◇沖縄県で相続した実家、空き家のまま放置していませんか。
…空き家を所有し続けると、固定資産税やメンテナンス費がかさむだけでなく、老朽化による倒壊リスクも高まります。
●それでも売却や賃貸に踏み切れない背景には、沖縄県特有の事情——
仏壇(トートーメー)をどうするか、という悩みが隠れていることが少なくありません。
本記事では、沖縄県で空き家が増えている背景から、固定資産税のリスク、3,000万円特別控除の最新情報、空き家バンクを含めた活用方法、そして売却・活用を進めるための仏壇じまいの正しい進め方まで、順を追って解説します。
※このコラムは、沖縄の供養・仏壇に関するご相談(供養の窓口)を通じて、多くのご家族に寄り添ってきた供養ギャラリーが解説しています。本記事では記事内で自社サービスをご紹介する場合があります。(2026年7月26日公開)
沖縄県の市町村で、空き家物件が増えている背景

◇沖縄県で相続した実家は、空き家のまま何年も放置されるケースが少なくありません。
…その背景には、単なる管理の手間だけでなく、沖縄県ならではの事情も関わっています。
[実家の仏壇はどうする?]
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相続した実家をそのまま空き家にしてしまう理由
◇実家を相続しても、住む予定がなければ、そのまま空き家にしてしまう方は多くいます。
…売却や解体を決断するには、家財の整理や親族間の話し合いなど、手間も時間もかかるためです。
特に、きょうだいで実家を相続した場合は、「誰かが動かないと話が進まない」という状態のまま、数年が経ってしまうことも珍しくありません。
●しかし、空き家を所有し続けると、固定資産税やメンテナンス費が継続的にかかります。
…特に沖縄は夏場に草木が繁茂しやすく、放置すれば近隣から苦情が入ることもあります。
業者にメンテナンスを依頼すれば費用がかさみますし、家族で対応するにしても、遠方に住んでいれば交通費や時間の負担は小さくありません。
「今は困っていないから」
と先延ばしにするほど、後になって負担が積み重なっていく構造になっています。
[トートーメーの継承|現代の意識調査]
・現代の沖縄でトートーメーは継承すべき?意識調査で分かる新しいトートーメー・役割の形
沖縄特有の事情|仏壇(トートーメー)が売却・賃貸の壁になる
◇沖縄県で空き家が長く放置される理由には、仏壇(トートーメー)の存在も関わっています。
…「家から出してはいけない」というタブーがあるため、実家を売却・解体したくても踏み切れない方が少なくありません。
トートーメーはご先祖様の魂そのものとされており、単なる家具として動かすことに抵抗を感じる方が多いのも無理はないことです。
●もちろん、空き家のまま残すことにも理由があります。
…トートーメーのタブーだけでなく、
「思い出の詰まった家を手放したくない」
「将来また誰かが住むかもしれない」
…という気持ちも、決して不合理な判断ではありません。
実際、空き家を維持しながら数年後に活用に踏み切るご家庭もあります。
ただし、固定資産税や老朽化のリスクは、時間が経つほど大きくなる一方です。
「残す」という選択をするなら、期限を決めずに先延ばしにするのではなく、「いつまでに、どう判断するか」を決めておくことが、後悔を減らす鍵になります。
【スタッフのマメ知識】
実際のご相談では、実家を賃貸に出す際、借主に「仏壇(トートーメー)のお世話・お参りをすること」を条件に付けるケースをよく見かけます。
一見、家も残せて供養も続けられる良い方法に思えますが、借主が管理を続けられなくなった場合や、退去時にトートーメーの扱いが宙に浮いてしまうといったトラブルも起こりがちです。
「家は貸せても、仏壇の責任の所在は曖昧なまま」という状態は、後々のトラブルの火種になりやすいため注意が必要です。
[沖縄のトートーメー4つのタブー]
・沖縄のトートーメー4つのタブーとは?継承問題を現代的に解決する5つの方法
空き家を放置するリスク|固定資産税は最大6倍に

◇空き家を「まだ大丈夫」と放置していると、固定資産税が跳ね上がるリスクがあります。
…住宅が建つ土地には固定資産税の軽減措置がありますが、一定の条件に該当すると、この軽減が外れてしまうためです。
「特定空き家」「管理不全空き家」の違いと該当条件
◇固定資産税の軽減が外れる対象には、「特定空き家」と「管理不全空き家」の2種類があります。
…以前は「特定空き家」(倒壊のおそれや衛生上の問題がある、著しく管理が行き届いていない空き家)に指定された場合のみ、軽減措置が外れる仕組みでした。
●しかし2023年の法改正で、「管理不全空き家」という区分が新たに加わりました。
…これは、特定空き家になる一歩手前の状態、つまり
「このまま放っておくと特定空き家になりそうな空き家」
を指します。
以前は「特定空き家に指定されるまでは大丈夫」と考えられていましたが、改正後は、特定空き家に至る前の段階でも、市区町村から指導・勧告を受け、それに応じないと軽減措置が外れる可能性が出てきました。
「まだ特定空き家じゃないから」
という油断ができなくなっている、というのが今の実情です。
[参照]
・国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について」
老朽化した空き家は倒壊リスクにも注意
◇沖縄県の空き家は、
・台風や強い日差し
・湿気の影響を受けやすい
…など、内地の空き家よりも老朽化が早く進む傾向があります。
屋根や外壁の劣化はもちろん、シロアリ被害が進行しているケースも少なくありません。
●老朽化が進んだ空き家は、
・台風時に屋根材が飛散する
・倒壊して隣家や通行人に被害を及ぼす
…などのリスクがあります。
万が一、空き家が原因で近隣に被害が出た場合、所有者が損害賠償責任を問われる可能性もあります。
「相続したまま名義変更していない」
「誰が管理するか決まっていない」
という状態は、こうしたリスクをさらに見えにくくしてしまうため、早めに管理者を明確にしておくことが大切です。
空き家の実家を売却する|3,000万円特別控除の最新情報

