沖縄には、旧暦に基づいた独自の行事が数多く受け継がれています。そのひとつが、旧暦9月13日に行われる「十三夜(ジューサンヤー)」です。
●今年の旧暦9月13日は、2026年10月23日(金)です。
…本州では十五夜に続く「二度目の名月」としてお月見を楽しむ日ですが、沖縄では繁栄や商売繁盛、家族の健康を祈願する拝みの日として根付いてきました。
かつては床の間に関帝王や観音様を祀り、月の昇る時刻に合わせて御願を行いましたが、現代ではミニ祭壇や香炉を用いるなど、住まいに合わせた形で続けられています。
本記事では、沖縄の十三夜の由来や拝み方、本州との違いをわかりやすく解説し、未来に残したい旧暦行事としての魅力を紹介します。
※このコラムは、沖縄の供養・仏壇に関するご相談(供養の窓口)を通じて、多くのご家族に寄り添ってきた供養ギャラリーが解説しています。本記事では記事内で自社サービスをご紹介する場合があります。(2026年8月27日更新)
沖縄の十三夜(ジューサンヤー)とは

旧暦9月13日に行う繁栄祈願
◇沖縄の「十三夜(ジューサンヤー)」は、旧暦9月13日に行われる繁栄祈願の行事です。
本州では十五夜に続く「二度目の名月」としてお月見を楽しみますが、沖縄では金銭の神様・商売神として信仰される関帝王への拝み日として根付いてきました。
特に那覇市久米や首里では、古くから関帝王を床の間に祀り、この日にお参りをして家計の安泰や商売繁盛を願う風習が続いています。
●沖縄の十三夜(ジューサンヤー)は旧暦9月13日、2026年10月23日(金)です。
…ちなみに旧暦1月・5月・9月の13日が関帝王の縁日にあたるため、毎年3回訪れます。
拝みは月が昇り始める時刻を目安に行い、家族の健康・繁栄を祈願するとともに、日頃のお守りに感謝を伝える大切な機会とされてきました。
昔からの風習と地域性
◇◇かつての沖縄では「トゥクヌカミ(床の神様)」として、床の間に関帝王や観音様の掛け軸を祀る家が多くありました。
そのうち関帝王を祀る家庭では、関帝王の縁日13日にちなんで、旧暦9月13日には、
・お酒(ウサク)
・お米(花米・洗い米)
・果物(ナイムン)
・お菓子
を供え、線香を立てて拝みを行います。
【お線香はジュウニフンウコー(十二本御香)】
・日本線香…12本、または4本(簡易版)
・沖縄線香(ヒラウコー)…タヒラ(2枚)
を用いるのが伝統的な形です。
現代では床の間のない家庭も増え、小さなモダン仏壇や香炉を依り代として祀る方法が広がっています。それでも旧暦9月13日の十三夜には、沖縄独自の拝みを通じて、
・家族の繁栄
・商売繁盛
・健康祈願
を願う風習が脈々と受け継がれてきました。
沖縄の「縁日」とは?

全国の縁日と沖縄の違い
◇「縁日(えんにち)」とは、特定の神仏とご縁が深まる日を指します。
全国的には、
・観音様なら18日
・不動明王なら28日
・大日如来なら28日
…といったように、仏さまごとに決まった日があり、寺社ではその日にお参りをすると特に功徳があるとされてきました。
本州では縁日に合わせて門前町や境内に屋台が立ち並び、参拝とともに賑わいを楽しむ「市」の役割も果たしています。
一方、沖縄の縁日は本州のように寺社の市を楽しむというよりも、家庭や地域で神仏に拝みを捧げる日として根付いています。特定の日付にお供え物や線香を整えて祈願し、日頃の感謝や家族の健康、繁栄を祈ることが重視されてきました。
[縁日とは]
・縁日の本来の意味とは?観音菩薩や大黒天の縁日はいつ・なにをする?お祭りとの違いは?
十三夜(関帝王)と十八夜(観音様)の縁日
◇沖縄で代表的な縁日のひとつが、旧暦13日の「十三夜(ジューサンヤー)」です。
商売神・金銭の神として信仰される関帝王の縁日であり、旧暦1月・5月・9月の13日に拝みを行います。
特に旧暦9月13日は繁栄祈願の日として家庭でも大切にされ、天尊廟に参拝する人々も多く見られます。
●観音様の縁日は旧暦18日、沖縄では「十八夜(ジューハチヤー)」と呼ばれます。
観音様は子育てや安産、家族の健康を守る存在として信仰され、旧暦1月・5月・9月の18日に拝みを捧げる風習があります。
つまり、沖縄の十三夜と十八夜は、それぞれ
・関帝王=金銭繁栄
・観音様=子育て守護
…と役割が分かれており、共通して「正五九月」の忌み月に行うことで厄を祓い、生活の安定や家族の幸せを祈る行事として受け継がれてきました。
十三夜の拝み方とお供え物

