・沖縄の旧暦10月(新暦11月)カレンダーは?
・沖縄の旧暦10月(新暦11月)に行う主な行事は?
・沖縄の旧暦10月、2024年武富島のお祭り「タニドゥル(種子取祭)」はいつ?
沖縄の旧暦10月は、2024年11月1日(金)~11月30日(土)まで、二十四節気では立冬・小雪の節気にあたります。
この時期、沖縄の旧暦行事では竹富島の種子取祭(タニドゥル)が広く知られる行事となり、ディープな沖縄を体験できるお祭りとして、国内外から観光客が訪れるようになりました。
本記事を読むことで沖縄の旧暦10月、新暦では新暦11月の旧暦行事や詳細な日程・行い方・拝み方が分かります。
後半では二十四節気や時候の言葉なども解説していますので、どうぞ最後までお読みください。
2024年11月、沖縄の旧暦10月カレンダー
◇沖縄で旧暦10月では、種子取祭が国内外で有名です
沖縄の旧暦10月は、立秋の節に行う種子おろし「種子取祭(沖縄本島ではタントゥイ・武富島ではタニドゥル)」が知られています。離島や沖縄の各地域で行う種子取祭(タントゥイ・タニドゥル)を目指し、沖縄旅行へ来る国内外お観光客もいるほどです。
主に竹富島や石垣島、宮古島など、沖縄県離島地域でより盛んでしょう。ただ沖縄の旧暦行事としては「アキハッティージュウグヮッチ(飽き飽きしちゃう十月)」と言われています。
<2024年11月:沖縄の旧暦10月カレンダー> | |||
[新暦] | [旧暦] | [旧暦行事] | |
●沖縄の旧暦行事 | |||
[1] | 2024年11月1日(金) | ・旧暦10月1日 | ・チィタチの拝み |
[2] | 2024年11月1日(金) | ・旧暦10月1日 | ・カママーイ(竈巡り) |
[3] | 2024年11月16日(土)~2024年12月25日(月) ・11月「甲申」の日~「癸巳」の日 |
・種子取祭 (タントゥイ) |
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[4] | 2024年11月15日(金) | ・旧暦10月15日 | ・ジューグニチの拝み |
●秋土用 | |||
[1] | 2024年11月3日(日) | ・旧暦10月3日 | ・秋土用の間日 |
[2] | 2024年11月5日(火) | ・旧暦10月5日 | ・秋土用の間日 |
[3] | 2024年11月6日(水) | ・旧暦10月6日 | ・秋土用明け |
●休日 | |||
[1] | 2024年11月3日(日) | ・旧暦10月3日 | ・文化の日 |
[2] | 2024年11月4日(月) | ・旧暦10月4日 | ・振替休日(文化の日) |
[3] | 2024年11月23日(土) | ・旧暦10月23日 | ・勤労感謝の日 |
●全国の年中行事 | |||
[1] | 2024年11月5日(火) | ・旧暦10月5日 | 〇一の酉(お酉様) ・癸酉きゆう(みずのととり) |
[2] | 2024年11月15日(金) | ・旧暦10月15日 | ・七五三 |
[3] | 2024年11月17日(日) | ・旧暦10月17日 | 〇ニの酉(お酉様) ・乙酉いつゆう(きのととり) |
[4] | 2024年11月29日(金) | ・旧暦10月29日 | 〇三の酉(お酉様) ・丁酉ていゆう(ひのととり) |
●節気 | |||
[1] | ・2024年10月23日(水) ~2024年11月6日(水) |
・旧暦 9月21日~10月6日 | ・霜降(そうこう) |
[2] | ・2024年11月7日(木) ~2024年11月21日(木) |
・旧暦 10月7日~10月21日 | ・立冬(りっとう) |
[3] | ・2024年11月22日(金) ~2024年12月6日(金) |
・旧暦 10月22日~11月6日 | ・小雪(しょうせつ) |
沖縄本島では種子取祭を行う集落が少なくなりました。
けれども家庭ではヒヌカンやお仏壇へ、大きなおにぎりを供え、拝みを捧げる習慣を残す家や地域もあります。
カママーイ(竈廻り)
◇「カママーイ」は、集落の火の用心巡りです
以前、沖縄の旧暦10月1日は、集落の家々の竈(かまど)、ヤー(家)の危ない場所を点検する、行事「カママーイ(竈巡り)」がありました。
主に集落の婦人会などがカママーイを行い、全国の「火の用心」と同じような地域行事です。
婦人会や自治会による集落のカママーイでは「点検印」として、朱字で点検済みの印をいただくので、これを家の前に貼っておきます。
<沖縄の旧暦10月カレンダー①カママーイ> | |
[集落行事] | (婦人会や自治会) ・集落の家の台所を点検する |
[家庭行事] | ●ヒーマチヌウグァン ・火災予防の御願 ・集落の氏神様を参拝する |
昔の集落ではカママーイの前に、婦人会や自治会の人々皆で、御嶽(ウタキ)など、集落の氏神様を参拝し、火災予防の祈願をしました。
その名残りから旧暦10月1日に、家族で集落の御嶽(ウタキ)や殿(ウドゥン)を訪れ、火災予防の拝み「ヒーマーチヌウグァン」を行う家も見受けます。
特に沖縄本島南部エリアに多い傾向です。
・【沖縄の旧暦行事】かままーい(かまど廻り)で家を災難から守る
沖縄の旧暦10月:種子取祭とは?
