沖縄のトートーメー(位牌)☆ウチナーイフェーと3つの種類

2021.12.10
沖縄のトートーメー(位牌)☆ウチナーイフェーと3つの種類

沖縄のトートーメー(位牌)と言えば、位牌札が並ぶ大きなイフェー(位牌)をイメージしますよね。これはウチナーイフェー(沖縄位牌)ですが、実は離島地域ではカライフェー(唐位牌)が祀られてきたり、地域や状況によっていくつかの種類を選びます。今回は、沖縄で扱われるトートーメー(位牌)3つの種類を中心に、豆知識までお伝えします。

沖縄のトートーメー(位牌)と言えば、中央に「帰眞霊位(きしんれいい)」と書かれた大きなイフェー(位牌)をイメージしますよね。

祖霊信仰が根付く沖縄では、トートーメーは先祖代々位牌としての役割を果たしていますから、代々継承してきた何代ものご先祖様が位牌札に名前を連ねて祀られています。

沖縄でトートーメーを仕立てると言われると、真っ先にこのウチナーイフェー(沖縄位牌)をイメージしますが、実は宮古島や八重山地方などではカライフェー(唐位牌)が多かったり、地域や状況(役割)によっていくつかの種類があることは、あまり知られていません。

今、生活様式が変化するなかで、ムリのない継承供養の形を求めて、改めて沖縄ではトートーメーの種類が注目されるようになりました。

そこで今回は、沖縄で扱われるトートーメー(位牌)3つの種類を中心に、豆知識までお伝えします。

ウチナーイフェー(沖縄位牌)

ウチナーイフェー(沖縄位牌)
沖縄の最も一般的なトートーメー(位牌)がウチナーイフェー(沖縄位牌)です。先祖代々位牌を祀るなら、沖縄本島では最も一般的なトートーメー(位牌)ではないでしょうか。

全国にはない沖縄独自のトートーメーで、ご先祖様が横並びにならびます。今では故人に戒名をお坊さんに依頼する家も増えましたが、もともと檀家制度がないため、沖縄では俗名(生きていた頃の名前)を家族が書き入れてきました。

【 沖縄のトートーメー①ウチナーイフェー(沖縄位牌) 】
沖縄でトートーメーを仕立てる方法☆先祖代々位牌がある家
● 父方の血族である門中で代々嫡男が継承してきた、先祖代々位牌です。位牌札が横に並ぶスタイルですが、三枚札/五枚札/七枚札/九枚札が一般的となります。

→ 新しい継承者によって押し出されるように位牌札が役目を終えると、墓前で名前を削り焼却をして、その故人は名前など個性のない「カミ」として家を守護します。

※ この「カミ」が沖縄のトートーメー信仰で言う祖霊です。

沖縄ではトートーメー(位牌)を新調したり取り替えることを、あまり良しとしてきませんでしたが、最近では家のリフォームや新築などに合わせお仏壇を取り替え、それに合わせて沖縄のトートーメー(位牌)も交換するケースが増えました。

【 沖縄のトートーメー☆位牌の新調 】

● このように沖縄でトートーメー(位牌)を交換する時には、本来は良き日(※)もしくは神様の目が届かないとされるタナバタ(旧暦七月七日)ユンヂチ(閏月)(※)が良いとされてきました。

→ けれども生活形態が変わった現代では、良き日に家族が日取りを合わせることも難しく、現実的ではありません

※ そのため、交換をする朝にヒヌカンやお仏壇にご報告をして守っていただいたり、厄払いをして交換を進めることが多いです。

(※)お墓やお仏壇事の「良き日」が、家や門中、地域によってしきたりが違うことが多いです。干支が戌の日か亥の日と言う地域などさまざまです。

(※)ユンヂチ(閏月)は、旧暦行事が盛んな沖縄ですが、旧暦では新暦との毎年約11日の日数を埋めるため、19年に7回ほど1カ月が重なり13カ月になる年があります。この月が閏月(うるう月)、ユンヂチです。

祖霊を祀るウタナー(御棚)

ウタナーみたいな
沖縄本島ではトートーメーから位牌札が取り除かれると、そのまま焼却するだけの家も多いですが、大きなムチスク(宗家=古くからトートーメーを祀って来た本家)などではウタナー(御棚)があります。

本島地域のウタナー(御棚)は大きなウコール(香炉)を置いて、香炉の灰を通じて離島地域などをはじめ一部の地域では祖霊を祀る位牌も見受けます。

このような位牌は個々の位牌札を祀るのではなく、「祖霊」として一体の「カミ」として祀る流れです。

【 沖縄のトートーメー☆祖霊を祀る位牌 】

● カミとなった祖霊を祀る時には、次項でお伝えするカライフェー(唐位牌)などに、「帰眞霊位(きしんれいい)」のみが書かれたイフェー(位牌)です。

→ 沖縄のウタナー(御棚)は天井近くに祀っているものも多く、昔のようにウコール(香炉)の灰を通じて供養を行うことは火元が危ないとも言われるようになりました。

※ 現在では「帰眞霊位(きしんれいい)」のカライフェー(唐位牌)を祀る家が増えています。

沖縄ではトートーメーに祀られているご先祖様は、まだ生きていた頃の我がある「ご先祖様」ですが、祖霊になるとカミ様です。

そのような意味合いと前述したような「火事の危険」も考慮して、今ではウタナー(御棚)にはヒジュルウコー(冷たい御香=火を付けないお線香)を拝する家も増えてきました。

