葬儀や通夜に参列する服装・喪服マナーとは?女性と男性・子どもや夏場のジャケットは?

2023.08.29
葬儀や通夜に参列する服装・喪服マナーとは?女性と男性・子どもや夏場のジャケットは?

葬儀に参列する服装は準喪服ですが、ひと昔前の通夜は平服だったのに対して、現在は通夜の服装も喪服をマナーとするものが多いです。沖縄の地方では、この判断に迷うこともあるでしょう。本記事を読むことで葬儀や通夜の服装マナー、判断基準をお伝えします。

・葬儀に参列する服装マナーとは?
・現代は通夜でも喪服がいい・
・夏場もジャケットを羽織らなければダメ?

葬儀に参列する服装は、基本として準喪服(略礼服)です。
ひと昔前まで通夜に駆け付ける時には、お出掛け着の平服でしたが、近年では喪服での参列が増えました。

本記事を読むことで、突然の訃報で通夜や葬儀に参列する服装マナー、喪服マナーが分かります。

沖縄で夏場に着用する、弔事用のかりゆしウェアーについても解説しますので、どうぞ最後までお読みください。
 

葬儀に参列する服装マナー

葬儀に参列する服装マナー
◇葬儀に参列する服装マナーの基本は、準喪服です

大規模な沖縄の一般葬では、弔事用のかりゆしウェアーも多く見受けます。
ただ、近年増えた小規模な家族葬では、かりゆしウェアーだと浮く場合もあるので注意をしましょう。
 

<沖縄式・本州式の見分け方>
●葬儀の規模が違います
[沖縄の一般葬] 新聞紙の訃報欄で告知
(葬儀の訃報欄で知る)
[本州式の葬儀] 個別に訃報が届く
(葬儀案内を受けた

 
このように、基本的に個別に訃報を受けたり、葬儀案内ハガキが届いて参列する葬儀の服装は、準喪服で整えると安心です。
香典なども本州式の金額相場で包むと良いでしょう。
 

 

男性の葬儀での服装マナー

男性の葬儀での服装マナー
◇男性はブラックスーツ、もしくは弔辞用の黒いかりゆしウェアーです

従来の沖縄で行う一般葬であれば、夏場は弔事用の黒いかりゆしウェアーで問題はありません。

弔辞用の黒いかりゆしウェアーは沖縄では正装となります。
選ぶポイントは、胸ポケットに余裕を持って香典袋が入るものを選ぶと便利です。

規模が小さい葬儀など不安があれば、下記を参考に準喪服で整えましょう。
 

<男性が葬儀に参列する服装>
[ブラックスーツ] ・白シャツ
無地マットのブラックタイ
[靴] マットな黒革靴
・内羽根式
・ストレートチップ
(が理想的)
[注意点] 光沢のない素材を選ぶ
・貴金属は外す
[アクセサリー] 結婚指輪のみ
[小物] 白か黒のハンカチ
・簡易数珠(本州式)
・ふくさは緑や紫など

 
黒いかりゆしウェアーですが、安いものから高いものまで種類は豊富です。
そこで素材によって、汚れが付きやすいものもあります。
真っ黒な分だけ付いた埃は目立つため、埃が付きにくい素材選びをしましょう。

またしばしば「黒に見えるから濃紺でもいいや」と、深い濃紺やダークグレーを着用して、葬儀に参列する人も見受けます。
けれども葬儀で喪服と並ぶと、色の違いが目立ちますので注意をしてください。
 

女性の葬儀での服装マナー

女性の葬儀での服装マナー
◇一般的に、女性の葬儀での服装は準喪服です

女性であっても葬儀に参列する服装は、黒いかりゆしウェアーでも良いとされます。
けれども一般的に沖縄でも、女性の葬儀での服装は本州と同じく、黒いアンサンブルやワンピースなどの、準喪服(略礼服)が多いでしょう。
 

