「沖縄で継承したお墓を建て替えるか迷っている」
「お墓を建て替えたいけど、費用がかかりそう」
「個人墓地のお墓を建て替えるには、どうしたらいい?」
お墓を継承したものの、古いお墓で建て替えが必要か迷う墓主も多いですよね。沖縄のお墓はコンクリート墓も多く特殊です。
個人墓地が多い沖縄でお墓を建て替えるには、自分達で石材業者の検討・手配を進めなければなりません。墓石撤去にあたり供養を行うのであれば僧侶手配も必要です。
本記事を読むことで、沖縄でお墓を建て替えるタイミングの目安・費用相場、墓主が行うお墓の建て替え手順・注意点が分かります。
今、沖縄でお墓の建て替えが増えた理由
沖縄には戦後間もない頃に大量に建てられた「コンクリート墓」が並びます。
「家のように大きい」と表現される沖縄のお墓を建てるために、より安いコンクリート造のお墓が選ばれてきたためです。
沖縄で大きなお墓を建てる理由には、私有地を墓地登録してお墓を建てる「個人墓地」が許されてきたことも背景にあるでしょう。
1973年の本土返還まで比較的自由にお墓を建ててきたため、墓地管理者がいる墓地(霊園)でお墓を建てる制度「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」が、沖縄県では緩和されてきた経緯があります。
・厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)」
①コンクリート墓
沖縄のコンクリート墓は現在でも販売されています。コンクリート墓は墓石と比べて建墓費用を安く抑えることができる点がメリットです。
また辺境地に建つお墓等の墓石の運搬が困難な場所でも、コンクリートは比較的運搬しやすいことから、古い沖縄のお墓を建て替えるにあたり選ばれるケースもあります。
ただし経年劣化は墓石よりも進行が早く、平均的に約20年以上~30年です。建ててから20年以上経つと、毎年のように修理修繕が必要になり費用がかかるコンクリート墓が多くあります。
現在、沖縄でお墓の建て替えが増えているのは、コンクリート墓による経年劣化が進んでいることも理由のひとつです。
・沖縄のお墓が大きいのは、昔の風習にあった!他県と違う5つの風習、お墓参りルールとは
②墓石の墓
墓石のお墓も経年劣化は進むのですが、コンクリート墓よりも耐用年数は長くなります。
お墓には車・住宅のような「耐用年数」は法律で定められてはいませんが、一般的に約50年~150年までもつとも言われてきました。
墓石にはランクがあり費用幅も広いです。
ただし高いグレードになればなるほど墓石内の気泡が固く詰まっているため、劣化を進める原因となる「水」の侵入を防ぎ、耐用年数も長くなります。
近年では沖縄でも墓地管理者が管理する墓地(寺院墓地・民間霊園等)が登場し、墓地区画が小さくなったことや、格安の価格帯で輸入できる中国産の御影石等が増えたことで、沖縄では墓石のお墓を選ぶ方が急増しました。
沖縄でお墓の建て替えを決める目安
お墓は屋外に建てるため雨風に晒されます。台風が毎年訪れて高温多湿の沖縄では、コンクリート墓等は特に、気温の変化による膨張と収縮を繰り返すでしょう。
コンクリート墓の耐久年数を長くするには、防水処理を施す方法がありますが、継承したお墓のなかには長くメンテナンスを行っていないお墓もあります。
長く防水処理等のメンテナンスを行っておらず、修理修繕を必要とするコンクリート墓であれば、初期費用はかかりますが思い切ってお墓の建て替えを検討するのも一案です。
①建墓20年以上
沖縄のコンクリート墓は耐久年数が約20年~30年と言われています。
水を吸いやすい性質があるコンクリート墓は、建墓から20年以上経った頃には膨張してひび割れや浮きが起こるでしょう。
屋外に建つお墓は通年外気に晒され、雨風・台風・塩害を受けているため、一度劣化が進んだら頻繁な修理修繕が不可欠です。
②ひび割れ・浮き
お墓の経年劣化を進める要素はひび割れです。温度変化等で膨張しお墓がひび割れると、亀裂からお墓の内部に水が浸入します。
コンクリート墓では内部で鉄筋を組むため、鉄筋が錆び付く被害も起きるでしょう。このサビによりコンクリートはさらに膨張し剥離などの経年劣化が進みます。
