2024年1月18日(木)はムーチー(鬼餅)の日!ムーチー(鬼餅)の作り方や拝み方

2023.11.29
2024年1月18日(木)はムーチー(鬼餅)の日!ムーチー(鬼餅)の作り方や拝み方

2024年1月18日(木)、旧暦12月8日に沖縄では健康祈願行事「ムーチー(鬼餅)」を行います。寒い冬に家族の健康祈願、とりわけ子どもの健やかな成長を祈願する行事です。本記事では昔話やムーチー(鬼餅)の作り方、行うこと、拝み方が分かります。

・ムーチー(鬼餅)とは?
・ムーチー(鬼餅)の作り方は?
・ムーチー(鬼餅)の日の行事や拝み方は?

2024年1月18日(木)、旧暦12月8日に沖縄では健康祈願行事「ムーチー(鬼餅)」を行います。

ムーチー(鬼餅)行事は寒い冬に家族の健康祈願、とりわけ子どもの健やかな成長を祈願する行事です。

本記事を読むことで、毎年旧暦12月8日、2024年1月18日(木)に行うムーチー(鬼餅)について、由来となった昔話やムーチー(鬼餅)の作り方、行う事柄や、健康祈願が分かります。
 

ムーチー(鬼餅)とは?

ムーチー(鬼餅)とは?
◇ムーチー(鬼餅)とは、沖縄の昔話に伝わる「鬼を祓うおもち」です

沖縄ではもち粉を水で溶いたタネを蒸しておもちを作りますが、蒸す時に月桃(サンニン)の葉に巻くことも、ムーチー(鬼餅)の特徴でしょう。
月桃(サンニン)の個性的で強い香りが、厄祓いに役立つとされます。
 

<ムーチー(鬼餅)行事とは?>
[時期] ・旧暦12月8日
2024年1月18日(木)
[目的] 寒い冬に悪疫を祓い健康を祈願する
・家に災いの侵入を防ぐ
・あらゆる鬼を追い祓う

 
沖縄では旧暦12月8日頃の底冷えする寒さを「ムーチービーサー(ムーチーの寒さ)」と言います。

真冬に行う悪霊・悪疫払いですから、風邪やインフルエンザなどの流行り病を追い払う意味合いもあるでしょう。

ではなぜ、ムーチー(鬼餅)が厄祓い・鬼祓いとなったのかと言えば、鬼になった兄を退治した、沖縄の昔話が由来です。
 

ムーチー(鬼餅)の昔話とは?

ムーチー(鬼餅)の昔話とは?
◇人食い鬼と化した兄を、ムーチー(鬼餅)で妹がやっつけます

鬼と化して人食いになった兄をやっつけるため、妹は兄の好物だったおもちに鉄釘を入れて退治する昔話です。
 

<ムーチー(鬼餅)の昔話>
「昔々、両親が亡くなり二人で暮らしてきた兄妹がいました。
妹は大きくなり結婚をして家を出ると、優しかったはずの兄は寂しさで鬼と化してしまいます。

とうとう鬼と化した兄は、集落の子ども達を襲っては食らうようになりました。

ある日妹は兄から家に呼ばれ、我が子を連れて家に訪れますが、我が子も兄に襲われてしまいます。

そこで妹は兄の好物だったおもちに釘や瓦を入れた「ムーチー(鬼餅)」を作り、「たまにはピクニックをしませんか?」と、兄を崖まで呼び寄せました。

そこで「美味しい、美味しい」とムーチー(鬼餅)を食べて、鉄や瓦で重くなった兄を崖から落とし海に沈め、人食い鬼と化した兄を退治します。」

 
妹が崖から兄を落とし退治した日が、旧暦12月8日とされ、ムーチー(鬼餅)行事が行われるようになりました。

現代のムーチー(鬼餅)に鉄や瓦は入っていませんが、個性的な香りから邪気を払うとされる月桃の葉でもちを包み蒸していただきます。
 

沖縄のムーチー(鬼餅)レシピ

沖縄のムーチー(鬼餅)レシピ
◇もち粉を水で溶き、月桃に包み蒸すのみです

全国的にはもち米を炊いてつきますが、沖縄のおもちは多くがもち粉から作ります
黒糖や紅芋、ウコンなどの粉末を加えた、カラフルなムーチー(鬼餅)も人気です。

また沖縄のスーパーでは「ムーチーミックス」など、簡単に作れるセットも販売されているので上手に利用するのも良いでしょう。
 

<ムーチー(鬼餅)レシピ>
[材料]
・月桃(サンニン)の葉…8枚~12枚ほど
・もち粉…1袋(内容量800gほど)
・水…700mlほど
・塩…少々
・紐(ビニール紐など)

