宗家じゃないけどどうして?沖縄でお仏壇を仕立てる家が急増!

2022.01.28
宗家じゃないけどどうして?沖縄でお仏壇を仕立てる家が急増!

今、沖縄で新しくお仏壇を仕立てる家が増えています。「家には亡くなった家族がいないのに、新しく仕立てて良いの?」との質問も多いですが、問題はありません。そして体験談を聞くと、日々が安定したと満足する声がほとんどです。そこで今回は、新しくお仏壇を仕立てる家が増えている理由を体験談とともにお伝えします。

今、沖縄で新しくお仏壇を仕立てる家が増えています。「家には亡くなった家族がいないのに、新しく仕立てて良いの?」との質問も多いですが、問題はありません

沖縄で新しくお仏壇を仕立てる方々は多くが「不安定な世の中だから」や「自分のために」などと話し、ほとんどの方々が「満足している」「安心できる」などと答えました。それはなぜなのでしょうか。

そこで今回は、沖縄で新しくお仏壇を仕立てる家が増えている理由を、体験談とともにお伝えします。

コロナ禍で宗家に行けない!

コロナ禍で宗家に行けない!
沖縄のお仏壇と言えば、壁に広がる大きなお仏壇をイメージしますよね。その多くが宗家です。宗家は「ムチスク」「ムートゥーヤー」などとも呼ばれ、本州では本家に近い存在となります。

沖縄では父方の血族による門中が組織を作っていますが、その長男が代々ご先祖様の魂が宿るトートーメー(先祖代々位牌)を継承し、大きな沖縄仏壇に祀ってきました。

そのため実家から独立して分家になると、家族の誰かが亡くなるまで、沖縄でお仏壇を仕立てる家も少なくなりました(分家した時点で沖縄ではお仏壇を仕立てる家もあります)。そして分家は旧正月や旧盆などの旧暦行事になると手土産を持って宗家(ムチスク)を訪ね、お線香を上げるのが一般的です。

けれども2020年のコロナ襲来によって、昔のように定期的に宗家(ムチスク)に親族が集まりお線香を上げる機会も少なくなりました。

【 沖縄でお仏壇を新しく仕立てる。自宅でも供養する 】

● そこで沖縄の分家では、自宅にもお仏壇を仕立てて供養をするお家が増えました。敏夫(仮名)さんのお家でも、沖縄那覇市で小さなお仏壇を仕立てています。

→ 敏夫さんの家では、宗家でトートーメーを祀っているのでカライフェー(唐位牌=単独位牌)に「〇〇家」と彫刻して祀ることにしました。

※ お仏壇自体はA4用紙サイズほどの小さなもので、扉を閉めるとお仏壇には見えません。リビングのテレビ脇の本棚の上に置き、朝一番でお水を交換するなどのお勤めをしています。

特に敏夫さんは数年前に母親が亡くなったばかりでしたので、沖縄那覇市の自宅にお仏壇を迎え入れた後は、母親の月命日にも丁寧に供養をするようになりました。

また、同じように沖縄の分家でお仏壇を迎え入れた事例では、何も彫刻せずに「カミ(祖霊)」として祀る家も多く見受けますが、この場合は身近な肉親が亡くなった訳ではなく、「ご先祖様を祀る」意識で選んだそうです。

不安定な経済環境で、守り本尊に守られたい

不安定な経済環境で、守り本尊に守られたい
沖縄で新しくお仏壇を仕立てたお家では、ご先祖様や身近な家族を祀る意味合いではなく、「後々は自分達が入る沖縄のお仏壇」として購入した事例もあります。

道子さん(仮名)は夫と飲食店経営をしていたのですが、2020年のコロナ襲来により経済的に不安定になり、「何か信じるものが欲しい」と考えたそうです。

さらに道子さんには持病があったため、コロナ感染による重症化にも不安を感じるなかで、まだ40代と若いながら終活を始めました。

終活を進めると「家族が亡くなっていなくともお仏壇を購入して良い」と聞き、本州では信じる仏教宗派の御本尊を中心に祀ることを知ります。

ただ道子さん自体は特定の仏教宗派を信じてはおらず、日々の暮らしも基本的には無宗教です。ただ、昔から慣れ親しんでいた沖縄の御願事には親近感があり、沖縄の御願で大切に扱われる「干支」の守り本尊を祀ろうと考えました。

