沖縄のおやつ、ちんぴん・ポーポーとは?親子で作る簡単レシピ!

2025.03.18

沖縄のちんぴんやポーポーとは「沖縄風クレープ」と呼ばれる、少し厚めの生地を巻いた戦前から現代まで愛される伝統的なおやつです。今回は沖縄のちんぴんやポーポーとは?その違いや簡単な作り方、美味しく作るポイント、市販のミックス粉などご紹介します。

沖縄のちんぴん(ちんびん)やポーポーは「沖縄風クレープ」と呼ばれる、少し厚めの生地を巻いた、戦前から現代まで愛される伝統的なおやつです。

戦前の沖縄では焼いた後にサンニン(月桃)の葉に乗せて粗熱を取ったため、サンニン(月桃)の香りが広がりましたが、現代は家庭の好みによって違うでしょう。
 

沖縄のちんぴん・ポーポーとは

◇沖縄のちんぴん・ポーポーとは、伝統的な「沖縄風クレープ」です。

伝統的な沖縄のおやつ、ちんぴん・ポーポーとは、黒糖や油味噌などを塗って巻いた、「沖縄風クレープ」です。

沖縄ではハーリー大会で有名な旧暦5月4日のユッカヌヒー(四日の日)の行事食で、戦前の子ども達は、ヒヌカン(火の神様)やお仏壇へ供えたちんぴんやポーポーをウサンデーするのを楽しみにしていました。

ちなみに「ウサンデー」とは、お供え物を下げて家族でいただくことです。

沖縄の菓子ちんぴん・ポーポー、どちらも沖縄風クレープの菓子ですが、中身が違います

<沖縄のちんぴん・ポーポーとは>
ちんぴん…黒糖や砂糖味の甘味クレープ
ポーポー…沖縄の油味噌を巻いた塩味クレープ

沖縄ではちんぴん・ポーポーの菓子に油味噌をよく使い、市販の「あんだんす~」なども定番です。
賽の目に切った豚の三枚肉などを混ぜると、ちょっとした軽飯にもなるでしょう。

◇沖縄ちんぴんやポーポーは、ユッカヌヒー(四日の日)の行事食です。

ユッカヌヒー(四日の日)」とは、海神様へ海の安全や豊漁を祈願するための海神祭、全国的には奉納行事の沖縄ハーリー大会で知られています。

最も有名な那覇ハーリーは、観光客へ向けて新暦5月4日を中心に、ゴールデンウィーク中の5月3日~5日に毎年開催されますが、ローカルでは旧暦5月4日の開催です。

<旧暦5月4日ユッカヌヒーの行事食>
[旧暦行事] [日にち] [行事食]
①ユッカヌヒー
(四日の日)
・旧暦5月4日
・2025年5月30日(金)
・ちんぴん
・ポーポー
②グングァチグニチ
(五月五日)
・旧暦5月5日
・2025年5月31日(土)
・あまがし

ちなみに翌日旧暦5月5日は、旧暦のこどもの日「グングァチグニチ(五月五日)」となり、前日の沖縄ちんぴんやポーポーに続いて、沖縄の伝統的なおやつ「あまがし」をいただきます。

どちらも家にヒヌカン(火の神)やお仏壇がある場合には、最初にヒヌカン(火の神)やお仏壇に供え、お供え物を下げる「ウサンデー」をしていただくと良いでしょう。

オススメ モダン仏壇
沖縄のちんぴん・ポーポー

◇沖縄ちんぴんは、黒糖のあまいおやつです。

 

沖縄ちんぴんは黒糖を生地に入れますが、三温糖やきび砂糖などでも良いでしょう。
ちんぴんは甘い生地をクレープのように薄く焼いて巻きます。基本は巻くのみですが、黒糖シロップなどを塗って巻いても美味しいです。
 

<ちんぴんの材料>
粉黒糖…150g
・薄力粉…250g
・水…2カップ
・ベーキングパウダー…適量
・玉子…1個
・サラダ油…適量

 

黒砂糖は粉状のものを使用して均等に混ざるようにします。きび砂糖などはすぐ溶けますが、黒砂糖であれば最初に小鍋でお水とともに煮ながら溶かすと良いでしょう。

<沖縄ちんぴんレシピ>
①生地のタネを作る
②生地を休ませる
③焼いて巻く

 

