【沖縄の終活】相続トラブルを防ぐ、家じまいとお仏壇じまいはどのタイミング?

2022.03.02
【沖縄の終活】相続トラブルを防ぐ、家じまいとお仏壇じまいはどのタイミング?

沖縄で終活現場では、「相続トラブルを未然に防ぎたい」とする方々が多いですよね。そのためには遺言書なども役には立ちますが、それ以上に相続協議で揉めやすい「不動産財産・祭祀財産」の対処が大きな柱です。今回は不動産財産・祭祀財産の対処法やタイミングについてお伝えします。

沖縄で終活現場では、「相続トラブルを未然に防ぎたい」とする方々が多いですよね。そのためには遺言書やエンディングノートなど、故人の遺志を明瞭にするツールも役立ちますが、何よりも「トラブルの種を摘む」作業がポイントです。

そんな後々のトラブル回避を見据えた沖縄の終活では、相続協議で揉めやすい「不動産財産・祭祀財産」の対処が大きな柱になります。

ただ沖縄で終活を進める人々も、相続対策以前に生前の暮らしが大切です。…では、どのタイミングで進めると良いでしょうか。

今回は沖縄の終活で相続トラブルの芽を摘むための、不動産財産・祭祀財産の対処法やタイミングについてお伝えします。

相続トラブルが多いのは二次相続

相続トラブルが多いのは二次相続
ひとつの家族で、相続を行う機会は二度あります。沖縄では夫婦で終活を進め、相続対策まで行うケースが多いですが、配偶者を亡くした時の相続は最初の機会、「一次相続」です。

一方、夫婦ともに亡くなった時が「二次相続」と呼ばれ、子ども達が夫婦の相続財産を分配します。そして、ここで理解しておきたいのは、相続トラブルが起きやすいのは二次相続という点です。

またもう一点、沖縄の終活では「相続財産が少ないから、子ども達もトラブルを起こすほどでもないだろう…」と言う声が聞こえますが、相続財産が少ない家ほどトラブルが起きていることも知っておくと良いでしょう。

【 沖縄の終活☆相続トラブルが起きる傾向 】

(1) 二次相続で起きやすい

→ 一次相続では親が半分以上を相続しますが、子どもとしては親を前にして不平等など、不満は感じにくい傾向です。また法的にも配偶者が相続をすると、相続税負担が軽減される措置が取られているため、相続対策としても反対意見は出にくくなります。

(2) 相続財産が少ない家ほど起きやすい

→ 二次相続の時点で相続財産による、裁判所の調停まで発展したデータは下記です。(2013年司法統計より)

・5,000万円以下の相続に対する裁判調停件数… 6,700件
・5,000万円以上の相続に対する裁判調停件数… 1,684件

2013年度と少し古いデータになりますが、約4倍弱と数字の差は明らかではないでしょうか。そしてこの背景には、「5,000万円以下」の内訳の大半に不動産財産が含まれていることにあります。

不動産財産は分配できない

不動産財産は分配できない
前項で、一次相続では親の相続税減税措置が取られているため、相続対策面でも反対意見が出にくくなる話をしました。

けれども細かく一次相続→二次相続までの流れを汲んで相続税対策を行おうとする家では、二次相続まで見越して子どもに多めに配分するケースもあるのは事実です。

ただ数字の側面だけではなく、それこそトラブルを避けるためにも、「一次相続は親へ」が理想的な事例は多いでしょう。

※ 詳しくは別記事「沖縄で増えた一次相続後の終活☆家とお墓、財産は母へ分配する理由とは」でお伝えします。

そこで、沖縄で終活を一次相続後に進める場合、真っ先にこなしておきたい事柄は、お家事(お仏壇)とお墓事です。

【 沖縄の終活☆相続対策で理解するポイント 】

● 沖縄の終活で相続対策を進めるならば、「不動産財産は分配できない」性質であることを理解してください。

→ また、兄弟が共同で祭祀継承者になる(お仏壇主・墓主になる)ことはできません。けれども祭祀継承者はお仏壇事やお墓事を決定しなければならない立場です。

※ 特に祖霊信仰が根強く残る沖縄では、お仏壇じまいや墓じまいを決定したくはないでしょう。そのため沖縄の終活では、家の相続対策、お仏壇とお墓の継承対策が必須となります。

確かに、ひと昔前までの沖縄では家をお墓とともに長男が相続する「家督を継ぐ」習慣がありましたが、超高齢化時代になった今、核家族化が進み同居家族も激減するなかで、二次相続に遭遇する年代は40代・50代以上です。