お供え物の基本(酒・米・果物・菓子)
沖縄の十三夜(ジューサンヤー)の拝みでは、関帝王に感謝を伝え、家族の繁栄や商売繁盛を願って決まったお供え物を整えます。
【基本のお供え】
・徳利に入れたお酒と盃を一対
・果物(ナイムン)の盛り合わせ
・お菓子(ムイグァーシ)の盛り合わせ
果物はりんご・みかん・バナナがよく選ばれ、子孫繁栄や家庭円満を象徴します。菓子は地元の菓子や季節のものを盛り合わせ、神様に喜んでいただけるように整えます。
●お線香を供える本数は「十二本御香(ジュウニフンウコー)」
・日本線香なら12本、もしくは簡略して4本
※小さな香炉では、多く供えると割れることがあります。状況に合わせて判断しましょう。
・沖縄線香(ヒラウコー)なら2枚(タヒラ)
…が基本です。
※上記の図解イラストを参考にしてください。
拝みの時間は「月が昇る頃」
◇十三夜の拝みは、月が昇り始める時刻を目安に行うのが古くからの習わしです。
夜空に月が顔を出す瞬間を神聖な時と捉え、その光とともに祈りを届けることで、ご加護がいただけると信じられてきました。
拝む際には、床の間に関帝王の掛け軸を祀る家では掛け軸の前に、床の間がない家ではリビングなどに設けた小さな祭壇や香炉の前にお供え物を並べます。
玄関を開けて神様をお迎えする家庭もあり、家族そろって感謝と繁栄の祈りを捧げる十三夜の拝みは、今も沖縄に息づく大切な旧暦行事です。
お供え物に込められた意味
十三夜で供えるお酒・米・果物・菓子には、それぞれに象徴的な意味が込められています。
【お供え物に込められた意味】
・お酒…神仏への献上品
(神聖な場を清める役割)
・米…豊穣や家計の安定
(花米や洗い米として供えることで「実りが続くように」との願いを託す。)
・果物…自然の恵みを象徴
(家庭に豊かさをもたらすものとして供えられてきた。)
・菓子…子孫繁栄や家族の絆を象徴
(特に子どもたちの健やかな成長を願う意味合い。)
こうした供え物は単なる形式ではなく、祈願の内容を目に見える形に表したものであり、「拝みの心」を具体的に伝える役割を持っています。十三夜の拝みでは、供え物の一つ一つに込められた意味を思いながら手を合わせることが大切とされています。
床の間に祀られてきた掛け軸