沖縄風クレープとされますが、実際はクレープよりも厚めに焼くので、作り方さえ分かれば、ホットケーキのように作りやすいです。下記より沖縄ちんぴんの作り方を、より詳しく解説します。

[おすすめ]
・上野砂糖の「焚黒糖」など

薄力粉とベーキングパウダーを混ぜ、さらに粉黒糖とサラダ油を加えます
一般的にはボウルなどに入れて混ぜますが、ジップロックなどの袋に薄力粉とベーキングパウダーを入れて振り混ぜると便利です。

 

<①生地の種を作る>
(1)薄力粉とベーキングパウダーを混ぜる
(2)粉黒糖(黒糖液)を混ぜる
(3)サラダ油を混ぜる

 
ヘラでも混ざりますが泡だて器を使用するとより繊細に混ざります。
三温糖やきび砂糖でなければ、前述したように粉黒糖を水で溶いて「黒糖液」を作り冷ましておくと良いでしょう。

よく混ざり生地ができたらラップを掛けて、冷蔵庫で生地を休ませます。約30分ほどは放っておいてください。この工程により、生地が落ち着いて風味がなじみ、焼き上がりがより美味しくなります。

 

また、この時間を使って具材の準備や道具の整理をしておくとスムーズに次のステップに進めます。生地が冷えて落ち着くことで、焼く際の扱いやすさも向上します。

フライパンは中火の弱が適切です。テフロン加工のフライパンであれば油を敷く必要はありません。

沖縄のちんぴんはクレープよりも少し厚めです。要領としてはホットケーキと同じで、弱火で焦げないようにゆっくりと焼き、表面の気泡がプツプツと現れたら、裏返します。

<沖縄ちんぴんの焼き方>
(1)油を薄く敷く
(2)生地をフライパンに流す
(3)気泡が出てきたら裏返す
(4)裏面も少し焼く
(5)生地を巻く

 

裏面を少しだけ焼いたら、気泡が残る面を下にして網やバットに生地を上げ、まだ粗熱が残るうちにくるくると巻き上げて完成です!

気泡が表面に見えるのも、ちんぴんの特徴になります。サンニン(月桃)の葉の上に置いても、サンニン(月桃)の香りが広がるでしょう。

沖縄ちんぴんに簡単!黒糖ペーストレシピ

黒糖ペーストは、沖縄ちんぴんやポーポーにぴったりの甘さと風味を加える万能なトッピングです。まず、黒糖ペーストを作るために必要な材料を用意しましょう。

基本的には黒糖、水、砂糖、そして場合によっては少量の塩を用意します。黒糖は、ブロック状のものを使用する場合は細かく砕いておくと溶けやすくなります。

作り方は非常にシンプルです。

 

①最初に、小鍋に黒糖と水を入れ、中火にかけて溶かします。黒糖が完全に溶けたら、砂糖を加えてさらに煮詰めます。この時、焦げ付かないように木べらで混ぜ続けることがポイントです。

 

②液体がトロリとした状態になったら、火を止めて、冷ましながら少量の塩を加えます。塩は、甘さを引き立てる役割を果たします。

 

③冷めたら、滑らかなペースト状になるまで混ぜ続けます。ペーストの濃度はお好みで調整できますが、あまりにも固い場合は少量の水を加えて調整してください。

完成した黒糖ペーストは、ちんぴんやポーポーにかけるだけでなく、パンに塗ったり、ヨーグルトやアイスクリームにトッピングしたりと、多様な用途があります。

 

保存は密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存するのが一般的です。作り置きしておけば、いつでも沖縄の風味を楽しむことができます。手軽にできる黒糖ペーストで、普段のスイーツに少し贅沢なアクセントを加えてみてはいかがでしょうか。

沖縄ちんぴんは、その素朴な甘さと柔らかな食感で知られていますが、アレンジを加えることでさらに魅力的なおやつに変身します。

 

ちんぴんアレンジは、ちんぴんの基本的な作り方を変えずに楽しめるため、誰でも簡単に挑戦できます。ちんぴんは、冷やしても美味しいので、暑い夏の日には冷蔵庫で冷やしてから食べるのも一興です。

生地に黒糖だけでなく、抹茶を練り込むと、和風の風味が加わり、甘さの中にほろ苦さが混じる味わいが楽しめます。

 

一方、ココアパウダーを加えると、ちんぴんやポーポーがチョコレート風味に変わり、子供から大人まで楽しめるデザートに変身します。

 

