沖縄で子どもを手元供養にした体験談☆ほっぺのような可愛い仏具を選びながら

2022.03.11

沖縄では子どもの手元供養が増えています。年中行事でのみお墓参りを行う沖縄の風習のなか、手元供養により日々供養ができる環境は、グリーフを癒す手立てにもなりますよね。今回は、子どもの手元供養を3年後に決断した、智子さんの体験談んをお伝えします。

沖縄では子どもの手元供養が増えています。清明祭(シーミー)など、一定の年中行事でのみお墓参りを行う沖縄の風習のなか、沖縄では手元供養により日々供養ができる環境は、グリーフ(喪失体験に伴う痛み哀しみ)を癒す手立てにもなりますよね。

ただなかには沖縄では「手元供養にしてしまうと、成仏できないのではないか…」と思い悩んだまま決断できず、グリーフから抜け出せない、日常生活に戻れない方も多くいます。

そこで今回は、沖縄で子どもの手元供養を3年後に決断した、智子さんの体験談んをお伝えします。

納骨式ができないまま、自宅で安置

納骨式ができないまま、自宅で安置
今回、沖縄で手元供養の体験談を教えてくれた智子さんは36歳、旦那様の達也さんは同い年の36歳で、24歳で結婚したもののなかなか子どもができず、不妊治療を経て28歳でやっと長女の舞子ちゃんを授かりました。

大切に育ててきた舞子ちゃんでしたが舞子ちゃんが3歳になったある夜、高熱を出した後に熱性けいれんを起こして救急車で病院へ…、救急治療を施しましたが、亡くなってしまいます。

突然のことでショック状態になった智子さんは呆然としたまま…、「しっかりしなければ!」と旦那様の達也さんが、親族とともにお通夜や葬儀の手続きを進めたと言います。

そして沖縄では門中墓がある場合、葬儀後にすぐ納骨される習慣がありました。

【 沖縄で子どもの手元供養。納骨できず自宅へ 】

● けれども葬儀を終えて近しい親族のみ集まり、いざお墓へ移動しようとした車中で、智子さんはガンとして舞子ちゃんの遺骨を離しません

→ しばらく親族で待ったのですが智子さんの胸中を察して、この日の納骨式は延期することにしました。

この時は智子さんも達也さんも、四十九日法要までには心を落ち着けて、舞子ちゃんの遺骨を門中墓へ埋葬しようと考えていたそうです。

けれどもナンカスーコー(周忌焼香)、四十九日法要と時ばかりが過ぎ去るばかりで、いつまで経っても智子さんは舞子ちゃんの遺骨を手放すことができないままでした。

親族から「成仏できないよ」と説得される

親族から「成仏できないよ」と説得される
そしてイヌイ(一年忌)法要の際、親族が集まった席でいよいよ智子さんは、皆から説得されます。

【 沖縄で子どもの手元供養。親族からの説得 】

● 「気持ちは分かるけど、舞子ちゃんもマブイ(魂)が落ち着く場所がないままで、このままでは成仏できないよ。」と、家付きのユタさんにも言われました。

→ 確かに沖縄の御願文化としてばかりではなく、仏教としても故人の遺骨を自宅に安置することは良しとしていません。

※ 仏教の教えとしては、遺骨を自宅に安置している間は「忌中(きちゅう)」となるので、お墓と自宅を彷徨う魂になってしまうと教えられています。

「忌中(きちゅう)」とは、基本的には故人が亡くなってから四十九日法要までを差します(ただし浄土真宗に忌中はなく、キリスト教では五十日祭まで)。

忌中の間、故人は生まれ変りのための裁判7日間ごとに受けていて、この間はあの世とこの世の間、「中陰(ちゅういん)」にいるとされてきました。

身体がだるい、動かない

身体がだるい、動かない
そこで一度は沖縄で手元供養も検討していたのですが諦めて、達也さんと門中墓まで「見学に」行ったのだそうです。

と言うのも大きな門中だった達也さんの家では、7歳に満たない舞子ちゃんは本墓に埋葬されるのではなく、墓地内の隅に置かれた祠に埋葬されると聞いたためでした。

【 沖縄で子どもの手元供養。ここに1人で埋葬なんて… 】

● 舞子ちゃんを失ったグリーフの真っただ中にいた智子さんにとって、墓地の敷地の隅でひっそりと佇む祠は、とても寂しく重苦しいものに感じたそうです。

→ しかも沖縄では、頻繁にお墓参りをすることを良しとしません。そのため一度舞子ちゃんを埋葬してしまうと、「寂しそうだから…」と頻繁に会いにも行けない(お墓参り)ことが辛く感じます。