◇空き家をこのまま所有し続けるより、早めに売却してしまいたいと考える方も多いはずです。
…その際、知っておきたいのが「3,000万円特別控除」という制度です。
[パートナーが亡くなる|一時相続後の終活]
・沖縄で増えた一次相続後の終活☆家とお墓、財産は母へ分配する理由とは
適用期限は2027年12月31日まで延長
◇相続した実家を売却した際、譲渡所得(売却益)から最大3,000万円を控除できる特例があります。
…以前は2023年12月31日までの期限とされていましたが、税制改正により2027年12月31日まで延長されています。
●「もう間に合わないかも」と諦めていた方も、まだ制度を使える可能性があります。
ただし、対象となるのは昭和56年5月31日以前に建築された家屋など、いくつかの要件を満たす場合に限られるため、事前の確認が欠かせません。
[参照]
・国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
相続人が3人以上いる場合は2,000万円に
◇2024年1月以降の売却からは、控除額に条件が加わりました。
…相続人が3人以上いる場合、控除の上限が3,000万円から2,000万円に引き下げられています。
●きょうだいで実家を相続した場合、この人数条件に該当するケースは少なくありません。
売却を検討する際は、相続人の人数によって控除額が変わる点も踏まえて、税理士や不動産会社に相談すると安心です。
更地にしなくても対象になるケースが増えている
◇以前は、この特例を使うには家屋を取り壊して更地にしてから売却する必要がありました。
…しかし2024年1月以降の売却では、この条件が緩和されています。
●譲渡後、翌年2月15日までに買主側が耐震改修工事や取り壊しを行った場合でも、特例の対象になります。
つまり、売主が先に解体費用を負担して更地にしなくても、建物を残したまま売却活動を進められるケースが増えているということです。
【お客様の体験談】
高齢の伯母様が、「兄(父)に恨まれる」とトートーメーを家から出すことを拒み、実家の売却に踏み切れずにいました。
しかし、3,000万円特別控除の制度について説明したところ、
「このタイミングを逃したら、ずっと空き家のままかもしれない」
と納得してくれて、早い段階で空き家問題から解放されました。
トートーメーは一時預かりという形にし、お彼岸などの時期にお参りに行っています。制度を正しく知ることが、気持ちの整理につながることもあるんだなと、実感しました。
[参照]
・国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置」
沖縄県内の空き家バンクの活用を解説

売却先が見つからない、賃貸に出すほどでもない、という場合は、沖縄県や各市町村が運営する空き家バンクに登録する方法もあります。
物件情報は登録・閲覧とも無料
◇空き家バンクは無料で使えます。
…物件を貸したい・売りたい所有者側の登録も、借りたい・買いたい側の情報閲覧も、基本的に費用はかかりません。
●不動産会社を通さずに直接マッチングできるため、仲介手数料をかけずに活用先を探せる点がメリットです。
ただし、登録すればすぐに借り手・買い手が見つかるとは限らず、地域や物件の状態によっては長期間掲載されたままになることもあります。
[沖縄県の空き家バンク]
・沖縄県|空き家「空き家をお探しの方」
石垣島・久米島など離島周辺の島事情
◇離島は需要の傾向が異なります。
…石垣や久米島など離島の空き家は、地元(島)の方だけでなく、移住希望者からの問い合わせが多いのが特徴です。
海が近い、自然が豊かといった離島ならではの魅力に惹かれて、実際に空き家バンクを通じて島へ移住した事例も少なくありません。
一方、住宅地に近いエリアでは、地元の子育て世帯からの需要が中心になるなど、地域によって求められる物件像が変わってきます。
沖縄県では売買・賃貸、どちらを選ぶか(北谷・浦添市・久米・糸満市・名護市・恩納村など)
◇売買と賃貸、選び方は状況次第です。
…まとまった収入を早く得たいなら売買、当面は所有権を手放したくないなら賃貸、というのが基本的な考え方です。
ただし、仏壇(トートーメー)が残っている場合は、賃貸の方が「お参りを条件にする」といった形で供養を続けやすい一方、前述の通り管理トラブルのリスクも伴います。実家の状況と、家族の意向を照らし合わせて選ぶことが大切です。
沖縄県の格安物件を専門の不動産会社と一覧から探す方法
◇まずは一覧で相場を知ることから始めます。
…空き家バンクのサイトには、地域ごとの物件が一覧で掲載されており、格安で売買・賃貸できる物件も少なくありません。
ただ、掲載されている情報だけで判断するのは難しいため、空き家・古民家の活用を専門に扱う不動産会社に相談すると、相場感や地域の需要も含めて具体的なアドバイスをもらえます。
沖縄で人気!中古住宅・古民家として活用する、対策を相談する
◇古民家としての需要も根強くあります。
…築年数の古い実家であっても、リノベーションを前提とした中古住宅・古民家として活用したいという需要は根強くあります。
●特に沖縄県は、古民家をカフェや宿泊施設に再生する動きも見られる地域です。
「売る」「貸す」だけでなく、「活用する」という対策も含めて、早めに対策を相談しておくと、実家の状態に合わせた対策や提案を受けやすくなります。
【スタッフのマメ知識】
糸満で、ボロボロになった伝統的な沖縄の実家に、トートーメーが残されたまま放置されていたケースがありました。
まず閉眼供養を行ってトートーメーを取り出し、その後、空き家になった実家の家じまいをご相談いただきました。
琉球石灰岩の石垣など、状態の良い部分も多く残っていたため、リノベーションを前提に不動産会社へ相談したところ、当初想定していたよりも高い金額で売却できたそうです。
「古いから」とあきらめる前に、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。
売却・活用を進める問題解決の仏壇(トートーメー)じまい

