小正月・二十日正月とは、どんな日?2024年はいつ?何を行うの?行事食や作り方は?

2023.11.13
小正月・二十日正月とは、どんな日?2024年はいつ?何を行うの?行事食や作り方は?

「小正月」とは1月15日「二十日正月」とは1月20日の正月の節目です。関東は主に1月11日の鏡開き、関西地域の多くは小正月、二十日正月が祝い納めです。本記事では2024年の正月行事、小正月・二十日正月の行い方や行事食、作り方が分かります。

・小正月、二十日正月とは?行事食は?
・お正月はいつからいつまで?
・正月飾りを片付けるタイミングは?

「小正月」とは1月15日、「二十日正月」とは1月20日の暦を差し、どちらも正月のひとつの節目です。

主に関東地域では鏡開きの1月11日を正月の締めくくりとしますが、関西地域など、地域によっては正月の締めくくりを小正月、二十日正月としています。

本記事を読むことで、小正月・二十日正月とは何か?2024年の正月行事の日程や、小正月・二十日正月の行い方や行事食、作り方が分かります。
 

小正月・二十日正月とは?

小正月・二十日正月とは?
◇小正月、二十日正月ともに、正月行事の節目です

全国的に正月は三が日の3日間、広くは「松の内」と呼ばれる7日間を正月とし、翌8日から少しずつ日常生活に戻ります

松の内明けの1月11日の鏡開きまでに、正月飾りを片付けて鏡餅を木槌で開き、正月飾りは集落の寺院や広場の「お焚き上げ」で天へ奉納してきました。
 

<小正月・二十日正月とは:正月行事>
[正月行事] [日程] [内容]
①正月三が日 ・1月1日~3日 ・正月休み
●年始を祝う
②松の内 [関東]~1月7日
[東北・九州]~1月7日
[京都一部地域]~1月3日
[関西地方]~1月15日(小正月)
●年神様が家にいる期間
・最終日にお帰りになる
③人日の節句 ・1月7日 ・疲れた胃腸を労わる
●1年の無病息災を祈願
[七草粥]
・春の七草の入ったお粥
④鏡開き [関東]1月11日
[東北・九州]1月11日
[京都一部地域]1月4日
[関西地方]
・1月15日(小正月)
・1月20日(二十日正月)
●鏡餅を開く
(年神様の依り代)
・年神様をお見送りする
・年神様の恩恵を受ける
⑤小正月 ・1月15日 ●お正月の節目
[昔]
・奉公人の里帰り日
・女性のお正月
⑥二十日正月 ・1月20日 ●お正月の祝い納め
・正月飾りを全て片付ける
・日常生活に戻る

 
現代は年始から1月7日まで、年神様が家にいらっしゃる「松の内」が過ぎると、翌週から学校も始まり、成人式も行われるため、一般的にお正月は「正月三が日」もしくは、松七日までの1月7日までの印象が強いですよね。
 

<現代は七草粥で締めくくり>
●1月7日の人日の節句に、お正月のご馳走で疲れた胃腸を労わります。

…健康的な春の七草が入った七草粥をいただくことで、一連の正月行事を締めくくる人が多いでしょう。

 
けれども昔ながらの正月は1月20日まで続き、二十日正月でいよいよ全ての正月飾りを片付けて、日常に戻るとされました。
 

 

「正月三が日」とは?

◇「正月三が日」とは、1月1日~3日の3日間です

この期間はお屠蘇(おとそ)を飲み、おせち料理をいただいて年始を祝います。
官公庁やサービス業以外の大手企業などはお休みとなり、翌4日から少しずつ仕事始めになるでしょう。
 

<正月三が日:してはいけないことは?>
[家事] ・掃除をしない
刃物は使わない
・火を使わない(料理をしない)
[一年の計] お金の無駄遣いをしない
・ケンカをしない
[殺生] 豚肉、牛肉を避ける
(正四つ足歩行の動物の肉)

 
正月三が日はお祝い期間で、「一年の計は元旦にあり」とあるように、この期間に起きたことが一年に影響するとされてきました。

日々の掃除を控えて、刃物や煮炊きをする料理を避けるため、昔ながらの風習ではおせち料理を用意し、三が日を掛けていただきます。
 

「松の内」とは?