【 沖縄でお仏壇を新しく仕立てる。守り本尊に守ってもらう 】

● 道子さんは床の間に見立てたリビングの一角に、シンプルな棚上仏壇を仕立てました。そして仏壇の中央には家長である夫の干支、卯年の守り本尊として、文殊菩薩様を祀っています。

→ 沖縄の御願に倣い、毎年の年始めに行っていた「十二支廻り」で、卯年の文殊菩薩様を祀る首里観音堂へ拝みに訪れ、ご挨拶をしてから迎え入れました。

※ 手を合わせて自分なりにご案内の言葉を唱えたそうです。

○○市○○、○○番地(住所)から来ました、卯年の男、その結び(妻のこと)の〇年(干支)の女が、本日文殊菩薩様を自宅へ迎え入れたく、拝みに参りました…。」などと唱えています。

明日の売上はどうなるだろう…。」と、2020年の道子さんは不安も多い日々でしたが、思い切って沖縄の自宅にお仏壇を仕立て、守り本尊様を迎え入れたことで、日々祈る対象が見つかりました。

不安があると沖縄の自宅に仕立てたお仏壇に向かって祈りを捧げ、毎日お水やお酒を交換したり、お線香を上げるなどお世話を続けることで、どこか「私は大丈夫」と心に余裕が産まれたことで、それが接客にも繋がったのか、経営状況も上向いていると言います。

子ども達に見えない存在を教えたい

子ども達に見えない存在を教えたい
沖縄糸満市に住む花子さんは、20代で夫婦ともども本州から移住して、民宿を開きました。

現在子どもは10歳の長男7歳の長女、収入よりも生活環境を重視して移住してきたものの、なかなか家族で毎年帰省するほど、暮らしに余裕はないそうです。何よりも民宿ですから、なかなかまとまった休みを取ることもできません。

そのため実家のお仏壇に手を合わせたりお墓参りをするなど、「子ども達にご先祖様の存在を教える体験をさせてあげられない…。」と感じていたそうです。

【 沖縄で新しくお仏壇を仕立てる。子ども達とお仏壇のお世話 】

● そして花子さんご夫婦は、5万円ほどの予算手元供養用の小さなお仏壇を仕立てることにしました。祀る家族がいる訳ではないので、「ご先祖様」として彫刻していないカライフェー(唐位牌)を祀っています。

→ そして子ども達と毎日お水を交換してお線香を上げ、「ウートゥートゥー」と一緒に手を合わせるようになりました。

※ さらに沖縄の御願事をお仏壇で始めることで、子ども達と季節や旧暦行事を感じる暮らしを送っています。一緒にフチャギ(お月見のお餅)や旧正月のお供え物を揃え、ひとつのイベントのように楽しむようになりました。

そして後日談ですが、花子さんご夫婦が沖縄で新しくお仏壇を仕立てて5年後、夫のおじいさん(子ども達からはひいおじいさん)が亡くなり、分骨していただいたそうです。

小さな手元供養用の骨壺にひいおじいさんの遺骨を納め、沖縄で仕立てたお仏壇に祀っています。

いかがでしたでしょうか、今回は宗家(ムチスク)ではないけど、沖縄で新しくお仏壇を仕立てる家が急増する理由をお伝えしました。

心の支えとして、ご先祖様や近しい家族を供養する場として、トートーメーを継承していなくても沖縄ではお仏壇を祀りたい方も多い一方、「家族はまだ元気なのに、沖縄でお仏壇を仕立てても大丈夫なの?」との質問も多いです。

ただ実は、沖縄でもお仏壇は独立して分家した時点で、新しく購入する家もあったほどで、どの家にもご先祖様はいますから、沖縄でお仏壇を仕立て日々お線香を上げることは、反対に良い事と言えます。

※ 沖縄でお仏壇を仕立てる時の流れについては別記事「沖縄で新しくお仏壇を仕立てるのはいつでも良い?開眼供養の仕方」などでもお伝えしていますので、こちらもどうぞご参照ください。
まとめ

家族が元気でもお仏壇を購入する理由とは

・コロナ禍で宗家(お仏壇のある家)へ行けない
・自宅でより頻繁に弔い供養したい
・心の支えとして御本尊様に守られたい
・子ども達にお供養の習慣を伝えたい


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