【家族の看取り】危篤が告げられたら、まず家族が行うべき6つの事柄

2022.10.15
【家族の看取り】危篤が告げられたら、まず家族が行うべき6つの事柄

いざ家族が危篤になると焦りますよね。日ごろから「危篤時にどのような状態になり、どうすべきか」を知っておくだけで、冷静な行動ができるようになるでしょう。今回は、日ごろから知っておきたい、危篤を告げられた時にまず行う、6つの事柄をお伝えします。

覚悟のうえで在宅治療をしていたとしても、いざ家族が危篤になると焦ります。
ましてや突然、家族が危篤状態と言われたら、誰しもが慌てますよね。

あまり考えたくないことですが、日ごろから「家族が危篤になった時にどのような状態になり、どうすべきか」を知っておくだけで、冷静な行動ができるようになるでしょう。

今回は、日ごろから知っておきたい、家族が危篤を告げられた時にまず行う、6つの事柄をお伝えします。

 

そもそも「危篤状態」とは?

そもそも「危篤状態」とは?
家族が何らかの対処をすべき「危篤状態」とは、生と死の狭間にいるイメージですが、具体的に、医師からどのような言葉を告げられた時、家族は危篤状態と判断すれば良いのでしょうか。

<家族の「危篤状態」とは?>
●例えば、病気や交通事故などにより体力の回復に見込みがなく、手の施し用がない時、医師は危篤と判断し、「危ない状態ですので、家族の方を呼んでください」と告げるケースがあるでしょう。

しかし家族側で理解したい事柄は、「危篤」といってもすぐに亡くなる訳ではない点です。

医師が家族に危篤状態であることを告げる時、本人は生死を彷徨っている状態ですので、峠を越えて徐々に体力が回復する可能性も、有り得ます。
この状態が「小康状態」です。

家族に危篤の連絡が入る時は急な場合がほとんどでしょう。
家族が入院していて、命の危機が迫っている状態のラインを一定期間過ごしているなら、緊急な対応ができるように準備しておくことが大切です。

重篤と危篤はどんな違いがあるのか

家族はしばしば危篤の他にも「重篤」と告げられることがありますよね。
家族が危篤ではなく「重篤」と告げられた場合、本人の状態に違いはあるのでしょうか。

両方とも本人の命の危険性は高い状態ですが、大まかに言えば危篤よりも重篤の方が、命が差し迫っている状況ではない、と捉えられます。

<家族から見た、危篤と重篤の違い>
(1)危篤…人間の生死が分かれている状態
(2)重篤…病気や症状の度合いを表す言葉

…このように、家族が「危篤」と告げられた時、本人は今正に生死を彷徨っている状況ですが、「重篤」と告げられた場合には、あくまでも重症であることを示すだけです。

そのため同じ「重篤」でも状況によりますが、命がすぐに途絶えてしまうということはありません。

●ただ重篤とは、「命に関わる重い症状」であることを認識しておくことが大切です。

家族が危篤状態になった時の6つの事柄


では家族が危篤状態になったら、どのような対処をした方がいいのでしょうか。
当たり前のことですが、まずは冷静になって行動しなければなりません。

慌てて動いても忘れ物が出て効率良く動けなかったり、ただただ走り回るだけです。
下記6つの事柄をリストアップし、病院でもすぐに対応できる状況に、持ち物と心を整えて病院へ向かいます。

<家族の危篤:まず行う6つの事柄>
(1)まずは冷静になる
(2)親戚に連絡をする
(3)家族に連絡する
(4)病院に行く準備をする
(5)病院に行く
(6)自宅にて危篤になった時は病院に連絡する

特に自宅で家族が危篤になった時には、冷静な心が重要です。
突然の場合、救急車(119番)を呼ぶことになりますが、119番では本人の状態確認や、救急車が到着するまでに行う事柄を指示してくれるでしょう。

この言葉を冷静に聞けないと、無駄な時間を過ごすばかりか、慌てて体を動かすなどで、より危ない状況にしてしまいます。

(1)まずは冷静になる

(1)まずは冷静になる
●当たり前のことですが、家族が危篤状態になったら、まず心を落ち着けましょう

万が一の事態に備えてそれなりの覚悟をしなくてはなりませんが、医師や病院から危篤を告げられた今現在も、本人は生きていて、頑張っています。

もしも家族が病気で余命宣告を受けていたら、日ごろから「両手を握手すると落ち着く」などのビリーフ(おまじないとして)の癖を決めておくのも、ひとつの方法です。

<家族の危篤(1)まずは冷静になる>
・深呼吸をする
・特に息を吐くように意識する
信頼できる人に電話をする
・行うべき事柄をリストアップする
・危篤状態について理解する