そうなると子ども世代はすでに独立し家を持ち、自分達の暮らしを確立しています。そんななかで敢えて実家へ引っ越してまで、家を相続しないでしょう。そこで増えているのが、「空き家」と「お仏壇」「お墓」と言った負の相続財産です。

家じまいのタイミング

家じまいのタイミング
ですから、沖縄の終活で相続トラブル対策を進めるならば、一次相続の後でも問題はありません。

前項で配偶者には相続税の減税措置が取られていることをお伝えしましたが、よほどの相続財産がない限りは、多くのケースで相続税が掛からない家がほとんどだからです。

【 沖縄の終活☆配偶者の相続税の減税措置 】

● 一次相続で配偶者が受ける相続税の減税措置は、下記いずれかひとつを選び利用します。

(1) 配偶者の税額軽減 … 配偶者が相続を受けると、法定相続分相当額(一般的には全相続財産×1/2)、若しくは1億6千万円以下、いずれかより高い金額まで、相続税が免除される制度です。

(2) 小規模宅地の評価減 … 同居家族が家を相続して、その家に住み続ける場合、家の評価額が8割まで引き下げられ、それに伴い税金も8割以下になります。

ちなみに、配偶者はいずれかの制度を利用することになりますが、まだ独身などで子どもが同居していた場合、そして家を相続して住み続ける場合、小規模宅地の評価減が適用されるので、親が配偶者の税額軽減を利用し、子どもが小規模宅地の評価減を利用する事例も多いです。

もちろん親としても、住み慣れた家に相続後も住み続けられるのであれば、こんなに助かることはありません。ですから、沖縄の終活で相続トラブル、及び相続税対策を行うのであれば、二次相続後が良いでしょう。

お仏壇じまいのタイミング

お仏壇じまいのタイミング
沖縄の終活では、家の相続とともに祭祀財産の継承は大きな柱ですよね。そこで生前に済ませたい事柄が、お墓じまいとお仏壇じまいですが、お仏壇じまいは3つのタイミングがあるでしょう。

【 沖縄の終活☆お仏壇じまいのタイミング 】

(1) 一次相続で配偶者を亡くした時

… 沖縄の終活現場では相続対策とともに、墓じまいを検討している方々も少なくありません。配偶者の遺骨の行く先を検討するタイミングで、現在のお仏壇じまいをして、手元供養など新しいお仏壇を新調する事例です。

(2) 墓じまいのタイミング

… 超高齢化した現代、終活を進める本人もお墓のお世話が大変になっています。そのため割と早めに墓じまいをするケースが多いです。墓じまいのタイミングで、遺骨の永代供養とともに、位牌の永代供養も依頼する事例が多くあります。

(3) 家じまいのタイミング

… 終活を進める本人が住む家ですから、3つのタイミングのなかで最も後期のタイミングでしょう。家を売却して小さい賃貸マンションに住むなどの他、沖縄では終活で相続税対策にリフォームなどを行うケースもあります。この時にお仏壇じまいを行う事例も多いです。

…などなどが、丁度良いタイミングでしょう。特に沖縄ではトートーメー(先祖代々位牌)はカミとなったご先祖様、祖霊の魂が宿るとして、祟りを恐れる声もあります。

お墓も遺骨が眠る場所ですので、継承して早々に遺骨を取り出したりはしたくないものですよね。

祖霊信仰が残る沖縄の終活では、相続トラブル対策はもちろんですが、家じまいに伴うお仏壇対策、お墓対策は必須事項とも言えます。

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の終活で意識したい、相続トラブルを防ぐための不動産財産・祭祀財産対策をお伝えしました。

今回は空き家になった実家の相続は「負の財産」になるとして、家じまいの方向で対策をお伝えしましたが、もちろん、築年数が浅く評価額も高い物件であれば、二次相続後に子ども達で売却を進めたり、住む方法もあるでしょう。

このような場合には、お仏壇じまいをしなくても良いケースもありますので、両親亡き後の話をタブーとせず、できれば親子・兄弟で仲良く話し合いながら、それぞれの家族に適した対策を取るに越したことはありません。

 

まとめ

相続トラブルを防ぐ対策

・相続トラブルは二次相続に多い
・相続財産が少ないほどトラブルに発展する傾向
・不動産財産は分配しにくいトラブルの種
・祭祀財産の継承者は一人
・負の相続財産を終活で解消する
・家じまいは一次相続後でもできる
・お仏壇じまいは他の対策に便乗する
※家じまい/墓じまい/一次相続時


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