[作り方]
(1)もち粉と水、お塩を加える
(2)耳たぶほどの柔らかさまでねる
(3)おもちを均等に分ける
(4)月桃の葉の中央に、おもちを置く
(5)葉を置いてたたむようにおもちを包む
(6)包んだおもちを紐で結ぶ
(7)蒸し器で蒸す(40分~60分が目安)

 
月桃の葉(サンニンの葉)であれば、ビニール紐で結んでまとめる家がほとんどです。
またプレーンの他にも黒糖や紅芋など、カラフルなムーチー(鬼餅)を作ったら、その色に合わせたビニール紐を使うと、開く前から分かりやすくて便利でしょう。
 

いろいろな種類のムーチー(鬼餅)

いろいろな種類のムーチー(鬼餅)
◇ムーチー(鬼餅)には、いくつかの種類があります

その昔、男の子は強い子になるよう、「クファムーチー(桑鬼餅)」を作りました。
月桃(サンニン)の葉よりも大きな桑(クファ)などに包んで蒸します。
このようにムーチー(鬼餅)には、供え方や状況により、いくつかの種類があります。
 

<沖縄のムーチー(鬼餅):さまざまな種類>
(1)サギムーチー(下げ鬼餅)
(2)チカラムーチー(力鬼餅)
(3)ハチムーチー(初鬼餅)

 
もともとは寒い季節に家族の疫病を跳ね飛ばす行事でしたが、子どもの健康祈願としての意味合いが強くなった現代は、子どもの成長を願う意味合いが強いです。

特にサギムーチー(下げ鬼餅)やハチムーチー(初鬼餅)は、今も広い地域で沖縄に根付いています
 

(1)サギムーチー(下げ鬼餅)

(1)サギムーチー(下げ鬼餅)
◇「子どもの年齢分だけ繋げて吊るします

また子どもがいる家庭では、ムーチー(鬼餅)を子どもの年齢分だけビニール紐などで繋ぎ合わせ、軒先などに吊るして健康祈願を行います。
この健康祈願が「サギムーチー(下げムーチー)」です。

並んで吊るす家が多く、軒先のないマンションなどでは梁などに吊るします。
 

(2)チカラムーチー(力鬼餅)

(2)チカラムーチー(力鬼餅)
◇力ムーチー(力鬼餅)は、大きな桑の葉で包みます

「チカラムーチー(力鬼餅)」は、力持ちになるよう祈願し大きな桑の葉で包んだおもちで、昔は男の子のために作ってきました。
 

<チカラムーチー(力鬼餅)>
・桑(クファ)の葉でおもちを包む
・「力持ち」になるよう祈願
(クファの葉が大きいため)

 
ただ現代ではチカラムーチー(力鬼餅)は、あまりに大きなおもちなので、あまり見かけなくなりました。

大きくて包みにくいですが、葉っぱの中央におもちを乗せて包むように葉を重ねてみてください。

手前から束ねて折り曲げながら、葉の一つをぐるぐる巻きにしていくと包みやすいです。
 

(3)ハチムーチー(初鬼餅)

(3)ハチムーチー(初鬼餅)
◇初めて迎えるムーチー(鬼餅)が、ハチムーチー(初鬼餅)です

「ハチムーチー(初鬼餅)」は、初めてムーチー(鬼餅)を迎える赤ちゃんへ作るムーチー(鬼餅)を差します。

ハチムーチー(初鬼餅)は、作ったムーチー(鬼餅)を親族や近所の人々へ配ることで幸せを配り、「皆様のお見守りのお陰で、無事にハチムーチー(初鬼餅)を迎えました。」と感謝を伝える行事です。
 

ムーチー(鬼餅)の拝み方

ムーチー(鬼餅)の拝み方
◇ムーチー(鬼餅)のお供えは3個です

旧暦12月8日、2024年1月18日(木)の朝、ヒヌカン(火の神様)へムーチー(鬼餅)を3個お供えします。
ヒヌカン(火の神様)には、今日の日がムーチーであることをご報告します。