どちらのアレンジも、見た目に変化を加えることで、食卓を華やかに演出することができます。

バナナやマンゴー、パイナップルなど、沖縄らしいトロピカルフルーツを添えれば、見た目も華やかになり、お子様にも喜ばれるでしょう。これらのフルーツは、ちんぴんやポーポーの生地に自然な甘さと酸味を加えることで、味のバランスを引き立てます。

 

また、カラフルなフルーツを使うことで、視覚的にも楽しめる一品となります。さらに、フルーツのビタミンやミネラルが加わることで、栄養価もアップし、ヘルシーなデザートとして家族全員で楽しめるでしょう。

また、クリームチーズやヨーグルトを加えたクリームを包み込むと、濃厚な味わいが楽しめます。さらに、食感のアクセントとしてクルミやアーモンドを砕いて生地に混ぜると、ほんのり香ばしさが加わります。

 

クリームチーズを使用することで、ポーポーの中にクリーミーなコクがプラスされ、デザートとしても楽しめます。ヨーグルトを加えると、さっぱりとした酸味が生地と絶妙に絡み合い、爽やかな後味を演出します。

 

これらのアレンジを試すことで、伝統的なちんぴんやポーポーに新しい風味を加えることができ、家庭でのバリエーションが広がります。

黒糖きなこは、沖縄ちんぴんやポーポーに風味豊かな和のアクセントを加える、絶妙なコンビネーションです。黒糖の深いコクと甘さが、きなこのナッツのような香ばしさを引き立て、噛むたびに奥行きのある味わいを楽しむことができます。

 

このアレンジを楽しむためには、まず黒糖を細かく砕き、砂糖の代わりとしてちんぴんやポーポーの生地に混ぜ込みます。焼き上がった生地に、仕上げとしてきなこをたっぷりと振りかけると、見た目も香りも一層豊かになります。

 

きなこは、豆乳や牛乳と合わせてペースト状にし、生地に塗ることで、しっとりとした食感を楽しむこともできます。

簡単!ポーポーレシピ

◇沖縄ポーポーは、油味噌「あんだんすー」が定番です

沖縄ポーポーは、あまいちんぴんと比べてしょっぱい美味しいおやつで、沖縄の油味噌「あんだんす~」を利用すると簡単にできあがります。

ただ家庭や地域によって中身にもバリエーションがあるでしょう。
賽の目切りの豚肉やひき肉、ピーナッツのみじん切りを混ぜた「餡」を塗って巻くポーポーもあります。

 

<沖縄味噌ポーポー:材料>
・薄力粉…250g
・砂糖…120g
和風だし(顆粒タイプ)…小さじ1
・サラダ油…適量
・水…2カップ
●あんだんすー(油味噌)は最後に塗る分量で

 
沖縄の油味噌は市販品で良いでしょう。
沖縄の油味噌は伝統的なものなので、商品によって味がさまざまです。

そこに好みによってピーナッツを砕いたものや、賽の目に切って焼いた豚肉などを入れてアレンジしても良いです。

 

<沖縄味噌ポーポーの作り方>
①生地のタネを作る
②生地を焼く

 
しょっぱさが魅力の沖縄ポーポーは、和風だしなどの顆粒だしを加えます。
そのため肉まんのような餡を入れると、より美味しく仕上がるでしょう。

沖縄味噌ポーポーは顆粒だしを加えて作る、お惣菜のようなおやつです。
薄力粉はふるい器で細かい粉状にし、そこに砂糖と和風だし(顆粒タイプ)を入れて軽く混ぜます。

 

<①生地のタネを作る>
(1)薄力粉、砂糖、和風だしを混ぜる
(2)さらに水を加える
(3)冷蔵庫で生地を約1時間ほど休ませる

 
薄力粉や砂糖を混ぜた後、水を加える時は、泡だて器で混ぜながら少しずつ加えて滑らかに整えてください。

沖縄風クレープ」ですが、ちんぴん同様にポーポーも少し厚めに焼くのが特徴です。

焼きムラが付きやすいですが、最初に油を塗った時にキッチンペーパーなどで均等に伸ばすと、見た目にも焼きムラのないキレイな仕上がりになるでしょう。

<②生地を焼く>
(1)油を敷いて熱する
(2)クレープより、少し厚めに生地を流す
(3)弱火でじっくり焼く
(4)ひっくり返し、裏面は軽く焼く
(5)網やバットに避けて粗熱を取る(裏面に置く)
(6)表面にあんだんすー(油味噌)などを塗る
(7)端っこからくるくる巻く

