【沖縄2026年度版】改葬で必要なお布施｜相場・封筒の書き方・渡し方まで完全ガイド

改葬を考えるとき「どの場面でお布施が必要なのか」「金額の相場はどれくらいなのか」と悩む方は少なくありません。改葬は、遺骨の移動だけでなく、閉眼供養や納骨式など、必要に応じて供養を行う場面があるため、事前にお布施の準備をしておくと安心です。

本記事では、改葬でお布施が必要になる主な場面、金額の目安、封筒の書き方や渡し方など、すぐに使える実務的な情報をまとめています。また、儀式を行わない場合のお布施の扱いについても分かりやすく解説します。

短時間で必要なポイントだけ確認できる内容になっていますので、改葬の準備にぜひお役立てください。

改葬でお布施が必要になる場面（納骨・お墓の手順）

改葬では、遺骨の移動だけで済む場合もありますが、多くの家庭では閉眼供養や納骨式など、一定の儀式を行います。そのため、お布施が必要になる場面がいくつかあります。ここでは代表的な流れを整理します。

閉眼供養（改葬前のお墓で行う手順）

改葬で現在のお墓から遺骨を取り出す際、多くの場合は「閉眼供養（魂抜き）」を行います。閉眼供養はお墓に宿していた仏様の魂を鎮める儀式で、僧侶に読経を依頼するのが一般的です。このため、閉眼供養ではお布施を準備します。

閉眼供養は、長く守ってきたお墓に対する感謝の意味もあり、改葬の大切な区切りとなる場面です。事前に寺院へ連絡し、当日の流れやお布施の目安を確認しておくと安心です。

納骨式（納骨の流れ）

改葬で遺骨を新しい墓所へ移す際には、「納骨式」を行うケースが多いです。納骨式は遺骨を正式に納める儀式で、こちらも僧侶に読経をお願いする場合はお布施が必要になります。

改葬は「取り出す」「納める」という二つの工程が発生するため、閉眼供養と納骨式の双方でお布施が必要になるケースもあります。新しい墓所の管理者に、式の流れと準備するものを事前に確認しておくと安心です。

開眼供養（新しいお墓を建てる場合）

改葬に合わせて新しく墓石を建てた場合は、「開眼供養（魂入れ）」を行うことがあります。開眼供養は、新しい墓石を“供養の場として認める”ための儀式で、僧侶の読経が伴うため、この場面でもお布施が必要となります。

開眼供養は必ずしも全家庭が行うわけではなく、新規建立した場合や寺院墓地で求められるケースが多いです。改葬の計画段階で、必要かどうかを早めに相談しておくと進行がスムーズです。

墓じまいとの違いは？

改葬と墓じまいは似た言葉ですが、目的や手続き、必要になるお布施の場面が異なります。改葬は「遺骨を別のお墓へ移動すること」、墓じまいは「お墓を撤去して更地に戻すこと」です。ここでは両者の違いを分かりやすく整理します。

墓じまいでも遺骨の移動は必要

墓じまいでは、お墓を撤去する前に遺骨を取り出し、納骨堂や合祀墓など新しい場所へ移動させる必要があります。

このため、結果的に改葬と同じ「遺骨の移動手続き」を行うことになります。移動先が決まっていない場合は一時預かり先を手配することもあり、自治体への申請が必要になるケースもあります。

墓じまいの費用相場

墓じまいの費用は、お墓の大きさや立地、撤去作業の難易度によって大きく変わります。

一般的な相場は 10万円〜50万円前後 で、墓石の処分費や整地費用などが含まれます。同時に遺骨を移動するための手続きが発生することもあり、改葬先での納骨費用や管理費が別途かかる場合もあります。

墓じまいでのお布施

墓じまいでは、遺骨を取り出す前に閉眼供養（魂抜き）を行う家庭が多く、その際に僧侶へお布施を渡します。金額は地域差があるものの 1万円〜3万円ほど が一般的です。閉眼供養を行わずに撤去だけを依頼する場合は、お布施が不要となるケースもあります。

新しくお墓を建てる「建墓」との違いは？

改葬と建墓はどちらも新しいお墓に関わる作業ですが、目的と流れが大きく異なります。建墓は「新しい墓石を建てること」、改葬は「遺骨を移動すること」であり、この違いによって必要な儀式やお布施も変わります。

新しいお墓に移動する場合は「お祝い」？

新しいお墓を建てた場合、「建墓祝い」を用意する家庭がありますが、改葬で遺骨を移す場合は必ずしもお祝いが必要になるわけではありません。新たな墓所を整えた区切りとして、簡単にお供え物を準備するケースもありますが、必ずしも形式が決まっているわけではありません。

葬儀後の納骨式との違いやお布施は？

◇葬儀後に行う納骨式と、改葬による納骨式は役割が異なります。

葬儀後の納骨は「埋葬の完了」の意味がありますが、改葬の納骨式は「遺骨の移動を完了する儀式」です。どちらも僧侶へ読経を依頼する場合はお布施が必要で、金額の相場は 1万円〜3万円ほど が一般的です。