トゥクヌカミ(床の神様)としての掛け軸信仰
◇かつての沖縄の家には「床の間(トゥクヌマ)」があり、そこは単なる飾りの空間ではなく、神仏を祀る神聖な場所とされていました。
…床の間には掛け軸が掛けられ、その掛け軸を「トゥクヌカミ(床の神様)」として拝む信仰が広く見られました。
特に十三夜や十八夜などの縁日には、この床の間を通して神仏に祈りを届けることが家庭の大切な役割でした。
関帝王・観音様・七福神など家庭ごとの祈願事
◇床の間に掛けられる掛け軸は、関帝王や観音様だけでなく、七福神や鶴亀の図、干支や山水画など、家庭の願いに合わせて選ばれました。
(掛け軸の例)
・商売を営む家…関帝王の掛け軸
・子どもの健やかな成長を願う家…観音様
・長寿や繁栄を願う家庭…鶴亀の掛け軸
…を飾るなど、それぞれの暮らしや祈願ごとに神仏画が用いられました。
掛け軸は家宝として代々受け継がれ、家族の信仰と絆をつなぐ役割を果たしてきたのです。
現代は床の間が減りミニ祭壇へ
現代の住宅では床の間が設けられることは少なくなり、掛け軸信仰の形も変化しています。
●近年では、モダン仏壇や小さな香炉をリビングに置き、ミニ祭壇として関帝王や観音様を祀る家庭が増えています。
…琉球ガラスや小物を取り入れ、インテリアの一部として祈りの空間を整える工夫も見られます。
伝統的な床の間は減っても、家庭の形に合わせて祀る方法が生まれており、「神仏を敬い、日々の暮らしを守っていただく」という心は今も変わらず受け継がれています。
【スタッフのマメ知識|関帝王を祀ることにしたスタッフの体験談】
分譲住宅で床の間がなかったため、リビングの棚の上に、B5サイズほどの小さな祭壇を設けて関帝王をお祀りしています。手元供養用の小さな台と香炉、花立だけのシンプルな拝み処です。
●毎日、日本線香を1本お供えし、お水やお酒を交換しながら拝んでいます。
旧暦1月・5月・9月には、季節の果物とお菓子もあわせてお供えし、家計の安泰を祈願しています。
香炉が小さいため、沖縄線香のヒラウコー(平御香)だとすぐに灰がいっぱいになりこぼれてしまい、日本線香で代用しています。普段は1本、縁日にあたる旧暦13日には4本をお供えするようにしています。
[ミニ仏壇を床の間に見立てる]
・沖縄でミニ仏壇を床の間に見立てる☆祀る神様仏様とは
・沖縄でミニ仏壇が広がるのはなぜ?意外な5つのニーズとは
[トゥクヌカミ(床の神)とは]
・家計を守る沖縄の現世利益の神様「トゥクシン(床の神)」とは?ヒヌカンとは何が違う?
天尊廟で行う十三夜の参拝

天尊廟と関帝王信仰
◇沖縄で十三夜(ジューサンヤー)の拝みを行う際には、那覇市若狭にある天尊廟(久米至聖廟)へ参拝する家庭も多いです。
…特に関帝王を迎え入れる最初の十三夜では、迎え入れの儀式として天尊廟まで出掛ける家族も見られます。
天尊廟には道教の最高神・天尊や龍王様とともに、商売神・金銭の神として信仰される関帝王(クヮンティンオー)が祀られており、首里や久米の人々を中心に旧暦9月13日の縁日には祈願を捧げてきました。
天尊廟の場所とアクセス
◇天尊廟は、那覇市若狭1丁目、波の上宮のすぐ近くに位置しています。
…久米三十六姓の人々によって祀られた歴史を持ち、現在は一般社団法人久米崇聖会が管理しています。
参拝時間は午前9時から午後5時まで、公式サイトから詳細を確認することもできます。観光客でも立ち寄りやすい立地であり、地元の人々の信仰の場として今も大切に守られています。
参拝の手順とお供え物
◇参拝の際は、まずウミキ(御神酒=お酒)や果物・菓子の盛り合わせを供えます。
…お線香は「ヒジュルウコー(火を灯さない線香)」を立てて祈ります。
【お線香の本数は「ジュウニフンウコー(十二本御香)」】
・日本線香…12本、もしくは4本(簡易版)
・沖縄線香(ヒラウコー)…2枚(タヒラ)
…が基本です。
供えた線香はシルカビ(白紙)に包み、白い封筒に入れて持ち帰りましょう。
家庭に迎え入れる拝み方
◇持ち帰ったお線香は、自宅の香炉に移して火を灯し、家族で拝みを行います。
…玄関を開けて関帝王をお迎えする家庭もあり、これにより関帝王を家庭に迎え入れることができます。
●以後は毎年の十三夜に感謝と繁栄の祈願を続けていきます。
…拝み終える頃に月が昇るのが理想とされ、日中に天尊廟で参拝を済ませ、夜に家庭で十三夜の拝みを行うのが一般的な流れです。
[沖縄の関帝信仰とは]
・【2026年版】沖縄の関帝王|商売神の縁日『十三日』と商売繁盛祈願
本州のお月見「十三夜」との違い

