【沖縄旧暦5月の行事】グングァチグニチ(5月5日)はこどもの日☆あまがしで厄祓い?

2024.03.07
【沖縄旧暦5月の行事】グングァチグニチ(5月5日)はこどもの日☆あまがしで厄祓い?

沖縄の旧暦5月5日は「グングァチグニチ(5月5日)」、こどもの日です。沖縄のおやつ「あまがし」を供え、家族やこどもの健康や安泰を祈願します。2024年は6月9日(日)です!今回はグングァチグニチとは何か?お供え物や拝み方をお伝えします。

・沖縄旧暦5月5日「グングァチグニチ」とは?
・グングァチグニチは、何をするの?
・グングァチグニチのお供え物、健康祈願は?

沖縄の旧暦5月5日は「グングァチグニチ(5月5日)」、沖縄では旧暦行事の子どもの日にあたります。2024年は6月10日(月)が旧暦5月5日、グングァチグニチです!

昔から現代まで長く愛され続ける沖縄のおやつ「あまがし」を供えて、家族や子どもの健康や安泰を祈願します。

今回は沖縄の旧暦5月5日に行う旧暦行事「グングァチグニチ(5月5日)」とは何か?
お供え物や拝み方まで詳しく、分かりやすく解説します。

 

沖縄旧暦5月5日「グングァチグニチ」とは?

沖縄旧暦5月5日「グングァチグニチ」とは?
◇グングァチグニチはこどもの日、健康祈願をします

沖縄の旧暦5月5日は「グングァチグニチ(5月5日)」こどもの日、そして邪気祓いの日です。

全国的に新暦5月5日は「端午の節句」「菖蒲(しょうぶ)の節句」ですよね。
一方で沖縄の旧暦5月5日も子どもの日なのですが、特に子どもの健やかな成長を願う「邪気祓い」を行いました。

 

<沖縄の旧暦5月5日の行事食>
[行事食] [意味]
①あまがし ・小豆や金時豆の「赤」が邪気を祓う
②菖蒲の匙 ・強い香りが邪気を寄せ付けない

 
沖縄では菖蒲(しょうぶ)の他にもネギやショウガなど、キツイ香りは邪気を祓うとされてきました。特に菖蒲(しょうぶ)の香りは強く邪気が嫌がるとしています。
菖蒲を匙(さじ)として添えることで、悪いものを寄せ付けないのですね。

…では、沖縄に昔から伝わる邪気とは、どのようなものがあるでしょうか。

 

沖縄で「邪気」とは?

◇沖縄で「邪気」とは疫病を運ぶ風や、穢れ事です

沖縄の拝み事「御願(うがん)」では、「ヤナカジ・シタナカジ、ワッサ・ビナサを祓ってください。」などと言います。
具体的には疫病や蔓延病、天災や災い事を祓う行事です。

 

<沖縄の旧暦5月5日:邪気>
[邪気] [内容]
①ワッサ
・ビナサ
・悪しきこと
・穢れごと
②ヤナカジ
・シタナカジ
・悪霊
・穢れた霊

 
その昔の人々は鋭利な菖蒲(しょうぶ)の葉を刀に見立て、ワッサビナサやヤナカジシタナカジを切り崩すとしました。

 

2024年、沖縄の旧暦5月5日は?

沖縄ローカルハーリー大会は、旧暦5月4日
◇2024年6月10日(月)が、旧暦5月5日です

沖縄では旧暦5月4日「ユッカヌヒー(四日の日)」に続き、翌日が旧暦5月5日「グングァチグニチ(5月5日)」となります。

沖縄では旧暦5月4日はハーリー大会が沖縄各地で開催されますよね。
その翌日が沖縄の旧暦5月5日、グングァチグニチです。

沖縄のローカルハーリー大会としては最も有名な糸満ハーレー大会では、旧暦5月4日・5日と、2日間に渡り開催されます。

 

<沖縄の旧暦5月4日・5日の行事とは?>
[行事] [日にち] [内容]
①ユッカヌヒー
(四日の日)
●旧暦5月4日
・2024年6月9日(日)
●海神祭
・ハーリー大会
・年に一度の玩具市
(おもちゃ市)
[行事食]
・ちんぴん
・ポーポー
②グングァチグニチ
(五月五日)
●旧暦5月5日
・2024年6月10日(月)
●健康祈願
・こどもの日
[行事食]
・あまがし

