具足とお倫のみを揃えても良いでしょう。後々日々のお供養を進めるなかで、不便を感じるようならば茶湯器や仏飯器などを買い足す流れでも、良いかもしれません。

この他にあると便利な仏具たち

この他にあると便利な仏具たち
以上の仏具が揃えば、六種供養を日々行う目的として沖縄でコンパクトな仏壇を仕立てる場合は充分ですが、この他にも便利な仏具たちがあります。

沖縄でお仏壇を仕立てたら、毎日のなかでお土産をいただけばまず供えたり…と、神様仏様との距離が縮まりますから、ちょっとした時に楽しみながら揃えるのも良いかもしれません。
※沖縄でお仏壇との過ごし方については別記事「【沖縄の仏壇】最小限のシンプルな供養方法。お仏壇との付き合い方」でもお伝えします。

【 沖縄でコンパクトな仏壇。あると便利な仏具たち 】

(1) 高杯(高月/たかつき)→ 果物などお供え物をする時に乗せる器で、足が長い仏具です。お供えをする時には下に半紙を敷きます。

(2) 過去帳(かこちょう)→ ご先祖様の命日や俗名(生前の氏名)、戒名(亡き後の名前)、没年月日などが記された覚書の帳面です。
※ 沖縄ではトートーメーの永代供養に伴い、位牌札の情報を過去帳に書き写す家も見受けます。

(3) 経机(きょうづくえ)→ 本来はお経を唱える時に経本を置くための小さな机ですが、沖縄では仏壇からはみ出たお供え物や仏具を置くのに便利として、揃える家も多く見受けます。

(4) 線香立て(せんこうたて)→ お線香をまとめて揃えるための仏具です。美しく揃えながら日々使用するお線香を保管できます。

(5) マッチ消し→ 昔ながらのお供養を重視するお家では、しばしばライターではなくマッチを用いてロウソクに火を灯すことがあります。お供養では火を口から息で直接吹き消すことはタブーなので、マッチ消しに差して消すために便利です。

…沖縄でコンパクトな仏壇を使用する家では、ライターを使用してロウソクの火を付ける傾向があります。ですからマッチ消しを購入しない代わりに、沖縄らしいお供養を整えるため、仏飯器を多めに購入する家も多いです。

マッチの使用としては、お線香と同様にその一本で一回の火と言う「一期一会」の精神を表します。

沖縄の仏壇では置き方は自由

沖縄で増えた手元供養。負担の少ない最小限の供養「六種供養」
本来、お仏壇はそれぞれの宗旨宗派に倣い配置しますが、そもそも沖縄では檀家制度がない珍しい地域です。そのため無宗教の家と同じように、基本的には仏具の配置は自由です。

【 沖縄でコンパクトな仏壇。参考になる配置 】

● 参考として一般的な仏具の置き方としては、下記になります。

(1) 最上段→ 宗旨宗派のある家では御本尊様や諸尊仏様を祀りますが、沖縄では手元供養であれば骨壺や、位牌(※)を祀ります。

(2) 上から二段目→ 中央には仏飯器と茶湯器、その脇に過去帳を祀ります。沖縄では最上段に位牌を祀る家が多いですが、最上段に御本尊様を祀る場合、この段の脇に祀ってください。

(3) 上から三段目→ 供え花、ロウソク立て、香炉です。四段目があれば以降は四段目になりますが、お倫や線香立て、マッチ消しなどもここに置いてください。

ごくコンパクトな沖縄の仏壇であれば、そもそもワンステージのみのものもありますので、これはあくまでも参考です。

(※)沖縄でコンパクトな仏壇を仕立てる例では、沖縄位牌ではなく個人の位牌(唐位牌)が多い傾向ですが、この場合にも中央に配置する家が沖縄では多く見受けます。

もしくは「祖霊=カミ」として、名の刻まれていない位牌をご本尊として配置する家もありました。

いかがでしたでしょうか、今回は増える沖縄のコンパクト仏壇で揃えたい、必要最小限の仏具についてお伝えしました。

毎日朝ごはん前にご飯を供え、夕ごはん前には朝供えたご飯を片付けるだけ…、とてもシンプルなお供養方法ですが、故人の魂を弔い寄り添う、心を重視したお供養方法として、今沖縄でコンパクトな仏壇とともに注目されています。

現代の沖縄ではお仏壇を畏まって置くよりも、家族が常に集まるリビングの脇に配置して、家族とともに故人の魂も団らんをしているようなスタイルを選ぶ家も増えました。

宗旨宗派のない沖縄だからこそ、お仏壇も供養方法も自分達の心に寄り添った、納得できる方法を選択できるとも言えます。
まとめ

コンパクト仏壇で選ぶ最小限の仏具とは
●三具足(みつぐそく)
・香炉
・ロウソク立て
・花立て

●五具足(ごぐそく)
・香炉×1
・ロウソク立て×2(一対)
・花立て×2(一対)

●一緒に揃えたい仏具
・茶湯器(ちゃとうき)
・仏飯器(ぶっぱんき)
・お倫(おりん)

●その他の仏具
・高杯(高月/たかつき)
・過去帳(かこちょう)
・経机(きょうづくえ)
・線香立て(せんこうたて)
・マッチ消し


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