【沖縄の風水】フンシ(風水)の良い家悪い家とは?フンシ(風水)の悪い家はどうする?

2023.02.23
【沖縄の風水】フンシ(風水)の良い家悪い家とは?フンシ(風水)の悪い家はどうする?

沖縄の「フンシ(風水)」とは歴史的に穢れのない土地や家、住人との相性が良い家を差し、良くすると運の風通しが良くなり、善き知らせ「果報」が訪れるとされます。今回は、沖縄でフンシ(風水)の良い家・悪い家、良くする7つの解決方法をお伝えします。

沖縄で「フンシ」とは風水を差し、本州の風水のように「西側にトイレがある」などではなく、その土地の歴史住む人との相性により、沖縄ではフンシ(風水)の良し悪しが決まります。

・沖縄でフンシ(風水)の良い家、悪い家とは?
・フンシ(風水)の悪い家を良くする方法は?
・状況別、フンシ(風水)の悪い家の拝み方
・沖縄の「フンシガミ(風水神)」とは?
・石敢當(イシグァントゥ)を祀る家は?

今回は沖縄で昔から伝わるフンシ(風水)の良い家、悪い家の判断方法や、沖縄でフンシ(風水)が悪い時に行う、自分達でできるお祓い方法をお伝えします。

沖縄のフンシ(風水)とは?

沖縄のフンシ(風水)とは?
●沖縄の「フンシ(風水)」とは、歴史的に穢れのない土地や家屋、住人との相性が良い家を差します

沖縄ではフンシ(風水)が良いとは言わず「相性の良い土地だった」などとも言うでしょう。

全国的にも風水(ふうすい)がありますが、沖縄のフンシ(風水)は「東側にラジオを置く」などではなく、穢れ(けがれ)のない土地、相性の良い土地などを表します。

<沖縄のフンシ(風水)とは?>
穢れのない土地や家屋
・住人との相性が良い

そして風通しが良くワッサビナサ(悪い事柄・穢れた事柄)が家に溜まらないよう、沖縄では年に3回の屋敷の御願を通して、フンシ(風水)の良い家に保ちます。

沖縄でフンシ(風水)の良い家

●沖縄ではフンシ(風水)が良い家に整えることで、家に悪いことが起こらず、住人にとって善き知らせ(果報)が入るとされます

沖縄でフンシ(風水)の良い家は「クガニヤシチ(黄金屋敷)」「ナンジャヤシチ(銀の屋敷)」となるでしょう。

沖縄ではフンシ(風水)の悪い家に住むと悪い人や悪い事柄を呼び、善い家に住むと良い人や良い事柄を呼ぶとされるため、昔の沖縄では引っ越し後、まずフンシ(風水)を整えました。

では、具体的に沖縄でフンシ(風水)の良い状態とは、どのようなことを差すのでしょうか。

<沖縄でフンシ(風水)の良い家とは?>
・陽当たりが良い
・風通しが良い
・湿気が少ない

このように気持ちの良い家に整えてフンシ(風水)を良くし、果報(善き知らせ)がよく入り家族が幸せに暮らす、住人がイライラしたり、うつ病などの心・頭の病にならない空間を作りました。

沖縄でフンシ(風水)の悪い家

●沖縄ではフンシ(風水)が悪いと、屋敷に結界が張られず、あらゆる厄災が浸入します

では沖縄でフンシ(風水)の悪く結界が緩んでいる土地にどのような厄災が浸入するのかと言えば、フンシ(風水)の良い家の反対です。

・ヤナカジ(悪い霊)、シタナカジ(穢れた霊)
クチナン(口からくる災難)
・クチグトゥ(口から口へと伝わる災い)
ニンヌグイ(年廻りに起きる災難)
・チチヌグイ(月廻りに起きる災難)

…もう散々ですね。
沖縄で年に3回の屋敷の御願が行われるのは、この厄災が浸入しないよう風通しを良くして、
フンシ(風水)の良い家に整える目的があります。

けれども定期的な家の掃除だけでは解決しない事柄が、「土地の歴史」による沖縄でのフンシ(風水)の良し悪しです。

<沖縄でフンシ(風水)の悪い家とは?>
(1)過去に災害や事故、事件があった
(2)過去の使用用途による問題
(3)水場を埋めた土地
(4)の埋め立て地
(5)立地環境による問題
(6)シジダカドゥクル(シジ高処)