「やっぱり、納骨式はできない」と感じたまま時だけが過ぎ、親族の説得も受けるなかで、智子さんは次第に閉じこもりがちになりました。

自責の念や家族の励ましの言葉も責められているように聞こえ、次第に人と関わることができなくなったと言います。

【 沖縄で子どもの手元供養。襲う体の不調 】

● そのうち、朝起きた瞬間から体中がギシギシと重く痛い…、朝起きた瞬間に「疲れた」と感じる日々が続くようになりました。

→ 責任感からお弁当や朝ごはんなど、日常の家事を何とか行うものの、外へは一歩も出ず、ひたすらソファーで横になる状況です。

特にほてりと息苦しさ・動悸が酷かったのですが、後々グリーフケアの会で相談したところ、これは「舞子ちゃんの最期の症状」だったことに気付きました。

家族で話し合い、沖縄で手元供養を決断

お線香の上げ方とロウソク
この症状がきっかけで、智子さんと達也さんは沖縄で舞子ちゃんを手元供養にしようと決断します。親族にもハッキリと伝え、粛々と準備を進めました。

不思議と智子さんは、沖縄で舞子ちゃんの手元供養を決めた後から、前述したような不調の症状が少しずつ改善されています。

【 沖縄で舞子ちゃんの手元供養を準備 】

● 智子さんと達也さんは、下記の流れで沖縄の手元供養を進めました。

(1)お仏壇を準備する … 沖縄の手元供養仏具を扱う仏具店を訪ね、夫婦で生前の舞子ちゃんを想いながら、舞子ちゃんのイメージに近い桜色の仏具と仏壇を選んでいます。

(2)舞子ちゃんの遺骨を分骨 … 沖縄の仏具店で購入した手元供養用の骨壺がとても小さいため、分骨して一部のみを祀ることにしました。

(3)沖縄で手元供養分の遺骨を粉骨依頼 … 舞子ちゃんの遺骨はネットで探した沖縄の粉骨業者へ粉骨依頼をしています。(粉骨費用の目安3万円~5万円

(4)骨壺に粉骨した舞子ちゃんの遺骨を収蔵し、祀る … 舞子ちゃんをイメージして用意した桜色の骨壺に粉骨した遺骨を収蔵して、お仏壇に祀りました。

(5)開眼供養 … 近所の寺院のご住職へ依頼し、開眼供養を行っています。お布施で包んだ金額に指定はありませんでしたが、お礼を込めて5万円を包みました。(一般的に開眼供養の場合、沖縄では3万円~5万円が相場です。)

ここで不思議だったことは、沖縄の仏具店で手元供養の仏壇や仏具を選ぶことで、少しずつ固まっていた智子さんの気持ちがほぐれていったと言います。

後々、智子さんがこの沖縄での手元供養体験をグリーフの会で話したところ、「仏壇や仏具を選ぶことが、智子さんにとって「セレモニー」の役割を果たしていたからではないか?」と言われました。

※ グリーフケアのための3つの柱について、詳しくは別記事「沖縄で喪失を乗り越えるグリーフケア☆無意識に訪れる症状と乗り越え方」をご参照ください。

分骨して室内墓所を購入、家族だけで納骨式

分骨をして永代供養墓に埋葬
沖縄で舞子ちゃんの手元供養をした後、分骨した残りの遺骨をお墓に埋葬しようと決めました。舞子ちゃんには幸せに成仏してもらいたいと考えたためです。

ただ沖縄で舞子ちゃんの手元供養を済ませた今でも、あの寂しそうな祠に埋葬する気にはなれません。そのため思い切って門中墓から独立し、家族6人までが皆で入ることができる、室内墓所を購入しています。

【 沖縄で舞子ちゃんの手元供養。室内墓所に収蔵 】

● 室内墓所なので屋内にある施設で、ひとつのスペースに家族6人まで収蔵できる仕組みです。料金は約75万円、年間使用料約1万円の施設でした。

→ ここに舞子ちゃんの残りの遺骨を収蔵します。智子さんと達也さんのみで納骨式を行い、読経供養は施設で僧侶の手配を依頼し、お布施は3万円です。

この室内墓所ではいつお参りに行っても良いとされています。これも智子さんが決めるきっかけにもなりました。

お参りに行くと個別のスペースに通され、舞子ちゃんの写真などが写るお墓を前に参拝できます。現在では達也さんと二人、月命日の他、寂しくなった時にいつでも参拝するそうです。

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で舞子ちゃんの手元供養を決断した、智子さんと達也さんの体験談をお伝えしました。

ストーリーのなかでは沖縄で手元供養を決めるまであっと言う間にも感じますが、実際には、火葬場から渡された白い骨壺のまま、お仏壇の横に3年間も舞子ちゃんは安置されています。

この間、智子さんは「時が止まった」まま、周囲との関係性をどんどん絶ち、いつも頭がぼぅっとするなかで運転中に事故を起こしたことで、車も手放したそうです。

このようなグリーフの真っただ中、沖縄で舞子ちゃんの手元供養が叶ったことで、大きな回復を遂げました。これは夫婦にとって、大きな決断ではないでしょうか。
まとめ

子どもの手元供養を決めた体験談

・長女が3歳の時、突然の病気で亡くなる
・納骨できないままイヌイ(一年忌)へ
・親族からの説得に自責の念
・門中墓の祠を見て、改めて納骨を拒否
・智子さんの体調がどんどん悪くなる
・夫婦で手元供養を決断
・分骨して夫婦で購入した室内墓所(家族墓)に埋葬
・いつでも恋しい時に参拝している


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