特に島国である沖縄は塩害にも注意をしなければなりません。ひび割れから侵入する塩分は、さらに経年劣化を進行させて頻繁な修理修繕が必要になります。
③納骨室の水漏れ
納骨室に水漏れが起きると底は水浸しになってしまうため、遺骨の保存状態にも悪影響です。遺骨も水に浸かったり、カビが発生するリスクがあります。
納骨室の水漏れはひび割れを埋めて防水処理を行い修繕しますが、コンクリート墓は一度ひび割れを起こすと、また別の場所でひび割れが起きるでしょう。
遺骨を洗骨・乾燥するなどのメンテナンスにも費用がかかります。保証期間内でなければ、納骨室で水漏れが起きたらお墓を建て替えてしまう方がストレスも少ないです。
④墓石のズレ
遠目からお墓を見た時に上下がズレているようであれば、地盤が緩んでいる可能性もあります。地盤が緩んでいるとお墓を修繕しても、再びズレてしまうでしょう。
近年は沖縄でも地震が頻発しているため、お墓のズレには地盤の補強・お墓の固定等も有効です。
お墓のズレは約5万円程の価格帯で修理修繕を依頼できる石材業者もあります。ただ将来的な安全面を考慮すると、この機会にお墓の建て替えを検討しても良いでしょう。
⑤白華(ハッカ)
「白華(ハッカ)」とはエフロンとも呼ばれ、お墓の表面に見える白い汚れです。
コンクリート墓でも石のお墓でも白華は起こりますが、コンクリートやモルタル素材の方が頻繁に起きる傾向にあります。
コンクリートの表面から吸収された水分が蒸発する際、表面から染み出て石灰分等の成分を残すことが原因です。
白華現象が起きてもお墓に大きなダメージはないのですが、一度起きると暫く現れ続けます。頻繁に水・ブラシで取り除く方法はありますが、放置することで固まり定着すると厄介です。
⑥雑草処理が大変
古い沖縄のお墓は辺境地に建つものもあります。
山中に建つ古い沖縄のお墓では、毎年夏になると草木がボウボウと茂り、雑草処理に大変な労力を課す墓地もしばしばです。
若いうちは良いのですが、墓主が高齢になると墓地管理ができず放置されるお墓もあるでしょう。若い世代が門中から独立し、高齢の関係者だけが残るお墓もあります。
雑草処理が困難な墓地は敷地内に砂利を敷き詰めたり、墓石の床を敷く方法も一案です。
お墓のリフォームであれば約8万円ほど~行ってくれる業者はありますが、コンクリート墓であれば建て替えてしまうと管理が楽になるでしょう。
またいっそのこと、墓地管理者のいる墓地(霊園)への引っ越し「改葬」を検討するのも良いでしょう。
・「改葬」とは?墓じまいとは何が違う?沖縄に多い改葬7つのパターンと手順、理由も解説
⑦遺骨がいっぱい
沖縄のお墓で納骨室がいっぱいになった場合、納骨室を広げるお墓のリフォームなどがあります。ただ古い沖縄のお墓では、内部調査をしないと遺骨の柱数も分からない状態も少なくありません。
一度お墓の内部調査を行い、お墓の内部状況を把握しましょう。必要があれば遺骨の洗骨・乾燥を業者に依頼してメンテナンスを行い、古い遺骨は墓地(霊園)等の永代供養墓等に合祀埋葬して整理します。
風葬時代からの古い遺骨は再火葬が必要になることもありますが、この機会にお墓の内部状況を把握して、必要があれば建て替えも検討することで、安心して次世代にバトンタッチできるでしょう。
沖縄でお墓を建て替える費用目安
沖縄でお墓を建て替える費用目安は、新しく建てるお墓の大きさやデザインにより大きく異なりますが、大まかな目安としては約150万円~250万円です。
素材は御影石等の墓石よりもコンクリートの方が安い傾向にはありますが、近年ではコンパクトなお墓が増えたこと・中国産等は安い価格帯で輸入されるため墓石のお墓も増えています。
また初期費用はコンクリート墓の方が安いものの、将来的な修理修繕費用も考慮すると結果的に墓石を選ぶ方が増えました。
①墓石の撤去
墓石の撤去は約20万円~30万円が目安ですが、沖縄ではお墓の規模も家によって全く違うので、現地調査による見積もりは不可欠です。
全国的には1㎡あたり10万円~15万円とされますが、辺境地にある墓地等、墓石の運搬が困難なエリアであれば、さらに現地調査が必要でしょう。
また遺骨の取り出しにも費用がかかります。遺骨の状態等により異なりますが、1柱の遺骨のみを取り出す依頼内容では約3万円ほどが目安です。