◇「松の内」とは、松飾りを飾る期間です

玄関に飾るお正月飾りが「門松」、この門松を飾る期間を「松の内」と言い、松の内が過ぎると、年始からいらっしゃっていた年神様がお帰りになります。

門松を片付けることは、すなわち正月飾りを片付けることを差し、正月を締めくくるひとつの節目です。
 

<松の内明けにすることは?>
[正月の締めくくり] 正月飾りを片付ける
・掃除を行う
・年神様をお見送りする
[体を労わる] 七草粥をいただく
・寒中見舞い
・ご挨拶が変わる

 
1月1日~1月7日までの松の内は正月を祝う期間ですから、近所の人や知り合いに出会うと「明けましておめでとうございます。」となりますよね。
現代はそれほど気にする人はいませんが、松の内が明けると変わることもあります。
 

<松の内と松の内明けの違い>
[松の内]
●挨拶 「明けましておめでとうございます」
●御挨拶状 ・年賀状
●正月飾り ・正月飾りで結界を張り、祝う
[松の内明け]
●挨拶 「今年もよろしくお願いします」
●御挨拶状 ・寒中見舞い(立春まで)
●正月飾り ・片付けて日常生活に戻る

 
年賀状を出していない相手から、年賀状が届くと、急ぎお返事を出しますよね。
1月7日までの松の内であれば、年賀状を出して返しますが、松の内明けからは年賀状は控えて、「寒中見舞い」として出すと良いでしょう。

ただし寒中見舞いも立春までです。
立春の入りは毎年変化しますが、目安としては節分の2月3日までとなります。
 

「人日の節句」とは?

◇「人日の節句」とは「人の日」、毎年1月7日です

奇数日が重なる五つの節句「五節句」の始まりが「人日の節句(じんじつのせっく)」となり、毎年1月7日の「人の日」を表します。

中国で奇数は縁起の良い数「陽数」なのでお祝いをするとともに、強い幸運が反転して不吉な日にならぬよう、厄祓い行事が行われてきました。

人日の節句は奇数が重なる日であれば、本来1月1日なのですが、1月1日は一年の始まり「元旦」ですので、1月7日になっています。
 

<五節句とは>
[五節句] [日にち] [行事]
①人日の節句
(じんじつのせっく)
・1月7日 ・七草粥
②上巳の節句
(じょうしのせっく)
・3月3日 ・お雛様
③端午の節句
(たんごのせっく)
・5月5日 ・子どもの日
④七夕の節句
(しちせきのせっく)
・7月7日 ・七夕
(たなばた)
⑤重陽の節句
(ちょうようのせっく)
・9月9日 ・菊酒

 
1月7日が「人日の節句」となったのは、中国の風習からです。
元旦からそれぞれ動物の日とし、その日はそれぞれ割り当てられた動物を殺生しない、すると縁起が悪い日、とする風習がありました。
 

<元旦~7日までの割り当て>
[1月1日] ・鶏の日
[1月2日] ・狗の日(犬の日)
[1月3日] ・猪の日(豚の日)
[1月4日] ・羊の日
[1月5日] ・牛の日
[1月6日] ・馬の日
[1月7日]
・人の日

 
そのため、1月7日の人の日は処罰や刑罰を行わない1日です。
そして現代では、七草粥を食べて正月のご馳走で疲れた胃腸を労わり、人々の体を労わる日となりました。
 

 

「鏡開き」とは?

鏡餅が固くて開かない!
◇「鏡開き」とは、鏡餅を開く行事です

「鏡開き」とは、お正月に一年を司る年神様の依り代となっていた鏡餅を開き、正月飾りを片付ける、お正月の節目の日を差します。

関東や東北地方、九州地方を中心に、鏡開きは広く毎年1月11日に行われますが、地域によって鏡開きの日程が変わるでしょう。

※「鏡餅を開く」とは鏡餅を木槌などで割ることです。
けれども縁起の悪い言葉なので、「割る」や「切る」の言葉を用いません。
 

<鏡開きに行うこと>
・鏡餅を木槌で開く
・開いた鏡餅をいただく
・年神様をお見送りする

 
お正月に飾り続けてカチカチになった鏡餅は、柔らかくなるお汁粉やお雑煮にして、家族でいただくと良いでしょう。

鏡餅は開くだけではなく、お餅を残さずいただくことで、年神様の恩恵を授かるとされます。
 

 

小正月・二十日正月とは?

小正月・二十日正月とは?
◇小正月・二十日正月は、正月の祝い納めです

小正月は毎年1月15日、二十日正月は毎年1月20日を差し、元旦から始まった正月祝いの最終的な祝い納め、締めくくりとなります。

関東や東北、九州地方では松の内1月7日を正月の祝い納めとし、1月11日の縁起の良い日に鏡開きを行うことで締めくくりとする地域が多いですよね。

ただ関西地方や京都近郊では、小正月や二十日正月を祝い納めとする地域が多い傾向にあり、小正月・二十日正月に鏡開きを行う地域も多いでしょう。
 

「小正月」とは?

