・年賀状の正しい書き方マナーとは?
・年賀状の書き方にタブーはある?
・年賀状の挨拶や添え書きの書き方、例文は?
新年の御挨拶状である年賀状は、正しい書き方マナーを理解して、失礼のないものを送りたいですよね。
日ごろからお付き合いのある人ばかりではないため、失礼な年賀状の書き方で、相手を不快にさせてしまうこともあります。
本記事を読むことで、失礼のない年賀状の書き方マナーを理解し、安心して年賀状を送ることができます。
後半では最初の挨拶文や、ひと言添える添え書きに適した、相手によって違う例文もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。
年賀状の正しい書き方マナーとは?
◇年賀状は5つの構成に分かれています
…絵や文章を書く面「裏面」は、5つの構成で進めましょう。
年賀状の正しい書き方は「5つの構成」を理解すると分かりやすいです。
冒頭に「賀詞(がし)」と呼ばれる、お祝いの言葉を大きく書いて、その下に旧年中のお礼「謝辞」を小さい文字で書きます。
下記は5つの構成それぞれの説明を一覧にしました。
上記イラストを見ながら確認してください。
<年賀状の書き方:5つの構成> | |
[ご挨拶] | |
(1)新年のお祝い(賀詞) | ●新年のお祝い ・謹賀新年 ・明けましておめでとうございます ・迎春 …など |
[本文] | ●「(2)+(3)」、もしくはいずれか |
(2)謝辞 | ・旧年中のご厚意への感謝 ・近況報告 ・旧年中はお世話になりました |
(3)近況報告、祈り文 | ・相手の一年の幸を祈る ・近況報告 ・皆さまのご多幸をお祈り申し上げます |
(4)今後の願い文 | ・今後のご指導 ・変わらぬお付き合い ・本年もどうぞよろしくお願いいたします |
(5)日付 | ・元旦の日付 ・令和6年元旦 |
年賀状の書き方として、日付けの左部分には送り主と住所を配置しても良いですが、裏面に送り主・住所を書いても、マナー違反にはなりません。
そこで御縁を繋ぎたい相手への年賀状の書き方では、日付けの横に個別のメッセージをひと言添えると、より好感を持たれるでしょう。
年賀状の宛名の書き方とは?
◇住所は2行に収め、バランスを重視します
…宛名や差出人情報を記載する「表面」はバランスが大切です。
年賀状の宛先を書く「表面」は、宛先の住所と氏名、送り主情報を記載します。
宛先の住所は2行で収めてバランスを取る年賀状の書き方がポイントです。
マンション・会社・ビル名は2行目から書くと良いでしょう。
<年賀状裏面の書き方> | |
(1)住所は2行にまとめる [文字の大きさ] 中文字 |
・都道府県名から記載 ・ビル名などは2行目から (できるだけ省略しない) ・2行目は1行目から下げる |
(2)数字の書き方 | ・縦書き…漢数字 ・横書き…アラビア文字 |
(3)宛名は中央に大きく書く [文字の大きさ] 大文字 |
・宛先(個人名)が中央 ・敬称を下に添える [肩書き]個人名の上 [連名]左隣りに書く |
(4)送り主情報は小さくまとめる | ・切手枠内で収める (送り主の郵便番号枠内でも可) ・変化があればひと言添える (家族構成、引っ越しなど) ・必要があればふりがなを添える (初めて記載する子どもの名など) |
(5)年賀状は「朱書き」 | [年賀ハガキ] ・そのままで良い [官製ハガキ] ・切手の下に朱書きで「年賀」 [私製ハガキ] ・お年玉付き年賀切手を貼る ・通常の切手+朱書き |
宛先は縦書き・横書き、どちらでも構いませんが、横書きはカジュアルな印象も与えかねません。
仕事関係者や目上の人へ送る年賀状は、縦書きを選ぶと尚良いです。
縦書き・横書きによって数字の書き方を変えると、見た目にも整います。
宛先の敬称・肩書きの注意点
◇年賀状の宛先は、肩書きや敬称の書き方に注意をします
「部長・専務」などの肩書きのすぐ下に敬称は書きません。
個人名の頭に肩書きを書き、個人名の下に敬称を記載すると良いでしょう。
<年賀状の書き方:敬称、肩書き> | |
[敬称の注意点] | 「様」…全般で使用可能 「殿」…目下の人への敬称 「御中」…団体、会社、部署などへの敬称 |
