2023年沖縄のトゥンジー(冬至)はいつ・どのように行うの?お供え物や拝み言葉は?

2023.11.05
2023年沖縄のトゥンジー(冬至)はいつ・どのように行うの?お供え物や拝み言葉は?

沖縄のトゥンジー(冬至)、2023年は12月22日(金)です。全国にも冬至がありますが、沖縄のトゥンジー(冬至)は全国とは行い方が違います。本記事では2023年沖縄のトゥンジー(冬至)日程や意味、お供え物や拝み方、拝み言葉が分かるでしょう。

・2023年トゥンジー(冬至)はいつ?
・沖縄のトゥンジー(冬至)の行い方は?
・沖縄でのトゥンジー(冬至)のお供え物は?

二十四節気「冬至」に行う沖縄のトゥンジー(冬至)、2023年は12月22日(金)が冬至、1年で最も昼間が短くなる日です。

全国的にもカボチャ料理や柚子湯に入る風習がありますが、沖縄では全国とは違うトゥンジー(冬至)の行事食や拝み方があります。

本記事を読むことで、2023年沖縄のトゥンジー(冬至)日程や意味、お供え物や拝み方、拝み言葉が分かります。
 

2023年沖縄のトゥンジー(冬至)はいつ?

2023年沖縄のトゥンジー(冬至)はいつ?
◇2023年沖縄のトゥンジー(冬至)は、12月22日(金)です

2023年沖縄のトゥンジー(冬至)は12月22日(金)、旧暦行事ではなく二十四節気による日程なので、全国的な「冬至(とうじ)」と同じ暦です。

冬至は一年で最も日の出~日の入り時間が短いため最も寒いとされ、この冬至を境に少しずつ暖かくなるとも言われます。

寒い季節に家族の健康祈願を行う風習は、全国も沖縄も同じです。
ただ沖縄のトゥンジー(冬至)は、行事食となるお供え物や拝み方が違うでしょう。

また全国的に冬至(とうじ)の日程は、毎年少しずつ異なります。
 

<2023年沖縄のトゥンジー(冬至):日程>
・2023年 …12月22日(金)
・2024年 …12月21日(土)
・2025年 …12月22日(月)

 
ちなみに2022年度もトゥンジー(冬至)の日は12月22日でした。
毎年日取りは変わるものの、おしなべて12月20日~22日頃を推移しているでしょう。
 

 

トゥンジー(冬至)の意味は?

◇トゥンジー(冬至)は、1年で最も昼の時間が短くなる日です

冬至(とうじ)は昼が最も短く寒くなる時期ですので、この日を境にだんだんと季節は春へと向かいます。

沖縄ではトゥンジー(冬至)の寒さから、春に向けて徐々に暖かくなる様子を、「一陽来復(いちようらいふく)」の言葉に例える人も多いです。
 

<沖縄のトゥンジー(冬至)の意味は?>
[冬至] [意味]
●最も寒い日 日没が最も早い
・太陽の黄経270度に達する
二十四節気「冬至」
●寒い季節の健康祈願 家族の無病息災
・子どもの健康祈願
・疫病を祓う「厄祓い」
●太陽が最も衰える 太陽が生まれ変る
・陰が極まる
●一陽来復
(いちようらいふく)
陰が極まり、陽転する
・運気の回復
・縁起の良いことをする

 
太陽の通り道「黄経」が270度に達する冬至では、北半球において太陽の天頂が1年で最も低くなり、日没が早く昼の時間が短くなるため、最も寒さが極まるとされます。

中国の易学「易経」では「日短きこと至る」とされる冬至ですが、陰が極まるからこそ、この日を境に、運気も回復(陽へ転じる)してくると伝えられてきました。

また、一年で最も一日が短い「寒い日」として、寒さに負けない強い体で健康にこの冬を乗り越えるための行事を行います。
 

全国的な冬至

全国的な冬至
◇全国的な冬至では柚子湯に入り、カボチャ料理・小豆料理が行事食です

全国的な冬至の行事食と言えばカボチャ(南瓜)や、「ん」の付く根野菜を中心として「冬の七草(冬至の七草)」をいただいて、冷え切った体を温めます。

また現代ではインフルエンザなど、乾っ風が吹く時期に避けたい、疫病を家から祓いのけるため、厄祓い効果がある「小豆」料理をいただく風習が有名です。
 

<全国的な冬至の進め方>
(1)柚子湯に入る
(2)「ん」のつく食べ物をいただく
(3)小豆をいただく

 
沖縄のトゥンジー(冬至)の拝み方と同じく、お仏壇がある家庭では、ご先祖様へそのままお供えをするでしょう。
「ん」のつく食べ物が「南瓜(なんきん)」で、かぼちゃにあたります。
 