 
戦前の沖縄では、賑やかなハーリー大会の周辺には、年に一度の玩具市(おもちゃ市)が並び、親達は日ごろ買ってあげられないおもちゃを買い、家庭ではこども達に愛されてきた美味しいおやつ、ちんぴんやポーポーが供えられました。

 

●集落あげてのハーリー大会ですので、(現代も半ドンの集落がありますが)学校もお休みなどの集落が多くあったでしょう。

 
そして沖縄では翌日が旧暦5月5日のグングァチグニチ、こどもの日ですので、美味しいあまがしが供えられ、楽しい2日間だったのです。

 

沖縄旧暦5月5日:お供え物

沖縄旧暦5月5日:お供え物
◇沖縄の旧暦5月5日、こどもの日の行事食は「あまがし」です

沖縄のこどもの日、旧暦5月5日には邪気を祓う小豆(金時豆)で作った「あまがし」を供えて、こどもや家族の無病息災、健やかな成長を祈願します。

こども達のおやつとして、現代でも沖縄では「あまがし」が親しまれていますよね。
全国的にも小豆の赤い色が邪気を祓うと言われてきました。

 

<沖縄の旧暦5月5日:お供え物>
[供える場所] [お供え物]
①ヒヌカン
(火の神)
[基本のお供え物]
・マース(お塩)
・供え葉
(チャーギやクロトンなど)
・ミジトゥ(お水)
・ウサク(お酒)
[行事食]
あまがし
②お仏壇 [基本のお供え物]
・供え花(左右一対)
・ウチャトゥ(お茶、左右一対)
・ウサク(お酒)
[行事食]
あまがし
菖蒲の匙

 
沖縄の旧暦5月5日グングァチグニチでは、お昼過ぎ頃を目安にまずヒヌカン、続いてお仏壇へお供えをして拝みます。

ヒヌカンはもともとご先祖様ではなく神様なので、お箸代わりになる菖蒲の匙を添える必要はありませんが、お盆があれば盆に乗せた方が丁寧でしょう。

 

「あまがし」とは?

◇金時豆(緑豆)や押し麦を煮て、黒糖で甘くした「沖縄風ぜんざい」です

あまがし」は、金時豆(緑豆)や押し麦をじっくりコトコト煮て、最後に黒糖を入れて甘く味付けした、沖縄の昔ながらのおやつで「沖縄風ぜんざい」と言われています。

金時豆などは前日から水に浸けたり、2度茹でたりと時間が掛かりますが、今では電気圧力鍋で手軽に作ることができるでしょう。

 

●また沖縄のスーパーでは、あまがし缶なども販売されています。

 
この他、沖縄で有名なぜんざい屋さん「富士家」も有名ですね。
全国へのお中元やお歳暮でも、沖縄風ぜんざいとしてあまがしを送る人も多いです。

ただこどもの日のイベントとして、親子で手作りを楽しむのも楽しいかもしれません。
栄養価も高いので、健康を祈願するこどもの日のおやつにぴったりです。

 

 

沖縄旧暦5月5日:グングァチグニチのお線香

◇ヒヌカンとお仏壇では、それぞれお線香の本数が変わります

沖縄の旧暦5月5日グングァチグニチには、ヒヌカンとお仏壇へ、あまがしとともにお線香も供えてください。

お供え物を供える時には、ヒヌカンにもお仏壇にもお線香を供えた後、「今日は○○の日です」と今日の日を告げ、日ごろのお見守りやお導きへの感謝を捧げた後、巡る1年の御守護を祈願してきました。

 

<沖縄の旧暦5月5日:お線香の本数>
[供える場所] [お線香の本数]
①ヒヌカン
(火の神)
●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
日本線香…15本、もしくは5本
沖縄線香(平御香)…タヒラ半(2枚半)
②お仏壇 ●ジュウニフンウコー(十二本御香)
日本線香…12本、もしくは4本
沖縄線香(平御香)…タヒラ(2枚)

 
「沖縄線香(平御香)」とは、「ヒラウコー」と呼ばれる、日本線香6本をくっ付けて、一枚の板にした、沖縄独自のお線香です。

 

●沖縄線香(平線香=ヒラウコー)は安いですが、煙が強く、灰も大量に出ることから、最近では日本線香が選ばれるようになりました。

 
もともと沖縄では「カバシウコー(香り御香)」と言って、高級なお線香として、特別な日には用いています。

この他にもウグァンブスク(御願不足)の際に用いる本数など、さまざまな本数がありますが、家庭行事ではこれが基本です。

 