ただ現代では、土地の歴史を知らずして住み始めることも多いですよね。
後から知ったところで、またすぐに引っ越す訳にはいきません。

そのため昔の沖縄では、フンシ(風水)の悪い状況によって、それぞれに御願(拝み事)を行ったり、「フンシガミ(風水神)」と言われる神様を敷地内に仕立てて祀りました。

●沖縄でフンシ(風水)を整えるタイミングとして、春と秋のお彼岸時期はおすすめです。
・春のお彼岸…2023年3月18日(土)~3月24日(金)
・秋のお彼岸…2023年9月20日(水)~9月26日(火)

それでは、沖縄でフンシ(風水)の悪い家を整える御願(拝み事)の手順をお伝えします。
家族でできることなので、不安があればハッキリと土地の歴史が分かっていなくても、試してみてはいかがでしょうか。

(1)過去に災害や事故、事件があった

(1)過去に災害や事故、事件があった
●過去に災害や事故の歴史があった土地は、集落の土地神様へ御願(拝み事)を行い、守護していただきます

沖縄に限らず全国的にも同じことが言えますが、その土地で事件や事故、災害により人が亡くなった場合には、フンシ(風水)の悪い家とされるでしょう。

<沖縄のフンシ(風水):災害や事故、事件>
・災害のあった(火事など)
・事故や事件などにより人が亡くなった

集落の神様は、その土地土地により異なります。
土地神様として土帝君(トゥーティークン)を祀っている集落もありますし、観音様である場合、ヒジュル(霊石)を祀った御嶽(うたき)の集落もあるでしょう。

ハーレーなど地域行事で拝まれる場所が集落のウガンジュ(拝所)ですが、分からなければ自治会などで尋ねてみると、教えてくれることが多いです。

<沖縄のフンシ(風水)①集落の神様へ報告>

「ウートゥートゥ、〇〇(集落のウガンジュの名前)ヌウカミガナシー、
○○○○(住所)に住むことになりました、○○(干支)の○○(性別)です。
(家族それぞれの干支、性別)

○○○○(住所)を今までお守りいただき、ありがとうございました。

今までの全てのワッサビナサ(悪い事柄穢い事柄)を祓いのけてください。

そして清浄な地にしていただき、この地に住む家族が和合し、健康で幸せに暮らせますよう、お見守りください。」

お線香はジュウゴフンウコー(十五本御香)です。
土地神様が司る土地に住むことになったこと、家族構成、干支をお伝えして、役所ではないですが、土地の戸籍に入れていただきます。

●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・ヒラウコー(平御香=沖縄線香)…タヒラ半(2枚半)

入居のご報告の御願(拝み事)により、土地神様との縁が繋がりましたので、今後も家族が増えた時、減った時には、その1年内に拝みに行くと良いでしょう。

(2)過去の使用用途による問題

[2]勝手にお墓を建てることは不可
●以前の使用用途が墓地や寺院など、悪しきものが集まりやすいとされた土地は、「ジーチアラタミヌウグァン(土地を改める御願)」を行います

ジーチアラタミヌウグァン(土地を改める御願)」とは、名前の通り、その土地を浄化し清浄にしていただき、土地を改めるご報告の御願(拝み事)です。

過去の使用用途によって、フンシ(風水)の悪い土地とされるものもあります。
特に人々の生命力が渦巻くヤシチ(屋敷)は、グソー(後生=あの世)と垣根を張らねばなりません。

この場合は土地の使用用途を変更する「ジーチアラタミヌウグァン(土地改め御願)」を行います。

<沖縄のフンシ(風水):過去の使用用途>
墓地
・寺院や教会
・病院
ゴミや排泄物を埋めていた土地

また、沖縄では製糖工場鍛冶屋(かじや)だった土地もフンシの悪い土地として避けられてきました。
こちらも土地変更を申し出ることで、ワッサビナサ(悪しき事柄・穢い事柄)を祓い、清浄にしていただきます。