<女性が葬儀に参列する服装>
[服装] 黒いアンサンブル
・黒いワンピース
…など。
[露出の注意] ・スカート丈はひざ丈以上
・袖丈は肘丈以上
[足元] 黒マットのストッキング
・黒マットのパンプス
・ラウンドトゥーが理想的
ヒールは3cmほど
・ピンヒールを避ける
[その他] ・派手な化粧は避ける
・ネイルを避ける
(爪は短く切る)
髪の毛は後ろでくくる
(黒などの地味な輪ゴム)
…など。
[小物] 白か黒のハンカチ
・簡易数珠(本州式)
・ふくさは緑や紫など

 
しばしば急な訃報で「ネイルを取ることができない」などの相談がありますが、できるだけネイルオフをしてから参列します。
それでも間に合わない時には、黒い手袋などを付ける対策もあるでしょう。
 

<参列者が避ける「正喪服」>
●ご遺族が着用する正喪服は避けます
・長すぎる丈のブラックドレス
(くるぶし丈ほどの長いスカート丈)
・黒紋付
(喪服の着物)

 
喪主やご遺族以外が葬儀に参列する服装は「準喪服」です。
くるぶし丈以上の長い丈のブラックドレスや、喪服の着物である黒紋付は「正喪服」であり、ご遺族が着ます。

ご遺族よりも格が高い、同等の喪服で参列しないよう、注意をしてください。
 

 

葬儀のお手伝いをする服装

◇葬儀のお手伝いをする時は、パンツスーツでも構いません

特に故人の危篤時にご遺族から連絡を受けたなど、故人と近しい関係性の人々は、通夜に駆け付けた時、お手伝いを申し出ることが多いでしょう。

葬儀の受付では、喪家と同じ喪服を着用しますが、裏方であれば動きやすい服装が基本です。
 

<葬儀のお手伝いをする服装>
[服装] ・ゆったりとした喪服
パンツスーツも可
[持ち物] ・黒いサブバック
黒いエプロン
・黒い携帯用スリッパ

 
サブバックも簡単な布製でも良いので、光沢のないマットな黒を用意します。
エプロンや携帯用スリッパも同じく黒ですが、あまりフリルなどの多くない、地味なデザインが良いでしょう。
 

キリスト教式の葬儀での服装

◇キリスト教式の葬儀では、ベールを付けることがあります

キリスト教式の葬儀の場合、参列客がキリスト教信徒でなければ、そこまで整えなても違和感はないものの、キリスト教式の葬儀ならではの服装もあるでしょう。
 

<キリスト教式の葬儀の服装>
・ベールを付ける(カトリック)
・黒い手袋を付ける

 
カトリック式の葬儀では、顔を見せない服装としてベールをかぶる人も多いです。
同じく手を隠す意味合いで黒い手袋を着用する人もいるでしょう。
 

葬儀と通夜で服装が変わる?

葬儀と通夜で服装が変わる?
◇現代増えた「半通夜」に参列する服装は、喪服です

葬儀の服装が準喪服になることは分かるものの、現代の沖縄では、通夜に駆け付ける時の服装に迷う声も少なくありません。

従来、沖縄では通夜は身内のみで執り行い、夜通しご遺体の側にいました。
この沖縄の通夜を「ユートゥージ(夜通し)」と言います。
けれども現代は、本州の風習に倣う「半通夜」が増えました。
 

<葬儀と通夜で服装が変わる>
[ユートゥージ(夜通し)]
(身内のみで執り行う)
[平服]
ビジネススーツ(男性)
・アンサンブル(女性)
…など。
[注意点]
落ち着いた色
・ストッキングは肌色
・畏まったお出掛け着
[香典]
持参しない
[半通夜]
(参列客を受け入れる)
[喪服]
黒のスーツ(男性)
・黒ネクタイ(男性)
・黒のアンサンブル(女性)
…など。
[注意点]
光沢は避ける
・ストッキングは黒
[香典]
持参する

 
「半通夜」とは、葬儀と同じ形式で参列客を受け入れた通夜です。
夕方18時頃から始まり、仏式であれば僧侶もお呼びして読経供養やお焼香を行います。
参列客も葬儀と同じように、受付を経てお焼香を済ませる、約2~3時間の儀礼です。

このような半通夜の案内が来た場合には、準喪服で参列すると良いでしょう。
 

 

