沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」の過ごし方とは?お供えものやレシピ、拝み方

2023.12.09
沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」の過ごし方とは?お供えものやレシピ、拝み方

沖縄では旧暦の大晦日も祝う家庭が多いですよね。旧暦12月30日の大晦日は毎年異なりますが、2024年は2月9日(金)です。本記事では沖縄での大晦日「トゥシヌユール」の過ごし方、ヒヌカンやお仏壇へのお供えものや料理のレシピ、拝み方が分かります。

・沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」とは?
・沖縄の大晦日、拝み方や過ごし方は?
・沖縄の大晦日で供えるレシピや作り方は?

旧暦行事が今も残る沖縄では、旧暦の大晦日も祝う家庭が多いでしょう。
沖縄の大晦日は旧暦12月30日、2024年は2月9日(金)です。

旧暦沖縄の大晦日では、豚肉料理などのご馳走をヒヌカン(火の神)やお仏壇に供え、一年の感謝を捧げます。

本記事を読むことで、旧暦沖縄の大晦日トゥシヌユール(年の夜)の過ごし方、ヒヌカン(火の神)やお仏壇へのお供えもの料理のレシピ、拝み方が分かります。

2024年沖縄の大晦日日程は?

まとめ:2024年2月は沖縄の旧暦1月、旧正月です
◇旧暦沖縄の大晦日は2024年2月9日(金)です

沖縄では旧暦行事が今も残り、多くの地域で新正月も全国と同じように祝いますが、旧正月も行います。

そのため沖縄では新正月に飾ったしめ縄などのお飾りを、旧正月まで飾り続ける家も少なくありません。

<旧暦沖縄の大晦日:2024年日程>
[年末年始行事] [旧暦] [新暦] [内容]
①煤払い ・旧暦12月24日 ・2024年2月3日(土) ・大掃除
・ヤシチヌウグァン
(屋敷の御願)
・ウグァンブトゥチ
(御願解き)
・上天の拝み
②トゥシヌユール
(年の夜)
・旧暦12月30日 ・2024年2月9日(金) ・旧正月の飾りつけ
・ご馳走を供える
今年一年の無事を感謝
・良い年を祈願
③ソーグァチ
(旧正月)
・旧暦1月1日 ・2024年2月10日(土) ハチウグァン(初御願)
・ウビナディ(お水撫で)
・ご馳走を供える
・正月飾り
④下天の拝み ・旧暦1月4日 ・2024年2月13日(火) ・ヒヌカン(火の神)迎え
⑤ナンカヌシク
(七日節句)
・旧暦1月7日 ・2024年2月16日(金) ナージューシー(菜雑炊)をいただく
・正月七日のウイミ(節目)
・旧正月の胃腸を労わる

全国的には、昔12月13日に行うとされた「煤払い」行事に当たる日が、沖縄では旧暦12月24日、旧正月に向けたヤシチヌウグァン(屋敷の御願)の日です。

この旧暦12月24日、2024年2月3日(土)頃から旧暦沖縄の大晦日・旧正月に向けて、少しずつ正月飾りやご馳走の準備を始めます。

 

昔、沖縄の大晦日に豚をさばいた?

昔、沖縄の大晦日に豚をさばいた?
◇昔、沖縄ではご馳走の豚を一頭、大晦日にさばきました

かつて旧暦沖縄の大晦日では、夕方頃に貴重な豚を一頭さばいて、ご馳走を用意しました。

●沖縄では「豚は鳴き声以外すべて食べられる」と言います。

今では法的にも難しくなり、家庭で豚を一頭さばくことは難しい世の中になりましたが、沖縄の豚肉料理は「全てを使う」ことで有名です。
沖縄では大晦日にさばく豚を「ソーグァッチグァー(正月豚)」とも呼びました。

<ソーグァッチグァー(正月豚)>
[料理] [内容]
①チーイリチャー
(血炒め)
豚の血を炒める
・栄養価が高い
②中身汁
(なかみじる)
豚の内臓の汁物
③ソーキ
(骨付きあばら肉)
ソーキ汁
・ソーキそば
・軟骨ソーキ
・本ソーキ
④豚の三枚肉 ラフテー
(豚バラの煮付け)
⑤テビチ(豚足) 豚足の煮付け
⑥ミミガー(耳皮) 豚の耳の和え物
(耳全体の調理が多い)
⑦チラガー(顔皮) 豚の顔
・チャンプルー
・煮付けの具材
・コラーゲンがたっぷり

残った豚肉は大きな甕(かー、かめ)にお塩と一緒に漬け込んで塩蔵し、保存します。
豚肉の塩漬けを沖縄では、塩(スー)に漬ける(チカー)ため、「スーチカー」とも言いますね。

塩蔵した豚肉はその一年、旧盆などの旧暦行事で「ここぞ!」と言う時、この甕(かー、かめ)からを取り出してご馳走をこしらえました。

沖縄の大晦日:旧正月のお飾りは?

