位牌がいらない供養とは?仏壇や位牌の処分に迷った時の考え方:無宗教や永代供養も解説

2023.04.09
位牌がいらない供養とは?仏壇や位牌の処分に迷った時の考え方:無宗教や永代供養も解説

仏壇じまいや住環境により、仏壇や位牌がいらない供養を求める声が増えましたよね。本記事では位牌がいらない供養の方法や、位牌がいらない家とはどのような家か、位牌や仏壇を置けない時はどうするか?を、位牌の正しい処分方法とともに解説します。

・位牌がいらないケースとは?
・位牌がいらない供養方法はある?
・位牌や仏壇を置けない時は?

仏壇を閉じる「仏壇じまい」や、マンションやアパートなどの住環境により、仏壇や位牌がいらない場合、供養に迷う人も多いですよね。

本記事では位牌がいらない供養の選択肢や、位牌を必要としない家とはどのような家か、位牌や仏壇を置けない時はどうするか?について詳しく解説します。

本記事を読むことで位牌がいらない供養など、それぞれの家に適した供養方法が選択できますので、どうぞ最後までお読みください。

 

位牌はいらない?:位牌とは?

継承にムリのない位牌を選びましょう
◇位牌(いはい)は、仏教において故人(ご先祖様)の霊魂が宿る依り代です

沖縄の祖霊信仰では、沖縄位牌を「トートーメー(尊いあなた)」と呼びます。トートーメーも、位牌と同じくご先祖様の霊魂が宿る依り代です。

ただ沖縄ではご先祖様が7代目にして家を守護する「カミ(神)」となるため、信仰の対象として崇められます。本州のように御本尊はなく、中央上段の配置です。

本州でも仏教にはさまざまな宗派がありますよね。宗派によって御本尊は代わり、なかには位牌を必要としない宗派(浄土真宗)があります。

<位牌はいらない?:位牌とは?>
①仏教
・故人の霊魂が宿る依り代
・生きる者が呼ぶと、天から依り代へ降りる
・供養の対象

②沖縄の祖霊信仰
・故人の霊魂が宿る依り代
・家を守護する「カミ(神)」
・信仰の対象

ここで留意したいポイントは、位牌は仏教徒や沖縄の祖霊信仰を信心する者にとっては、日々の拝みに欠かせないもの、と言う点です。

位牌に記載される内容について、詳しくは下記コラムをご参照ください。
そもそも位牌とは?本当に必要?お仏壇なし位牌はどうする?位牌の代わりになる仏具は?

 

位牌がいらないか迷ったら

位牌とは
◇位牌がいるか・いらないかは、信仰する宗旨宗派の教義による

そもそも位牌は仏教の教義によるものです。代々家で特定の寺院を信仰する檀家制度が根付く本州では、信仰する仏教宗派の教義に倣うことになるでしょう。

<位牌はいらない?宗旨宗派の教義による>
●信仰する宗旨宗派の教義に倣う
菩提寺があれば、ご住職へ相談する
・家族で話し合う

家で信仰する菩提寺を持ち、何らかの事情で位牌がいらない供養がしたい場合は、菩提寺のご住職へ相談すると、良いアドバイスがもらえます。

 

仏教徒は位牌はいる?いらない?

位牌の種類
◇仏教徒であれば、浄土真宗以外は供養に位牌が必要です

仏教徒の場合、故人の霊魂は位牌に降りてきます。位牌がないと生きる者が故人を呼んでも、この世に降りる・帰る場所がなくなってしまうためです。

<位牌はいらない?:仏教において位牌とは>
・位牌…故人の霊魂の依り代
・お仏壇…家庭にある小さな寺院

私達は位牌を前におりんを鳴らし手を合わせることで、天界にいる故人が位牌に降りてきます。生きる者はお仏壇へ手を合わせることで仏様へ手を合わせるとともに、故人を供養できるためです。

 

仏教徒だけど位牌を祀れない

◇仏教徒だけど位牌を祀れない・いらない時には、寺位牌や永代供養の形で、寺院や施設で供養してもらいます

ただし、家の事情などで位牌を家に祀れない場合、下記のような選択肢もあるでしょう。

 

<仏教徒は位牌がいらないか?>
・寺院に位牌を預かってもらう
・位牌の永代供養を依頼する

 

