仏壇は四十九日までに整えるべき?仏壇の新調や交換・移動や仏壇じまい、多い相談を解消!

2022.12.17
仏壇は四十九日までに整えるべき?仏壇の新調や交換・移動や仏壇じまい、多い相談を解消!

「仏壇は四十九日までに整えると良い」と決まってはいませんが、スーコー(法要)を考慮すると仏壇を整えて四十九日に臨みたいですよね。今回は仏壇の購入、実家の仏壇を移動、買い替えから仏壇じまいまで、四十九日までに多い相談事の解決方法を解説します。

沖縄に限らず「仏壇は四十九日までに整えると良い」とされますが、実際には決まっている訳ではありません。

けれどもシジュウクンチ(四十九日法要)や、百か日・イヌイ(一年忌)など、その後の供養・スーコー(焼香=法要)を考慮すると、仏壇は四十九日までに安置できるのが好ましいです。

・自宅に仏壇を安置するまでの流れは?
・実家に仏壇がある場合は?
・四十九日までに仏壇を買い替えたい

今回は、ご遺族から質問や相談の多い事柄から、仏壇を四十九日までにどうしたいか、3つのパターン、5つの選択肢から解説します。

仏壇は自宅にある?

仏壇は自宅にある?
●仏壇が①実家にある、②自宅にある、③仏壇がない、で四十九日までの流れが変わります

仏壇が実家にある場合でも、現代では二世帯同居が少なくなり、核家族化が進み、高齢になった両親が仏壇のお世話が仕切れない、などの理由で、実家の仏壇を四十九日をきっかけに、子どもが自宅へ移動するケースも増えました。

<仏壇を四十九日までに:3つのパターン>
[1]仏壇が自宅にある
[2]仏壇が実家にある
[3]仏壇がない

しばしば沖縄の古い地域や高齢者の間では、トートーメー(先祖代々位牌)や仏壇を「家から出してはいけない」とすることもありますが、それでは現実的ではありません

老朽化する家の建て替え引っ越しの時はどうなるのでしょうか。
それでは、イチミ(生きる身)は供養とお世話のために、生きる時間を同じ家・土地で費やすことが定められてしまいます。

[1]仏壇が自宅にある

[1]仏壇が自宅にある
●仏壇が自宅にある場合は、位牌を仕立てるのみです
…だだし、近年では四十九日をきっかけに仏壇の買い替えなどを進める家も増えました。

トートーメー(先祖代々位牌)を祀っている家では、位牌札を用意します。
トートーメー(先祖代々位牌)を祀るムートゥーヤー(宗家)でなければ、個人位牌であるカライフェー(唐位牌)を、四十九日までに整えるのが一般的です。

<仏壇を四十九日までに:自宅にある>
そのままで良い
②仏壇を四十九日までに新調する
仏壇じまいをする

昔であれば仏壇を四十九日までに新調することは分かりますが、仏壇じまいをすることは驚きますよね。

現代は先祖代々続くトートーメーを一度閉じて、故人の魂そのものを弔うため、仏壇を四十九日までに閉じてリセットし、手元供養など、故人のための位牌や仏壇、祭壇などを準備する遺族も増えています。

※家族の死をきっかけに、仏壇じまいをした体験談は下記もご参照ください。
【仏壇じまいの体験談①】娘の位牌はご先祖様と別に供養したい。仏壇じまいで喪失感が癒える

 

①そのままで良い

沖縄は本州のように、家で特定の寺院を信仰する檀家制度の文化が根付いていません

そのため昔ながらの沖縄では、トートーメー(先祖代々位牌)に俗名を、遺族がそのまま記入してきましたが、現在では僧侶から戒名をもらい、仏壇仏具店で掘ってもらう家が増えました。

