・沖縄のトゥンジー(冬至)での行事食は?
・トゥンジージューシー(冬至雑炊)とは?
・トゥンジージューシー(冬至雑炊)の美味しいレシピは?
全国や沖縄で行うトゥンジー(冬至)、2023年は12月22日(金)です。
沖縄でトゥンジー(冬至)は、疫病を祓い、家族の無病息災を祈願して、体が温まるトゥンジージューシー(冬至雑炊)をいただきます。
本記事を読むことで2023年12月22日(金)、沖縄トゥンジー(冬至)の行事食「トゥンジージューシー(冬至雑炊)」の特徴や役割、美味しい簡単レシピが分かります。
沖縄の「トゥンジージューシー(冬至雑炊)」とは?
◇沖縄のトゥンジー(冬至)でいただく行事食が「トゥンジージューシー(冬至雑炊)」です
二十四節気「冬至」の入り日は、1年間で最も日照時間が短くなり、寒くなる日とされます。
この寒い日に冬の流行病を家から祓い、家族の無病息災を祈願する行事が「冬至(とうじ)」、沖縄ではトゥンジー(冬至)です。
全国的にはカボチャの煮ものや小豆粥をいただき、柚子湯に入る風習がありますが、沖縄ではトゥンジージューシー(冬至雑炊)をいただきます。
<沖縄のトゥンジー(冬至)、全国の冬至(とうじ)> | |
[行事食] | [行事] |
①トゥンジー(冬至) ・トゥンジージューシー (冬至雑炊) ・カチャー湯(力湯) |
●健康祈願 ・ヒヌカン(火の神) ・ブチダン(仏壇) |
②冬至(とうじ) ・カボチャ料理 ・小豆粥 ・冬の七草 …など |
・柚子湯 |
二十四節気による暦なので、全国も沖縄でも冬至の日程は同じではあるものの、沖縄のトゥンジー(冬至)では、行事食や行い方が全国の風習とは異なります。
けれども近年では沖縄にも本州の文化が入り、沖縄のトゥンジー(冬至)を営みながら、カボチャ料理など、本州の風習も取り入れる家庭が増えました。
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沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の特徴は?
◇沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は、イモが特徴です
沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」ではありますが、沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は、体を温める「イモ」をふんだんに入れて炊きます。
イモは根を引っ張ると連なり収穫されることから「子孫繁栄」とされ、転じて子どもの健やかな成長や、家族の無病息災・健康を意味するためです。
<沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)> ●「イモ」をふんだんに炊き込む |
|
[基本] | ・ターンム(田芋) ・チンヌク(里芋) |
[現代] | ・サツマイモ ・カボチャ |
[アレンジ] | ・紅イモ |
…などのイモ類が人気です。
その昔は縁起の良いターンム(田芋)やチンヌク(里芋)がトゥンジージューシー(冬至雑炊)の定番でしたが、近年では子どもも喜ぶサツマイモの炊き込みご飯なども見受けます。
また子どもや高齢の人々にも食べやすいよう、沖縄ではトゥンジージューシー(冬至雑炊)を雑炊にした「ボロボロジューシー(ジューシー雑炊)」や、トゥンジージューシー(冬至雑炊)のお茶漬けをいただく家庭もあるでしょう。
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沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)のポイント
◇沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)のコクは、豚バラの脂身です
ジューシー(冬至雑炊)のコクは、豚バラなど肉の脂身から出ます。
そこで、材料の豚バラを茹でた茹で汁を、ジューシーの炊飯に利用することがポイントになります。
<美味しいトゥンジージューシー(冬至雑炊)> | |
[ポイント] | [内容] |
①豚ロースの脂身 | ・コクが出る ・茹で汁を炊飯に利用 |
②かまぼこ、干し椎茸 | ・甘味が増す ・具材に入れる |
③賽の目に切る | ・食べやすい ・大きさを揃える |
また甘味として、かまぼこや干し椎茸の賽の目切りがおすすめです。
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は、大きさを小さめの賽の目で揃えて下ごしらえをします。
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の材料
◇お米のみで焚きますが、もち米を利用しても良いです
沖縄風炊き込みご飯ジューシーは、全国的な炊き込みご飯と比べてパラパラした炊き込みご飯なので、基本的にもち米は使いません。
けれどもお好みでお米の分量内に、もち米を加えても良いでしょう。