菩提寺があればご住職に相談し、寺院で「寺位牌」を仕立て供養してもらいます。「寺位牌」とは、寺院で位牌を安置し供養する時に扱う位牌です。

永代供養も同じく、寺院や霊園などの施設で家族に代わり位牌が永代に渡り供養されます。

ただし位牌堂などの供養塔で永代供養する場合、位牌は他の人と一緒に供養され、個別の供養対象(位牌)が残らないこともあるので、注意をしてください。

※本州に根付く檀家制度については、下記コラムに詳しいです。
「檀家制度」とは、「戒名」は必ず必要?菩提寺(檀那寺)との関係性

 

浄土真宗は位牌がいらない

過去帳の種類
◇人は亡くなってすぐに成仏するとされる浄土真宗では、位牌を使用しません

阿弥陀如来様の救いである「他力本願」により、人が亡くなるとすぐに成仏するとされる浄土真宗は、そもそも霊魂の概念がありません

そのため、霊魂の依り代となる位牌もいらない宗派です。位牌の代わりに過去帳や法名軸をお仏壇に祀ります。

ただ浄土真宗の家が位牌を仕立てたい・祀りたいとするならば、位牌を仕立てて祀ることは構いません。

 

過去帳や法名軸とは?

◇浄土真宗のみ扱う、位牌代わりになる仏具が法名軸です

法名軸は、他の仏教宗派では戒名にあたる法名を記した小さな掛け軸で、お仏壇の内側に掛けて祀ります。一方で過去帳は、その家のご先祖様の系譜としての役割が強いです。

<位牌はいらない?浄土真宗>
・過去帳(かこちょう)…位牌に記載する情報を記した帳面
・法名軸(ほうみょうじく)…位牌の代わりに用いる小さな掛け軸

過去帳には三十三回忌を過ぎて、弔い上げを終えたご先祖様の情報なども記されていることが多い一方、霊魂が宿るとはされません。

法要では対象の故人にあたる過去帳のページを開き、供養します。

 

「法名(ほうみょう)」とは?

◇他の仏教宗派の「戒名(かいみょう)」にあたる、故人の名前です

「戒名(かいみょう)」とは仏様の弟子としての名前で、法名(ほうみょう)もまた、自らを仏の弟子として名乗るためにあります。

<戒名と法名の違い>
●ただし他の仏教宗派では一般的に、人が亡くなってから戒名を授かることが多い一方、浄土真宗では生前に授かる名前とされます。

法名を授かることで、仏の道を歩み生きることを誓う役割です。この違いは、浄土真宗では人が亡くなると、すぐに成仏する「往生即成仏」の考えによります。

 

無宗教であれば自由

無宗教であれば自由
◇無宗教では位牌は、必ず必要ではありません

江戸時代の昔から戸籍の一環として檀家制度が根付いてきた本州でも、近年では宗旨宗派不問の民間霊園が登場したことで、菩提寺から離檀し、無宗教となる家や人が増えました。

<位牌はいらない?:無宗教>
●無宗教では位牌の判断は自由
・手元供養
・写真立てなどで供養
・位牌を仕立てても良い
・仏壇はあってもなくても良い
・位牌に俗名を記載しても良い

ただ無宗教の家でも、故人を弔い偲ぶ対象として位牌を仕立てる人は多いです。唐位牌などではなく、クリスタル位牌などを選ぶ人も多いでしょう。

 

無宗教の家の「戒名」

◇無宗教で位牌を仕立てる場合、生前の名前「俗名」を記載しても構いません

無宗教では何事も家族の判断によりますが、仏教徒でないと戒名を授かることが難しいかもしれません。

実は戒名は僧侶に頼ることなく自分で名づけることもできますが、無宗教ですから、戒名を名付けることにこだわることもないでしょう。

<位牌はいらない?:戒名>
・生前の名前「俗名」を記入する
・自分達で戒名を名付ける
・「やすらぎ」など、抽象的な言葉を記入する

無宗教であるなしに関わらず、位牌は仏壇仏具店で購入すると、希望の文字を依頼できるでしょう。無宗教ですから家族が望めば故人を弔い偲ぶ対象として、自由に仕立てることができます。

 

位牌はいらない?:神道では?