十五夜と十三夜の「二度の名月」
◇本州で言う「十三夜」は、旧暦9月13日の夜に月を鑑賞するお月見行事です。
…中秋の名月(十五夜)に続くことから「後の月見」とも呼ばれ、十五夜と合わせて月を楽しむ習慣があります。
●両方をそろえてお月見することを「二度の名月」と言い、どちらか一方だけだと「片見月」とされ縁起が悪いと伝えられてきました。
お供えには豆や栗、収穫物を用いることが多く、豊作に感謝しながら秋の夜長を楽しむ行事として定着しています。
沖縄の十三夜は「繁栄祈願の拝み」
◇沖縄の十三夜(ジューサンヤー)は、お月見ではなく祈願行事として伝わってきました。
…旧暦1月・5月・9月の13日は、金銭の神様・商売神として信仰される関帝王の縁日であり、特に旧暦9月13日には家族の繁栄や商売繁盛を祈る拝みが行われます。
お供え物はお酒と果物やお菓子の盛り合わせで、お線香は「十二本御香(ジュウニフンウコー)」と呼ばれる日本線香12本、あるいは沖縄線香(ヒラウコー)2枚を供えるのが基本です。
●拝みは月が昇り始める時刻を目安に行い、日頃のお守りへの感謝とともに健康や家計の安定を祈願します。
このように、本州の「月を愛でる十三夜」とは異なり、沖縄の十三夜は神仏への拝みを通じて繁栄を願う独自の信仰行事として受け継がれているのです。
沖縄の観音信仰とのつながり

観音様の縁日「十八夜」とは
◇沖縄では、観音様の縁日は旧暦18日とされ「十八夜(ジューハチヤー)」と呼ばれます。
…特に旧暦1月・5月・9月の18日は、子どもの健やかな成長や安産、家庭円満を願う日として大切にされてきました。
【家庭でのお供え物】
●お供え物
・花米(お米)
・洗い米(7回濯いだお米)
・果物の盛り合わせ
・徳利2本と、中央に盃に入れたお酒
●お線香=十五本御香(ジュウゴフンウコー)
・日本線香…15本、もしくは5本(簡易版)
・沖縄線香(ヒラウコー=平御香)…2枚半(タヒラ半)
…を立てて拝みます。
観音様は子どもを守る仏様「仏親」として信仰され、女性や母親たちを中心に親しまれてきました。
関帝王と観音様の役割の違い
◇沖縄の家庭信仰では、関帝王と観音様はそれぞれ異なる役割を担ってきました。
・関帝王は「商売繁盛・金銭の守護神」…十三夜の拝みで家計や繁栄を祈願する存在。
・観音様は「子どもの成長・安産・家族の健康」…十八夜の拝みで子どもの養い親となる存在。
つまり、十三夜と十八夜は「繁栄」と「子育て・健康」という異なる願いを担う二つの縁日であり、家庭ごとの祈願事に応じて拝み方が選ばれてきたのです。
家庭によって祈願事が異なる信仰のかたち
◇かつての沖縄の家庭で、どの掛け軸を祀るかは家庭ごとの祈願内容により異なりました。
…商売を営む家では関帝王を、子育て世代の家庭では観音様を中心に祀るなど、それぞれの暮らしに合わせた信仰が息づいていました。
なかには両方を拝む家庭もあり、掛け軸を掛け替えるなど柔軟に祀り方を工夫していたと伝えられます。
●現代では床の間のない住宅も増えましたが、ミニ祭壇や香炉を整え、十三夜と十八夜にそれぞれの祈願を捧げる家庭も見られます。
…沖縄の暮らしに根付いた「家庭ごとに違う信仰のかたち」が、この二つの縁日を通して今も受け継がれているのです。
[沖縄の観音信仰「十八夜」とは]
・【2026年版】沖縄の十八夜|観音様の縁日『ジューハチヤー』の由来と参拝方法
十三夜と正五九月の関わり