確かに危篤になってから数分でご臨終を迎える人もいますが、家族が危篤を告げられたからといって、必ずしもすぐにご臨終を迎える訳ではありません。
数時間後の人もいれば小康状態のまま数日続く人もいますし、なかには回復する人もいます。

家族は日ごろから「危篤」の知識を深めておくだけでも、落ち着きを取り戻す可能性は大きいでしょう。

また息が上がると頭に血が循環せず、よりパニックを引き起こしますので、深呼吸をしますが、パニック時には深呼吸をしようと息を吸いがちです。

●深呼吸をしようと息を吸うと、よりパニックを増幅させますので、「息を吐く」を意識すると、自動的に息を吸いますので試してみてください。

 

(2)親戚に連絡をする

3親等まで
状況によっては病院へ行く動きと並行する場合もありますが、家族の危篤を告げられたら、他の家族や親族、近親者への連絡をします。

一般的に家族が危篤になった時に連絡をする親族は、3親等までが目安ですが、故人が生前に仲が良かった親族がいれば、連絡をしても問題はありません。

<家族の危篤(2)親戚に連絡をする>
●親戚代表1人(危篤状態になった本人と縁の深い親族)に連絡網を依頼します。
3親等まで」とお伝えしましたが、具体的に3親等は下記をご参照ください。・配偶者
・兄弟姉妹
子ども

・ひ孫
祖父母
・曾祖父母
甥/姪
※それぞれの配偶者へも連絡

信頼できる親族代表1人から、連絡網のように順々に連絡していただいた方が、自分は次に準備することがあるので、そちらに集中することができます。

●また「親戚が遠方にしかいない!」という場合、駆けつけることは叶わないかもしれませんが、危篤状態になっていることは連絡しておいた方が望ましいです。

 

(3)家族に連絡する

家族の危篤を医師から宣告された時、他の家族が不在の場合は連絡をします。
できる限りすぐに駆けつけてもらえるように、添えると良いでしょう。

前述した親族でも言えることですが、家族が危篤になった時の連絡事項は簡潔に、漏れのないように伝えます。

<家族の危篤(3)家族に連絡する>
治療をしている病院
・病院の住所
病室の番号
・危篤になっている本人の現状(病状)
自分の携帯番号

親族や知人友人へ家族の危篤を告げる場合、自分の名前危篤状態の本人との関係性も添えてください。

「夜分遅くに失礼をいたします。○○○○(危篤状態の本人)の長男、○○○○(自分の名前)です。」などのように伝えます。

誰かが一緒にいてくれるだけでも心は楽になり、より冷静な行動ができます。

①本人が会いたい人

また親族や家族以外でも、危篤状態の本人に生きているうちに会わせたい人はいないでしょうか。

幼馴染みの親友や友人
親しい同僚や会社関係者
・恋人や婚約者

などなど思い当たる人がいれば、連絡をしておくと後悔はありません。
また考えたくはないことですがご臨終が近いと思えた場合、葬儀社を探したり、沖縄では少ないですが菩提寺があれば、菩提寺のご住職に連絡をしておくのも良いです。

●危篤状態の本人がエンディングノートを付けていれば、「生きているうちに会いたい人リスト」が残っているかもしれません。

思い当たる場合は、病院に慌てて出発する前にエンディングノートを確認してみると良いでしょう。

(4)病院に行く準備をする

家族が危篤状態になった時、慌てて病院に駆けつけることは少なくありません。
けれども準備を整えて行かなければ、後々困って家に引き返したり、後から来る家族に忘れ物を持ってきてもらう必要が出てきます。