実家の売却や活用を本格的に進めるには、残された仏壇(トートーメー)をどうするか、避けて通れません。ここでは、正しい順番と選択肢を整理します。
沖縄でも閉眼供養→永代供養の正しい順番
◇仏壇じまいには、順番があります。
…まず僧侶による閉眼供養(魂抜き)を行い、位牌に宿るとされる魂を抜いてから、次の供養先を決めるという流れです。
閉眼供養を済ませないまま位牌や仏壇を処分してしまうと、「きちんと供養できていないのでは」という不安が後々まで残ることがあります。手順を踏むこと自体が、気持ちの整理にもつながります。
●閉眼供養のあとは、位牌を永代供養に出すのが一般的です。
…菩提寺を持たない家も多い沖縄県では、お布施の金額感が分からず不安になる方も少なくありません。
その場合は、「料金」ではなく「どれくらい包めば良いでしょうか?」と尋ねると、依頼先に失礼なく確認できます。
[沖縄の永代供養でお布施は包む?]
・沖縄の永代供養でお布施を包む場面はある?墓じまい・永代供養を進める時のお布施マナー
位牌堂への一時預けという選択肢もある
◇永代供養以外の選択肢もあります。
…将来、継承者が現れそうな場合は、位牌堂などに一定期間預けておく方法です。
預けている間は管理費がかかることもあるため、事前に確認しておく必要があります。
「今は決められないけれど、いずれ誰かが継ぐかもしれない」
…という状況であれば、永代供養より一時預けの方が合っている場合もあります。
●仏壇本体の処分については、仏壇仏具店に相談すると対応してもらえます。
…家じまいと仏壇じまいは、切り離して考えるより、同じタイミングで進めた方がスムーズです。
片方だけ先に済ませてしまうと、もう片方の判断がかえって難しくなることもあります。
[家じまい・仏壇じまいとは]
・【沖縄の終活】相続トラブルを防ぐ、家じまいとお仏壇じまいはどのタイミング?
まとめ|沖縄の空き家は「仏壇」と「制度」の両輪で考える

◇沖縄で相続した実家を空き家のまま放置してしまう背景には、
…固定資産税や解体費用への不安だけでなく、トートーメーを家から出せない
という沖縄特有の事情があります。
しかし、空き家を放置すればするほど、固定資産税は膨らみ、老朽化のリスクも高まります。
●売却するにも活用するにも、まず知っておきたいのは、3,000万円特別控除の制度が2027年12月31日まで延長されているという事実です。
…制度を正しく知ることで、「今しかない」と一歩を踏み出せるきっかけになることもあります。
仮に売却が難しくても、空き家バンクや古民家としての活用、賃貸に出すなど、選択肢は一つではありません。
●実家の売却・活用を進めるうえで避けて通れないのが、仏壇(トートーメー)じまいです。
…閉眼供養から永代供養、あるいは位牌堂への一時預けまで、正しい順番と選択肢を知っておけば、家の問題と仏壇の問題を、同時に、無理なく前へ進めることができます。
空き家も仏壇も、先延ばしにするほど気持ちの整理がつきにくくなります。まずは実家の状態を確認し、専門家に相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。
※本記事でご紹介した制度や金額は、2026年7月時点の一般的な情報です。個別の要件や適用可否は、ご自身の状況によって異なりますので、実際の申告・手続きの際は税理士や税務署、法律の専門家にご確認ください。
【執筆・監修:供養の知恵袋編集長】

株式会社琉球メモリアルパーク 企画担当 仲間 仁史2021年11月入社。
仏壇販売、商品仕入れの他、IT企業に務めていた前職の経験を活かして当社Webサイト等の運営も担当。
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