沖縄の大晦日:旧正月のお飾りは?
◇沖縄の大晦日では、旧正月のお飾りを飾ります

沖縄の旧正月には、ヒヌカン(火の神)とお仏壇、床の間にお供えものとともに、縁起の良い三色の紙「ウカリー」や、炭の昆布巻き、みかんなどを供えます。

ただ沖縄では大晦日のトゥシヌユール(年の夜)でも、お供えものを供えるため、旧正月のヒヌカン(火の神)やお仏壇へのお供えものは、旧正月当日の朝一番から、整えることが多いでしょう。

そのため玄関やしめ縄、床の間の飾り物が中心です。

<沖縄の大晦日に行うお供え物>
[玄関] ・門松
しめ縄
(炭・みかん)
[床の間] 縁起の良い若木
・生け花

けれども現代の沖縄では新正月を祝うため、旧正月はしめ縄を飾るほどで抑える家庭が増えました。
また最近は床の間のない家が多く、リビングに若木や生け花を飾る家庭も多いです。

しめ縄は新正月から、旧正月まで続けて飾るケースが増えました。
玄関に新正月風のおゃれなしめ縄を置き飾りとして祀る家も見受けます。

 

沖縄の大晦日にいただくソーキ汁

沖縄の大晦日にいただくソーキ汁
◇沖縄の大晦日には、ソーキ汁をいただきます

旧暦沖縄の大晦日には、家族でソーキ汁をいただき年を越す風習がありました。
全国的な大晦日の「年越しそば」と似た役割になるでしょう。

●「ソーキ汁」は、名前の通りソーキ(骨付きあばら肉)のお汁です。

基本的には、たっぷりのかつお節でとっただし汁に、ソーキ・しぶい(冬瓜)・昆布・シイタケなどを入れます。

沖縄の大晦日:ソーキ汁のレシピ

家庭によって味つけも変化する「我が家の味」がある料理がソーキ汁ですが、今回は、ごくシンプルなソーキ汁レシピのご紹介です。

<沖縄の大晦日:ソーキ汁レシピ>
[材料] ソーキ…800g
・しぶい(冬瓜)…1個
・昆布…数本
・シイタケ…3~4個
・お水…適量
●調味料 ・だし汁
(市販の白だしやだしパックでも可)
・醤油…少々
泡盛…ミニカップ1杯(80ccほど)
・塩(味調整)
・白だしなど
[作り方]
●下ごしらえ (1)ソーキ
・水洗い
・熱湯でゆがく
(あくを取る)
・再び水で洗う
(3)昆布
・水で戻す
(4)シイタケ
・飾り切り
・乾燥の場合はもどす
(5)しぶい(冬瓜)
・ソーキと同じ大きさに切る
●結び昆布 (6)昆布を戻す
・等間隔で結ぶ。
・結び目の真ん中で切る
・完成
●ソーキ汁を作る (7)ソーキを煮る
・ソーキを鍋に入れる
・かつおだし汁をひたひたに注ぐ
(8)具材を入れる
・しぶい(冬瓜)
・昆布
・シイタケを加える
(9)味付け
・お醤油
・お酒
・お塩
(味見をする)
・お塩
・白だしなどを加える
(10)煮る
・弱火でくつくつ煮る
(1時間以上)

最近では長時間煮ずに、圧力鍋を使用する家庭も多いです。
かつおだしは大量のかつおを煮出しますが、市販のものでも構いません。
かつおをお茶パックに入れて一緒に煮込む家庭も見受けます。

現代ではソーキ汁をそうめんに掛けて、年越しそばとする家庭もありました。
簡単に作ることもできるので、一度試してみてはいかがでしょうか。

 

沖縄の大晦日:トゥシヌユールのお供えもの

沖縄旧暦12月30日:トゥシヌユール(年の夜)
◇ソーキ汁は、ご馳走とともにヒヌカン(火の神)・お仏壇に供えます

前項で作ったソーキ汁は、豚の三枚肉の煮付けなど、その他のご馳走と合わせた「年越し膳」、ヒヌカン(火の神)やお仏壇へのお供えものです。

ただ一般的に、沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」に供える年越し御膳は、お仏壇のみとする地域や家も多いでしょう。

神様であるヒヌカン(火の神様)には、赤ウブク(赤いご飯)3膳を供えます。

<沖縄の大晦日:お供えもの>
[お供え先] [供えるもの]
(1)ヒヌカン(火の神) ①日ごろのお供え物
・ウサク(お酒)
・マース(盛り塩)
・ミジティ(お水)
②赤ウブク(赤飯)3膳
(2)お仏壇(ご先祖様) ①年越し膳
・赤ウブク(お赤飯など)
・ウチャワキ(お茶脇)
(豚の三枚肉の煮付けなど)
・ウサチ(酢の物)
ソーキ汁
・ニンニクの葉
②日ごろのお供え物
・ウサク(お酒)
・ウチャトゥ(お茶)2杯(左右)