【NG例】 | ・○○株式会社沖縄花子御中 ・部長沖縄太郎殿(取引先へ) |
【OK例】 | ・沖縄花子様 ・○○株式会社○○部御中 |
[肩書きのタブー] | |
①肩書きに敬称を付けない | ・宛名の上に肩書きを置く ・宛名の下に敬称を置く |
【NG例】 | ・○○株式会社 沖縄太郎部長様 ・○○株式会社 沖縄花子 |
【OK例】 | ・部長沖縄花子様 ・○○株式会社○○部 部長沖縄太郎様 |
②「御中」の後に敬称を付けない | ・「御中」の後に個人名を記載しない (個人への敬称のみで良い) |
【NG例】 | ・○○株式会社御中 沖縄花子様 ・○○株式会社 ○○部様 ・○○株式会社御中 ○○部御中 |
【OK例】 | ・○○株式会社○○部 御中 ・○○株式会社○○部 部長沖縄太郎様 |
敬称は相手への敬意を表すものです。
そのため敬称の使い方を間違えると、失礼にあたります。
特に「殿」は目上から目下へ向けた敬称ですので注意をしてください。
迷うならば「様」は個人名であれば、どのような相手にも利用できる敬称ですので、「様」を使うと良いでしょう。
宛名を連名にする時の注意点
◇宛名を連名する場合、左隣りに記載します
後ほど詳しく解説しますが、お祝い事である年賀状には、区切り・切れる意味がある句読点を避けなければなりません。
そのため句読点を避け、左隣りに家族の氏名を記載します。
<連名の宛名は左隣りに並べる> | |
●中央…上座(世帯主など) | ・左隣り…下座(家族など) |
【NG例】 | 沖縄 太郎・花子様 |
【OK例】 | 沖縄 太郎様 花子様 |
基本的に主な宛名が年賀状ハガキの中央に記載し、家族など、連名で記載する人々の氏名は、その左隣りに並べて記載すると良いでしょう。
複数の氏名を並べる場合、向かって右手が上座→左に向かって下座となります。
家族の場合は、主な宛名である世帯主の隣りから、左側に配偶者、その左隣りに子ども達…と続くと良いです。
…年賀状のこの書き方は差出人情報でも同じです。
左側に家族の名前を記載し、必要があればルビも振りましょう。
年賀状の書き方にタブーはある?
◇忌み言葉に注意し、句読点を避けます
お祝い事である年賀状の書き方のタブーは、冠婚葬祭と同じです。
主には忌み言葉や重複言葉を避けて、「切れる」意味があるため縁起が悪い、句読点を使いません。
<年賀状の書き方タブー:文章編> | |
[タブー] | [NG例] |
①句読点を使わない | ・「、」「・」「。」など |
②忌み言葉を避ける | ・去る(去年) ・枯れる ・別れる …など |
③重複表現を避ける | ・令和六年一月一日元旦 ・新年明けましておめでとうございます ・謹賀新年 謹んでお祝い申し上げます |
重複表現は難しいかもしれません。
「令和六年一月一日元旦」は「一月一日」と「元旦」が重複しています。
また「新年あけまして」は「新年」と「明けまして」の重複です。
「謹賀新年 謹んでお祝い申し上げます」は、意味が重複するタブーとなります。
年賀状でタブーの書き方:形式は?
◇年賀状で最もタブーの書き方は、修正インクの使用です
年賀状で間違えがあり、修正ペンや修正インクを使用することは失礼にあたります。
書き損じハガキの返品はできませんが、郵便局では1枚5円の手数料で、新しい年賀状ハガキとの交換ができるでしょう。
現金にはできないものの、年賀状ハガキの交換は何年経っても可能です。
年数が経った古い書き損じハガキは、通常の官製ハガキや切手に交換できます。
<年賀状でタブーの書き方:形式> | |
①修正ペンの使用 | ・書き間違えは新しく書き直す ※郵便局で交換…手数料5円/1枚 |
②ボールペンを避ける | ・毛筆(筆ペン) ・インクペン |
③葬祭を連想する形式を避ける | ・グレー文字 ・黒い枠 |
また、私製ハガキや一般的な官製ハガキを使用した年賀状では、必ず前述した朱色文字の朱書き「年賀」を切手下に記載してください。
この朱書きがなければ、元旦より前の年末に年賀状が届いてしまう恐れがあります。
年賀状で間違えやすい言葉は?
