【沖縄の旧暦行事】旧暦10月のかままーい(竈めぐり)とヒーマチ御願で火災予防

2022.10.09
【沖縄の旧暦行事】かままーい(かまど廻り)で家を災難から守る

昔の沖縄では旧暦10月1日に集落内の台所を点検する火災予防行事「かままーい(竈まわり)」が行われてきました。今では家族で火災予防の拝みや、台所の掃除を行う家庭が増えました。また旧暦10月1日は冬に向けた衣替え「イスカバイ」の日でもあります。

沖縄の旧暦10月は「アキハッティージューグァッチ(飽き飽きしちゃう10月)」と言われるように、行事がすっぽりと抜けた時期ではありますが、その昔の沖縄では旧暦10月1日[2022年10月25日(火)]に「かままーい(竈まわり)」が行われてきました。

主には、集落の家庭を訪ねて火の元(台所)を点検する行事でしたが、今では集落行事としてはすっかり少なくなっています。
ただそれぞれ沖縄の家庭では、旧暦10月1日~3日頃に台所の掃除や、集落のウガンジュ(拝所)へ火災予防の拝みを行う家庭も増えました。

また沖縄の旧暦10月1日は、冬に向けた衣替え「イスカバイ」の日でもあります。

今回は沖縄の旧暦10月1日頃に行われる、かままーい(竈まわり)やイスカバイ(衣替え)行事をご紹介します。

 

かままーい(竈まわり)とは

かままーい(かまど廻り)
沖縄の旧暦10月1日[2022年10月25日(火)]に行うかままーい(竈まわり)は、火災の起きやすい冬に向けて行う、火災予防の行事です。
その昔は集落で婦人会や自治会を中心に行ってきましたが、今ではあまり見なくなりました。

<沖縄の旧暦10月1日☆昔の「かままーい(竈まわり)」>
●その昔、集落単位で行われた、火の用心の行事です。
自治会や婦人会が中心で行ってきた
・集落の各家庭の台所を点検する
・点検を済ませた家には、「火の用心」の紙を貼る
・それぞれの家庭では、台所の掃除をする
・かままーい(竈まわり)の前に、集落のウガンジュ(拝み処)に拝む(集落もある)

その昔の沖縄の旧暦10月に行うかままーい(竈まわり)では、各家庭をまわる前に、自治会や婦人会の人々が集落のウガンジュ(拝所)に訪問し、火災予防の拝みヒーマチウグァン(火災予防御願)」を行う集落もありました。
ウガンジュ(拝み処)は、御嶽(うたき)や殿、村獅子などさまざまです。

現代の「かままーい(竈まわり)」

ただ現代、沖縄の旧暦行事としては、すっかり見なくなりました。
けれども沖縄の地方などでは、本州の「火の用心」の慣習に合わせて、「火の用心!」と集落を子どもと大人で巡回するPTAなども見受けます。

<沖縄の旧暦10月1日☆現代のかままーい(竈まわり)>
●現代、名残りを感じるかままーい(竈まわり)には、下記のようなものです。
・「火の用心!」と巡回するPTA行事など(地域や学校によって)
・旧暦10月時期に、台所掃除をする家がある
・旧暦10月時期に、地域のウガンジュ(拝み処)に火の用心の拝みに行く家がある

詳しくは後述しますが、現代の沖縄の旧暦10月1日~3日頃[2022年10月25日(火)~27日(木)]、集落行事ではなく、家庭行事として行う家が増えています。

神様が不在の旧暦10月

ではなぜ沖縄で旧暦10月に「かままーい(竈まわり)」を行うかと言えば、これから寒い季節になり乾いて火災の危険が増えること、落ち葉を焼く家が増えることなども挙げることができますが、「神様の不在」もそのひとつにあります。

<沖縄の旧暦10月☆かままーい(竈まわり)は「神様の不在」>
●10月は酉の刻・神無月(かんなづき)です。
・神無月(かんなづき)は、全国各地の神々様が出雲大社に一同に集う月
沖縄も神様不在の月

 

神無月(かんなづき)は酉の刻

また沖縄では十二支を方位の神様として捉え、酉の刻・酉の方角に向かって拝む家庭もしばしば見受けます。

●例えば沖縄では、旧暦10月1日~3日頃[2022年10月25日(火)~27日(木)]に、
・酉の刻…18時(17時~19時)
・酉の方角…西方

…などです。

ヒヌカン(火の神様)は家にいる?

沖縄ではヒヌカン(火の神様)を祀る家では、日ごろからヒヌカン(火の神様)へ拝みを捧げ、日々の家内安全を祈願しています。
そこで沖縄の旧暦10月は「神様がいない月」として、自分達で火災予防を行う家もありますが、「ヒヌカン(火の神様)はいる」とする人も多いです。

<沖縄の旧暦10月☆ヒヌカンは家に残る?>
●ただ沖縄の一部地域では、日々火災などからヤー(家)を守るヒヌカン(火の神様)は、神様が集う時にも「ひとり残り、神々様の留守を守る」とも言われます。

それでも大きな神々様がこぞって出雲大社に集まり、沖縄を不在とする柱がほとんどですから、できるだけ自分達で守るに越したことはありません。

かままーい(竈まわり)の流れ

かままーいの流れ
沖縄で旧暦10月1日にかままーい(竈まわり)を行う集落では、地域によってさまざまですが、かままーい(竈まわり)を行う前に集落の御嶽(うたき)や御殿(うどぅん)、村獅子などへお参りをして、集落の家々の火災予防を祈願した後に点検に回ります。