<沖縄のフンシ(風水)②ジーチアラタミヌウグァン>

「ウートゥートゥ、〇〇(集落のウガンジュの名前)ヌウカミガナシー、

○○○○(住所)に住むことになりました、○○(干支)の○○(性別)の○○○(氏名)と、その結び(妻)、○○(干支)の○○(性別)の○○○(氏名)が、本日ジーチアラタミヌウグァン(土地改め御願)に参りました。

今までこの土地をお守りいただきありがとうございます。
クリカラ○○○○(住所)の土地は、住居として(その他、使用目的)、使用いたします。

今までの全てのワッサビナサ(悪い事柄穢い事柄)を祓いのけてください。
そして清浄な地にしていただき、この地に住む家族が和合し、健康で幸せに暮らせますよう、お見守りください。」

穢れた土地であったこの土地を、今までお守りいただいたことへの感謝もともに伝えてください。

(3)水場を埋めた土地

(3)水場を埋めた土地
●池や井戸を埋めた土地の歴史がある場合は、「ミジヌカミ(水の神)」へ報告します

その昔は沖縄に限らず、井戸から汲まなければなりません。
井戸が干上がると生きていくこともままならなくなりますので、沖縄ではガー(井戸)は生命を司る「ミジヌカミ(水の神)」と呼ばれる神様です。

●ミジヌカミ(水の神)は集落のガー(井戸)です

集落のミジヌカミ(水の神)は、命の神とも言われ、赤ちゃんが産まれると産湯に用いて、そのままこの赤ちゃんの成長を見守る神様でした。

そのミジヌカミ(水の神)を埋めることになるので、ご報告とお詫びの御願を行います。

集落を歩いていると、ガー(井戸)のウガンジュ(拝み処)を見つけますが、もしも分からない場合には、近所の高齢の人自治会の会長さんなどに訪ねてみると良いでしょう。

<沖縄のフンシ(風水):ミジヌカミ(水の神)への拝み>
③ウトゥワキウグァン(言い訳御願)
④ウスリウグァン(畏れ御願)

これから井戸や池を埋める場合には、集落のガー(井戸)へウトゥワキウグァン(言い訳御願)を行った後に行います。

すでに埋め立てられた土地に家を建てるならば、ウスリウグァン(畏れ御願)です。

③ウトゥワキウグァン(言い訳御願)

●「ウトゥワキウグァン(言い訳御願)」とは「言い訳」、理由を伝える拝みです

屋敷を建てるにあたり、古い井戸などを埋める場合には、①ウトゥワキウグァン(言い訳御願)をします。

<沖縄のフンシ(風水)③ウトゥワキウグァン>
・今まで土地を守っていただいた感謝を伝える
埋める理由をウトゥワキ(言い訳)する(「屋敷を建てますので」など)

神様を埋めるため、集落の神様へ埋める理由を伝えて理解していただきます。
ミジヌカミ(水の神)に供えるお線香は、基本的にはジュウゴフンウコー(十五本御香)です。

<ウトゥワキウグァンのお線香>
●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・沖縄線香(ヒラウコー)…タヒラ半(2枚半)

●ヒジュルウコー(冷たい線香)…火を灯さないお線香
・シルカビ(半紙)を下に敷く

ヒラウコーは日本線香6本分をくっつけて板状にしているので、半分は三本分を割って用意し、ヒジュルウコー(冷たい線香)で供えます。

④ウスリウグァン(畏れ御願)

●「ウスリウグァン(畏れ御願)」とはお詫びの拝みです

井戸や池を埋め立てた土地に家を建てる時には、お詫びの拝みである「④ウスリウグァン(畏れ御願)」を行います。

ウスリウグァン(畏れ御願)で供えるお線香は、ジュウナナフンウコー(十七本御香)です。

<沖縄のフンシ(風水)④ウスリウグァン(畏れ御願)>
・集落のウタキヌカミ(御嶽の神)
・ヤシキヌカミ(屋敷の神)

●お線香はウスリコーブン(畏れ香分)
・日本線香…17本、もしくは4本+1本+1本(6本)
・沖縄線香(ヒラウコー)…タヒラ(2枚)+半ヒラ(半分)+1/3ヒラ(2本分)

家族の住所と干支、性別、氏名をお伝えして、「どうぞここで暮らしを営ませてください。」とお願いをします。

 