もっちりとした、全国的な炊き込みごはん風の仕上がりになります。
(例:お米2合→お米1.5合+もち米0.5合)
<沖縄のトゥンジージューシーレシピの材料> ●2人分 |
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[材料] | [分量] |
・お米 | …2合分 |
・イモ類 | …約200g |
・にんじん | …約50g |
・干し椎茸 | …約2枚 |
・豚バラ (豚ロース) |
…約180g |
・出汁 (かつお出汁) |
…約3合分 |
・塩 | …適量 |
・醤油 | …大さじ1.5杯 |
「出汁(だし)」は市販の白だしを使うと便利ですが、昔ながらの沖縄では、たっぷりのかつお節でかつお出汁を作りました。
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)で出汁を作るならば、かつお出汁は濃いめで作ると良いでしょう。
また豚バラは豚ロースでも構いません。
豚バラをを炒める時にサラダ油を使う家庭が一般的ですが、牛脂を使うとさらにコクがでます。
昔の沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)
◇昔の沖縄ではイモ類やフーチバーをふんだんに入れました
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)では、縁起の良いターンム(田芋)やチンヌク(里芋)はもちろん、厄祓いとして香りの強い「フーチバー(よもぎ)」をふんだんに入れます。
ただ独特な香りのフーチバー(よもぎ)は癖も強いので、近年では避けられがちです。
沖縄そばでも愛さるフーチバー(よもぎ)ですから、家庭によって違うでしょう。
<沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の特徴> | |
[材料] | [分量] |
・フーチバー(よもぎ) | …約70g |
[イモ類として] | |
・ターンム(田芋) | |
・ミンヌク(里芋) |
賽の目に切ったターンム(田芋)やミンヌク(里芋)が入っているのが、本来沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)です。
昔ながらの沖縄でのトゥンジージューシーレシピは「冬至雑炊」と訳されるように、食べやすく寒い日にも温かい、お雑炊でした。
フーチバーはお雑炊のなかに入れて調理をしても良いですが、たっぷりのフーチバーを用意して、家族が思い思いに適量を入れて楽しむ方法もあるでしょう。
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の作り方
◇現代の家庭で簡単に作るには、炊飯器を利用します
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の特徴で、材料は賽の目に揃えることをお伝えしました。
大きさは基本的に5mm角ほどの小さい賽の目状ですが、豚バラや豚ロースなどのに肉類は、1cm角ほどでも良いでしょう。
<沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊):作り方> | |
①豚バラを茹でる | ・茹で汁を残す |
②かつお出汁 | ・①の茹で汁のアクを取る ・たっぷりのかつお節 ・沸騰した湯で煮出す ・ザルでこす |
③お米2合を洗う | |
④干し椎茸を戻す | ・かつお出汁でもどす |
⑤具材の下準備 | ●イモ類・かまぼこ・しいたけ・にんじん ・5mm角ほどの賽の目 ●豚バラ ・1cm角ほどの賽の目 ●フーチバー ・細かく刻む |
⑥具材を炒める | ・白だしで味付け |
⑦炊飯器にセット | ・お米 ・具材 ・豚バラ ・かつお出汁 |
⑧炊き上がり | ・温めた牛脂を入れて蒸す |
沖縄のトゥンジー(冬至)では、トゥンジージューシー(冬至雑炊)をヒヌカン(火の神)とブチダン(仏壇)へお供えしますが、この時、ブチダン(仏壇)へはウサチ(酢の物)などの箸休めを添えます。
酢の物に限らず、キュウリの浅漬けやもずく酢などでも良いので、こちらも用意しておくと、トゥンジー(冬至)の拝みがスムーズです。
これだけでは分かりにくいので、下記より美味しい沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)を作るポイントを、より詳しく解説します。
[ポイント①]かつお出汁と茹で汁を活用!
◇お米を炊くお水を、かつお出汁や豚の茹で汁にする
最初に干し椎茸を水にもどし、お米2合をお釜にセットしますよね。
ここで昔ながらの沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は、たっぷりのかつお節で作ったかつお出汁をお水代わりに用いる家もありました。
・濃厚なかつお出汁
・豚肉の茹で汁(アク取り)
・干し椎茸の戻し汁
また豚バラ肉を茹でた残り汁を入れても濃厚でおすすめです!