家族が危篤状態の場合でも、体力が持ち返すケースは多いです。

けれども危険な状態は続いたままですので、万が一の事態に備えて病院近くのホテルなどに泊まることまで考慮し、宿泊セットを持参するようにしましょう。

<家族の危篤(4)病院に行く準備をする>
①宿泊セット
②財布
③スマートフォン
④充電器

この四つは必ず持参するようにしましょう。
また、スマートフォンの連絡先に親戚の電話番号を登録しておくと、急変→回復になった時にすぐに連絡することができます。

●家族が危篤から間もなく臨終を迎えた場合も、すぐに通夜や葬儀などが進み、ほとんど家に帰れないケースは多いですので、ここで準備を整えておきましょう。

※家族が危篤状態になった時の連絡方法や例文、マナーは下記に詳しいです。
家族が危篤状態になったら、いつ誰に・どのように伝える?連絡手段と5つの例文

 

(5)病院に行く

家族の危篤状態を知らせる連絡と、病院へ行く作業を並行する場合もありますが、自分で運転をしている時には、連絡は避けてください。

<家族の危篤(5)病院に行く>
●通常の状態でも電話をしながらの車の運転は危険です。・現在ではコロナ禍により、病院によって判断が違う場合もありますが、基本的に家族の危篤状態では、深夜や早朝に限らず、駆け付けることができます。

まして家族が危篤状態ですから、自分では落ち着いているつもりでも、心の奥底は平常心とは違う状況ではないでしょうか。
まず、安全第一を心掛けて病院へ向かうことが先決です。

●小さくとも心の動揺を自覚していれば、タクシーを検討するのも良いかもしれません。

(6)自宅にて危篤になった時は病院に連絡する

(6)自宅にて危篤になった時は病院に連絡する
自宅にて危篤状態になった時、主治医がいるなら、まず救急車を呼ぶことよりも先に主治医に相談するようにしましょう。

●主治医(訪問医)がいる場合、ご臨終を迎えた後でも主治医による確認が取れたら、通常通り死亡届を受け取ることができます。

近年では病院で最期の時を迎えるのではなく、余命僅かな時期の医療や看護・介護を行う「ターミナルケア」において、自宅治療を希望する人も少なくありません。

<家族の危篤(6)自宅にて危篤になった時>
①主治医(訪問医)がいる場合…主治医に連絡
②主治医がいない場合…救急車を呼ぶ

その後の危篤になった場合の対処法など聞ければベストです。
特に日本では危篤状態で亡くなるのは、病院で8割、自宅で1割と言われています。

自宅で危篤状態になったことを想定して、家族間で話をして決めておくと、より効果的にスムーズに対処できるでしょう。

①主治医がいない場合

一方、自宅内の自己や突然のできごとで、家族が危篤状態になった場合には、救急車がベストです。

この時119番の指示を受けながら対応しますが、(考えたくはないことですが)もしも息を引き取っていた場合、体に触れないように注意をしてください。

<家族の自宅での危篤①主治医がいない場合>
危篤状態(まだ息がある)…救急車(119番)
息がない…警察署(110番)

自宅で家族が亡くなった場合、警察が入りますので「死亡届」ではなく「死体検案書」によって死亡が確認されますが、この時、状況によっては死体検案書の発行まで時間が掛かる可能性も否めません。

救急車で病院に運ばれ、医師により臨終の確認をしていただくと、通常通りの死亡届が発行されますので、主治医がいない場合はまず救急車が安心です。

 

最後に

今回は、家族が危篤状態になった時に、まず行う6つの事柄をお伝えしました。

危篤状態は、生死を分ける重要な瞬間です。
危篤と聞いて焦る気持ちもわかりますが、最初に知らせを受けた人が焦ると、続いて周りを焦り、返ってトラブルに巻き込まれるケースもあります。

きちんと落ち着いた状態で事態を把握することで、こう言ったトラブルを未然に回避できることもできるので、危篤状態になった時は冷静であることが1番です。

今回の記事は、いざと言う時のリストアップの役割も果たすため、「やるべきこと」が明瞭になり、落ち着いた行動を取るための手段になるかもしれません。

自分が余命宣告を受けた時、行う事柄について下記でお伝えしています。
【余命宣告されたら】余命を受けたら、後悔しないために行う10の事柄

 

まとめ

家族が危篤になったら、まず行う6つの事柄

(1)まずは冷静になる
(2)親戚に連絡をする
(3)家族に連絡する
(4)病院に行く準備をする
(5)病院に行く
(6)自宅にて危篤になった時は病院に連絡する


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