ヒヌカン(火の神様)には、神木としてチャーギやクロトンなどの供え葉を添え、お仏壇には位牌の左右にお供えの花を飾るのが一般的です。

沖縄の大晦日で供えるお線香

旧暦沖縄の大晦日では、年越し膳などお供えものを供える時に、お線香を供えて手を合わせます。

<沖縄の大晦日:お線香の本数>
[お供え先] [本数]
(1)ヒヌカン(火の神) ●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・ヒラウコー(平線香)…タヒラ半(2枚と半分)
(2)お仏壇(ご先祖様) ●ジュウニフンウコー(十二本御香)
・日本線香…12本、もしくは4本
・ヒラウコー(平御香)…タヒラ(2枚)

最近では、お仏壇がコンパクト化したこともあり、略式としてヒヌカン(火の神様)が日本線香5本、お仏壇は日本線香4本を拝する家が増えました。

沖縄の旧暦行事では、大晦日に限らず10本以上のお線香を供える風習がありますが、現代の小さなウコール(香炉)では、割れてしまうこともあるためです。
このような場合は、日本線香を供えます。

 

沖縄の大晦日での拝み方

まとめ:沖縄の旧暦12月24日は一年の祈願を下げます
◇旧暦沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」は、家族で静かにご馳走をいただき、年越しを迎えます

旧暦沖縄の大晦日では、お仏壇にご馳走を供え、ご先祖様と静かにご馳走をいただきながら、年越しを迎える家庭が一般的です。

<沖縄の大晦日:拝むタイミング>
●そのため沖縄の大晦日で拝むタイミングは、お供えものをヒヌカン(火の神)・お仏壇(ご先祖様)に供えた後となります。

お供えをした後、ヒヌカン(火の神)・お仏壇(ご先祖様)それぞれに、今年一年、家族が無事に過ごせたことを感謝しながら、来年一年のお見守りを祈願してください。

ヒヌカン(火の神)への拝み方

ウートゥートゥ ヒヌカンヌウカミガナシー
(あな尊き 火の神様)

今年も、ヒヌカンガナシーのお陰様で、家族みな無事にトゥシヌユール(年の夜)を迎えております。
何事もなく無事にこの日を迎えさせていただき、誠にありがとうございます。

新しい一年もどうぞ、この家に住む家族みな、家族円満、健康でありますよう、お見守りください」

お仏壇(ご先祖様)への拝み方

沖縄の旧暦行事で行うウグァン(御願)では、沖縄言葉で唱える「グイス(祝詞)」もあります。

ウートゥートゥー ウヤフジガナシー
(あな尊き ご先祖様)今年も一年間、この家に住む家族の健康と安全をお見守りくださり、誠にありがとうございました。お陰様で家族一同、今年も無事にトゥシヌユール(年の夜)を迎えることができております。どうぞ来年もまた、家族が健康で安全、夫婦和合親子和合しますように。
ミーマンティー ウタビミスーリー
(見守っていてください)

ウートゥートゥー
(あな尊い)。」

けれども現代の言葉でこのような内容をお伝えすれば、ヒヌカン(火の神様)やご先祖様に届くでしょう。

まとめ:旧暦沖縄の大晦日は、家族で静かに過ごします

まとめ:旧暦沖縄の大晦日は、家族で静かに過ごします
旧暦沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」は、旧暦12月30日、2024年2月9日(金)です。

ただ沖縄の旧正月に向けた大晦日では、外に繰り出して年越しを祝ったり、御嶽(うたき)を巡拝するなど、外に出かける行事ではありません

家族団らんを楽しみながら静かに過ごす家庭が多く、年越しそばの代わりに、家庭の味と言われるソーキ汁をいただいて、年を越すでしょう。

ただし翌日の旧正月では、旧正月のお飾りとともにヒヌカン(火の神)やお仏壇(ご先祖様)へお供えものをしますので、大晦日までには旧正月の準備が必要です。

 

まとめ

沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」
・沖縄の御馳走は豚肉料理
・ソーキ汁をいただく
・豚肉料理を供える

[お供えもの]
①ヒヌカン(火の神)
●日ごろのお供え物
・ウサク(お酒)
・マース(盛り塩)
・ミジティ(お水)
●赤ウブク(赤飯)3膳

②お仏壇(ご先祖様)
●年越し膳
・赤ウブク(お赤飯など)
・ウチャワキ(お茶脇)
(豚の三枚肉の煮付けなど)
・ウサチ(酢の物)
・ソーキ汁
・ニンニクの葉
●日ごろのお供え物
・ウサク(お酒)
・ウチャトゥ(お茶)2杯(左右)

 


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