沖縄ではモダン仏壇でも供養はできる?現代の新たな拝み方

2021.09.27
沖縄ではモダン仏壇でも供養はできる?現代の新たな拝み方

沖縄では位牌やお仏壇の継承問題(トートーメー問題)が年々深刻化していますよね。そこで今ではその解決策として、モダン仏壇を取り入れた新しい継承の形を残す家も増えました。今回は、しきたりが多いトートーメー問題に悩む沖縄の家で増えた、お仏壇とトートーメー(先祖代々の沖縄位牌)の解決策をお伝えします。

昔ながらの沖縄では大きなお仏壇が一般的でしたよね。赤瓦で入り口に(魔除けの垣根)ひんぷんを持つ、昔からある造りの沖縄の平屋では、祀るご先祖様がいてもいなくても関係なく、建築時に予め二番座に大きなお仏壇スペースを設ける習慣がありました。

けれども時は流れ、二階建て・三階建ての戸建て住宅やマンションを住まいとする人々が増えるなかで、昔からある沖縄のお仏壇は、現代の暮らしにマッチしなくなっていきます。

以前から「トートーメー問題」と呼ばれる沖縄の位牌やお仏壇の継承問題は年々深刻化していますが、その解決策として沖縄ではモダン仏壇を取り入れた新しい継承の形を残す家も増えました。

今回は、しきたりが多いトートーメー問題に悩む沖縄の家で増えた、お仏壇とトートーメー(先祖代々の沖縄位牌)の解決策のひとつをお伝えします。

沖縄のトートーメー継承は重いが供養はしたい

沖縄のトートーメー継承は重いが供養はしたい
沖縄のお仏壇が大きい理由は、檀家制度の歴史が深い本州とは違い、ご先祖様がヤー(家)を守る神様とした、「先祖崇拝」の信仰が今も色濃く残っているからです。

難しいのは昔、沖縄では神様もウグァンブスク(御願=拝みが足りない)と、祟りが起きるとして、さまざまなしきたりが産まれた点ではないでしょうか。

その昔の沖縄では、病気や天災などのあらゆる事象をウグァンブスク(拝み不足)と結びつける傾向にありました。また、中国からの儒教も影響し、沖縄独自のお仏壇(トートーメー)のタブーは厳しいです。

特に父方血族の長男が代々継ぐことを良しとする点や、家によってはトートーメーを家の敷地から出してはいけないとする点が現代の人々を悩ませています。それでも、根強く残る先祖崇拝信仰は、沖縄の人々の心に深く刻まれているのではないでしょうか。

【 沖縄でモダン仏壇を迎える☆沖縄位牌を永代供養 】

★ そこで現代の沖縄では、寺院や民間霊園でトートーメーの永代供養が増えています。

→ とは言え、特にコロナ禍により不安定な経済状況にある沖縄で、ヤー(家)を守る神様として「祖先神」は祀りたいとする家庭も多いです。

※ そこで永代供養によって、先祖代々の名前が残るトートーメーは永代供養しながら、沖縄では新たにモダン仏壇を迎えることで、拝みの対象としての「祖先神」を祀る方法が増えました。

現代沖縄で需要が高いモダン仏壇にも、位牌自体は拝みの対象となるのですが、トートーメーとは少し違いますが、ここはややこしくなるので、事項で詳しく説明していきます。

 

沖縄位牌から唐位牌へ

お墓やお仏壇の新調が多い理由
沖縄の人々は「位牌」を、「イフェー」と「トートーメー」と2つの名称で呼びますが、これは意味合いの違いがあるからです。

【 沖縄でモダン仏壇を迎える☆イフェーとトートーメー 】

(1) トートーメー → 「トートーメー」は沖縄言葉で「尊い君」を表し、亡き人々の魂が込められた位牌を表します。特にご先祖様代々の名前が刻まれた沖縄位牌を表すことが多く、いわゆる「先祖代々位牌」です。