改葬時の法要に参列するマナー

改葬に立ち会う際は、葬儀ほど厳格なマナーは求められないものの、失礼にあたらない最低限の配慮が必要です。家族中心で行われるケースが多いため、落ち着いた服装や言動を心がけると安心です。

参列者の納骨式での服装マナー

◇改葬の法要では、喪服を着用する必要はありません。

黒・紺・グレーなど落ち着いた色味の服装「平服」であれば問題なく、普段着に近い格好でも失礼にはあたりません。ただし、派手な色味の服装や過度な露出は避けるのが無難です。

改葬の法要で香典は必要？

◇改葬は葬儀ではないため、基本的に香典は不要です。

家族だけで行われる小規模な法要が多く、香典袋を準備する必要はありません。どうしても気持ちを伝えたい場合は、 500円〜1,000円ほどの菓子折り など、香典とは別の形で渡すと自然です。

墓じまい・改葬でのお供え

改葬や墓じまいの際には、最低限のお供えを準備する家庭もあります。大掛かりなものは必要なく、故人が好んだお菓子や果物など、少量で十分です。お供えの内容は宗派や地域によって異なるため、無理のない範囲で整えれば問題ありません。

遺骨の移動先が御廟の場合

御廟（お墓をまとめて安置する場所）に遺骨を移動する場合、お供えは施設側の案内に従います。多くの御廟では常時供花があり、個別のお供えを控えるよう案内されることもあります。必要な場合は生花や小さな果物程度で十分です。

合祀墓（永代供養墓）や納骨堂での納骨後の供養は？

◇合祀墓や永代供養墓では、個別のお供えは不要となる施設が多くあります。

年間行事として合同供養祭を実施する霊園もあり、家族が持参するお供えは最小限で問題ありません。納骨堂の場合も、施設が供花・供物を管理しているため、お供えが不要なケースが一般的です。

改葬時のお布施の金額相場（費用の相場）

改葬で準備するお布施の金額は、行う儀式の内容や依頼先によって幅があります。あらかじめ相場を知っておくと、改葬全体の費用計画が立てやすく、当日の不安も少なくなります。ここでは、一般的な金額の目安をまとめます。

金額の目安（3万円〜10万円のお布施相場）

◇改葬時に用意するお布施の相場は、3万円〜10万円ほどが一般的な目安です。

閉眼供養・納骨式など、どの儀式を依頼するかによって金額に差が出ます。地域の慣習や寺院の方針によっても変わるため、事前に確認しておくと安心です。

お布施に「定価」はなく、あくまで感謝の気持ちを形にしたものです。迷うときは、依頼先の寺院や葬儀社に相談すると、地域に合った金額を提案してもらえます。

御車代・御膳料の相場（改葬でかかるお布施以外の費用）

僧侶を呼んで行う改葬では、お布施とは別に「御車代」や「御膳料」を包むことがあります。御車代は移動にかかる負担への配慮、御膳料は会食に出席しない場合の食事代の意味合いがあります。

これらはお布施とは別枠の謝礼のため、封筒も分けて準備します。地域の慣習によっては、御車代だけ用意すればよい場合もあります。改葬を進める際に、僧侶の手配を依頼した葬儀社や霊園に確認しておくとスムーズです。

お布施の渡し方とタイミング

改葬で供養を依頼する場合、お布施をどのタイミングで渡すか、どのような方法で渡すかを事前に把握しておくと、当日の流れが落ち着いて進みます。特に閉眼供養と納骨式の二つを行う改葬では、渡す場面が重なることもあるため、基本を押さえておくと安心です。

お布施を渡すタイミング

◇お布施を渡すタイミングは、法要が始まる前が基本です。

僧侶が到着した際に控室や待合室で挨拶をし、その場で渡す流れが最も一般的です。改葬は複数の儀式が続くこともあり、閉眼供養と納骨式のどちらで渡すかを事前に確認しておくと迷いません。

　おおまかな目安として、次の点を押さえておくと安心です。
　●基本は法要前に渡す
　●閉眼供養・納骨式のどちらで渡すかは事前確認
　●僧侶によっては「式後」を希望される場合もある

渡すタイミングに明確な決まりはなく、僧侶の意向に合わせる形でも失礼には当たりません。無理に形式にこだわらず、落ち着いた流れで渡せば問題ありません。

お布施を渡す「切手盆・袱紗」の扱い方

お布施は、封筒を直接手渡しするのではなく、切手盆という小さなお盆にのせて渡すのが丁寧とされます。切手盆が手元にない場合は、袱紗（ふくさ）を代わりに使う方法が一般的で、袱紗を開いて台として用います。

　準備の際は、次のようなポイントを意識すると整いやすくなります。
　●切手盆が基本、なければ袱紗で代用
　●袱紗は広げて台として使う
　●封筒は表書きが見えるように整えて置く

切手盆や袱紗は“あれば丁寧”という位置づけであり、これらがなくても気持ちを込めて渡せば十分です。改葬の現場は屋外で行われることも多いため、状況に応じて柔軟に対応して構いません。