小正月、二十日正月後の正月飾りは?
◇「小正月」とは、新年が明けて最初の満月です

現在はグレゴリオ暦(新暦)ですが、月の動きによる太陰暦(旧暦)で、毎月15日は満月にあたり、昔はおめでたい日とされました。

小正月(しょうしょうがつ)」は、この年が明けて最初の満月である1月15日で、「小正月(こしょうがつ)」とも呼ばれます。
 

<小正月と大正月>
[正月] [日程] [行うこと]
①大正月 正月三が日
(1月1日~1月3日)
広く正月を祝う
・仕事を休む
・おせちをいただく
・お屠蘇をいただく
・初詣
②小正月 満月の3日間
(1月14日~16日)
正月の祝い納め
・奉公人や女性が休む
・小豆粥をいただく
・正月飾りのお焚き上げ
・鏡開き

 
正月飾りを片付ける際、今でこそそれぞれの家庭で片付けるようになりましたが、かつては地域の自治会や寺院で焚き上げる行事もありました。
 

<小正月や二十日正月で焚き上げる>
・とんど焼き
・左義長(さぎちょう)
・お焚き上げ

 
左義長はもともと宮中や公家で行われてきた小正月の火祭りで、正月飾りのお焚き上げの役割よりも「悪魔祓い」として行われたものです。

とんど焼きは年神様「歳徳神(としとくじん)」を祀る火祭りからきた言葉で、昔は奈良県を中心に呼ばれてきたものの、現在は広く使われています。

お餅やイモをアルミホイルで包み、火の中に入れて焼く集落も多く、かつては子ども達が楽しみにしていました。
 

「二十日正月」とは?

「二十日正月」とは?
◇長い時間を掛けて祝ったかつての正月の、「祝い納め」です

小正月と同じく二十日正月は、長い正月祝いの祝い納めの節目とされ、正月祝いの間忙しくしていた女性が里帰りできる、休める日でもありました。

また、全てのご馳走や正月飾りを片付けるため、残った魚を全ていただく日でもあります。

そこで、二十日正月はさまざまな愛称で親しまれてきました。
ここでは愛称とともに、二十日正月に行う事柄を紹介します。
 

<「二十日正月」とは?>
[愛称] [行うこと]
①女正月 ・女性が休む日
●女性の里帰り
(台所で忙しかった人)
[行事食]
・小豆粥
②骨正月
・かしら(頭)正月
●供物の魚を残さず食べる日
[行事食]
・ブリ大根
・魚の粕汁
・魚の粗煮
③麦正月 ●豊作を祈願する
(かつては麦飯がご馳走)
[行事食]
・麦飯とろろ汁

 
小正月でも二十日正月と同じように、小豆粥が行事食です。
小豆粥は小豆の赤が邪を祓う他、女性にとって子宮に良いとも言われます。

二十日正月は以上の愛称の他にも「団子正月」「とろろ正月」などとも呼ばれ、お正月のご馳走を残さずいただく「正月の食べ納め」でもありました。
 

 

小正月、二十日正月後の正月飾りは?

小正月、二十日正月後の正月飾りは?
◇お焚き上げや自分達で処分します

その昔は小正月や二十日正月で門松や正月飾りを片付けると、地域の広場や寺院のお焚き上げがありました。

そこに正月飾りを持って行き、皆で焚き上げるとんど焼きや左義長で祓い処分したのですが、現在はこのような行事や、寺院のお焚き上げも少なくなったでしょう。

自宅で正月飾りを処分する手順は、下記です。
前準備として、新聞紙・奉書紙(半紙など白い紙)・お塩を準備しましょう。
 

<自宅での正月飾りの処分方法>
①新聞紙を広げる
②新聞紙の上に、奉書紙を広げる
③奉書紙の上に、正月飾りを置く
④正月飾りにお塩を振る
⑤正月飾りを奉書紙で包む
⑥さらに新聞紙で包む
⑦お塩を振る
⑧ゴミ袋に入れて出す

 
以上です。
正月飾りをゴミ袋にそのまま捨てる家もありますが、お祝い行事のお飾りがゴミ袋に入っている様子が、外から見えると寂しいものがありますね。

新聞紙などで包み、お塩で清めて捨てると良いでしょう。
奉書紙などの白紙で包むことで、神様への献上物となります。

また神様が宿る破魔矢などのお飾りは、初詣にいただいた神社や寺院へ持参して奉納し、通常のお焚き上げをしてもらいましょう。
 

まとめ:小正月、二十日正月は祝い納めです

まとめ:小正月、二十日正月は祝い納めです
小正月や二十日正月は、元旦から続く正月行事の祝い納めとなり、古くは正月期間に台所で忙しくしていた女性や、奉公人がやっと休める日でもありました。

お正月のご馳走は骨まで全て食べて一年の恩恵をいただく風習があり、正月の祝い納めでは、お供え物のお魚で残ったお頭や骨まで丁寧に調理していただきます。

特にお正月のお魚は年を超える縁起の良い「年取魚(としとりさかな)」として、ブリや鮭などの、出世魚が選ばれるでしょう。

魚のお頭や骨は水からじっくり炊く他、ブリの骨は十日以上酒粕に入れて食べやすくしてから、根野菜や昆布などと煮物にする風習もあります。
 

 


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