コロナ禍に沖縄☆ジューサンヤ(十三夜)で繁栄の神様を迎え入れる

2021.10.04
コロナ禍に沖縄☆ジューサンヤ(十三夜)で繁栄の神様を迎え入れる

沖縄では、ジューサンヤ(十三夜)祈願を毎年行う家庭も多いですよね。特に新型コロナ到来以降、不安定な経済状況を少しでも払拭する意味合いを込めて、関帝王を迎える家庭が増えています。今回は、ジングトゥ(金銭)の神様、商売の神様として信仰される関帝王の縁日、ジューサンヤ(十三夜)のお参りや迎え入れについてお伝えします。

昔ながらの旧暦行事が残る沖縄では、ジューサンヤ(十三夜)の祈願を大切にしている家庭も多いですよね。沖縄でジューサンヤ(十三夜)を行う旧暦九月十三日、2021年は10月18日です。

沖縄ではジューサンヤ(十三夜)は、那覇市首里や久米を中心に信仰されてきました。関帝王を床の間に迎えた家では、縁日(三十秘仏で縁のある日)旧暦九月十三日にお参りに行きます。

ただ、那覇市首里や久米方面では、昔から床の間に関帝王をお祀りする家庭が今も残っているものの、関帝王が商売の神様として知られるため、新型コロナ到来以降は、不安定な経済状況を少しでも払拭する意味合いも込めて、改めて関帝王を迎える家庭も増えています。

今回は、ジングトゥ(金銭)の神様、商売の神様として信仰される関帝王の縁日、沖縄のジューサンヤ(十三夜)のお参りや迎え入れについてお伝えします。

関帝王が祀られる天尊廟

商売繁盛の神様、関帝王への拝み
関帝王は沖縄県若狭、波の上神宮の近くの天尊廟(てんそんびょう)に、天尊(九天応元雷声普化天尊)、龍王様とともに祀られています。

【 沖縄のジューサンヤ(十三夜)☆関帝王信仰 】

★ かつて中国から沖縄へ移住した職能集団「久米三十六姓」と共に信仰の対象としてやってきた関帝王は、沖縄ではジングトゥ(金銭)の神様です。

→ 「クヮンティンオー」と呼ばれ、「お金の悩み事があれば、まずはクヮンティンオーの元へ」とも言われていました。

※ そのため、現代でも「商売や金銭を司る神様」として、昔から関帝王を祀る家庭のみならず、経営者や商売をする家庭で祀られてきました。

その昔の沖縄では「トゥクヌカミ(床の間の神様)」として、関帝王の他に家族の健康を司る観音様など、その家々で床の間に神様を迎え入れ祀る風習があります。

ただ、近年ではそもそも床の間がない家庭も増えました。

近年の不安定な経済状況のなか改めて見直されるようになるなか、リビングの隅などに小さなモダン仏壇ミニ祭壇を設け、拝み処を設ける家庭が多いです。

【 沖縄のジューサンヤ(十三夜)☆天尊廟へのアクセス 】

★ アクセスは天尊廟を管理している一般社団法人久米崇聖会で確認できます。
(https://kumesouseikai.or.jp/)

天尊廟内には正面に天尊様、関帝王様のお隣には龍王様がいらっしゃいますので、神々様へご挨拶をしながら、関帝王様へ拝みを捧げてください。

家庭にジングトゥ(金銭)の神様を迎え入れる

商売繁盛の神様、関帝王への拝み
ジングトゥの神様として関帝王を迎え入れるのであれば、五九正月のなかでも最も縁が深いとされる九月の縁日、旧暦九月十三日に関帝王へお参りをして、来ていただく方法が良いのではないでしょうか。

【 沖縄のジューサンヤ(十三夜)☆お出迎えの御願 】

★ 関帝王へのお参りでは、ウサク(お酒)を一対と花米/洗い米/花米を差し出して御願を始めます。

(1) シルカビ(半紙を四つ切にして、さらに二つに折ったもの※)の上に、火を灯さずにお線香を置いてください。

※ カバシウコー(香り線香=日本線香)であれば4本、若しくは12本、ヒラウコー(沖縄線香)ならタヒラ(2枚)を拝します。

(2) 家長の住所と干支、一緒に拝みに来た家族の干支を伝え(妻であれば「結び」と関係性まで)、家に迎え入れたい旨をお伝えしてください。

(3) 拝したヒラウコーを家に持ち帰り、自宅で沖縄のジューサンヤ(十三夜)の拝みを行います。(詳しくは次項でお伝えしますので、コチラを参考にしてください。)

