沖縄のトートーメーとは?タブーで増える沖縄のトートーメー継承問題を解決する方法とは

2023.04.27
沖縄のトートーメーとは?タブーで増える沖縄のトートーメー継承問題を解決する方法とは

沖縄ではトートーメータブーにより継承できないまま放置される「トートーメー継承問題」が深刻化しています。本記事を読むことで沖縄のトートーメーやタブーとはなにか?なぜトートーメー継承問題が深刻化しているのかや、解決する方法まで解説します。

・沖縄の「トートーメー」とは?
・沖縄トートーメーのタブーとは?
・沖縄のトートーメータブーによる継承問題とは?

沖縄では先祖代々位牌「トートーメー」にまつわるタブーにより、継承できないまま放置されるという、沖縄のトートーメー継承問題が深刻化しています。

なかには家ごと放置され続けた沖縄のトートーメーもありますが、そろそろ放置し続けることは、難しい時代になりました。

本記事を読むことで沖縄のトートーメーやタブーとはなにか?沖縄のトートーメータブーにより引き起こされた継承問題を解決する方法を解説しますので、どうぞ最後までお読みください。

 

沖縄のトートーメーとは

沖縄のトートーメーとは
◇沖縄の「トートーメー」とは、沖縄に伝わる位牌の一種であり、父方の血筋を継承する家族によって、先祖代々に渡り継承されるものです

沖縄の「トートーメー」は「尊い君」を差します。沖縄では家族が亡くなると七代目にして家を守護するカミ(神)となるため、仏教的な位牌の意味とは異なります。

<沖縄のトートーメーとは>
・沖縄のトートーメー 先祖代々祀る 家を守護するカミ(神)
・仏教的な位牌 故人で祀る 故人の霊魂が宿る依り代

そのため考え方としては、故人の霊魂が宿る御霊代を神様として祀る神道に似ています。

沖縄のトートーメーが先祖代々祀られるのは、父方の血筋においてご先祖様から位牌立てに位牌札が並ぶ、横長の形状をしているためです。

 

沖縄のトートーメー継承問題とは

沖縄のトートーメー継承問題とは
◇沖縄のトートーメー継承問題とは、厳しい継承のタブーにより、継承者がいないまま放置されたトートーメーが増えている問題です

本州では檀家制度により、信仰する特定の寺院「菩提寺」へ問題を相談できますが、独自の琉球王朝の歴史を辿る沖縄では檀家制度は根付いていません。

<沖縄のトートーメー継承問題>
●沖縄では独自の祖霊信仰があり、沖縄のトートーメーは祖霊信仰の象徴です。
…タブーを冒すことができず、問題を先送りしたトートーメーが増えています。

長い年月のなか深く根付いたものなので、沖縄のトートーメー継承問題は深刻なものです。けれども、家ごと放置されたまま廃墟になった家屋も増え、先送りもできなくなっています。

 

沖縄のトートーメータブーとは

沖縄のトートーメータブーとは
◇沖縄のトートーメーにおいては、1つの家系につき1組しか名を連ねることができません

また、沖縄のトートーメーに名を連ねることができるのは、父方の男子のみとされ、これが問題の一因となっています。

さらに沖縄ではトートーメーの継承タブーばかりではなく、扱いにおいて「家から出してはならない」などのタブーが伝わる家もあり、トートーメーごと放置された廃墟が見られるようになりました。

以下、沖縄のトートーメー信仰にまつわる継承のタブーを4つご紹介いたします。

 

沖縄のトートーメータブー(1)チャッシウシクミ

◇沖縄のトートーメータブー「チャッシウシクミ」とは、嫡男(長男)のみの継承です

「チャッシ」は「嫡子」、「ウシクミ」は「押し込み」を意味し、嫡男(長男)のみが継承の権利を有します。

長男はイフェー(本位牌)に名前を刻まなければならず、継承の放棄ができないため、次男以降は「チョーデーカサバイ」により、継承の権利が剥奪されます。

 

沖縄のトートーメータブー(2)チョーデーカサバイ

◇沖縄のトートーメータブー「チョーデーカサバイ」とは、兄弟が並ぶことです

「チョーデー」は「兄弟」、「カサバイ」は「重なり」という意味で、(一代)兄弟が一つのブチダン(仏壇)に並べて祀られることは避けなければなりません。

実際には、長男以外の兄弟がイフェー(本位牌)に名前を刻んでも、これは認められないため、トートーメーへの継承が不可能となってしまいます。

 