沖縄旧暦5月5日:グングァチグニチの拝み方

◇グングァチグニチには、こどもや家族の健康祈願を行います

沖縄の旧暦5月5日グングァチグニチは、日ごろの感謝を伝えるとともに、巡る1年をこどもや家族が健康に過ごすことを祈願する日です。

邪気を祓い悪疫を跳ね除けるあまがしをお供えしたら「ウートゥートゥー」、手を合わせて拝みます。

ただ、現代では「昔ながらの沖縄言葉でグイス(祝詞)を唱えなければ!」なんてかしこまる必要はありません。

 

<沖縄の旧暦5月5日:拝む内容>
「ウートゥートゥー、ヒヌカンヌウカミガナシー
(あな尊い、ヒヌカンの神様)

本日はグングァチグニチです。
いつも家族や子どもの健康をお見守りいただきありがとうございます。
お陰様で家族みな、元気に健やかに毎日を過ごしております。

あまがしをお供えしましたので、どうぞ受け取ってください。

どうぞ今年も、病気や災い(ワッサビナサ)が祓い避けられますよう、
また、家族や子どもが体も丈夫(カラダガンジュー)でありますように…。

ミーマンティー ウタビニスーリー、ウートゥートゥー。
(見守っていてください、あな尊い。)」

 
お仏壇に対しては、最初に「ウートゥートゥー、ウヤフジガナシー(あな尊い、ご先祖様)」となります。

昔ながらの沖縄言葉や神役が唱えるグイス(祝詞)になると、より本格的にはなりますが、地域によっても違いがあります。
現代の家庭で行う拝みであれば、大切な事柄をご報告・心を込めてお伝えすれば、このような言葉で良いでしょう。

 

沖縄の旧暦5月5日:菖蒲の匙

沖縄の旧暦5月5日:菖蒲の匙
◇菖蒲の匙は、琉球王朝時代から続く風習です

沖縄旧暦5月5日のグングァッチグニチ(5月5日)に行う邪気祓いは、菖蒲の葉で作った匙「菖蒲の匙」です。

 

●琉球王朝から続く風習で、1713年には「琉球國由来記(りゅうきゅうこくゆらいき)」において「飴粕と菖蒲酒を先祖、竈神に供える」と確認されました。

 
ここで「飴粕」とはあまがしのことで、菖蒲酒とともに、先祖(ご先祖様=仏壇)と竈神(かまどがみ=ヒヌカン)へ供えると記載されています。

 

菖蒲の匙の作り方

◇菖蒲の匙は、中央に切り込みを入れて作ります

菖蒲(しょうぶ)の匙(さじ)を作る方法は家によりさまざまですが、一部で伝えられた作り方としては、「笹船(ささふね)」を参考にすると良いでしょう。

 

<沖縄の旧暦5月5日:菖蒲の匙>
①葉の真ん中に、縦二本の切り込みを入れる
②菖蒲の葉の両端を適度に折り曲げる
③折り曲げた両端に、ハサミで二つ切り込みを入れる
④切り込みを入れた両脇を中央に寄せ、船の形を作る
⑤①の切り込みがキレイに立つよう、形を整える

 
…以上で出来上がります。

沖縄では旧暦5月5日のグングァッチグニチ(5月5日)に、お仏壇へお箸代わりにお供え物(あまがし)盆に添えますが、菖蒲の葉をそのまま添えても構いません

また最近では菖蒲の葉を用いる家も少なくなりました。
その代わりに菖蒲の絵が付いた箸袋に入った割り箸などで代用する家も見受けます。

 

沖縄の旧暦5月5日と、全国的なこどもの日

沖縄の旧暦5月5日と、全国的なこどもの日
◇全国でも新暦5月5日はこどもの日、そして端午の節句です

毎年新暦5月5日はこどもの日・端午の節句ですよね。
こどもの日と端午の節句は、ひとつの行事と捉えている人も多いのですが、全く別のものです。

こどもの日」は、日本で1948年に制定された国民の祝日となり、「端午の節句」は中国から伝わった、邪気祓い行事となります。

 

「こどもの日」とは?