この際は、アクをしっかり取りましょう。
[ポイント②]細かな賽の目
◇具材は小さく、同じ大きさの賽の目で揃えます
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は、具材が小さい点が特徴です。
同じ大きさで揃えることで食べやすく、味がまとまります。
<具材の大きさ> | |
●約5mm角 | ・にんじん ・干し椎茸 ・イモ類 ・かまぼこ …など |
●約1cm角 | ・豚肉 |
●細かく刻む | ・フーチバー(よもぎ) ・万能ねぎ |
フーチーバー(よもぎ)や万能ねぎなどは、細かく刻めば良いです。
フーチバー(よもぎ)を焚き込む前に炊飯器にセットする家庭もありますが、炊きあがった後、仕上げに万能ねぎやフーチバー(よもぎ)を振りかけると、香りが広がります。
[ポイント③]具材は味付け
◇炊飯器にセットする前に、具材を炒め味付けします
少量の油を敷いたフライパンで以上の具材を炒め、おしょうゆや白だしなどで味付けすると、味がしまるでしょう。
<具材の調理> | |
①茹でた豚バラ肉 | ・塩もみ |
②炒める | (賽の目状に切った) ・干し椎茸 ・にんじん ・豚肉 |
③和風味に味付け | (醤油など) |
ここでもうひとつのポイントとして、炒める油はサラダ油ではなく、牛脂を使うとよりコクがでておすすめです。
牛脂はスーパーのお肉売り場で無料で置いていることが多いでしょう。
ぜひ、持ち帰って試してみてください。
[ポイント④]炊飯前に味を整える
◇炊飯器のお釜に具材を入れた後、味を整える
最初にお釜に準備をしたお米に、調理した具材を入れて味を整えます。
豚ロースの茹で汁やかつお出汁を入れているなら味も変わってくるでしょう。
味見をしながら調整をするのがポイントです。
・白だしを加える
・お塩を加える
いっぺんに多く入れるのではなく、お塩であればひとつまみずつなど、少しずつ加えていきます。
味を調えたらスイッチ、オン!普通の炊飯モードで問題ありません。
[ポイント⑤]炊き上がりの牛脂
◇炊きあがった炊飯器に、熱した牛脂を投入します
フライパンに少々の牛脂を熱し、炊き上がったジューシーに投入すると、コクのある沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)が仕上がるでしょう。
①フライパンに少々の牛脂を熱する
②炊飯器の扉を開ける
③①の牛脂を回し入れる
④炊飯器再び閉める
⑤少しの間だけ蒸らす
刻んだフーチバーがあれば、刻んだフーチバーも一緒に投入すると良いでしょう。
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)を盛りつけたら、刻んだ小口ネギを振りかけると香りが高く、見た目にも鮮やかです。
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊):ウサチ(酢の物)
◇ウリ科の野菜「モーウィ(赤毛瓜)」のウサチ(酢の物)
イチョウ型に薄く切った、モーウィのウサチ(酢の物)は便利です
沖縄で「モーウィ」は、市場などで多く販売されています。
皮を剥いて種を取り、イチョウ型の薄切りにすることで、お目出たい雰囲気も出るウサチ(酢の物)が手軽にできます。
<モーウィのウサチ(酢の物):材料> | |
[材料] | [分量] |
・モーウィ | …300g |
[和え汁] | |
・お酢 | …大さじ3 |
・かつお出汁 | …大さじ3 |
・砂糖 | …大さじ3 |
※お塩 | …適量 |
モーウィのウサチ(酢の物)を和える和え汁は、基本的に[お酢:かつお出汁:砂糖]の分量が[1:1:1]で整えると、味が決まりやすいです。
モーウィのウサチ(酢の物)の作り方
◇和え汁は鍋で煮立たせて作ります
材料の和え汁を鍋で煮立たせ、薄く切ったモーウィに暫く漬けて味付けするだけの作り方なので簡単です。
モーウィはどこまで薄く切るかは家族の好みがあるでしょう。
ただウサチ(酢の物)なので、スライサーを使用して薄く切る家庭が多いです。
<モーウィのウサチ(酢の物):作り方> | |
①下準備 | ・モーウィの皮むき ・モーウィの種取り |
②モーウィの薄切り | ・イチョウ型 |
③和え汁を作る | ●鍋で和え汁を煮立たせる ・お酢 ・かつお出汁 ・砂糖 (分量は1:1:1) |
④モーウィの水分を絞る | ・手や布巾に包み絞る |
⑤ボウルでしばらく漬ける | ・絞ったモーウィ ・和え汁 |
⑥塩で味を整える |
モーウィは手でぎゅっと握るように水分を絞り、ボウルで和え汁と暫く漬けます。
キュウリの酢の物などさまざまありますが、モーウィは市場でとても安く販売されていて、経済面でも手軽でおすすめです。
まとめ:沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は豚肉を入れます
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の特徴はイモ類が入っていることです。
また沖縄のジューシーで美味しくコクを出すには、豚バラ肉の茹で汁や牛脂を利用して、コクを出します。
フーチバー(よもぎ)は、その個性的な香りが厄を祓うとされ、インフルエンザなどの流行り病「ヤナカジ(嫌な風)・シタナカジ(穢れた風)」を祓う食材です。
現代は苦手な人も多いですが、入れてみると癖になる人も少なくありません。
また全国的な冬至の邪気祓いは、赤い小豆を入れた小豆粥などがありますが、小豆は沖縄でも邪を祓う食材とされますので、美味しくいただいてみてはいかがでしょうか?
まとめ
沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)
●トゥンジージューシー(冬至雑炊)とは
・冬至の行事食
・冬至にいただくジューシー
・イモ類がふんだんに入る●トゥンジージューシー(冬至雑炊)の作り方
①下準備
・干し椎茸の戻し汁は炊飯の水に
・豚肉の茹で汁も炊飯の水に②具材は賽の目
・根野菜類は約5mmほどの賽の目
・豚肉は約1cmほど
・フーチバーは刻む③具材は調理
・豚肉は塩もみ
・フライパンを油か牛脂で熱する
・具材をフライパンで炒める
・味付けする③炊飯器にセットする
・白だし
・醤油
・塩
…で味付け③炊き上がりで仕上げ
・牛脂(油)を熱する
・炊飯器に熱した牛脂を入れる
(フーチバーを入れる)
・しばらく蒸す