◇「コロナ禍」や「去年」の文言を避けましょう
2020年のコロナ襲来以降、「コロナ禍」の言葉が多くなりました。
「去年はコロナ禍で叶いませんでしたが、今年は元気な姿でお会いできますように」
…などの文言は、意外と間違えやすい年賀状の書き方タブーです。
<年賀状でタブーの書き方:形式> | |
①「A Happy New Year」 | …年賀状で賀詞として英語を使う場合、挨拶文として「A」は必要ありません。 (文章の中で使用する英語文であれば、「A」を用います。) |
【OK例】 | 「Happy New Year」 「May the new year be filled with happiness」 (今年もあなたに幸多くありますように) 「New Year’s Greetings」(新年のご挨拶) |
②コロナ禍 | …コロナ禍の「禍」が忌み言葉です。 またタブーではありませんが、コロナが不幸や忌まわしい状況を連想させてしまうため、避けると良いでしょう。 |
【OK例】 | 「今年こそは健康で幸多き一年となりますように」 「今年こそ元気な姿でお会いできますように」 「新しい一年は穏やかな一年となりますように」 「人々が心から笑顔になる日々が戻りますように」 |
③去年 | …前年のご厚意へのお礼として「去年はお世話になりました」などの文言を使うことがありますが、「去年」の「去」が忌み言葉です。 |
【OK例】 | 「旧年中はお世話になりました」 「昨年は何かとお世話になりまして 誠にありがとうございました」 |
「A Happy New Year」を訳すと「良い新年を(お過ごしください)」で、文章内では利用する文言です。
「Happy New Year!」になると「新年おめでとう!」となります。
「Merry Christmas!(メリークリスマス!)」 「Happy Halloween!(ハッピーハロウィン!)」と同じ挨拶文です。
年賀状の書き方:挨拶の例文
◇年賀状で挨拶の書き方は、相手との関係性で異なります
年賀状の挨拶の書き方は、「迎春」や「謹賀新年」などのお祝いの言葉「賀詞」でのご挨拶が一般的です。
また知人友人・家族など、カジュアルな年賀状の書き方でも良い相手には、英語文「Happy New Year!」などもあるでしょう。
<年賀状の書き方:挨拶の例文> | |
●部下など(目下) ・シンプルな賀詞でも良い |
[1文字] ・寿(お祝い) ・春(新年) ・賀(喜び事) [2文字] ・賀正(お正月のお祝い) ・迎春(春を迎える) ・慶賀(お正月を喜ぶ) |
●上司など(目上) ・敬意を表す ・謹みを表す 【例】 「謹」「敬」「恭」 |
[4文字] ・謹賀新年 (謹んで新年をお祝いする) ・恭賀新春 (うやうやしく新年をお祝いする) [文章] ・謹んで新春のお慶びを申し上げます ・謹んで年頭のご祝詞を申し上げます |
●親戚、友人知人 ・カジュアルなお祝いでも良い ・新春に相手の幸せを祈る |
[例] ・あけましておめでとうございます ・新年おめでとうございます ・Happy New Year! |
親族や知人友人であれば、一般的な「明けましておめでとうございます」や「Happy New Year!」でも良いでしょう。
ビジネス関係の相手には、目上・目下への言葉遣いを理解して、相手に敬意を払い、慎むご挨拶を選びます。
添え書きの例文
◇添え書きは、相手との関係性や立場で変わります
添え書きの内容は、相手の健康や幸せな一年を祈る言葉の他、近況報告や今年の目標、共通の話題を添えると良いでしょう。
できるだけ手書きで、相手のお顔を思い出しながら敬意を持って書きます。
<年賀状の書き方:挨拶の例文> | |
(1)親戚、知人友人、恩師 | [どのような相手でも良い] 「昨年はお世話になりありがとうございました」 「旧年中に賜りましたご厚情には深く感謝しています」 「皆さまのご多幸をお祈り申し上げます」 [友人知人] 「本年もお互いにとって善き一年となりますように」 |
(2)会社関係者 | [上司] 「旧年中は親身なご指導をいただき感謝しております」 「旧年中の経験を生かし精進してまいります」 [同僚] 「昨年は公使ともに良い時間をいただきありがとうございました」 「今年も一緒に進んでいきましょう」 [部下] 「旧年中は○○さんのご活躍を嬉しく思っています」 「今年もよろしくお願いします」 |
(3)ビジネス(取引先) | 「年頭に際し貴社ますますのご発展をお祈り申し上げます」 「昨年は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます」 |
また昨年の年賀状から、結婚や就職、子どもの入学など、人生の節目を迎えていた人々は、親戚や友人知人への年賀状で近況報告を兼ねると良いでしょう。
本年も親子ともども宜しくお願いいたします」
などです。
また自身の近況報告だけではなく、相手の近況を尋ねる文面や、相手家族の人生の節目や記念事があれば、お祝いの言葉を添えても良いでしょう。
一年の始まりを祝う年賀状に添える言葉は、明るく前向きに、相手の心が元気になる、ホッとするひと言を添えるようにします。
まとめ:年賀状の書き方は5つの構成でまとめます
年賀状の正しい書き方は、「賀詞」と呼ばれる年始を祝う言葉の後、旧年中のお礼や相手の一年の幸を願う言葉を添え、最後に日付けを付ける流れです。
日ごろの手紙とは違い、「一年の計は元旦にあり」と言うように、年賀状に添える添え書きには、あまり繊細な事柄は控えます。
・病気や怪我
・旧年中の不幸
・結婚や出産のお伺い
現代の事象についても暗い内容は避けましょう。
もしも相手が病気などで気遣いのひと言を添えたいならば、その事象に直接触れることなく、手書きで相手がホッとする・元気になる、前向きな表現をえらびます。
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