忌み月に行う祈願の意味
◇沖縄では旧暦の1月・5月・9月を「正五九月(しょうごくがつ)」と呼び、忌み月として特別に意識してきました。
…この時期は厄を祓い、家族を守るための祈願が行われる月とされ、祝い事や結婚などは避ける風習があります。
そのため、十三夜も単なる月見ではなく、忌み月にあたる旧暦9月13日に行う厄除けと繁栄祈願の拝みとして根付いてきました。
商売や家計の安定を祈る関帝王信仰と結びつき、家族の健康や繁栄を願う大切な行事となっています。
[沖縄の正五九月]
・ 沖縄で正五九月の忌み月とは?何を行い何を嫌う?巡拝行事アガリマーイ(東御廻り)とは
旧盆や彼岸との繋がり
◇旧暦9月の十三夜は、旧盆や秋彼岸の直後にあたるため、先祖供養やお祓いの意味合いとも深く結びついています。
…旧盆を終えた後は、ヤナムンやチガリムン(餓鬼や迷える霊)が増える時期とされ、地域ではお祓いや御願行事が多く行われます。
●そのなかで十三夜の拝みは、関帝王に見守りをお願いし、悪しきものから家庭を守る祈願としての役割を担ってきました。
つまり、十三夜は旧盆や彼岸と同じく、先祖や神々とのつながりを確認し、安心して暮らせる日々を願う沖縄独自の行事なのです。
[沖縄の旧盆]
・ 【沖縄の旧盆】2026年は9月25日(火)~27日(木)☆旧盆3日間の進め方を解説
[沖縄の彼岸]
・ 【2026年】沖縄で秋のお彼岸にやることは?お供えや拝み方を解説
久米三十六姓と関帝王信仰の歴史
◇沖縄における関帝王信仰の背景には、中国から渡来した「久米三十六姓(くめさんじゅうろくせい)」の存在があります。
●彼らは14世紀末に明から琉球へ移住した人々で、外交や通訳、学問、工芸などで王府に仕えながら独自の文化を築きます。
…その中心地であった那覇の久米村では、中国の伝統的な信仰も持ち込まれ、道教の神々や関帝王への祈りが受け継がれていきました。
関帝王は中国で「忠義と勇気の象徴」「商売や金銭の守護神」として信仰されており、琉球に伝わると商人や職人の守り神として厚く崇められるようになりました。
やがて久米村の人々が建立した上天妃廟や、後に関帝王を祀る久米至聖廟(天尊廟)は、地域の信仰の拠点となりました。
●こうした歴史を背景に、旧暦の正五九月に行われる十三夜の拝みは、単なる家庭行事ではなく「久米の人々が伝えた関帝王信仰の継承」としての意味も持ち続けています。
今日も正五九月に関帝王へ祈願を捧げる風習は、久米三十六姓の足跡とともに沖縄の文化に深く根付いているのです。
【スタッフのマメ知識|横浜にも関帝廟が!】
本州では、横浜中華街の関帝廟でも関帝様を祀る風習があります。
旧暦6月24日(新暦では7〜8月頃)に行われる「関帝誕(かんていたん)」は、関羽の生誕を祝う横浜中華街最大級の祭事です。
神殿での拝神儀式の後、関帝の御神体を乗せた神輿が、獅子舞や龍舞を伴って街を練り歩きます。
●参拝の作法も独特で、線香を購入し、5つある香炉へ1本ずつ、順番にお供えしていくのが習わしです。
沖縄の「ジュウニフンウコー」のような本数の決まりとは異なり、香炉を巡りながら祈願するスタイルが特徴です。
現代の十三夜の祀り方