◇「こどもの日」は、こどもを祝う国民の祝日です

こどもの日は1948年に国民の祝日として制定されました。
こどもの日の目的を見ると、「こどもの人格を尊重し、こどもの幸福を追求するとともに、母に感謝する」とされています。

そのため、男の子や女の子を問わず、すべてのこどもを祝う日です。

 

<伝統的なこどもの日>
[飾るもの] ・五月人形
・鯉のぼり
[やる事] ・菖蒲湯
[行事食] ・柏餅
・ちまき

 
近年のこどもの日はゴールデンウィークにかかるため、家族旅行やこどもの日イベントへの参加、こどもが喜ぶ遊園地や動物園などの行楽行事とする家庭が多いでしょう。
また誕生日のように、ケーキやご馳走で祝う家庭も少なくありません。

 

「端午の節句」とは?

◇「端午の節句」は、奇数日が続く邪気祓いの日です

端午の節句」は、古代中国から続く奇数日が重なる「五節句」のひとつとして、邪気祓い行事を行います。
古代中国では、奇数は縁起の良い陽数である一方、邪気も集まるとされていました。、

 

<五節句とは>
・1月7日 …人日の節句
・3月3日 …上巳の節句
・5月5日 …端午の節句
・7月7日 …七夕の節句
・9月9日 …重陽の節句

 
ちなみに1月1日が本来の人日の節句になりますが、元旦は格別な日ですので、幕の内が開ける1月7日が人日の節句とされています。

そのなかでも5月5日である端午の節句は、香りの強い菖蒲やよもぎを軒先に飾ったり、菖蒲湯に入ったりして邪気を祓います。

この風習が日本に伝わる過程で、次第に端午の節句は「男の子の健康や成長、立身出世を願う日」として広く知られるようになりました。

 

端午の節句と菖蒲

端午の節句と菖蒲
◇全国の端午の節句でも、菖蒲で邪気祓いをします

もともとは古代中国で、月名と月日の重なる(午の月・午の日など)に、香りの強い香草をお酒に浸して飲む、湯に浸かる厄祓いが、平安時代に日本に伝わりました。

その「香草」が菖蒲(しょうぶ)になったのは、「しょうぶ」から来たようです。

 

<沖縄の旧暦5月5日:菖蒲の葉>
尚武(武事や軍事を重んずる)の「しょうぶ」
勝負(勝ち負けを競う)の「しょうぶ」
・剣のように鋭い葉先を持つ

 
全国的にも、こどもの日には菖蒲湯に浸かるなどの行事が行われ、(その昔、武士は男子がなったため)端午の節句は「勝負強い」男の子の節句とされました。

 

<全国に伝わる菖蒲の行事>
菖蒲酒
・菖蒲湯
菖蒲の葉で包んだちまき
・菖蒲の葉を患部に巻く(悪鬼を除く)
・菖蒲の葉を頭や腰に巻く(悪魔除け)

 
などが全国的にもありますが、「菖蒲」には花が咲くアヤメ科の花菖蒲と、強い香りのサトイモ科の菖蒲があります。
サトイモ科の菖蒲は漢方薬にも用いられ、こどもの日で扱う菖蒲です。

 

まとめ:沖縄で旧暦5月5日はあまがしをいただきます

まとめ:沖縄で旧暦5月5日はあまがしをいただきます
沖縄旧暦5月5日のこどもの日「グングァチグニチ」は、6月10日(月)の振り替え休日となり、ハーリー大会翌日です。

沖縄ではあまがしをいただきますが、全国的な風習に倣い、柏餅やちまきをいただく家庭も増えています。

柏餅は丈夫で、次の新芽が芽吹くまで葉がしっかりと残っているため、子孫繁栄や親の健康などを司る縁起物とされてきました。

上新粉を砂糖と熱湯で溶いて蒸した皮にあんこを包み、柏の葉で巻くだけなので、意外にも簡単です。
あまがしとともに、柏餅やちまきも楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

まとめ

沖縄の旧暦5月5日「グングァチグニチ」とは?
●旧暦行事の「こどもの日」
・旧暦5月5日
・2024年6月10日(月)!
・家族やこどもの健康祈願

 
[行事食]
・あまがし
・菖蒲の匙

 
●全国的なこどもの日
・新暦5月5日
・2024年5月5日(日)
・こどもの健康祈願

 
[行う事]
・五月人形
・鯉のぼり
・菖蒲湯

 
[行事食]
・柏餅
・ちまき

 

 


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