カライフェー(唐位牌)

カライフェー(唐位牌)
沖縄本島ではトートーメー(先祖代々位牌)に祀ることができない、成人前の子どもの魂や独身の娘の魂を祀る時など、単独の魂を祀ることができるイフェー(位牌)としてカライフェー(唐位牌)を用いてきました。

ただ宮古島など離島地域では、そもそも沖縄のいわゆるトートーメー(先祖代々位牌)を祀らずに、それぞれの魂をカライフェー(唐位牌)を仕立てて祀り、お仏壇に複数並べて供養をする風習があります。

【 沖縄のトートーメー☆カライフェー(唐位牌) 】

(1) 個人や夫婦一組のみを仕立てて複数祀り供養をする … 宮古島など一部地域では、もともとカライフェー(唐位牌)を通して供養をしてきました。

(2) 祖霊として祀り供養する … 前項でお伝えしたようなウタナー(御棚)に祀る他、一部地域では最初から「祖霊」として、ひとつのカライフェー(唐位牌)に祀る家もあったようです。

(3) サギブチダン(下げ仏壇)などで祀る … 成人前のお子様や独身の娘が亡くなると、台所など本位牌とは別の場所で祀る家が多くありました。このようなお仏壇(サギブチダン)に祀る時、カライフェー(唐位牌)を用います。

…などなどの用途で選ばれてきましたが、最近の沖縄ではトートーメー(先祖代々位牌)の継承問題が深刻化してきました。

そのためご先祖様が代々祀られている沖縄のトートーメーを永代供養して、両親や祖父母など思い出深い家族のみを残してカライフェー(唐位牌)を仕立てるケースも増えています。

ヤマトイフェー(大和位牌)

ヤマトイフェー(大和位牌)
また沖縄の先祖代々位牌としてのトートーメー(位牌)では、位牌札を重ねて祀るヤマトイフェー(大和位牌)も、宮古島など離島地域を中心に祀られてきました。

「ヤマトイフェー(大和位牌)」とあるように、本州から入って来た文化で、本州では「繰り出し位牌」などと言います。

【 沖縄のトートーメー☆ヤマトイフェー(位牌) 】
近年増えたヤマトイフェー
● ヤマトイフェー(大和位牌)も位牌札に名前を書き入れて祀りますが、コチラは重ねて祀るために、全員のご先祖様のお名前は見えません。

→ そのため三年忌・七年忌などの焼香(スーコー=法要)では、その時に供養をするご先祖様を一番前に「繰り出し」ます。本州で「繰り出し位牌」と呼ばれるのはそのためです。

沖縄では分譲マンションなど生活環境の変化から、大きなウチナーイフェー(沖縄位牌)を自宅で祀ることが難しくなってきたものの、沖縄の祖霊信仰は後世まで残したいと考えている若い世代が増えています。

そのため近年では、昔ながらのウチナーイフェー(沖縄位牌)に代わり、このヤマトイフェー(大和位牌)を選ぶ傾向です。

いろんな位牌があるよ

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で扱われるトートーメー(位牌)の3つの種類をお伝えしました。それぞれの生活環境や状況に合わせて、お供養がしやすい沖縄のトートーメーを選んでみてはいかがでしょうか。

また、沖縄ではトートーメー(位牌)とともにお墓の継承問題も深刻化しています。檀家制度のない沖縄では寺院が管理する寺院墓地に建てられたお墓はまだ少なく、個人が管理をする個人墓地に建つお墓が多いことも一因です。

このようなことから、沖縄ではトートーメーと共にお墓を永代供養して継承問題を解消する家族も増えました。

そこで沖縄で増えているのが、トートーメー(位牌)もお墓もない手元供養の選択です。ご遺骨を粉骨するなどして小さくし、お仏壇を仕立てて骨壺を通して供養をしています。

沖縄の手元供養では骨壺とトートーメー(位牌)を祀る家も多く見受けますが、この場合は先祖代々位牌としてではなく、一人の魂を供養するカライフェー(唐位牌)などが多いです。
まとめ

沖縄で扱う3つのトートーメー(位牌)

●ウチナーイフェー(沖縄位牌)

・先祖代々位牌
・位牌札が横に並ぶ
・トートーメーから外れるとカミとなる

●カライフェー(唐位牌)

・夫婦一組や個人で祀る位牌
・宮古島など離島地域に多い
・「帰眞霊位」としてウタナーに祀る家もある

●ヤマトイフェー(大和位牌)

・位牌札が重なって収まる
・焼香で必要な時は奥から前へ「繰り出す」
・小さくまとまるため近年増えている

●お墓や位牌のない「手元供養」も増えた


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