沖縄のトートーメータブー(3)タチーマジクイ

◇沖縄のトートーメータブー「タチーマジクイ」とは、父方の血筋が混じることです

タチーマジクイとは、「他系」と「混ぜ込み」を意味し、沖縄のトートーメー信仰において父方血族以外の血を混ぜてはいけないことを示します。

このタブーは、沖縄における女系継承のタブーと組み合わせると、継承者が不在となる家も増える原因にもなるでしょう。

またタチーマジクイは、トートーメー信仰の4つのタブーの中でも厳格に忌まれるものの一つであり、その重要性は高かったようです。

 

沖縄のトートーメータブー(4)イナグァンス

◇沖縄のトートーメータブー「イナグァンス」とは、女性の継承を禁じることです

イナグァンスは「女元祖」という意味があります。

女性が何らかの理由で離婚したり、独身のまま亡くなった場合、沖縄では女性のトートーメー継承が禁忌であるため、新たな元祖「タチクチ」として、イフェー(本位牌)を仕立てます。

●サギブチダン(下げた仏壇)として、台所に祀られるとされてきました

現代ではあり得ない考え方ですが、古い風習として残ったものです。

離婚を経て独身になった女性など子どもがいる事例では、イナグァンス(女元祖)としてタチクチ(始祖)になった女性の位牌を継承することもありますが、「沖縄のトートーメータブーに当たる」とする人もいます。

 

沖縄の「ヒジュルイフェー」とは

沖縄の「ヒジュルイフェー」とは
◇沖縄のヒジュルイフェーとは、継承者のいないトートーメーです

沖縄ではトートーメータブーこそ冒していないものの、そのために継承者がいないまま放置されたトートーメーが存在します。これが「ヒジュルイフェー」です。

●「ヒジュル」は「冷たい」、「イフェー」が「位牌」

沖縄ではトートーメータブーを超えて、本来は最も忌み嫌われる存在ですが、現代の暮らしに合わないタブーにより、最大のタブーを冒してしまっています。

 

沖縄のトートーメーとイフェーの違い

◇沖縄では先祖代々位牌を「トートーメー」、位牌を「イフェー」と言います

沖縄のトートーメーは先祖代々の霊魂が宿る依り代であり、家を守護するカミ(神)の依り代です。とても尊いものであり、沖縄の信仰の中心にあります。

・沖縄のトートーメー…先祖代々位牌
・沖縄のイフェー…位牌

一方でイフェーは位牌そのものを差し、故人の霊魂が宿っていない位牌などを「イフェー」と呼びます。

また個人を祀る位牌を「カライフェー(唐位牌)」と呼ぶように、なかには故人単体の霊魂が宿る位牌を「イフェー(位牌)」と呼ぶこともあるでしょう。

 

沖縄のトートーメータブーへの恐れ

沖縄のトートーメータブーへの恐れ
◇沖縄でトートーメータブーが根強く残っている背景には、祖霊信仰があります

祖霊信仰とは先祖崇拝であり、ご先祖様のタブーを冒してはなりません。本州とは異なり、沖縄ではご先祖様が7代目にして神となることを信じてきました。

沖縄のトートーメー信仰は、ご先祖様は家の守り神となり、クワッゥマガー(子孫)を守ります。

<沖縄でトートーメータブーが残る理由>
●沖縄でトートーメーを継承する負担
・トートーメーのお世話
・トートーメー継承を途絶えさせない
・門中の各行事を執り行う

「門中」とは、沖縄で父方の血筋で集まる親族です。沖縄でトートーメーを継承すると言うことは、この門中の本家「ムートゥーヤー」になることでもあります。

沖縄で毎年行われる盛大なシーミー(清明祭)や旧盆など、あらゆる行事で門中の分家へおもてなしをしなければなりません。

 

ウグァンブスク(御願不足)とは

◇沖縄ではトートーメーを継承した者が、正しい供養や拝みを怠ると「ウグァンブスク(御願不足)」が起きるとされてきました

ウグァンブスク(御願不足)が起きると、祖霊が怒り、祟りが起きると恐れられています。

そのため、熱心なトートーメー信仰の沖縄の人々は、旧暦行事毎にお供え物や儀式に「ウグァンブスク」がないかを非常に気にします。

しかしながら、「不足がある場合はお許しください」と祈っていただければ、祟りを避けることができると考える家族や地域も多数存在しています。

 

地域で違う、沖縄のトートーメータブー

地域で違う、沖縄のトートーメータブー
◇ただし沖縄のトートーメータブーも、地域によって慣習が異なります

戦前に遡ると、離島は沖縄のトートーメーではなく、故人の霊魂のみを祀る「カライフェー(唐位牌)」の風習がありました。

もちろん戦前から沖縄のトートーメーを祀る集落はありましたが、一方で、そもそもイフェー(位牌)自体を祀る習慣のない集落もあったのです。

<沖縄のトートーメーの歴史>
●沖縄でトートーメーが広まったのは、18世紀頃からです。
・血族を記したもの「系図座(けいずざ)」を持つ、一部の士族のみの風習でした。