(4)海の埋め立て地

(4)海の埋め立て地
●「リュウグヌカミ(竜宮の神)」へ拝みます

池や井戸を埋め立てた土地の場合はミジヌカミ(水の神)への拝みですが、を埋め立てた土地に家を建てる場合には、海の神様であるリュウグヌカミ(竜宮の神)へ報告します。

<沖縄のフンシ(風水)⑤リュウグヌカミ>

「ウートゥートゥ、〇〇(神様の名前)ヌウカミガナシー
○○(干支)の○○(性別)の○○○(氏名)と、その結び(妻)、○○(干支)の○○(性別)の○○○(氏名)が、拝んでおります。

このたび、○○○○(住所)の土地を、住まい(使用目的)として使わせていただくことになりました。
どうぞ家族平穏に住まわせて(使わせて)いただきますように。」

リュウグヌカミ(竜宮の神)は沿岸沿いにある、小さな祠であることが多でしょう。

ワンカップなどのお酒お水、シルカビ(半紙を千切ったもの)、お米であるカラミハナ(花米)なども用意して供えると、尚良いです。

シルカビについては下記に詳しいです。
【沖縄の御願】ヒラウコーの供え方と、シルカビ・ウチカビ

 

フンシガミ(風水神)や石敢當

沖縄で春彼岸に行う屋敷の御願
●「フンシガミ(風水神)」とは、敷地を守護する土地神様です

一般的には沖縄でもフンシガミ(風水神)を祀る家は少ないですが、前に住んでいた人が亡くなっていた、墓地だったなど、住人が不安に思う土地柄の場合、フンシガミ(風水神)を仕立てて祀る家があります。

例えば下記のような沖縄の家庭で、フンシガミ(風水神)を仕立てます。

<沖縄でフンシガミ(風水神)を仕立てる家>
(1)シジダカドゥクル(シジ高処)
(2)フタバ
(3)前の居住者が亡くなっている

沖縄でフンシガミ(風水神)は、敷地の庭の片隅に祠として祀られます。
屋敷だけが解体され、道脇にフンシガミ(風水神)の祠のみがある場合もあるでしょう。
それでは、それぞれについて詳しく解説します。

(1)シジダカドゥクル(シジ高処)

●「シジダカドゥクル(シジ高処)」のシジは霊力なので、「霊力が高い場所」です

住む家族がシジダカー(霊力が高い)になり苦しんでいる、もともとその土地が、ウタキヌカミ(御嶽の神)があった土地なども挙げられます。

<沖縄のフンシ(風水):シジダカドゥクル>
ウタキヌカミ(御嶽の神)
・ジャグン(神座根)
・住む家族がシジダカー(霊力が高い人)になり苦しんでいる

…などなどです。
ジャグン(神座根)とは、神様が座する場所を差し、セジ(霊性)の源とも言えます。

(2)フタバ

●「フタバ」とは、沖縄で風葬があった土地や墓地など、亡くなった人が葬送されていた土地です

歴史的に亡くなった人が埋まっている可能性があるなど、不安がある場合も、沖縄ではフンシヌカミ(風水の神)を仕立てる家があるでしょう。

(3)前の居住者が亡くなっている

前の居住者がすでに亡くなっている場合、沖縄では後から住む人がフンシガミ(風水神)を仕立て、フンシガミ(風水神)を通して住む許しをいただきます。

知らずに家を建てた場合

知らずに家を建てた場合
●沖縄ではフンシ(風水)の悪い土地だと知らずに家を建てた時、フンシガミ(風水神)を仕立てました

特に前述した3つの土地(シジダカドゥクル/フタバ/前の居住者が亡くなっている)に知らずに住んでいた時、沖縄ではフンシガミ(風水神)を仕立てて、丁重にクトゥワキヌウグァン(言い訳の御願)を行います。

<沖縄のフンシ(風水):知らずに家を建てた>
フンシガミ(風水神)を敷地内に仕立てる
クトゥワキヌウグァン(言い訳の御願)を行う

クトゥワキヌウグァン(言い訳の御願)は水場を埋め立てた家でもお伝えしましたが、沖縄でフンシガミ(風水神)を仕立てる時には、お供え物も用意して、より丁寧に行うため、手順が少し変わるでしょう。