半通夜と通夜の香典

◇半通夜に参列する時は、香典を持参しても良いです

身内のみで執り行うユートゥージ(通夜)が執り行われている場合、訃報を聞いて気のみ気のまま駆け付けたとし、香典を持参しないことが多いです。
そして翌日の葬儀で香典を持参します。

けれども本州式の半通夜の場合、お通夜で受付があるので香典を持参しても構いません。
お通夜と葬儀の双方に参列する場合、いずれか一方で香典をお渡しします。
 

<半通夜と通夜の香典>
[ユートゥージ(夜通し)]
(身内のみで執り行う)
・お通夜は持参しない
葬儀で持参
[半通夜(本州式)]
(参列客を受け入れる)
・香典を持参しても良い
お通夜と葬儀、いずれかで持参

 
また全国的には通夜か葬儀のどちらかで香典をお渡しすれば良いのですが、沖縄の場合は一回に包む金額が全国平均よりも少ない分、毎回参列する度に香典を包む風習を持つ地域も多いです。

そのため友人・知人であれば千円~を目安とし、御香典を包んでみてください。
御香典の持ち歩きについては下記コラムで詳しくお伝えしています。
 

 

「平服」は何を着ればいいの?

◇男性は基本的に、ビジネススーツを着ます

平服(へいふく・ひらふく)」とは、畏まったお出掛け着を差します。
弔事の平服で女性は、濃紺やダークグレー、深緑などの落ち着いた深い色合いのアンサンブルやワンピースが適切です。

男性は基本的に役所の人々が着用するような、落ち着いた清潔感のあるビジネススーツだと良いでしょう。
 

<平服とは何を着る?>
[男性]
・ダークスーツ
(濃紺やダークグレー)
・ホワイトシャツ
地味な色や柄のネクタイ
[注意点]
・バッグや時計は避ける
金属類は避ける
[足元]
・靴は黒マット
ウィングチップは避ける
[女性]
アンサンブル
・ツーピース
※地味な色目
(濃紺やグレーなど)
黒か白のシャツなど
[注意点]
・アクセサリーは取る
・長い髪は後ろに束ねる

 
準喪服(略礼服)と同様に華美な装飾や露出は避け、地味な服装でまとめます。

ウィングチップとは、縫い目デザインなどが特徴的な革靴のスタイルです。
革靴にはさまざまなスタイルがありますが、弔事で最も安心できる男性の足元は、内羽根式のストレートチップでしょう。
 

 

子どもが着る葬儀の服装は?

子どもが着る葬儀の服装は?
◇学生であれば学生服が正装です

学生服がなければ白と黒で整えます。
学生でなければ落ち着いた色味、無地で整えて構いません。

ただしキャラクターが入った服装、サテンなど光沢のあるもの、金色の金具やフェイクファー素材などは避けましょう。
 

<子どもが着る葬儀の服装>
[幼児、小学生](学生服がない)
[男の子]
●ジャケット
●ズボン
・黒
・濃紺
・ダークグレー
[足元]
●白シャツ
・ポロシャツ
●黒い靴
・白のスニーカー
[女の子]
●ワンピース
●スカート
●ジャケット
●カーディガン
・黒
・濃紺
・ダークグレー
●白いブラウス
・白シャツ
・ポロシャツ
[足元]
●黒い靴
・適度な長さの白靴下
[乳児] 落ち着いた色の服
・淡い色
・無地の色

 
…などが目安です。
全体的に上品で落ち着いたお出掛け着に整えば良いでしょう。
蛍光色やサンダル、ブーツなどは避け、靴下も短すぎる、ニーハイソックスのような長すぎるものは避けます。

子どもは服装はもちろんですが、あまりにスーツなどで整えた際、葬儀の最中に具合を悪くする子どもも少なくありません。

ゆったりとした服装を心掛け、具合の変化を感じたら早めに退場、もしくはスタッフなどに相談してみましょう。
 

夏場の葬儀の服装は?