位牌はいらない?:神道では?
◇神道には位牌はありませんが、位牌に代わる「霊璽(れいじ)」があります

「霊璽(れいじ)」とは、神道における故人の霊魂が宿る依り代です。「御霊代(みたましろ)」とも呼ばれ、沖縄の祖霊信仰と同じく、霊璽に移された霊魂はその家の守護神となってくれます。

<位牌はいらない?神道では?>
①霊璽(れいじ)を祀る
・仏教の位牌にあたる

②祖霊舎に祀る
・仏教のお仏壇にあたる

③「神」として祀る
・直接目に触れない位置
・白木覆いや鏡綿付き覆いなどで覆う

④霊号を記載する
・仏教の戒名にあたる

⑤御霊写し(みたまうつし)
・霊璽に故人の霊魂を移す
・遷霊祭(せんれいさい)で行う

神道ではこのような流れになるため、位牌はいらないものの、代わりとなる霊璽を神として丁重に扱うことになるでしょう。

霊璽はそもそも中国に広がる儒教の御霊代が由来とされ、仏教よりも、同じく儒教の影響を受けていた沖縄の祖霊信仰と考え方が似ています

神道の供養については、下記コラムをご参照ください。
神道の供養で祀る「霊璽(れいじ)」とは?作り方や費用相場・タイミング、置き方を解説

 

位牌はいらない?:キリスト教では?

位牌はいらない?:キリスト教では?
◇キリスト教では、位牌やそれに代わるものを祀る必要はありません

キリスト教で人が亡くなることは神に召されること、喜ばしいことです。そのため故人の冥福を祈ることは、神への祈りとなります。
このような考え方から、故人を供養する・祀るための決まり事はありません。

<位牌はいらない?:キリスト教では?>
●家庭用の祭壇を設ける
・燭台のみでも良い
・故人が生前に好きだった花など
・故人が生前に好きだった食べ物など

●神に祈りを捧げる
・毎週行われるミサなど
・直前の祈り
・就寝前の祈り

「家庭用の祭壇」と言っても、家族が望めば用意すれば良いでしょう。仏壇仏具店でコンパクトなモダン仏壇や手元供養用の仏壇を準備する家が多いです。

いつでもどこでも、気負うことなく神へ祈ることが故人の供養に繋がるとされます。

 

位牌はいらない?:処分方法

位牌はいらない?:処分方法
◇いらなくなった位牌は、お焚き上げや永代供養をします

位牌を継承したものの家庭に飾る充分なスペースがない、何らかの事情で位牌のお世話ができない、などの場合は、お焚き上げや永代供養で処分しましょう。

<位牌はいらない?:どこで処分する?>
・仏壇仏具店に相談
・供養業者に相談
・遺品整理業者に相談

寺院や位牌堂のある施設で相談をすると、お焚き上げや永代供養の際に閉眼供養を行ってくれます。

ただ沖縄では「霊魂の宿った位牌を家から出してはいけない」とする家もありますよね。この場合は僧侶をお呼びして、閉眼供養をしてから外へ出します。

 

お焚き上げ

◇「お焚き上げ」とは、位牌に宿った霊魂を炎により天へ還す「浄火」儀礼です

寺院や神社に相談するとお焚き上げができます。また仏壇仏具店で相談しても、位牌を預かってくれるでしょう。

現在では環境問題などの観点から、お焚き上げを行っていない寺院や神社も多いので、まずは仏壇仏具店などで相談をすると良いかもしれません。

 

永代供養

◇「永代供養」とは、家族に代わり位牌を預かり、永代に渡り供養をしてくれることです

位牌堂や位牌供養塔などが設けられた霊園などの施設で受け付けてくれます。こちらも仏壇仏具店などで相談しても良いでしょう。

永代供養は家族に代わり永代に渡って供養してくれますが、個別に位牌を保管・管理するとは限りません。他の位牌とともに合祀され、合同供養する施設が多いです。

 

 

位牌がいらない時も、仏壇仏具店で相談できます

仏壇がない位牌の祀り方:注意点
全国的に仏教徒でなければ、必ずしも位牌が必要ではありません。位牌を継承したものの、いらない時には仏壇仏具店などに相談すると、安心して処分できます。

祖霊信仰が根付く沖縄でも位牌はトートーメーとしてむやみな扱いはできませんが、現代では位牌同様に、お焚き上げや永代供養による処分や仏壇じまいが増えました。

一方でタブーや決まり事のない自由な供養として、無宗教でも故人を偲び弔うために、故人を象徴する位牌を仕立てる家が多いです。

本記事を参考にしながら、それぞれの家庭にムリのない、適切な供養の方法を選んでみてはいかがでしょうか。              

 

 


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