(2) イフェー → 「イフェー」は沖縄言葉で「位牌」となり、物としての位牌そのものを表します。

これを踏まえたうえで、トートーメーを永代供養して位牌を迎える、と言うのはどのような意味合いがあるのでしょうか。

【 沖縄でモダン仏壇を迎える☆祖先神としての位牌 】

★ 恨みや祟りがあるとして多くのタブーが重ねられてきたトートーメーを永代供養し、純粋な「祖先神」として拝みの対象となるイフェー(位牌)を迎え入れる傾向です。

→ そのため本州で言うところの「御本尊」の役割として、イフェー(位牌)を迎える家が増えました。

※ そこで個人名の記載をそもそも避ける場合、沖縄位牌ではなく本州に多いカライフェー(唐位牌)や拝みの対象としての琉球ガラスなどの位牌を迎える家が増えています。

トートーメーの永代供養を終えて、沖縄のモダン仏壇に迎えられるカライフェー(唐位牌)は、近しい身内の供養であれば氏名や戒名を彫り、祖先神として拝みの対象とする場合は名前自体を彫らずに祀る家もあります。

また、近しい親族をグァンス(元祖)として、より現代の暮らしに沿った緩いルールのなかで、改めてトートーメーとする事例も見受けます。

そもそも本州では沖縄位牌が主流になってきたものの、宮古島など離島諸国では唐位牌や大和位牌(先祖代々の名が繰り出し式になっている位牌)を沖縄のお仏壇でも祀ってきました。これも現代沖縄のお仏壇で唐位牌が選ばれるひとつの理由ではないでしょうか。

 

今沖縄でモダン仏壇ニーズが増えた理由

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現代の沖縄でモダン仏壇ニーズが高いのは、昔ながらの沖縄仏壇と比べてコンパクトに収まること、現代の暮らしにもマッチしたデザインが多いことが大きいです。

昔の平屋が一般的だった時代はもちろん、一時期の沖縄ではお仏壇を迎えるために押し入れをひとつ潰さなければならず、沖縄では大きなお仏壇を迎え入れることは大変な労力を要しました。

また、近年ではおしゃれな戸建ての家やマンションも多いですが、昔ながらの沖縄仏壇はその雰囲気を大きく損ねる上に、沖縄仏壇が家の中心でなければなりません。

【 沖縄でモダン仏壇ニーズが増えた理由 】

★ そこで現代の住まいにもマッチし、暮らしの中心ではなく暮らしの一部として機能する、コンパクトなモダン仏壇を選ぶ人々が増えています。

→ 以前は「一度入れたら拝み事で大変!」として、沖縄ではお仏壇を入れるか入れないかの二者択一傾向がありました。けれども現代の沖縄ではお仏壇をより気軽な存在と捉えています。

タブーなき祖先神
近しい故人を感じる存在

として、迎え入れる家が増えた結果です。

もともと檀家制度がなく独自の供養文化を築いてきた沖縄ですから、トートーメーを永代供養してタブーを浄化した家になると、本州よりもしきたりが緩く自由な傾向があります。

近しい故人を供養する場合は、より昔ながらの供養に近いですが、祖先神を祀る祭壇として沖縄でモダン仏壇を取り入れた家では、「祭壇」だけに、沖縄の歴史も相まって「人々を供養する」大きな意味合いを持って拝むケースもありました。

 

いかがでしたでしょうか、今回は現代沖縄でモダン仏壇のニーズが増えている理由をいくつかお伝えしました。大きな理由として、現代沖縄の人々を悩ませている、トートーメー問題の解決策としての意味合いが強い傾向です。

一時期はトートーメーのタブーに触らない、適切な後継者がいないとして継承もされず、「トートーメーを家から出すことができない」しきたりから、住民が引っ越しても残されてきた沖縄のお仏壇も、永代供養により解決策を見出すケースが増えました。

また、細かなタブーには触れたくないけれど、近しい愛しい故人を丁寧に供養したい、亡き両親や祖父母に、この不安定な時代に家を守ってもらいたい、などの、より「祖先神」や「先祖代々」への儀礼的な拝みではなく、心に触れた供養や不安定な時代の心の拠り所としての意味合いも強くなっています。

まとめ

現代沖縄で増える、新しい仏壇の形

・トートーメー問題に向き合う人々が増えた
・トートーメーを永代供養し浄化する人々

●永代供養後は下記3つの流れ
・近しい故人の位牌のみ残し祀る
・名前なき祖先神を迎え入れる
・タブーなきグァンス(元祖)を迎える

・大きな沖縄仏壇を避ける傾向
・現代の暮らしに合わせたモダン仏壇が人気
・コンパクトな仏壇でより気軽に供養ができる
・「入れる入れない」の二者択一からより気軽に

 


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