◇夏場の葬儀でも、ジャケットは着用します

葬儀の服装では露出を控えるため、夏場の葬儀でもジャケット着用が基本です。
けれども真夏は暑く、体調面で心配もあるので、冷房の効いた葬儀会場のみ着用するとして、片手にジャケットを持って訪問しても良いでしょう。
 

<夏場の葬儀の服装>
[男性] ●かりゆしウェアー(沖縄)
●ブラックスーツ
(夏用、オールシーズン用)
[女性] ●かりゆしウェアー(沖縄)
●黒いスーツやアンサンブルなど
(夏用、オールシーズン用)
・ひじ丈以上
・ひざ丈以上
[学生] 制服は夏服でも良い

 
沖縄では弔事用のかりゆしウェアーが役立ちます。
本州の葬儀などで、ジャケット着用が必須でしたら、中を半袖にするのも良いです。

また喪服には夏用やオールシーズン用があります。
真夏で空調が整いにくい会場での葬儀でしたら、夏用・オールシーズン用の喪服を準備すると良いでしょう。
 

沖縄の葬儀の服装:数珠は必要?

沖縄の葬儀の服装:数珠は必要?
◇沖縄の葬儀では数珠を必要としませんが、本州式では簡易数珠を持参します

本州とは違い、独自の祖霊信仰を持つ沖縄では、特定の寺院に入る「檀家制度」が根付いていません
 

<沖縄の葬儀で数珠は必ず必要ではない>
●そのため沖縄の葬儀では、必ずしも数珠が必要な訳ではないでしょう

 
「ウートゥートゥー」文化ではないですが、右手の平を左手の平よりも少し下げ、手を合わせて心から弔います。
 

 

本州式の葬儀では、簡易数珠を持参

◇本州式の葬儀では、どの仏教宗派にも対応する簡易数珠を持参します

ただ最近では、本州から移住した故人の葬儀や家族葬など、今まで執り行われてきた沖縄の葬儀とは様相が違うものも増えました。
 

<本州式の葬儀に参列する場合>
●不安であればどの宗旨宗派にも通用する「略式数珠」を持参すると良いでしょう

 
略式数珠は本州でも一般的に用いられています。

反対に本州では先祖代々から、それぞれの家で特定寺院の檀家となっている家が多いので、本来であれば自分の仏教宗派の数珠を用いれば良いのですが、配慮として略式数珠を持参する判断が多いためです。

今では百円均一などでも略式数珠が販売されています。
突然の訃報に慌てる前に、ひとつ準備をしておいても良いかもしれません。
 

まとめ:葬儀に参列する服装は「準喪服(略礼服)」です

まとめ:葬儀に参列する服装は「準喪服(略礼服)」です
葬儀に参列する服装は、基本的に「準喪服(略礼服)」です。
一方、くるぶし丈以上のブラックドレスや着物などの正喪服はご遺族が着用します。
ご遺族より格式の高い喪服は大変失礼にあたるので、準喪服に留めましょう。

子どもの喪服は基本白と黒の無地で、上品に整えます。
けれども乳幼児などは黒にこだわる必要はありません。
淡い茶色などの落ち着いた無地の色で揃えると良いでしょう。

あまりキャラクターが目立つものでなければ、ワンポイントくらいであれば入っていても失礼にはあたりません。

現在は会費制のホテル葬など、新しい形の葬儀も増えてきたため、葬儀案内で初めての葬儀を目にしたら、ドレスコードを確認しながら整えましょう。
 

まとめ

沖縄のお通夜と葬儀の服装マナー

[服装]
・お通夜…平服
・半通夜…準喪服
・葬儀…準喪服

[平服とは]
●男性…ビジネススーツ
・ダークスーツ
(濃紺やダークグレー)
・無地の落ち着いたネクタイ

●女性
・アンサンブルやスーツ
(濃紺やグレーなど)

[準喪服]
●男性
・ブラックスーツ
・白シャツ
・光沢のない黒ネクタイ
※弔事用かりゆしウェアー

●女性
・アンサンブルやスーツ(黒)
(注意点)
・露出を控える
・光沢素材を避ける
・アクセサリーはパールのみ
・黒マットのストッキング
・ヒールは3cm~5cm
…など

[数珠]
・沖縄では持たなくても良い
・数珠を持つなら略式数珠で良い

 


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