 
最後は手でぐっと押さえるようにすると、戻ることなく落ち着きます。
ひっくり返すタイミングは、周辺の水分が飛んだ頃を目安にしてください。

ポーポーは生地に和風だしを入れているので、あんだんすー(油味噌)以外の具材を入れる時にも、和風の具材と相性が良いでしょう。

簡単!沖縄ポーポーアレンジ

沖縄の伝統的なおやつであるポーポーは、そのままでも美味しいですが、少し工夫を加えることで新たな味わいを楽しむことができます。

 

ポーポーの柔らかい食感と、アレンジによって加わるさまざまな味わいのハーモニーを堪能しましょう。沖縄の風を感じることができるこのスイーツは、日常のひとときに彩りを添えてくれること間違いなしです。

ポーポーを小さく切って、アイスクリームやヨーグルトに混ぜ込むと、デザート感覚で楽しめる一品に変身します。チョコレートソースやキャラメルソースをかけると、一層リッチな味わいになるので、おもてなしの場にもぴったりです。

肉そぼろアレンジ

肉そぼろは、沖縄の伝統的なおやつちんぴんやポーポーを新たな味わいに変える魅力的なアレンジ方法の一つです。甘味のある生地と肉そぼろの旨味は意外なほどに相性が良く、甘じょっぱい風味が食欲をそそります。

[作り方]

作り方はとても簡単で、ちんぴんやポーポーを焼き上げた後に、肉そぼろを包むだけです。肉そぼろには、醤油やみりん、砂糖で味付けしたものを使用するのが一般的です。

生姜を加えると風味がさらに引き立ちます。肉そぼろをアレンジする際には、沖縄の特産品である島豆腐を細かく崩して混ぜると、食感に変化が加わり、さらに美味しくなります。

ポーポーに季節野菜をプラス

また、季節の野菜をプラスするのもおすすめです。例えば、茄子やピーマンを細かく刻んで肉そぼろに混ぜ込むと、野菜の甘みが加わり、栄養バランスも向上します。

 

出来上がった肉そぼろを季節野菜と一緒にちんぴんやポーポーで包み、少し醤油を垂らしてから焼き上げることで、香ばしさが増し、より一層美味しく楽しむことができます。

沖縄の伝統的なおやつ「ポーポー」と絶妙にマッチするのが「油味噌」です。この油味噌とは、沖縄の家庭で親しまれている調味料の一つで、甘辛い風味が特徴です。

 

油味噌をポーポーに塗ることで、甘味と塩味が絶妙なバランスを作り出し、より豊かな風味を引き立てます。沖縄では、これらを一緒に食べることで、日々の楽しみを感じることができるとされています。

主な材料は、味噌、砂糖、みりん、醤油、そして油で、これらを炒めてペースト状にします。油味噌は、ポーポーの生地に塗ることで、その甘みと相まって深みのある味わいを引き出します。

油味噌の作り方は比較的簡単で、家庭でも手軽に作ることができます。

 

①まず、油を熱したフライパンに味噌と砂糖を入れ、混ぜ合わせながら炒めます。

 

②次に、みりんと醤油を加え、とろりとしたペースト状になるまでさらに炒めます。このとき、焦げないように注意しながらじっくりと火を通すのがポイントです。

 

③仕上げに、好みに応じて唐辛子を加えると、ピリッとしたアクセントが加わり、また違った味わいが楽しめます。

ポーポーはそのままでも十分美味しいですが、油味噌を塗ることで一層の美味しさが引き立ちます。沖縄の家庭で親しまれているポーポーと油味噌の組み合わせは、まさに現地の食文化を象徴する味わいです。

 

特に、おやつとして楽しむだけでなく、朝食や軽食としても最適です。ポーポーを手作りする際は、ぜひ油味噌を試してみてください。その甘辛い風味が、ポーポーとの相性の良さを実感させてくれるでしょう。