②新しいお墓を建てる
沖縄でお墓を建て替える際、新しいお墓は御影石等の墓石を選ぶ方が多いでしょう。
中国等から安い墓石も輸入されていますが、コンクリート墓と比べると高くなるため、広い墓地でも比較的コンパクトなデザインを選ぶ傾向にあります。
そして墓前スペースを広く取り、雑草対策のための床・屋根を付ける等も人気です。
沖縄の破風墓・亀甲墓をコンパクトにしたデザインであれば、約130万円~240万円程のお墓等があるでしょう。
本州のようなごくコンパクトなお墓であれば約80万円~120万円ほどのお墓も多いです。個人墓地から霊園等へ改葬する場合には、コンパクトなお墓を建てることになります。
③遺骨のメンテナンス
取り出した遺骨の状態によってメンテナンスが必要です。
遺骨を納める納骨室に雨漏れがあり、水浸しになっている等の被害があれば、改めて洗骨・乾燥を業者に依頼して骨壺に納めなおします。
自分達で行うこともできますが、家族やご先祖様の遺骨を取り出す作業は、あまり進んで行うケースはありません。洗骨料金は業者により異なりますが、一般的に1柱につき約2万円~3万円が目安です。
また風葬時代の遺骨は再火葬を行います。火葬場で再火葬の予約をしますが、遺骨の状態によってまとめて火葬することもあるでしょう。
④閉眼供養・開眼供養
お墓を撤去する際、一般的には仏教に倣い閉眼供養を執り行います。独自の御願文化が根付く沖縄でも、現代は僧侶をお呼びして閉眼供養を執り行うお墓が多いでしょう。
また新しくお墓を建てた時にも、お墓に魂を込める「開眼供養」を執り行います。開眼供養を行ったお墓は閉眼供養も執り行うようにしてください。
閉眼供養・開眼供養では僧侶に読経供養を依頼するため、読経供養のお礼としてお布施を包みます。お布施には料金が定められてはいませんが、読経1回に付き約3万円~5万円が相場です。
さらに取り出した遺骨を新しいお墓等に納骨する際は「納骨式」を執り行います。
そのため墓じまい→新しいお墓を建てる→納骨、と進める場合には3回の読経供養が必要となり、約7万円~15万円ほどがお布施相場です。
ちなみに9万円は「苦しむ」として忌み数字になるので避けます。お布施を包む金額相場や包み方・渡し方マナーについては、下記コラムをご参照ください。
⑤お墓の修理修繕費用
一方、お墓を修理修繕する費用相場はどれほどでしょうか?お墓の状態・大きさによって費用幅は大きいですが、大まかな目安として約50万円前後と言われます。
約50万円の数字だけを見ると、お墓の建て替えよりも安く納まるようにも思えますよね。
ただ沖縄のコンクリート墓等の修理修繕は、一度ひび割れ等の不具合が生じてしまうと、頻繁に修理修繕が必要になる点に注意が必要です。
沖縄は塩害・台風の影響もあるため、なかには毎年修理修繕が必要になるお墓もあります。
建墓20年以上のお墓・現地調査で建て替えを進められたお墓等は、思い切って建て替えの選択も検討しましょう。
お墓の建て替え手順
お墓の建て替えは現地調査・内部調査から始まります。
石材業者へ依頼するにはネット等で探す他、霊園スタッフ等に相談しても適切な業者を紹介してくれるでしょう。複数の墓石業者から相見積もりを取ることもあります。
近年では「終活フェア」「終活相談」イベントも利用できます。お墓の建て替え等の悩みを相談することで、適切な複数の業者へ繋いでくれる存在です。
遺骨の柱数や状態によって、古い遺骨は新しい納骨先へ納骨する状況もあるでしょう。お墓の内部調査とともに永代供養墓(合葬墓)等がある霊園(墓地)等で相談することもできます。
①業者の手配・現地調査
ネットや霊園(墓地)等から石材業者を探したら、現地調査を依頼しましょう。
墓地がどのような場所にあるか等、周辺環境等が分からなければ、墓地の敷地面積等のデータだけでは正確な見積もりは出すことができません。
反対に現地調査なしで気軽に見積もりを出す石材業者であれば、後々追加料金がかさむ可能性もあるので注意が必要です。
②入らない遺骨の納骨先
古いお墓で納骨室にある遺骨の柱数・状態が分からない場合は、最初に内部調査も参考にします。古い遺骨は新しいお墓に納骨せずに、別に供養することがあるためです。