ヒヌカン(火の神様)には滞りなく行事が進むよう、お見守りを祈願するため、最初にヒヌカン(火の神様)、そしてお仏壇です。

家によりそれぞれですが、沖縄ではムーチーを供える個数は奇数の3個が良いと言われています。
 

<沖縄のムーチー(鬼餅)☆拝み方>
[お供え物] [お線香]
(1)ヒヌカン(火の神様)
・日々のお供え物
(お水・お塩・チャーギなど)
・ムーチー(鬼餅)3個
●ジュウゴフンウコー
(15本御香)
日本線香…15本もしくは5本
沖縄線香…タヒラ半(2枚半)
(2)お仏壇
・日々のお供え物
(お茶・お酒・供え花)
・ムーチー(鬼餅)3個
●ジュウニフンウコー
(12本御香)
日本線香…12本もしくは4本
沖縄線香…タヒラ(2枚)

 
お線香については、本来は香りをウティン(御天)へ届けるとして、香りがより高いカバシウコー(香御香)とされる日本線香の方がおすすめです。
ただ、沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」が一般的に根付いています。
 

 

ムーチー(鬼餅)のグイス(祝詞)

◇グイス(祝詞)とは拝み言葉ですが、現代の言葉で伝えても構いません

沖縄言葉のグイス(祝詞)もありますが、一般家庭では現代の言葉で丁寧に、日ごろのお見守りへの感謝と、今後の健康祈願を唱えれば問題ありません。
ヒヌカン(火の神様)とお仏壇には、下記の3点を伝えることを意識します。
 

<ムーチー(鬼餅)で伝えること>
・本日がムーチー(鬼餅)の日であること
・日ごろのお見守りへの感謝
・今後の健康祈願

 
「ウートゥートゥー」など、沖縄の拝み言葉として今も残るものであれば、積極的に使いましょう。
けれども心から伝えることが大切なので、現代の言葉と合わせても良いです。
例えば、下記のような形でも拝まれています。
 

<ムーチー(鬼餅)の拝み言葉>
「ウートゥートゥー、ヒヌカン(ウヤフジ)ガナシー。
(あな尊き ヒヌカン(ご先祖)様。)

今日はムーチーの日でございます。
縁起よきムーチーをお供えいたしましたので、どうぞお受け取りください。

そしてヤナカジ・シタナカジを押し退け、祓いのけ、代わりに福徳を招き入れてくださいますように。

クワッウマンチャー(子々孫々)みんなが体も頑丈に元気で、家庭円満でありますよう、どうぞ見守っていてください。
ウートゥートゥー。」

 
家によっても違いますので、また、ユタやノロとしてではなく、一家庭での拝み事ですので、日ごろ話しかけるように必要な事柄をお伝えできれば、細かな部分は問題ありません。
 

まとめ:ムーチー(鬼餅)は寒い冬に行う家族の健康祈願です

まとめ:ムーチー(鬼餅)は寒い冬に行う家族の健康祈願です
旧暦行事が今も残る沖縄ですが、特にムーチー(鬼餅)は現代の若い世代にも根付く行事です。

ムーチー(鬼餅)作りを恒例行事としている保育園やこども園(幼稚園)も多くあり、スーパーではムーチー(鬼餅)が並びます。

沖縄のおもちはもち粉を水で溶いて作るため、親子でも楽しく作ることができます。
ムーチー(鬼餅)の他にも、あんこなどを用意して、美味しいおやつを作るのも良いですね。

寒い冬に流行るインフルエンザなどの流行り病を、ムーチー(鬼餅)行事で追い払ってしまいましょう!
 

まとめ

ムーチー(鬼餅)とは
[ムーチーとは]
・旧暦12月8日
・健康祈願行事
・2024年1月18日(木)

[由来]
・鬼になった兄を妹が退治
・ムーチーで海に沈めた
(鉄や釘をおもちに入れた)

[ムーチーの作り方]
・もち粉でおもちをつくる
・月桃の葉で包んで蒸す

[ムーチーの種類]
・サギムーチー
(子どもの年齢分吊るす)
・チカラムーチー
(桑の葉で包んだムーチー)
・ハチムーチー
(産まれて初めてのムーチー)

[豆知識]
・ハチムーチーは近所に配る
・ヒヌカンとお仏壇にもお供えをする
・スーパーでも販売している

 


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