渡し方のポイント

お布施を渡す際は、封筒の表書きが僧侶から読める向きになるよう整え、両手で丁寧に差し出すのが基本です。机越しではなく、可能なら正面へ一歩進んで渡す形が丁寧とされていますが、現代では机を挟んだままでも問題ありません。

改葬の場は多くの場合屋外で、足場や天候に左右されることもあります。形式よりも「失礼のないペースで落ち着いて渡すこと」を意識すれば、過度にかしこまらなくても良い印象になります。

封筒の選び方と表書きのマナー

改葬でお布施を準備する際は、封筒の種類や表書きの書き方にも最低限の決まりがあります。難しい作法ではありませんが、基本だけ押さえておくと安心して準備が進められます。

封筒の種類（改葬のお布施）

◇お布施を入れる封筒は、白無地の封筒が最も一般的です。

柄入りやカラー封筒は避け、郵便番号欄が印刷されていないものを選ぶと丁寧な印象になります。封を閉じる際は、糊付けせずに折り返すだけにするのが慣例です。

お布施は“感謝の気持ちをそのまま包む”という意味合いがあるため、封を貼らずに渡す作法が残っています。のし袋を使っても構いませんが、水引は不要で無地のものを選ぶと無難です。

表書きの書き方（お布施の書き方）

表書きは封筒の中央に「御布施」または「お布施」と書き、下の位置に施主の氏名（または家名）を添えます。筆記具は濃い墨の筆ペンや万年筆が適しており、ボールペンは避けるのが一般的なマナーです。

字の上手さよりも「丁寧に書かれているか」が重視されるため、落ち着いて整えて書くことが大切です。フルネームでも家名のみでも問題ありませんが、家族構成に合わせて書き方を選ぶと良いでしょう。

裏面の金額・住所の記載

封筒の裏面左下には、住所と金額を記載します。金額は漢数字（壱・弐・参・伍・拾・萬）を使い、縁起を避ける意味で“四・九”を使わないケースが一般的です。紙幣の向きは、肖像が封筒の表側に向くようにそろえると丁寧です。

　裏面で意識しておきたい点は次の通りです。
　●裏面左下に住所と金額を記載
　●金額は漢数字を使用
　●紙幣の向きをそろえる

金額を記載するかどうかは寺院により異なるため、迷う場合は事前に確認しておくと確実です。住所を添えておくと、後日に寺院から連絡が必要になった場合にも役立ちます。

改葬でお布施が不要となるケース

改葬では、すべての家庭がお布施を準備するわけではありません。どの儀式を行うか、どこまで僧侶に依頼するかによって、お布施の必要・不要がはっきり分かれます。ここでは、お布施が不要になる代表的なケースをまとめます。

儀式を行わない場合（改葬の簡易手続き）

◇改葬では、閉眼供養や納骨式などの儀式を省略し、行政手続きと遺骨の移動のみで進める家庭もあります。

この場合は僧侶の読経を依頼しないため、お布施は不要です。墓じまいを簡素に進めたい場合や、儀式にこだわらない場合に選ばれることが多くあります。

　儀式を省略するケースのポイントは次のとおりです。
　●閉眼供養・納骨式を行わない改葬
　●僧侶に読経を依頼しないためお布施は不要
　●行政手続きと遺骨移動のみで完結する

ただし、後日あらためて個別の法要だけを行うことも可能です。儀式をしない場合でも、家族の気持ちが落ち着いた時期に読経だけお願いする家庭もあります。

宗教色の薄い家庭の場合（改葬の納骨方法）

宗教的な儀式を行わない方針の家庭や、無宗教の家庭では、改葬時に僧侶へ依頼することがほとんどありません。このため、宗教色が薄い場合の改葬ではお布施が発生しないのが一般的です。

お布施の要否は、宗教観よりも“家族がどこまで儀式を行うか”で決まります。無理に形式に合わせる必要はなく、家庭ごとに納得できる形で改葬を進めれば問題ありません。

沖縄での改葬（沖縄のお墓文化）

◇沖縄では、家墓や門中墓など独自の供養文化が根強く残っており、改葬の進め方や儀式の有無が家庭ごとに異なります。

閉眼供養や納骨式を行うかどうか、僧侶を依頼するかどうかを事前に家族で確認し、必要に応じてお布施を準備する形が一般的です。

檀家制度が広く浸透していないため、僧侶の手配は霊園・納骨堂・葬儀社に相談する家庭が多く、金額や進行も施設ごとに違いがあります。改葬の内容に合わせて、無理のない範囲で準備すれば問題ありません。

まとめ｜改葬とお布施の基本と相場・準備のポイント

改葬では、閉眼供養・納骨式・新しいお墓での開眼供養といった儀式の流れに応じて、お布施を準備する場面があります。金額は3万円〜10万円が目安で、僧侶を招く場合は御車代や御膳料を用意するケースもあります。

一方で、儀式を行わない改葬や宗教色の薄い家庭では、お布施が不要となることもあります。どの方法を選ぶかは家族の意向や改葬の目的によって変わるため、事前に確認しておくことが大切です。

基本の流れとマナーを押さえておけば、無理のないペースで改葬を進めることができます。