①クトゥワキヌウグァン(言い訳の御願)のお供え物

●神様へのお供え物、お米やお酒、ウチャヌクを供えて拝みます

沖縄では屋外の御願(拝み事)において「ビンシー(瓶子)に整える」とする人もいますが、必ずしも必要ではありません。
家にあるお盆でも良いので、下記のお供え物を供えます。

<クトゥワキヌウグァン:お供え物>
・ウサク(お酒)
・カラミハナ(花米/乾いたお米)・2皿…
・アライミハナ(洗い米/七回すすいだお米)…1皿
・ウチャヌク(白もちの三段重ね)…3組

●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・ヒラウコー(平御香=沖縄線香)…タヒラ半(2枚半)

ウサク(お酒)はワンカップのお酒などでも良いのですが、従来通りにするならば、一対の徳利と、その中央におちょこに注いだウサク(お酒)を整えて供えます。

①クトゥワキヌウグァン(言い訳の御願)

●クトゥワキヌウグァン(言い訳の御願)では、知らずに建てたことを報告します

一般的な家庭で行う沖縄の屋敷の御願なので、現代の言葉で心を込めてお伝えすれば良いのですが、下記のような事柄をお伝えください。

<クトゥワキヌウグァン:報告すること>
家族の氏名、干支、性別
・今日はクトゥワキヌウグァン(言い訳の御願)をしている
・この土地をお守りいただいている感謝
・この土地に家を建てる理由
(「土地の由来を知らずに建てた」など)
・敷地を守護いただくよう、祈願する

また、いずれも死者が関わる、霊が集まりやすい土地になるので、「般若心経を唱えて供養した」「お坊さんに依頼して読経供養を依頼した」など体験談もありました。

直接断りができない場合

●前入居者が亡くなっていた場合、沖縄ではフンシガミ(風水神)に通していただき、亡くなった本人へお断りの御願をします

こちらもお線香の本数はジュウゴフンウコー(十五本御香)で、ウトゥワキヌウグァン(言い訳の御願)と同じ流れです。

<クトゥワキヌウグァン:故人へのお断り>
「どうぞこの土地に私達家族を住まわしていただきますように
そしてこの土地に住む家族が、長く平穏に暮らせますよう、お見守りください。」

と亡き魂へご報告するとともに、沖縄ではフンシヌカミ(風水の神)へ、土地の浄化今後の屋敷の守護をお願いします。

フンシガミ(風水神)の拝み

沖縄で春彼岸に行う屋敷の御願
●沖縄でフンシヌカミ(風水の神)を仕立てたら、家族がその土地に平穏に暮らしていることへの感謝を、定期的に捧げます

…とは言え、一般的な沖縄で行う屋敷の御願と一緒に、フンシヌカミ(風水の神)へも廻ると良いでしょう。

<沖縄でフンシヌカミ(風水の神)への拝み>
①屋敷の御願
②旧暦1日・15日
③タティウグァン(立ち御願)

全ての暦で感謝を捧げる訳ではなく、以上が良いタイミングですので、このなかから年に1~2回、感謝をお伝えします。

①屋敷の御願

沖縄でヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行う時期は、下記3つのタイミングです。

・旧暦12月24日
・旧暦二月(ニングァッチウグァン)
・旧暦八月(ハチグァッチウグァン)

昔の沖縄では屋敷の御願を、旧暦二月と八月入ってすぐの10日間以内に行ってきた家や集落も多かったようですが、最近では春と秋のお彼岸時期を目安としています。

※拝む時の供え物や拝み方は、下記をご参照ください。
【沖縄の春彼岸】お彼岸に行う屋敷の御願とは?六柱の神々と十ヶ所の拝み処

 

②旧暦1日・15日

沖縄の屋敷の御願ではフンシヌカミ(風水の神)に、毎月旧暦1日と15日に感謝を捧げる家もあります。

③タティウグァン(立ち御願)

●旧正月明けの旧暦1月1日~12日、十二支の干支の日が廻る間に、一年の祈願である「タティウグァン(立て御願)」を行う家もあるでしょう

「タティウグァン(立て御願)」と言う家もあれば、「ウグァンタティ(御願立て)」などと言う集落や家もあります。

●沖縄ではフンシヌカミ(風水の神)に行うタティウグァン(立て御願)では、受験合格や立身出世など、特別な祈願事をするのではありません。
この一年、この土地に住む家族が無事に平穏に暮らすことができるよう、祈ります。