沖縄のちんぴん・ポーポーミックス

◇沖縄のスーパーでは、市販のちんぴんやポーポーミックスが販売されています

沖縄ちんぴんやポーポーの作り方はとても簡単ですが、近年では沖縄で「ちんぴんミックス」や「ポーポーミックス」が販売されているので、利用するとさらに便利です。

甘味おやつのちんぴんならばホットケーキミックスでも代用できますが、黒糖の甘味が失われるので、内側に蜜黒糖などを塗ると良いでしょう。
 

<沖縄のちんぴん・ポーポーとは:ミックス>
ちんぴんミックス(沖縄製粉)…335円(350g)
沖縄満喫セット(沖縄製粉)…4,371円

 
沖縄製粉では「ちんぴん」ではなく「ちんびん」と呼びますが、家や地域によって呼び方が変わり、いずれも同じです。

また沖縄ではちんぴん・ポーポーの区別がない家や地域もありますが、こちらも家や地域によって違うだけで、どちらも間違いではありません。

ちんぴん・ポーポーを美味しくいただくには、何と言っても、できたてをすぐに食べることがおすすめです。冷めると生地の柔らかさが失われるため、焼きたての温かいうちに味わうことで、もちもちとした食感と豊かな風味を最大限に楽しむことができます。

 

この他には、これからご紹介するポイントを押さえることで、ちんぴん・ポーポーミックスを使った沖縄のおやつをより美味しく楽しむことができるでしょう。

[分量を守る]

まずミックスの分量と水分量をしっかりと計量することです。ミックス自体は沖縄の伝統的な味わいを簡単に再現できるように調整されていますが、計量が不正確だと食感が変わってしまうことがあります。

特に水分が多すぎると生地が薄くなりすぎて破れやすくなるため、使用する水の量には注意が必要です。

[しっかりと混ぜる]

次に、混ぜる際はダマにならないようにしっかりと混ぜることが大切です。均一な生地に仕上げることで、焼き上がりが滑らかになり、口当たりも良くなります。

[フライパンは中火でよく温める]

また、焼く際の温度管理も重要です。フライパンを中火でよく温めてから生地を流し込むことで、ムラなく均一に焼くことができます。表面が乾いたらひっくり返し、両面に焼き色をつけると香ばしさが増します。

沖縄の伝統的なおやつには、ちんぴんやポーポーの他にも魅力的なものがたくさんあります。ここでは、その中からさらに3つをご紹介します。

[特徴]

丸くて香ばしいこのおやつは、外はカリッと中はふんわりとした食感が特徴で、多くの人々に愛されています。主な材料は小麦粉、砂糖、卵で、ベーキングパウダーを使ってふんわりと膨らませます。

[レシピ]

作り方はシンプルで、材料を混ぜ合わせて生地を作り、それを丸めて油で揚げるだけです。揚げたては特に美味しく、甘さと香ばしさが口いっぱいに広がります。

[バリエーション]

サーターアンダギーは、家庭で手軽に作れるおやつとして人気があり、お祝いの場や集まりでもよく振る舞われます。また、最近ではプレーンな味以外にも、抹茶や黒糖、紅芋などを加えたバリエーションも登場し、ますますその魅力を増しています。観光客にも人気が高く、沖縄旅行のお土産としても定番です。

ターナーファンクルーは、沖縄の伝統的なおやつの一つで、そのユニークな名前と味わいで地元の人々や観光客に親しまれています。

[特徴]

このおやつは、もち米を使った生地に黒糖を加え、蒸しあげたものです。もち米のもちもちとした食感と、黒糖のコクのある甘さが絶妙にマッチし、一度食べると癖になる美味しさです。

[レシピ]

調理法としては、まずもち米を水に浸して柔らかくし、その後、黒糖を溶かした液を加えて混ぜ合わせます。生地を丸めて蒸し器に入れ、蒸し上がるまで待てば出来上がりです。このシンプルな工程ながら、奥深い味わいが楽しめるのがターナーファンクルーの魅力です。

[アレンジ]

さらに、ターナーファンクルーは、地域ごとに微妙に異なるレシピが存在し、それぞれの家庭独自のアレンジを加えることも一般的です。例えば、一部の地域では、黒糖の代わりに白砂糖を使ったり、ココナッツミルクを加えて風味を変えたりと、バリエーション豊かに楽しむことができます。

クンペン

クンペンは、沖縄の伝統的なおやつの一つで、特に旧暦の1月16日に行われる「ジュウルクニチ」に供えられることで知られています。

[特徴]

このお菓子は、主に小麦粉と黒糖、ゴマを使って作られ、独特の香ばしさと甘さが特徴です。クンペンという名前は、形状が亀の甲羅に似ていることから「亀の餅」という意味で名付けられたと言われています。

 

[レシピ]