<冬の七草(冬至の七草)とは>
[七草の名称] [現代の言葉]
・なんきん (南瓜)
・にんじん (人参)
・ぎんなん (銀杏)
・かんてん (寒天)
・きんかん (金柑)
・れんこん (蓮根)
・うんどん (うどん)

 
また小豆は赤い色が邪を祓うとされ、かぼちゃと小豆の煮物「かぼちゃのいとこ煮」も、全国てな冬至の行事食です。
 

 

2023年沖縄トゥンジー(冬至)の拝み方

2023年沖縄トゥンジー(冬至)の拝み方
◇「トゥンジージューシー(冬至雑炊)」を供えます

一方、沖縄のトゥンジー(冬至)は、行事食「トゥンジージューシー(冬至雑炊)」と酢の物を、ヒヌカンとブチダン(仏壇)へ供えて、家族の無病息災を行う行事です。

沖縄では馴染み深いジューシーですが、トゥンジージューシー(冬至雑炊)には、寒い冬に打ち勝つ特徴があります。
 

<沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊):特徴>
●芋類をふんだんに食材に入れる
・ターンム(田芋)
・チンヌク(里芋)
・サツマイモ

 
新暦12月は旧暦11月にあたり、旧暦11月13日頃の吉日には、かつて芋の収穫を祝う「ウンネーウイミ(芋折目)」も盛大に行われていました。
時期的にも芋が豊富にあったことや、根野菜で体を温めて健康でいる意味があったのでしょう。
 

<トゥンジージューシー(冬至雑炊):芋の意味>
●子孫繁栄 ・芋は根っこから連なって収穫できる
●クゥエーブン(食べる運) ・お芋が収穫時期
●家族の健康祈願 ・栄養が豊富
・高齢者や赤ちゃんも食べやすい

 
全国的には「カボチャ」が行事食ですが、沖縄のトゥンジー(冬至)では、「芋」であれば何を入れても構いません。

一般的にターンム(田芋)やチンヌク(里芋)が炊き込まれますが、家族が好きならば、サツマイモや紅芋などの炊き込みご飯でも良いでしょう。

農耕の衰退もあり、最近ではそもそも芋にこだわらず、いつものジューシーを炊いて供える家庭も増えました。
 

 

沖縄のトゥンジー(冬至)行事食は?

◇ボロボロジューシーや、カチャー湯をいただく家庭もあります

沖縄のトゥンジー(冬至)では、トゥンジージューシー(冬至雑炊)をヒヌカン(火の神)とブチダン(仏壇)へ供えますが、家族がいただく行事食としては、ボロボロジューシー(雑炊ジューシー)、カチャー湯(力湯)も人気です。

今ではジューシーと言えば沖縄風炊き込みご飯ですが、昔はお雑炊を「ジューシー」と呼んでいた家庭も多くありました。
 

<沖縄のトゥンジー(冬至):おすすめの行事食>
[行事食] [作り方]
●カチャー湯(力湯) ・たっぷりのかつお節で煮出しただし汁
●ボロボロジューシー
(雑炊ジューシー)
・ジューシー(沖縄風炊き込みご飯)をカチャー湯などで雑炊にする
・トゥンジージューシー(冬至雑炊)にカチャー湯を掛ける

 
カチャー湯は、家庭によって違いはありますが、一般的にたっぷりのかつお節で作った出汁です。

トゥンジージューシー(冬至雑炊)にカチャー湯を掛けて、お茶漬けのようにすると、高齢のおじぃおばぁ、離乳食頃の幼いお子様でも美味しくいただけます。
 

沖縄のトゥンジー(冬至):お供え物

沖縄のトゥンジー(冬至):お供え物
◇トゥンジージューシー(冬至雑炊)を、ヒヌカン(火の神)とブチダン(仏壇)へ供えます

沖縄のトゥンジー(冬至)の行事食は「トゥンジージューシー(冬至雑炊)」です。
沖縄の年中行事では、行事食をヒヌカン(火の神)とブチダン(仏壇)へ供えて、日ごろの御守護への感謝とともに祈願をします。