<仏壇を四十九日までに①そのままで良い>
☆トートーメー(先祖代々位牌)がある
[A]ご住職に戒名をもらう
・仏壇仏具店で戒名を、位牌札に彫ってもらう
・自分で戒名を、位牌札に書く[B]戒名をもらわない(俗名で良い)
・仏壇仏具店で俗名を、位牌札に彫ってもらう
・自分で俗名を、位牌札に書く☆トートーメー(先祖代々位牌)は祀っていない
●仏壇仏具店で位牌を購入(カライフェー)
・位牌に戒名か俗名を掘ってもらう
・位牌に戒名が俗名を書いてもらう

仏壇に祀る位牌を四十九日までに仕立てる場合、個人位牌のカライフェー(唐位牌)であっても、沖縄の御願文化では自分で俗名を記入できますが、一般的にはカライフェー(唐位牌)を購入時に、名前の彫刻、もしくは記入を依頼することが多いです。

●位牌の名入れ相場は約2千円/1名など、記入方法や販売店によってさまざまですが、戒名には約3万円以上がかかります

文字の種類や掘り方(機械彫り/手彫り)などによっても変わってくるので、最初に名入れ料金まで確認をして、予算を合わせると良いでしょう。

②仏壇を四十九日までに新調する

●仏壇を四十九日まで新調する場合、新旧の仏壇を二基並べて、開眼供養・閉眼供養を同時に行うと良いでしょう

仏壇は四十九日をきっかけに、新しい仏壇に新調する相談も少なくありません。
故人と生前に話していたなどの理由はもちろん、位牌などの準備を進めるに当たり、「どうせなら気になっていたことを解消して、良い形で四十九日を迎えよう」とする声が多いです。

・故人と生前に話していたため
・古くなったので新しい仏壇で四十九日を迎えたい
・沖縄仏壇をコンパクトに新調するきっかけとして

もともと自宅に仏壇があった家で、四十九日までに仏壇を新調する理由は、家によってさまざまですが、いずれにしても読経供養を行う家がほとんどでしょう。

<仏壇を四十九日までに②新調する>
(1)仏壇仏具店へ行く
・新しい仏壇を購入
・搬入日を決める
・僧侶の手配
(搬入日に合わせてスケジュール調整)(2)仏壇の搬入
(3)閉眼供養/開眼供養
・新旧二基の仏壇を並べて、同時に行う(4)仏壇の搬出
(5)仏壇の処分(仏壇仏具店)

一般的に古い仏壇の回収や処分は、約5千円ほど~3万円ほど(大きさなどにより違う)ですが、新しい仏壇を四十九日までに購入する場合には、古い仏壇の回収費用はサービスする業者も少なくありません。

③仏壇じまいをする

●位牌のない仏壇は「物」なので、個人で処分もできますが、仏壇仏具店に相談をして回収してもらうと安心です

仏壇仏具店で仏壇じまいの相談をすると、仏壇の回収や処分まで請け負ってくれます。
故人の魂が入っている位牌は、位牌堂などで永代供養をすることで、家族の代わりに施設が管理・供養してくれるでしょう。

<仏壇を四十九日までに③仏壇じまい>
(1)仏壇引き取り業者を探す
・仏壇仏具店で相談
・粗大ゴミ回収会社(2)閉眼供養
・僧侶の手配(3)仏壇の回収(4)位牌の処理
・お焚き上げ
・永代供養
・位牌のみ残す

仏壇の引き取りは仏壇仏具店で相談をすると、最も安心です。
粗大ゴミ回収会社引っ越し業者に相談する家もあるでしょう。

閉眼供養は仏教行事なので、無宗教の家などでは必ずしも必要のある儀礼ではありません。
また沖縄の昔ながらの御願文化に倣い、ユタさんなどに依頼することもあります。
ただ近年では閉眼供養により魂抜きを行う家がほとんどです。

[2]仏壇が実家にある

[2]仏壇が実家にある
●仏壇に実家がある場合、四十九日をきっかけに仏壇の移動や合祀の相談もあります

例えばトートーメー(先祖代々位牌)を継承していた義父が亡くなり、長男である夫が義父からトートーメー(先祖代々位牌)を継承するとして、仏壇の移動を四十九日までに行う家もあるでしょう。