床の間からミニ祭壇へ
◇◇かつての沖縄では、関帝王や観音様への拝みは、掛け軸を掛ける床の間で行われました。
…拝むタイミングは、十三夜や十八夜などの「縁日」が一般的です。
床の間は「トゥクヌカミ(床の神様)」として家庭の中心に位置づけられ、掛け軸やウコール(香炉)を通じて神仏とつながる場でした
●ただ、現代の住宅では床の間そのものがない家庭も多いでしょう。
…そのような家庭で、関帝王や観音様を祀る沖縄の過程では、小さなモダン仏壇やミニ祭壇をリビングの一角に設けて祀る方法が広がっています。
香炉だけを置いて依り代とする家庭もあり、琉球ガラスや位牌などを組み合わせてインテリアに溶け込ませながら拝みを続けるケースも増えています。
【お客様の体験談】
40代を過ぎた頃から、これからの子どもの教育費や老後の暮らしへの不安が募るようになりました。仕事の傍ら副業も始めましたが、自分の選んだ道に確信が持てず、悩む日々が続きました。
●そんな時、友人から「関帝王を祀ることは、親から代々受け継がなくても始められる」と聞いたことがきっかけになりました。
旧暦9月13日、関帝王の縁日に合わせて関帝廟へ足を運び、お線香でお迎えをすることに。
自宅に小さな拝み処を整え、あわせてヒヌカンも仕立て、今は毎朝一番に手を合わせることが習慣になっています。
拝むことそのものが、心の支えになっていて、穏やかに過ごしていることに気付きました
明日への不安よりも、前向きな気持ちで日々を過ごせるようになったといいます。
家庭でできるシンプルな拝み方
◇現代の十三夜の拝みは、形にこだわりすぎず「感謝と祈願を伝えること」が大切です。
●現代の家庭でできるシンプルな拝み方
…リビングに・台座・香炉・花立のシンプルな祭壇でも問題はありません。
【用意するもの】
①徳利2本、中央に盃に入れたお酒
②果物の盛り合わせ
(りんご・みかん・バナナなど)
③お菓子の盛り合わせ
【お線香の本数】ジュウニフンウコー(十二本御香)
・日本線香…12本、もしくは4本(簡易版)
・沖縄線香(ヒラウコー)…タヒラ(2枚)
【拝むのに良いタイミング】
・月の出を目安に祈願すると良いでしょう。
※小さな祭壇では香炉も小さく、多くのお線香を立てると香炉が耐えられず割れてしまうことがあります。この場合は日本線香を4本を供えることをお勧めします。
拝む際には、日頃のお守りへの感謝とともに、
・家族の健康
・商売繁盛
・家計の安定
を願いましょう。
…玄関を開けて神様をお迎えする家庭もあり、現代の住まいに合わせながらも、十三夜の祈願の心は今も受け継がれています。
十三夜(ジューサンヤー)に関するよくある質問

Q. 天尊廟に行かないと十三夜の拝みはできない?
◇天尊廟への参拝は必須ではありません。
…既に関帝王を家庭にお迎えしている場合は、自宅のミニ祭壇や香炉で拝むだけでも問題ないとされています。
天尊廟への参拝は、特に初めて関帝王を迎え入れる際の儀式として行われることが多いです。
Q. 十三夜と十八夜、両方お祀りしないといけない?
◇どちらか一方だけでも問題ありません。
…商売繁盛を重視する家庭は十三夜(関帝王)、子育てや家族の健康を重視する家庭は十八夜(観音様)を中心に祀るなど、家庭の願いに合わせて選んで良いとされています。
Q. 十三夜は毎年欠かさず行うべき?
◇特に決まりはありませんが、一度関帝王をお迎えした家庭では、感謝と繁栄祈願の意味を込めて毎年続けることが望ましいとされています。
…旧暦1月・5月・9月の13日、いずれかだけでも構いません。
Q. 掛け軸や祭壇がなくても拝んでいい?
◇形式にこだわる必要はありません。
…小さな香炉や花立だけのシンプルな拝み処でも、感謝と祈願の気持ちを込めて手を合わせることが大切です。
まとめ|十三夜(ジューサンヤー)は旧暦9月13日、2026年10月23日(金)です!

◇沖縄の十三夜(ジューサンヤー)は、本州のお月見行事とは異なり、関帝王を中心とした繁栄祈願の拝みとして受け継がれてきました。
…旧暦9月13日・2026年10月23日(金)、月の出に合わせてお酒や果物、菓子を供え、十二本御香を立てて祈る十三夜は、家族の健康や家計の安定、商売繁盛を願う大切な節目の行事です。
●かつては床の間に掛け軸を祀って行われていましたが、現代ではミニ祭壇や香炉を整えて家庭に合わせた形で続けられています。
…天尊廟での参拝を経て関帝王を迎え入れる伝統も残り、地域の信仰と家庭の祈りがつながる日でもあります。
先祖供養や旧盆と同じく、人々の暮らしに根付いた旧暦行事として、十三夜は未来へ残していきたい大切な文化です。月明かりのもとに祈りを捧げるこの風習を、家族とともに受け継いでみてはいかがでしょうか。
【執筆・監修:供養の知恵袋編集長】

株式会社琉球メモリアルパーク 企画担当 仲間 仁史
2021年11月入社。
仏壇販売、商品仕入れの他、IT企業に務めていた前職の経験を活かして当社Webサイト等の運営も担当。
お客様やお取引先から学んできた知識や経験を発信いたします。
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