ヒヌカン(火の神)はトゥンジージューシー(冬至雑炊)のみをお供えすれば良いです。一方、ブチダン(仏壇)へお供えをする時は、お膳に整え、箸休めとなるウサチ(酢の物)とお箸まで準備をします。
 

<沖縄トゥンジー(冬至):供える場所>
[場所と時間] [目的]
●朝
・ヒヌカン(火の神)
・トゥンジー(冬至)の日であることのご報告
・無事にトゥンジー(冬至)の拝みができるよう、御守護を祈願
●日中
・ブチダン(仏壇)
・日ごろの御守護への感謝
・家族の無病息災を祈願
・子どもの健やかな成長を祈願

 
沖縄ではトゥンジー(冬至)に限らず、旧暦行事のほとんどで、まず家を守護するヒヌカン(火の神)へお供え物をして拝みを捧げ、「無事に拝みが出来ますように」と祈願の御守護をお願いします。

その後にご先祖様が鎮座されるブチダン(仏壇)へと進むと良いでしょう。
 

沖縄のトゥンジー(冬至):ヒヌカン(火の神)

◇日々のお供え物と、トゥンジージューシー(冬至雑炊)をお供えします

台所に鎮座するヒヌカン(火の神)は、昔「家の女性の守り神」と言われました。
今では台所に女性が入るとは限りませんが、主に家庭の食事を担う人が、ヒヌカン(火の神)を担ってください。
 

<沖縄トゥンジー(冬至):ヒヌカン(火の神)>
①日々のお供え物 ・供え葉(クロトンやチャーギ)
・お塩
・ウサク(お酒)
・ミジトゥ(お水)
②トゥンジージューシー
(冬至雑炊)
・お箸は添えない
・トゥンジージューシーのお椀のみで良い

 
ヒヌカンは火の神、ご先祖様のようにこの世に霊魂のいる神様ではありません。
そのため沖縄のトゥンジー(冬至)に限らず、イチミ(生きる身)が利用するようなお箸などは添えません
 

沖縄のトゥンジー(冬至):ブチダン(仏壇)

◇日々のお供え物と、トゥンジージューシー・ウサチ(酢の物)を供えます

ヒヌカンは家庭で主に食事を担う人が拝み事も担いますが、お仏壇を担う人はその家庭の大黒柱、家長です。
そのため一般的には、ご主人である男性が担う家庭が多いでしょう。

かつてこの世に霊魂のあったご先祖様「祖霊神」へは、お膳にトゥンジージューシー(冬至雑炊)を整えて、お箸を添えます
 

<沖縄トゥンジー(冬至):ブチダン(仏壇)>
①日々のお供え物 ・供え花
・ウチャトゥ(お茶)
・ウサク(お酒)
②お膳 ・トゥンジージューシー(冬至雑炊)
・ウサチ(酢の物/副菜)
・お箸

 
家長を中心にして家族が並び、一緒に手を合わせると尚良いでしょう。
お仏壇へお供えをしたら、家族でトゥンジージューシー(冬至雑炊)をいただきます。

お仏壇のご先祖様を囲んで、家族みなでトゥンジージューシー(冬至雑炊)をいただいて、歓談を楽しんでください。

しばらくしたらお仏壇からお供え物を下げる「ウサンデー」をしますが、下げたお供え物はイチミ(家族)がいただいて構いません。
 

沖縄でのトゥンジー(冬至):拝み方

沖縄でのトゥンジー(冬至):拝み方
◇お供え物をする時には、お線香を供えて健康祈願を行います

沖縄の旧暦行事で祈願を行う言葉は「拝み言葉」や「グイス(祝詞)」とも言われるでしょう。

ただグイス(祝詞)と言っても、もともと沖縄言葉で家族の健康や家の繁栄を祈願しているもので、お経などとは違うものです。
家庭の拝みであれば、自分なりの言葉で唱えても構いません。
 

<沖縄トゥンジー(冬至):お線香の本数>
[供える場所] [本数]
①ヒヌカン(火の神) ●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
・日本線香…5本(もしくは15本)
・沖縄線香…タヒラ半(2枚と半分)
②ブチダン(仏壇) ●ジュウニフンウコー(十二本御香)
・日本線香…4本(もしくは12本)
・沖縄線香…タヒラ(2枚)