昔ながらの沖縄仏壇は大きいため、自宅に小さな仏壇を仕立てて、トートーメー(先祖代々位牌)のみ迎え入れる家もあります。

<仏壇を四十九日までに[2]実家にある>
実家に祀る
②実家の仏壇を移動する
仏壇じまい夫婦、両家の仏壇を合祀

また稀にですが例えば女系家族の妻方で、トートーメー(先祖代々位牌)を継承していた父親が亡くなり、女性であっても継承するとし、両家の合祀(ひとつの仏壇でまとめる)を相談されることもありますが、血族を重視している沖縄では、なかなか難しいハードルでもあります。

①実家に祀る

●実家に祀るのであれば、位牌以外は用意する必要はありません

ただし例えば夫が亡くなり、トートーメー(先祖代々位牌)を継承している義実家から、「我が家のトートーメー(先祖代々位牌)で祀りたい。」と打診される事例もあります。

このような場合は、そのまま義実家の仏壇に祀るよう、四十九日までに整えることになりますが、「日々の暮らしのなかで、夫の供養ができない。」との相談もありました。

・トートーメー(先祖代々位牌)ごと引き取る
・自宅には別に、新しく位牌を仕立てる

このようなケースでは上記いずれかが多いものの、長男がいる家庭では「夫の長男が継承する」前提で、一時期的に配偶者が預かり供養をする形になるなど、複雑です。

そのため義実家とは波風を立てぬようにと、トートーメー(先祖代々位牌)とは別に、自宅で新しく夫個人の位牌を仕立てる選択が、多くありました。

②実家の仏壇を移動する

●実家の仏壇、特に位牌を移動する場合には、搬出前に閉眼供養を行い魂を抜きます
実家にある仏壇をそのまま引っ越すことも可能です。
この場合には引っ越し業者に仏壇の移動を相談すると良いでしょう。

また仏壇仏具店で相談をすると、仏壇専門の引っ越し業者仏壇の移動に詳しい業者を紹介してくれます。

<仏壇を四十九日までに②実家の仏壇を移動>
(1)引っ越し業者など、仏壇の移動を手配
・仏壇仏具店などに相談する
・搬出入日の決定
・僧侶の手配(2)閉眼供養(実家)
(3)仏壇の搬出入(実家→自宅)
(4)開眼供養(自宅)

実家にある仏壇を四十九日までに自宅へ移動する場合、大まかには上記の流れで行います。
仏壇を移動する場合、閉眼供養で一度魂抜きを行ってから、家から搬出するのが一般的です。

そして自宅へ仏壇を移動した後、開眼供養をして再び魂を入れてください。
開眼供養の日に決まり事はありませんが、祥月命日スーコー(焼香=法要)があれば、併せて僧侶へ依頼する方法も良いでしょう。

③仏壇じまい

●仏壇じまいを四十九日までに行い、自宅で新しく新調するケースもあります
一例では、父親が亡くなり母親が息子宅へ同居する場合の体験談がありました。
父親の急逝をきっかけに、実家のトートーメー(先祖代々位牌)を引き継ぐことになったものの、自宅に充分なスペースがなく、仏壇じまいを決断しています。

<仏壇を四十九日までに③仏壇じまい>
(1)仏壇引き取りの相談
・仏壇仏具店に相談
・搬出日の決定
・僧侶の手配(2)閉眼供養
(3)仏壇の回収

仏壇じまいを四十九日までに行う場合は、仏壇の搬出前に僧侶へ依頼して、魂を抜く閉眼供養を行うことで、仏壇が魂の宿る仏具から、「物」に変わるでしょう。

ただし本来、仏壇は魂の宿るイフェー(位牌)やトートーメー(先祖代々位牌)を祀るための箱であり、イフェー(位牌)を墓前でお焚き上げを行い、仏壇は塩を振って粗大ゴミに出す方法が、沖縄ではあります。

※沖縄の墓前で行うイフェー(位牌)のお焚き上げについては、下記をご参照ください。
沖縄に伝わる、古いトートーメー(位牌)の処分☆自分達で行うお焚き上げの仕方

 