特に沖縄でジューサンヤ(十三夜)の拝みが「月が昇り出す時刻」を目安に拝むとされてきました。家にお迎えをする時間は月が昇り出す時刻を目安に、一連の流れを進めてみてください。

家庭での拝み

コロナ禍に沖縄☆ジューサンヤ(十三夜)で繁栄の神様を迎え入れる
沖縄ではジューサンヤ(十三夜)の拝みに限らず、観音様へのジューハチヤ(十八夜)なども含めて、「正五九月」の忌み月にお参りをするとされてきました。

そうなるると正月(一月)/五月/九月の年3回ですが、多くの家庭で最も縁深いとされる九月のみ、お参りを行う傾向があります。

特に旧盆や秋彼岸を終えて、ヤナムンやチガリムン(餓鬼や悪霊など)が増える頃ともされ、お祓い行事も多い時期なので、この月は意識する人々が多かったのかもしれません。

いずれにしても関帝王様を迎え入れた後でも、正月/五月/九月と年三回のお参りは必ずしも必要なく、旧暦九月十三日をお参りの日とする家庭が多い傾向ですが、この日もヒヌカン(火の神様)を通した遥拝(ようはい=遠くから拝むこと)祈願が増えました。

【 沖縄のジューサンヤ(十三夜)☆家庭での拝み 】

★ 昔ながらの沖縄の家では床の間に関帝王の掛け軸や彫刻を祀ってきましたが、現代ではそうとも限りません。小さなミニ祭壇を作り、香炉を設けて香炉の灰を依り代としていただく家庭が多いです。

・ウサク(お酒)
・果物の盛り合わせ
・菓子の盛り合わせ

※ お線香はカバシウコー(香り線香=日本線香)であれば4本、若しくは12本、ヒラウコー(沖縄線香)はタヒラ(2枚)を拝します。

(迎え入れた家庭では、お参りで差し出したお線香を拝してください。)

コチラも月が昇る頃を目安に拝みますので、関帝王への参拝があるならば、この時の拝みを軸に時間を逆算すると良いでしょう。迎え入れる際には、玄関の扉を開けて御願を行う家庭もあります。

日ごろのお見守りと感謝をお伝えし、お陰様で家族みなが健康に食べる運をいただいていることを報告します。その上で今後も変わらぬお見守りと、更なる家族の繁栄、商売繁盛、健康を祈願してください。

ヒヌカン(火の神様)同様、香炉を神様の依り代として、掛け軸や彫刻を祀らない家庭が増えましたが、拝みの対象として琉球ガラスなどを祀るケースも見受けます。(イラスト参照)

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で信仰の深いジューサンヤ(十三夜)、関帝王への拝み方とともに、新たにジングトゥ(金銭)の神様である関帝王を迎え入れる方法をお伝えしました。

沖縄のジューサンヤ(十三夜)旧暦九月十三日、2021年は10月18日です。

2020年の新型コロナ感染拡大の影響で、沖縄でも経済的に不安な状況が続くなか、昔ながらの沖縄の御願行事や信仰が見直されるようになりました。

手元供養などで使用される、ミニ祭壇やおしゃれなモダン仏壇などを祭壇とし、神様を迎え入れることで、現代の住まいや暮らしとも相性の良い、新しい拝みの形が増えています。

あくまでも信仰の世界ではありますが、それでも、その信仰のお陰で、日々の暮らしや経済的な安定を維持できている、と感じる声は多いです。

未来を信じるひとつの手段として、沖縄のジューサンヤ(十三夜)をきっかけに神様を迎え入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ジューサンヤ(十三夜)に関帝王を迎え入れる

・旧暦九月十三日は2021年10月18日
・関帝王は金銭や商売の神様
・経済的に不安定ななか、新たに迎える家が増えた
・関帝王は天尊廟(那覇市)にいる
・天尊廟には関帝王の他、天尊様と龍王様がいる
・関帝王に火を灯さないお線香に移ってもらう
・家に持ち帰り香炉に拝して、迎え入れる


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