遠いご先祖様の古い遺骨は、永代供養墓(合葬墓)・樹木葬(自然葬)・海洋散骨等の方法があります。身近な家族の遺骨を個別に安置したい場合は、遺骨を収蔵する屋内施設「納骨堂」等の選択もあるでしょう。
本州式の比較的コンパクトなお墓であれば、遺骨が入る柱数の目安は約6柱~12柱ほどです。もっと多くの遺骨を納めたい場合は、遺骨を粉骨してよりコンパクトな状態にする方法もあります。
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③新しいお墓を選ぶ
新しいお墓デザインを選びます。霊園の登場により沖縄のお墓もコンパクトになりつつありますが、それでも本州のお墓とは異なるデザインが多いです。
従来の沖縄のお墓は破風墓・亀甲墓・家墓等が主流ですが、コンパクトなお墓では納骨室を地上に設けながら棹を置く「軸石型」等も人気があります。
沖縄では墓前でお供え物を食す「ウサンデー」文化もあるため、床・屋根・境界線の柵等も検討しながら予算・優先順位を決めて打ち合わせをしましょう。
・沖縄のお墓が大きい理由は?本州と違うお墓の特徴、子宮を象ったお墓など5つの種類とは
④墓石に掘る文字を決める
軸石型や洋墓等の場合、墓石に掘る文字を決める工程があります。
一般的には「〇〇家」等の家名を掘りますが、近年では「やすらぎ」「ありがとう」等の抽象的な言葉を入れるお墓も増えました。
抽象的な文字を選ぶことで知人・友人等、家系や血縁関係に関係ない人でも、違和感なく入ることができます。
花や動物等、文字以外のイラスト彫刻を施すお墓もあるでしょう。石材業者により異なりますが、イラスト彫刻はオプション料金がかかるシステムが多いです。
⑤工事スケジュールを決める
供養行事には六曜や干支日を気にする方がいますが、お墓工事は長期に渡るため特別に注意すべき日取りを気にする方はほとんどいません。
お墓の大きさ・デザインにより異なりますが、一般的な軸石型のお墓であれば約5日~1ヵ月の工事期間が目安です。期間が長いほど費用もかかりますが、慌てず丁寧に作業を進めてもらう環境まで配慮すると良いでしょう。
⑥閉眼供養
遺骨の取り出しと閉眼供養は同日に行う流れが多いです。
僧侶に依頼し読経供養による閉眼供養を執り行った後、待機してもらっていた墓石業者にお墓の扉を開けてもらいます。
僧侶は霊園(墓地)や墓石業者に相談すると紹介してもらえるケースが多いです。スケジュールを同日に合わせる時にも、僧侶を紹介してもらうとスムーズでしょう。
・開眼供養・閉眼供養とは、いつ行うの?しないとだめ?進め方やお布施、お供え物まで解説
⑦遺骨の取り出し
取り出した遺骨のいくつかを他の墓所に移動する場合は「改葬許可証」が必要です。「改葬許可証」とは遺骨やお墓を引っ越す許可を証明する書類で、自治体に申請します。
改葬許可申請では、新しい納骨先から「受入許可証」が必要になる自治体もあるため、予め確認して書類を揃えましょう。
⑧お墓の建て替え
お墓の建て替えは墓石の撤去→墓地を更地にする→新しいお墓を建てるの3つの手順です。撤去した墓石も処分しなければなりませんが、墓石業者が処分してくれるでしょう。
お墓の建て替え工事期間中は、時々見学に訪れることもできます。業者スタッフを労い、コーヒー等を持参しても良いです。そして最後に工事確認を行い完成します。
⑨開眼供養・納骨
新しいお墓が完成したら、お墓に魂を込める「開眼供養」を行います。併せて取り出した遺骨を納骨する納骨式も執り行うと便利です。
開眼供養や納骨式のお供え物等は、僧侶に伺い揃えます。
ただ一般的には「五供(ごく・ごくう)」と呼ばれるお供え物として、ロウソク・お線香・墓花・果物等・水等を準備する墓主が多いでしょう。
沖縄でお墓を建て替える注意点
沖縄でお墓を建て替える際、何よりも費用面を明瞭にする必要があります。複数の墓石業者にお墓の現地調査・内部調査を依頼して、見積もりを出してもらいましょう。
納骨室にある遺骨の柱数や状態を把握していない場合、お墓の内部調査による状況把握も不可欠です。状況によっては遺骨の永代供養・メンテナンス費用もかかります。
墓石業者や霊園(墓地)では、お墓の建て替えや改葬(引っ越し)手順を全てまとめたサービスパック料金も提示されているので、検討してみてはいかがでしょうか。