そして沖縄でフンシヌカミ(風水の神)にタティウグァン(立て御願)を行う家では、年末の旧暦12月24日に「フトゥチウグァン(解き御願)」を行う家が多いです。

石敢當(イシグァントゥ)

石敢當(イシグァントゥ)
●沖縄で石敢當(イシグァントゥ)が祀られる土地は、主にT字路など、道路の突き当りにあたる土地です

勢いよく直線に進んだヤナムン(悪霊)やマジムン(魔物)が、その突き当りに溜まると言われてきました。

石敢當(イシグァントゥ)を突き当りに祀ることで、ヤナムン(悪霊)やマジムン(魔物)を跳ね返し、侵入を防ぐためです。

また石敢當(イシグァントゥ)は石碑である必要はなく、ただその文字を刻むだけでも効力が発揮されるとされています。

ヒヌカン(火の神様)に繋いでいただく

沖縄で広がる、ヒヌカンへの日々の手入れ
以上が沖縄で屋敷の御願に、フンシヌカミ(風水の神)を祀る事例ですが、このような良い屋敷にする拝み事が、「ウチゴーカナミ(御都合要)」です。

●ウチゴーカナミ(御都合要)
…生じた問題に柔軟に対応して、不安事にけじめをつける拝み事を差します。

そのためフンシ(風水)が良くない土地と知らず家を建て、ウチゴーカナミ(御都合要)を必要とした家であれば、家やその家に住む人々を守護する最高位の神として、ヒヌカン(火の神様)を仕立てると、尚良いでしょう。

ヒヌカン(火の神様)を仕立てると、それ以降はヒヌカンを通した拝みも可能です。

 

最後に

以上が沖縄で屋敷の御願に伝わる、フンシ(風水)の悪い家を良い家にする御願です。
また湿気が強く風が通りにくい土地などは、日ごろから清潔に保ち、年に三回の屋敷の御願を欠かさず行ってきました。

屋敷の御願は運が悪く感じた時にいつでも行うことはできますが、旧暦12月24日、春彼岸の七日間、秋彼岸の七日間の3つの時期が基本です。

屋敷の御願については下記をご参照ください。
【沖縄の春彼岸】お彼岸に行う屋敷の御願とは?六柱の神々と十ヶ所の拝み処

また家とその家族を守護する沖縄のヒヌカン(火の神様)も、個々の家族の平穏な暮らしを守る心強い存在です。

 

まとめ

沖縄でフンシ(風水)の良い家にする方法
●5つの御願
(1)集落の神様へ報告する御願
・火事など災害のあった土地
・事故や事件などにより人が亡くなった土地

(2)ジーチアラタミヌウグァン(土地改め御願)
・墓地
・寺院や教会
・病院
・ゴミや排泄物を埋めていた土地

(3)ウトゥワキウグァン(言い訳御願)
(4)ウスリウグァン(畏れ御願)
・水場を埋めた土地

(5)リュウグヌカミ(竜宮の神)への拝み
・海の埋め立て地

●フンシガミ(風水神)を仕立てる
(1)シジダカドゥクル(シジ高処)
・ウタキヌカミ(御嶽の神)
・ジャグン(神座根)
・住む家族がシジダカー(霊力が高い人)になり苦しんでいる
(2)フタバ
・人が葬送されていた土地
(3)前に住んでいた人が亡くなっている

●拝み方
(1)知らずに屋敷を建てた場合
・クトゥワキヌウグァン(言い訳の御願)
(2)直接断りができない場合
・フンシヌカミ(風水の神)を通して許可を得る

●仕立てた後に拝む
(1)屋敷の御願
・旧暦12月24日
・旧暦二月(ニングァッチウグァン)
・旧暦八月(ハチグァッチウグァン)
(2)旧暦1日・15日
(3)旧正月初めにタティウグァン(立ち御願)

●石敢當(イシグァントゥ)は道の突き当り

●ヒヌカン(火の神様)に御守護いただく


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