同じ沖縄でも庶民は、イフェー(位牌)や唐位牌を含めた、宗教儀式やタブーのない風習のなかで生活していたとされます。

沖縄でトートーメーが一般的に広まったのは、明治以降です。上流階級から下層の庶民まで広がりを見せた沖縄のトートーメーですが、実はその歴史は、思っているほど長くありません。

 

「系図座(けいずざ)」とは

琉球王朝の系図家譜です。「用物座(ようもつざ)」とも言い、系図を持つことが許されたのは、士族である「系持(けいもち)」のみでした。
系図座を持たない身分である平民は「無系(むけい)」とされます。

 

沖縄のトートーメータブーは家督相続

沖縄のトートーメータブーは家督相続
◇沖縄のトートーメータブーは、「家督相続」を守るためでもありました

士族などの上流階級から広がった沖縄のトートーメータブーは、家の財産を全て嫡男が相続する「家督相続」を守るためでもあります。

父方血族の嫡男のみ(チャッシウシクミ)
・兄弟で家の相続分を争わない(チョーデーカサバイ)
・父方の血筋を混ぜない(タチーマジグイ)
・トートーメーを家から出さない(家を継承)

…などなど、沖縄のトートーメータブーを見返してみると納得できるものが多いでしょう。

 

現代の相続には遺留分がある

◇けれども現代の相続は、兄弟が均等に分割する権利「遺留分」があります

沖縄のトートーメータブーに基づくと、長男は家の財産全てを相続しますよね。けれども現代は両親が亡くなると、兄弟は財産を均等に分配する権利「遺留分」で守られています。

これは兄弟、男女関係なく、故人の子どもであれば権利は平等です。嫡男のみが引き継ぐ、次男以降や女性の相続を禁じることはできません。

<現代の沖縄のトートーメー継承問題>
●結果的に、現代の沖縄では「トートーメーを継承すると、負担ばかりが残ってしまう」と、放置されたヒジュルイフェーが増えたのです。

このように、昔から「祟り」として恐れられてきた沖縄のトートーメータブーは、相続の都合による禁忌という側面もあります。

 

沖縄のトートーメータブーをリセットする

霊魂を宿す位牌は、丁重に処分しましょう
◇沖縄ではトートーメータブーを、永代供養やお焚き上げなどでリセットする人が増えました

沖縄のトートーメーは独自の祖霊信仰に基づいていますが、現代では葬儀で読経供養を行うなど、仏教の影響を大きく受けています。そこで仏教の教えに基づき、トートーメーを供養して処分する人が増えました。

<沖縄のトートーメータブーをリセットする>
●トートーメーを供養し処分します
・永代供養
・お焚き上げ
・位牌塔(位牌の合同供養塔)

そして改めて現代の沖縄では、トートーメータブーのないイフェー(位牌)を仕立てる家もあります。沖縄位牌を仕立てたとしても、一度リセットしたとしてタブーのない供養や継承になるでしょう。

 

沖縄のトートーメーを過去帳にまとめる

◇沖縄のトートーメーを供養し処分するにあたり、ご先祖様の情報を過去帳に移す家が増えました

「過去帳」とは、その家の先祖代々の系譜が分かる帳面です。位牌に記載される故人の戒名や俗名、没年月日や享年などが記載されます。

<沖縄のトートーメーをまとめる「過去帳」>
・タブーがない
・普段は引き出しでも保管できる
・法要では故人のページを開いて祀る

もともとは位牌を祀る風習のない浄土真宗で用いられた物ですが、今では無宗教をはじめ、他の仏教宗派の人々も系譜として用いるようになりました。

過去帳は沖縄のトートーメーのようにタブーがないので、より自由な供養ができます。また引き出しに保管できるため、お仏壇がない供養も可能です。

 

 

深刻化した沖縄のトートーメータブーはリセットしよう

位牌はいらない?:処分方法
この記事では、沖縄のトートーメータブーによる継承問題について説明しました。現代社会での生活スタイルが変わった今、従来のタブーに囚われることで問題が生じています。

例えば「家から出してはいけない」沖縄のトートーメータブーにより、今では家を手放すことができずに、古い家を賃貸で貸し出す事例などの問題です。

こうした問題に対しても、永代供養やお焚き上げなどの方法で、リセットすることを検討する必要があるかもしれません。継承問題やタブーには、時代や社会の変化に応じて、適切な対応をしていくことが大切です。

 

 


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