※夫婦、両家の仏壇を合祀

●沖縄では夫婦両家の仏壇を合祀する方法は、なかなか難しい壁があるでしょう

沖縄のトートーメー(先祖代々位牌)は血筋を重視するため、夫婦と言う血が繋がらない一族が合祀されることを、あまり好まない親族が多いです。

そのため夫婦で家のトートーメー(先祖代々位牌)の継承が起きた時は、コンパクトな仏壇を2基並べて、それぞれ供養する家が多くあります。

<仏壇を四十九日までに※両家の仏壇を合祀>
●基本的には両家の仏壇を合祀する選択は難しいです。
(1)合祀しない
・仏壇をコンパクトにして、2基並べる(2)合祀できる
・両家いずれかの仏壇へまとめる
・新しい仏壇にまとめる

近年は長男長女、ひとりっ子同士の夫婦が増え、夫婦ともに実家のトートーメー(先祖代々位牌)を継承するケースも増えました。

しばしば「ひとつの家に2基の仏壇があるのは不吉」などの声もありますが、決して不吉ではありません。

※夫婦が両家の仏壇をそれぞれ引き継いだ体験談は、下記に詳しいです。
【沖縄の仏壇トラブル体験談】配偶者の家と両家の仏壇を引き継ぐ。仏壇の「宗派」とは?

 

[3]仏壇がない

[3]仏壇がない
●仏壇がない場合には、仏壇を四十九日までに購入する家が多いです

特定の寺院を家で信仰する檀家制度が根付いていない沖縄ですが、もしも特定の信仰する寺院「菩提寺(ぼだいじ)」がある場合には、仏壇の種類や仏具の配置に決まり事があるかもしれません。

まず菩提寺のご住職へ相談をすると、その宗派に適した仏壇仏具店への紹介が期待できるでしょう。

<仏壇を四十九日までに[3]仏壇がない>
(1)仏壇の安置場所を決める
・縦幅×横幅×奥行を確認(2)仏壇を購入
・仏壇を決める
・搬入日の決定
・僧侶の手配(3)仏壇の搬入/開眼供養

以上の流れです。
現代は、今の住まいに合わせた家具調仏壇が多いでしょう。
そもそも沖縄仏壇にするかどうか、などの選択肢の他、スペースに合わせた形の選択肢もあります。

※仏壇の種類については、下記もご参照ください。
【沖縄のトートーメー】仏壇をコンパクトに!今の沖縄で人気、暮らしに合う3つの種類

最後に

以上が仏壇を四十九日までに整える、①実家に仏壇がある/なし、②自宅に仏壇がある/なし、③自宅にも実家にも仏壇がない、3つのパターンに合わせた、仏壇安置までの流れです。

ただ本来、沖縄で仏壇は実家から独立して分家した時点で仕立てるものでした。

現在の仏壇は、家族が亡くなって初めて購入を検討するようになりましたが、仏壇を仕立てることで、神様仏様との暮らし、見えないものへの感謝を実感する目的もあったのでしょう。

家の仏壇に故人の位牌が祀られていようと、いまいと、昔は毎日お茶を上げるなど、日々のお勤めを行い、子どもへおやつを上げる前に、お仏壇に供えて手を合わせていました。

そのなかで、何気ない日常の暮らしに感謝をする、気づく気持ちが養われていたのでしょう。

※お仏壇の日々のお勤め「六波羅蜜(ろくはらみつ)」は下記に詳しいです。
沖縄の春のお彼岸はお仏壇行事?七日間を通して行う「六波羅蜜」とは?

 

まとめ

仏壇を四十九日までに整える、3つのパターン
[1]仏壇が自宅にある
・そのままで良い
・仏壇を四十九日までに新調する
・仏壇じまいをする

[2]仏壇が実家にある
・実家に祀る
・実家の仏壇を移動する
・仏壇じまい
・夫婦、両家の仏壇を合祀

[3]仏壇がない
・仏壇の購入


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