◇沖縄で立冬の節に行う「種子取祭」とは、種子おろし行事です
立冬の節が訪れる新暦11月の吉日、稲や粟の種子おろしの時期に、氏神様へ奉納行事を行う集落が多くありました。
現代は主に宮古島や竹富島などの離島に残っています。
現代に種子取祭が残る集落でも、地域によって呼び名や、行い方も少しずつ違うでしょう。
<地域で違う種子取祭の呼び方> | |
[地域] | [呼び方] |
(1)沖縄本島 | ・タントゥイ |
(2)宮古島 | ・ウヤガン |
(3)八重山地方 | ・タナドゥイ ・タナドゥル |
琉球王朝時代から残る沖縄の農耕儀礼は、農耕の衰退とともに廃れました。
けれども近年では、一連の収穫祈願を収入祈願と捉え、家族でお供え物をして拝む家庭が増えつつあります。
<家庭内での種子取祭> | |
[お供え物] | ①テームイ (大きなおにぎり) ・ススキの茎で作ったお箸 ②小さなおにぎり ・小さなおにぎりを奇数個 ・ゆうなの葉に乗せる |
[拝む事柄] | ・「にぎり飯のように豊作ですように」 |
[行い方] | ●ウサンデー (おろしていただく) ・テームイを食べる (ススキの茎のお箸で食べる) |
大きなおにぎり「テームイ」は、集落によっては「イバティー」とも言われます。
お供え物をおろしていただく「ウサンデー」では、ススキの茎をお箸に見立てていただくのが習慣です。
集落によってテームイを供える家、ゆうなの葉に小さなおにぎりを重ねて乗せる家などありますが、どちらでも構いません。
観光客で賑わう、竹富島の種子取祭
◇竹富島の種取祭は、国の重要無形民俗文化財に指定されました
竹富島の種子取祭は「タニドゥル」と呼び、準備期間5日間、開催期間5日間の全10日間に渡って開催されます。
第7日目・8日目は神様へ奉納行事を行う日です。
竹富島出身者の方々はこの10日間だけ帰省をする人も多いでしょう。
日本全国や海外から、このタニドゥルを目的とした観光客も多く見受けます。
<竹富島の種子取祭とは> | |
[2024年:奉納芸能] | ・第一日…2024年11月22日(金) ・第二日…2024年11月23日(土) |
[立冬の節10日間] | ●始まり ・新暦11月の「甲申(きのえさる)」 ●終わり ・新暦11月の「癸巳(みずのとみ)」 |
[日程] | (参加者) ・第1日目~5日目…稽古を積む ・第6日目…禁忌 ・第7日目以降…ユークイ(世乞い) (奉納芸能) |
[その他] | ・夜に神女が訪れる (収穫祈願) |
※コロナの影響により、観覧できないこともあります。
竹富島の種子取祭で「ユークイ(世乞い)」とは、奉納芸能です。
島のウガンジュ(拝所)、御嶽(ウタキ)前広場や仮設舞台で繰り広げられるでしょう。
また、タニドゥル期間中は竹富島の家々にも、夜な夜なユタやノロなどの神女が訪れて、家の豊作(豊潤な収入)を祈願してくれます。
沖縄の旧暦行事のなかでも竹富島の種子取祭は、昔ながらの風習が今も残る豊作祈願祭です。
・2024年竹富島の種子取祭はいつ・どこで行うの?沖縄の旧暦10月「種子取祭」とは?
2024年11月:沖縄の旧暦10月カレンダー
◇2024年11月、沖縄の旧暦10月の二十四節気は霜降→立冬→小雪です
2024年11月、旧暦10月1日~10月30日に当たる二十四節気は、霜降→立冬→小雪といよいよ冬を迎えます。
学校では冬物の衣替えも落ち着き、11月15日(日)には七五三のお祝い行事を行う時期です。
<2024年11月:沖縄の旧暦10月の節気> |
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【二十四節気】霜降(そうこう) | ||
●七十二候 | ||
(次候) | 霎時施(こさめときどきふる) | ・10月28日(月)~11月1日(金) |
(末候) | 楓蔦黄(もみじつたきばむ) | ・11月2日(土)~11月6日(水) |
【二十四節気】立冬(りっとう) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 山茶始開(つばきはじめてひらく) | ・11月7日(木)~11月11日(月) |
(次候) | 地始凍(ちはじめてこおる) | ・11月12日(火)~11月16日(土) |
(末候) | 金盞香(きんせんかさく) | ・11月17日(日)~11月21日(木) |
【二十四節気】小雪(しょうせつ) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 虹蔵不見(にじかくれてみえず) | ・11月22日(金)~11月26日(火) |
(次候) | 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) | ・11月27日(水)~12月1日(日) |
11月の和名は「霜月(しもつき)」全国的には霜が降り、寒さがいよいよ本格的になり、その年に初めて吹く北よりの少し強い風「木枯らし一号」が訪れる時期です。
ヒラメやサンマが美味しい季節、果物では柿、野菜ではかぶやかぼちゃ、サトイモなどの根野菜が美味しいですね。
時候の言葉は「晩秋の候」「初冬の候」などの他、「日増しに寒さが加わって参りました」「向寒の折、くれぐれもご自愛ください」などと健康を気遣います。
まとめ:沖縄の旧暦10月は、種子取祭が有名です
全般的に沖縄の旧暦10月、新暦11月の旧暦行事はあまりありません。
そのため古くから沖縄では、「アキハッティージューグァッチ(飽き飽きしちゃう十月)」などと呼ばれる月です。
けれども現代も離島に多く残る種子取祭(タントゥイ)では、盛大に奉納行事を行い、国内外から観光客がこの行事を目的に訪れます。
特に竹富島の種子取祭(タニドゥル)は国の重要無形民俗文化財に指定されました。
また11月は喪中ハガキの準備時期、全国的には七五三行事もありますので、全国の11月年中行事のコラムもご確認ください。
・【全国11月の年中行事カレンダー】七五三祝いはいつ行う?喪中ハガキを出す時期とは?