これが「ヒーマチウグァン(火災予防の御願)」です。
御嶽(うたき)や御殿(うどぅん)の他、火災予防になるため集落のガー(井戸)などのウガンジュ(拝み処)を訪れる集落もあります。

<沖縄の旧暦行事☆かままーい(竈まわり)の流れ>
(1)集落のウガンジュ(拝み処)で火災予防の祈願をする(集落によって)
(2)集落内の家をまわり、家内の火元を点検(台所など)
(3)朱字で点検済みの印となる文字を書く(火の用心)
(4)家主は、点検済みの印として「火の用心」の紙を、<strong家の柱などに貼る

…毎年、沖縄の旧暦10月1日には、このような流れで「火の用心」を行ってきました。

今ではすっかり少なくなってしまいましたが、前述したように今でも、学校のPTAなどが主催して、全国的な「火の用心」の風習に倣い、子ども会などの集まりでカンカンと拍子木を鳴らし、集落を練り歩く姿も見受けます。

家庭で行う、かままーい(竈まわり)

家庭で行う、かままーい
ただ、一時はすっかり廃れてしまった沖縄の旧暦10月1日のかままーい(竈まわり)も、最近ではそれぞれの家庭で少しでも残そうと、小さな灯も見え始めてきました。

…とは言っても、大きな儀礼を行う訳ではありません。
「かままーい(竈まわり)」の拝みを行うことで、火の用心への意識を持とう、と言うような感覚です。

<沖縄の旧暦行事☆家庭でのかままーい(竈まわり)>
(1)ヒーマチヌウグァン(火災予防の御願)
(2)火の元(台所)の掃除
(3)ヒヌカン(火の神様)への拝み

ヒーマチヌウグァン(火災予防の御願)として、家庭単位で集落のウガンジュ(拝み処)を巡り、一年の火災予防を祈願する家庭も見受けます。

●ウガンジュ(拝み処)の一例
・ガー(井戸などの水どころ)
御嶽(うたき)
・御殿(うどぅん)
・村獅子(むらじし)

そして自宅では、かままーい(竈まわり)の時期とされる旧暦10月1日~3日頃[2022年10月25日(火)~27日(木)]を目安に台所の掃除を行う家は多いです。

・台所の掃除
・ヒヌカンの掃除
ヒヌカンの灰の処理

もともとは集落で行う沖縄の旧暦行事なので、家庭内での拝みは近年産まれたものですが、沖縄南部地方など、この数年で冬時期の火災が度々起こったこともあり、このような家庭が増えました。

※ヒヌカン(火の神様)の灰の掃除は、灰の底に神様が宿っているため、掃除の方法があります。詳しくは下記をご参照ください。
【沖縄ヒヌカン】ウコール(香炉)の灰☆神様を残す掃除の仕方

 

イスカバイ(衣替え)は旧暦10月1日

かままーいと同じ日に行う、イスカバイ
また、沖縄の旧暦10月1日[2022年10月25日(火)]は、かままーい(竈まわり)の行事として掃除を行う家庭が増えましたが、このタイミングで「イスカバイ(衣替え)」を行うことも、昔ながらの習慣です。

>沖縄の旧暦行事☆イスカバイ(衣替え)>
★ 沖縄の一部地域では、丁度季節の変わり目として寒くなり始める時期でもあるために、冬服に切り替える日を、沖縄では旧暦10月1日を基準とした前後1カ月とする中学校などもありました。

沖縄でも旧暦10月に当たる新暦11月前後は、急に寒くなる時期です。
全国的な習慣と同じく、翌月12月には冬至(トゥンジー)も行います。

全国的には亜熱帯で温かい南国のイメージがありますが、沖縄の人々は旧暦10月以降、急に寒くなる時期です。

 

今回は沖縄の旧暦10月1日[2022年10月25日(火)]に行われてきた沖縄の「火の用心」、かままーい(竈まわり)とイスカバイ(衣替え)をお伝えしました。

今ではすっかり、かままーい(竈まわり)を行う集落も少なくなりましたが、先の首里城火災などを受け、改めてかままーい(竈まわり)の日に御嶽(うたき)やガー(井戸など)を参拝したり、自宅でヒヌカン(火の神様)へ火災予防の祈願を行う家庭が増えています。
また最近では、冬時期にインフルエンザなどの感染病が広がるとして、感染症を予防する祈願として行う家も増えました。

台所やヒヌカン(火の神様)の掃除をしてスッキリさせ、火の元を用心する意識づけを行う様子が伺えます。

まとめ

沖縄10月の旧暦行事、かままーいとイスカバイ
●かままーい
・婦人会や自治会で集落の家々を廻る
・竈(かまど)などの火の元を点検する
・点検を終えると朱字で火の用心と書く
・家では朱字の火の用心を柱などに貼る
・地域の御嶽などで火災予防の祈願を行う
・自宅では台所の掃除を行う

●イスカバイ
・冬着への衣替えを行う


前の記事
次の記事

関連記事

【余命宣告】突然の告知でショック。冷静になるために心の5段階を知る
【余命宣告】突然の告知でショック。冷静になるために心の5段階を知る
【手元供養の体験談】火葬場で分骨して手元供養へ。愛用していたお菓子箱に
【手元供養の体験談】火葬場で分骨して手元供養へ。愛用していたお菓子箱に
沖縄で増えた分骨の手続きと予算の目安。埋葬した後も分骨はできるの?
沖縄で増えた分骨の手続きと予算の目安。埋葬した後も分骨はできるの?
コロナ禍に沖縄☆ジューサンヤ(十三夜)で繁栄の神様を迎え入れる
コロナ禍に沖縄☆ジューサンヤ(十三夜)で繁栄の神様を迎え入れる

カテゴリー

topへ戻る