 
沖縄線香は「ヒラウコー(平御香)」とも呼ばれますね。
6本の日本線香が横に繋がった板状のお線香です。

沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」は沖縄で馴染み深く、金額的にも安い傾向にありますが、特に拝み事を神様やご先祖様に伝えたい時には、香り高いイッポンウコー(一本御香)「日本線香」が良いとされています。

神様仏様が好きな香り高い煙が天へ上り、下界で拝みを捧げていることを伝えてくれるでしょう。
 

沖縄のトゥンジー(冬至):グイス(祝詞)

◇沖縄のトゥンジー(冬至)では、家族が健康であるよう祈願します

1年で最も寒い沖縄のトゥンジー(冬至)の祈願は、家族の無病息災、子どもの健やかな健康祈願です。

インフルエンザが流行るこの時期、家からヤナカジ・シタナカジ(嫌な風・穢れた風)を追い払い、流行り病から家族を守ります
 

<沖縄のトゥンジー(冬至):グイス(祝詞)>
「ウートゥートゥー ヒヌカン(ウヤフジ)ガナシー、
(あな尊き ヒヌカン(ご先祖)様、)

チューヤァ トゥンジーヌヒ ナトゥイビン。
(今日は冬至の日になりました。)

クマンカイ トゥンジージューシー ウサギティビングトゥ
(コチラにトゥンジージューシーをお供えしましたので、)

ウキトゥイジュラサァ ウタビミスーリ。
(受け取ってください。)

○○ヌチネーサンムトゥ チャー ウマムイジュラサァ ウタビミスーチ、
(○○の家を 常に 守ってくださいまして、)

マクトゥニ ウシディガフーディービル。
(誠に ありがとうございます。)

クリカラム、チャー ウマムイジュラサァ、
(こらからも 常に 守っていただきまして、)

ムル カラタガンジュー ドゥーガンジュー アラシミスーリー。
(家族みんなが 体が丈夫に 元気で いさせてください。)

マタ、カテーエンマン ユルクビアラチ、ウタビミスーリー、ウートゥートゥー。
(また、家庭円満に喜びが現れますように、あな尊い。)」

 
「グイス(祝詞)」と言っても、沖縄の旧暦行事では沖縄言葉で神様へ語り掛けるように祈願をしますので、お経のようなものではありません。
 

<沖縄のトゥンジー(冬至):伝る内容>
[供える場所] [トゥンジー(冬至)]
①本日の日 「今日の善き日、トゥンジー(冬至)の日を迎えています。」
②お供え物 「トゥンジージューシー(冬至雑炊)をお供えしていますので、お受け取りください。」
③日ごろの感謝 「いつも○○の家を常にお見守りくださいまして、誠にありがとうございます。」
④祈願事 「これからも、この家に住む家族が皆、体も丈夫に元気でいさせてください。」
⑤今後を祈願 「また、家族円満に喜びが溢れますよう、今後ともお見守りください。」

 
以上の内容をお伝えすることさえ意思すれば、現代の言葉でお伝えしても、何も問題はありません。
 

まとめ:沖縄のトゥンジー(冬至)は、健康祈願です

沖縄の旧暦行事:12月のトゥンジー(冬至)
全国的な冬至の風習は、柚子湯に入りカボチャ料理を楽しむなどがあります。
一方、沖縄のトゥンジー(冬至)はトゥンジージューシー(冬至雑炊)です。

沖縄の旧暦行事ではヒヌカン(火の神)ブチダン(仏壇)へ、まず供える点が特徴的で、祭壇や仏壇がない場合には、リビングでお盆に整え、簡易祭壇を設けても良いでしょう。

どちらも寒い冬至に体を労り、風邪や流行り病に掛かることなく、無事に冬を超えるよう、祈願します。

まずは健康第一に、家族で温かな食卓を囲み、トゥンジー(冬至)を迎えてみてはいかがでしょうか。
 

 

まとめ

沖縄のトゥンジー(冬至)
●全国的な冬至
・カボチャ(南瓜)料理
・邪を祓う小豆料理
・柚子湯

●沖縄のトゥンジー(冬至)
[行事食]
・トゥンジージューシー(冬至雑炊)
・カチャー湯(力湯)
・ボロボロジューシー(雑炊ジューシー)

[健康祈願]
・ヒヌカン(火の神)
・ブチダン(仏壇)
・ウサンデー

 


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