・お墓の引越し「改葬・墓じまい」
①新しい個人墓地が許可されない
沖縄で現存の個人墓地を墓じまいして、他の個人墓地にお墓を建て替える場合、墓所が移動するため改葬許可申請が必要になります。
沖縄では個人名義の私有地を墓地登録してお墓を建てる「個人墓地」が許可されてきました。これは1973年の本土返還まで比較的自由にお墓を建ててきた経緯から、墓地規定が緩和されてきたためです。
全国的には宗教法人・財団法人等の墓地管理者が運営する霊園等でお墓を建てることが義務付けられています。
近年では沖縄県でも無縁墓の問題が深刻化し、新規でお墓を建てる際には墓地管理者がいる霊園(墓地)が推奨されるようになりました。
そのため自治体によっては新規で他の墓所にお墓を建てる場合、個人墓地では認められないケースもあります。事前に自治体に確認を取ってから、お墓の建て替え計画を進めましょう。
・沖縄で深刻化するお墓問題とは?本州と違う特徴や、墓主が抱える5つの問題や対策を解説
②親族間トラブル
お墓の建て替え・墓じまい・改葬(お墓の引っ越し)等、お墓事の決定権は墓主にあります。けれども勝手にお墓事を決めてしまうと、深刻な親族トラブルに発展するケースも多いです。
沖縄では「遺骨に宿った魂が地面に根付く」と考える方もいるため、お墓を他の墓所へ移動する建て替えを強く反対する親族がいる可能性があります。
また取り出した古い遺骨を永代供養墓(合葬墓)に合祀してから、「残して欲しかった」と言われても、永代供養墓(合葬墓)に合祀してしまった遺骨は個別に取り出すことはできません。
このような親族間トラブルが起きないよう、親族間で目的を共有してから進めましょう。
・沖縄で親族トラブルのない墓じまい・仏壇じまいの仕方は?手順や注意点を体験談から解説
③お墓の費用は誰が払うか決める
沖縄でお墓を建て替える費用は小さくはありません。墓石のお墓へ建て替える場合、約200万円が目安となりますので「誰が払うか」は最初に話し合っておきましょう。
沖縄ではお墓の建て替え費用に、日ごろから門中や親族等お墓に関わる人同士で積み立てたお金「模合(もあい)」が利用されることが多いでしょう。
けれどもお墓を建て替える工程で思わぬ追加料金がかかることもあるので、その時の対処法まで親族間で共有しておくと安心です。
④お墓を建て替える優先順位
お墓を建て替える費用相場は約150万円~250万円ほどと安いものではないため、予算立ての段階から優先順位・目的を決めておくことは重要です。
また家族・親族と優先順位・目的を共有し、相談しながら石材業者と打ち合わせを進めましょう。そのため打ち合わせは複数で参加することをおすすめします。
「高齢になってお墓の管理が困難だからお墓の建て替えをする」のであれば、段差の少ないバリアフリーのお墓デザインにしたり、掃除がしやすいように墓地に床を敷いたお墓も一案です。
⑤建て替え中の遺骨管理
お墓の建て替え工事期間は数日間のケースもありますが、2週間~1ヵ月半ほどかかります。最初に行うお墓の撤去前には遺骨を取り出しますので、どこかに保管しなければなりません。
一般的には自宅で遺骨を安置する方が多いですが、状況によっては一時期的に納骨堂等に安置する方法もあるでしょう。
遺骨を取り出す前に、お墓を完成するまでに遺骨を安置する場所を決めておきます。
まとめ:沖縄でお墓の建て替え時期の改葬も多いです
コンクリート墓が比較的多い沖縄で、お墓を建て替えるタイミングは建墓から20年~が目安となります。
コンクリート墓で建墓20年を過ぎた頃、ひび割れ等で修理修繕が頻繁になってきたら、思い切ってお墓の建て替えを検討すると良いでしょう。
また近年では安い価格帯の墓石も輸入されるようになり、お墓もコンパクトなデザインが増えたたため、より耐久年数の長い墓石のお墓へ建て替えると、よりメンテナンスも楽に長持ちします。
さらに沖縄に多い個人墓地は定期的なメンテナンスや管理も大変です。お墓の建て替えを検討するならば、併せて墓地管理者がいる霊園への改葬(お墓の引っ越し)も検討すると良いでしょう。
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