【沖縄の葬儀】枕飾りのお供え物。沖縄は茹でた豚肉も供える

2021.12.12
【沖縄の葬儀】枕飾りのお供え物。沖縄は茹でた豚肉も供える

沖縄で枕飾りに茹でた豚肉を供えることには、驚かれる方も多いですよね。本州のような檀家制度がなく、独自の御願文化を持つ沖縄では枕飾りの習慣も独特のものがあります。今回は、沖縄で枕飾りに供えるお供え物の習慣を、地域や家によって違いにも触れながらお伝えします。

沖縄で枕飾りに茹でた豚肉を供える(シラベーシ)ことには、驚かれる方も多いですよね。本州のような檀家制度がなく、独自の御願文化を持つ沖縄では枕飾りの習慣も独特のものがあります。

沖縄の人々にとって豚肉は特別なご馳走料理です。イチミ(生きる身)にとって特別な豚肉料理を供えることで、この上ない哀悼の意を表しています。

この他にも、本州と同じような習慣もありますが、お味噌とお塩を準備するなど(その供え方まで)沖縄ならではの枕飾りの習慣、供え方などがあります。

今回は、沖縄で枕飾りに供えるお供え物の習慣をお伝えします。地域や門中(※)、ヤー(家)によって違いも多くありますが、この点にも少し触れながらお伝えしますので、どうぞ参考にしてください。

(※)門中→沖縄で広く伝わる父方血族です。門中を中心に親族関係が繋がり、「門中墓」なども多い集まりとなります。

沖縄の枕飾り、チャーシウブン/汁物

沖縄の枕飾り、チャーシウブン/汁物
ご臨終の後、沖縄では一般的にご遺体をご自宅へ搬送します。この時、ご遺族は仮位牌となる白木位牌とともに、小さな机にお供え物を供えますが、コチラが枕飾りです。

枕飾りは故人への心からの哀悼の意を表し、故人の健やかな成仏を願うもので、地域によっては豪華に並ぶ家もありますが、広くは味付けはしません。(死者は味を感じないとされてきました。)

ただ、どの地域でもチャーシウブン(ご飯)と汁物は供えらえています。

【 沖縄の枕飾り。チャーシウブンと汁物 】

(1) 基本的なミジトゥ(お水)・ウチャトゥ(お茶)・お酒を供えます

(2) チャーシウブン → 本州でも見受けるご飯がてんこ盛りになった「盛り飯」です。故人が使っていたお茶碗にいつものようにご飯を盛ったら、別の椀にご飯を入れ、故人の使っていたお椀に逆さにひっくり返すように盛りつけてください。

※ ご飯を盛ったらお箸を対で差しますが、一部十字に建てる地域もあります。

(3) 汁物 → すまし汁が一般的です。具材はアーサと豆腐のすまし汁などが多いでしょう。

日ごろの旧暦行事ではご飯と汁物にウサチ(酢の物)を添えた御膳を供えますよね。沖縄の枕飾りでは、全ての地域で供える様子はありませんが、沖縄のなかでも豪華な枕飾りを供える地域では、ウサチ(酢の物)を供える地域もあります。(詳しくは最後の項でお伝えします。)

【 沖縄の枕飾り。チャーシウブンの注意点 】

● チャーシウブンの盛り飯は、沖縄では枕飾りが最初で最後です。そのため後々のスーコー(焼香=法要)でのお供え物は、故人へ供えるご飯であっても普段通りに盛りつけます。

チャーシウブンは沖縄では枕飾りのみとして、スーコー(焼香=法要)の他に日常生活でも、縁起が悪いとしてあまり良しとされません。

沖縄の枕飾り、果物/お饅頭

沖縄の枕飾り、果物/お饅頭
沖縄の枕飾りでは、果物とお饅頭も供えます。日常の沖縄の御願では、果物と言うとりんごやバナナやみかんをお供えしますが、沖縄で枕飾りの果物では、生前に故人が好きだった果物をお供えして問題ありません。

【 沖縄の枕飾り。果物とお饅頭 】

(4) 果物 → むしろ、生前の故人を懐かしく思い出しながら、好きだった果物を供えてあげてください。最近では果物とともにお菓子など、故人を思わせるおやつを供えるお家も見受けます。

(5) お饅頭 → ウフスーコー(※)以外は、基本的に白いお餅です。中に餡子なども入りません。この白いお饅頭を七個、もしくは奇数個供えましょう。

沖縄では枕飾りはもちろんですが、供養にまつわるスーコー(焼香)などのお供え物は、奇数を意識してください。奇数個・奇数品です。

白いお饅頭の七個は後生(グソー=あの世)まで行く時に通る七役所(七つの役所=関所)と言われますが、三個や五個のお家もあります。

(※)ウフスーコー(大焼香)→沖縄のスーコー(焼香=法要)のなかでも年月が経った二十五年忌(周忌)三十三年忌(周忌)を差し、このウフスーコー(大焼香)はお祝いとして執り行われる家が一般的です。