クンペンの作り方は比較的シンプルですが、材料の配合や焼き加減にコツがあり、熟練の技が光るお菓子です。まず、小麦粉と黒糖を混ぜ合わせた生地を作り、その生地を薄く延ばしてからゴマをトッピングします。

 

その後、オーブンで焼き上げて完成です。焼く際には、焦げないように注意しながら、しっかりとした食感を保つためにじっくりと時間をかける必要があります。

[保存食]

クンペンは、日持ちが良いため、保存食としても重宝されてきました。また、亀の形を模した縁起の良いお菓子として、祝い事や仏壇へのお供え物としても広く利用されています。

ちんすこうは、沖縄を代表する伝統的なお菓子で、その歴史は琉球王国時代にまで遡ります。

[特徴]

ちんすこうの名前は、中国語の「錦」と「酥」から来ており、「錦」は美しい布や絹を意味し、「酥」は脂っこい食べ物を指します。この名前からも分かるように、ちんすこうは贅沢で特別なお菓子とされてきました。

[作り方]

主な材料は小麦粉、砂糖、ラードで、これらを混ぜ合わせて焼き上げることで、独特のサクサクした食感とほのかな甘みを生み出します。

 

ラードを使用することで、しっとりとした口溶けの良さが楽しめるのも特徴です。最近では、健康志向の高まりからバターやサラダ油を使用したバリエーションも登場しています。

[長期保存]

また、ちんすこうは長期間保存が可能なため、沖縄旅行の思い出を自宅でも楽しむことができます。そのシンプルなレシピは家庭でも再現可能で、沖縄の風を感じながら自分で作ってみるのも良いかもしれません。

味噌クッキー

味噌クッキーは、その名の通り、味噌を活用した独特な風味が特徴のクッキーです。

[特徴]

甘さの中に味噌の塩味が絶妙に調和し、和洋折衷の新しい味覚体験を提供します。沖縄では、家庭で手作りされることも多く、各家庭ごとに異なる味わいが楽しめるのも魅力の一つです。

 

一般的なクッキーと比較すると、ややしっとりとした食感が特徴で、味噌のコクが後を引く味わいです。

[レシピ]

作り方は比較的シンプルで、小麦粉、バター、砂糖といった基本的な材料に味噌を加えて生地を作ります。味噌の種類によって風味が変わるため、自分好みの味噌を選んでオリジナルの味を楽しむことができます。

 

焼き上がると、ほんのりとした味噌の香りが漂い、食欲をそそります。

沖縄の伝統的なおやつ、ちんぴんやポーポーは、少し厚めに焼いて具材を巻いた、沖縄風クレープとして、戦前からこども達に親しまれてきました。
現在でも総菜コーナーには沖縄ちんぴんやポーポーが並んでいるでしょう。

そのため沖縄のスーパーでは、ちんぴんやポーポーミックスが販売されていますが、この他にも沖縄の伝統的なおやつは、簡単に作れるミックス粉が出ています。

 

<沖縄でみられるミックス粉>
ヒラヤーチーミックス
サーターアンダギーミックス
…など。

 
沖縄では伝統的なおやつが現代まで、ずっと愛されていることが分かりますよね。

また沖縄ちんぴんやポーポーは、ハーリー大会で知られる、旧暦5月4日の海神祭「ユッカヌヒー(四日の日)」の行事食です。

今年の旧暦5月4日は2025年5月30日(金)!この機会に、沖縄ちんぴんやポーポーを親子で手作りして、楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

まとめ

沖縄のちんぴん・ポーポーとは
沖縄風クレープ
・クレープよりも少し厚め
・クレープの要領で焼く
・気泡が残る裏側を表に巻く
・ちんびんミックスがある

 
●ちんぴん
・黒糖のあまいおやつ
・生地に粉黒糖を入れる
・蜜黒糖を塗って巻いても良い

 
●ポーポー
・味噌など総菜的なおやつ
・生地に顆粒のだしを入れる
・あんだんすー(油味噌)などを入れる
・ミンチ肉など具材を入れても良い

 
●ユッカヌヒーのお供え物
・旧暦5月4日「ユッカヌヒー」の行事食
・ヒヌカン(火の神様)へ供える
・仏壇へ供える
・ウサンデーして皆でいただく

 
●今も愛される沖縄の伝統的おかし
・ちんぴん
・ポーポー
・あまがし
・サーターアンダギー
・ちんすこう
…などなど

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