沖縄の枕飾り、シラベーシ(茹でた豚肉)

沖縄の枕飾り、シラベーシ(茹でた豚肉)
本州の方々が沖縄の枕飾りで最も驚くお供え物が、このシラベーシです。シラベーシは豚肉なので、仏教的には殺生としてタブーですよね。けれども沖縄では枕飾りに、この上ない御馳走として成仏を願い供えます。

【 沖縄の枕飾り、シラベーシ(茹でた豚肉) 】

(6) シラベーシ(茹でた豚肉) → 沖縄の他の御願事のように味は付けません。茹でただけの三枚肉を七切れずつ、二皿に分けて供えましょう。

※ 沖縄では弔事となるスーコー(焼香=法要)で豚肉料理を供える時、豚の皮を上にして盛りつけますが、沖縄の枕飾りでも同じです。

ちなみに、前項でウフスーコー(二十二年忌・三十三年忌)はお祝い事として執り行うお話をしましたが、この豚肉の盛りつけ方もお祝い事として、豚肉の皮は下側にします。

実は沖縄の年中行事のなかでも、同じお墓参り行事であっても初春(毎年四月頃)に行うシーミー(清明祭)はお祭り(なので豚肉の皮は下側)ですが、ジュールクニチ(十六日=旧暦一月十六日のお墓参り行事)では供養行事として扱います(豚肉の皮は上)。

お餅の色や昆布飾りなども弔事と慶事(お祝い事)で変わるので、詳しくは別記事「沖縄で供える重箱料理☆スーコーとお祝い行事で違う供え方」でお伝えしていますので、コチラも併せてご参照ください。

沖縄の枕飾り、お味噌とお塩/ダーグ(お団子)

沖縄の枕飾り、お味噌とお塩/ダーグ(お団子)
そして沖縄の枕飾りではお味噌とお塩、ダーグ(お団子)を供えるお家も多いです。沖縄ではお味噌やお塩は大切な意味合いがあり、ヒヌカンの継承でも実家(義実家)からお味噌やお米、お塩をいただいたりするほどです。

また、ダーグ(お団子)も沖縄のスーコーでは頻繁に供えられます。シジュウクンチ(四十九日)のスーコー(焼香=法要)では、「フニムチ」と呼ばれる人の骨に見立てた四十九個のお餅を供えるのも習慣のひとつです。

【 沖縄の枕飾り、お味噌とお塩・ダーグ(お団子) 】

(7) お味噌とお塩 → お味噌とお塩を小さなお山にして盛りつけるだけですが、必ずそれぞれ別の小皿に供えます。ひとつのお皿にまとめて供えるのはタブーです。

(8) ダーグ(お団子) → 沖縄のお団子はもち米や白玉粉で茹でて作ります。こちらもシラベーシ(茹でた豚肉)と同じように七個をお皿に盛りつけ、二皿を用意しましょう。

沖縄の枕飾りで広く伝わるのはお味噌とお塩を一皿ずつですが、一部地域(浦添市など)ではお塩は供えません。その代わり、小麦粉で作った十字の練り物を供えたり、シラベーシ(茹でた豚肉)のお皿に白いお豆腐を添えたりしています。

沖縄の枕飾り、地域で違うお供え物

沖縄の枕飾り、地域で違うお供え物
沖縄の枕飾りは、このようなお供え物が一般的ですが、一部地域ではより豪華に供える家もあります。

【 沖縄の枕飾り、豪華な地域のお供え物 】

・ ンブシ → お汁物ですが、豆ふ・昆布を入れたお汁です。
・ ウサチ → 酢の物です。
・ チラガー → 沖縄ではお祝い事などでも用いられる、豚の顔(の皮)を供える地域もあります。

また、昔ながらの沖縄の枕飾りでは、チャーシウブンはつき臼を使ってお米を精米していました。けれども今では通常のご飯が一般的です。

お通夜の写真

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄ならではの枕飾りのお供え物をお伝えしました。最も広く伝わる沖縄の枕飾りをお伝えしましたが、ごく簡素な地域もあれば豪華な地域もありさまざまです。

バタバタするなかで準備が進む沖縄の枕飾りですが、基本的な枕飾りの装具は葬儀社が準備をしてくれるでしょう。(小さい机や枕飾り用の香炉、花立など)

ご遺族は沖縄ならではの今回お伝えしたような沖縄のお供え物を準備するだけで、無事に進みます。
まとめ

沖縄の枕飾りで供えるお供え物

(1)お水・お茶・お酒
(2)チャーシウブン
(3)汁物
(4)果物
(5)お饅頭
(6)シラベーシ(茹でた豚肉)
(7)お味噌とお塩
(8)ダーグ(お団子)


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