【沖縄の終活】名義預金と疑われずに、非課税枠で預貯金を残す方法

2022.03.22
【沖縄の終活】名義預金と疑われずに、非課税枠で預貯金を残す方法

沖縄に限らず全国的に名義預金の申請漏れが指摘されるようになりました。せっかく生前贈与として貯蓄したのに、相続発生後に申告漏れとされるのは、誰もが避けたいですよね。今回は、名義預金と疑われずに預貯金口座を子や孫に残す方法をお伝えします。

平成28年に相続時にマイナンバーの記載が義務化されてから、沖縄に限らず全国的に名義預金の申請漏れが指摘されるようになりましたよね。

そのため今の沖縄では「名義預金」自体が悪のように捉えられがちですが、よく親が子どもの幼い頃から、子ども名義の預貯金口座を開設して、毎月コツコツと貯蓄を続けるように、「名義預金」が悪い訳ではありません

そのため相続においてもキチンと仕組みを理解して貯蓄を続けることで、「非課税枠の生前贈与」として、子どもや孫名義の預貯金口座を渡すことが可能です。

ただ、せっかく生前贈与のつもりで貯蓄を続けたにも関わらず、相続発生後に沖縄で「名義預金」として相続税が追徴されるのは、誰もが避けたいですよね。

今回は、沖縄の終活で名義預金と疑われずに、生前贈与として預貯金口座を子や孫に残す方法をお伝えします。

沖縄だけじゃない、名義預金の申告漏れ

沖縄だけじゃない、名義預金の申告漏れ冒頭で「名義預金」自体が悪ではない、と話をしましたが、沖縄で税務署が名義預金を警戒しているのは、相続における名義預金の申告漏れです。

名義人である子どもや孫にとっては、「私名義のお金なのに、どうして相続財産として申告しなければならないの?」との声もありますが、例え名義が子どもや孫であっても、「実態」がなければそれは貯蓄した本人(被相続人)の財産と捉えます。

【 沖縄だけじゃない、名義預金の申告漏れ 】

● 実は相続税の申告漏れは(沖縄だけではなく)名義預金が多くを占めているとされ、全国的にも相続税の申告漏れの約40%ほどが、名義預金によるものだと言われるほどです。

→ かつては全国的に「相続財産だと知らなかった」ケースだけではなく、相続税対策のために名義預金を利用する方も多くいました。

※ なかには居住地域から遠く離れた地方銀行で敢えて名義預金を設けて、そこに多額の相続財産を預金し、相続税から逃れる事例も多くあったと言います。

 

…このようなことから、(沖縄ではなく)全国的に名義預金は税務署から特に注視されてきた歴史があります。税務署調査の大多数が、この名義預金の存在調査だったと言う職員もいるほどです。

【 沖縄で名義預金による相続税逃れが疑われる事例 】

● 例えば、被相続人(故人)と相続人の不自然なお金を動きを追い掛ける調査も多くありました。

(1) 相続人 … 所得に対して不自然に多額のお金が貯蓄されている。
(2) 被相続人 … 所得に対して不自然にお金が少ない。

→ その昔は、このような違和感があると被相続人(故人)宅の電話帳の痕跡などから辿り着く複数の金融機関をピックアップし、ひとつひとつを洗うように調査を続け、「この口座に何百万ものお金の動きがある」などと調べてきたようです。

 

けれどもこれも平成28年以降のマイナンバー導入により、大きく変化しました。

マイナンバーによって複数の金融機関などの情報を紐づけ、一括にまとめられるようになったため、例え分かりにくい地方銀行などで名義預金を新設したとしても、お金の流れを把握できる訳です。

このマイナンバー導入により、沖縄だけでなく全国的に名義預金の摘発が増えました。

沖縄で多い暦年贈与と名義預金の違い

沖縄で多い暦年贈与と名義預金の違い
以上が沖縄や全国的な名義預金と税務署の追い掛けっこのあらましですが、被相続人として避けたい事柄は、「きちんとした生前贈与として、子や孫の名義口座に貯蓄を続けてきたのに、相続発生後に申告漏れと判断されてしまう」ことではないでしょうか。

冒頭でもお伝えしましたが沖縄で税務署が摘発する名義預金は、生前贈与の仕組みを無視して相続税逃れのために多額の相続財産を預金したパターンです。

一方で、子や孫名義の口座に地道に貯蓄を続けることで、非課税枠を利用して生前贈与を行う方法は確かにあります。これが「暦年贈与」です。…では「暦年贈与」とは、どのような生前贈与なのでしょうか。

【 沖縄で名義預金と疑われない!暦年贈与とは 】

● 「暦年贈与」とは、子や孫の名義で口座を設け、そこに貯蓄をして生前に財産を贈与することを差します。

→ この暦年贈与には非課税枠があり、年間(1月1日~12月31日)110万円以内の生前贈与であれば、贈与税が掛かりません

 

…これだけを説明すると、沖縄では「名義預金と何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。沖縄で失敗の多い、基本的な名義預金と暦年贈与の違いは、受贈者(相続人=子や孫)が、生前に確かに財産をもらっているという「実績」です。

【 沖縄で間違えやすい、名義預金と暦年贈与の違い 】

● 相続発生時に受贈者(相続人=子や孫)は、この預貯金が自分の財産であることを主張できなければなりません。けれども、実際には下記のようなケースが多く、結果的に沖縄では「名義預金」と判断される事例が多くあります。

(1)口座の通帳や印鑑を持っていない … 「自分の財産」なのですから、当然その口座の通帳と印鑑を持っていなければ成り立ちません。

(2)そもそも口座の存在を知らない … 名義人本人が口座の存在を知らない場合、被相続人(故人)が名前を借りただけ、と判断されます。

 

より安心して沖縄で名義預金と疑われない暦年贈与を進めるためには、より多くの対策がありますが、まずはこの2点が基本です。

沖縄で名義預金とされない4つのポイント

沖縄で名義預金とされない4つのポイント
ただこれだけでは、確実に沖縄税務署から名義預金と疑われないとは言えません。その理由のひとつとして、受贈者が生前贈与を受けた財産を「大切にする」、当たり前とも言える心理があります。

「せっかく両親がコツコツと貯めてくれたのだから…」有難いお金として、大切に残しておく受贈者が多いのですが、実はこれが、相続発生時に沖縄では名義預金と疑われる一因になることもあるからです。

【 沖縄で名義預金と疑われない4つの対策 】

(1)口座のお金を使う … 受贈者が「自分の財産」として認められるには「実績」が必要です。ではその実績とは何かと言えば、そのお金を回していることになります。

※ 受贈者が自分で口座の管理をしている実態が必要です。そのためには印鑑も被相続人(故人)とは別に用意した方が良いでしょう。

(2)時には贈与税を支払う … 年間110万円以下の貯蓄であれば非課税枠で贈与ができますが、敢えて多めに貯蓄(120万円など)をして、多い金額を申告し贈与税を支払います。この書類が受贈財産としての証拠です。

※ 贈与税は割高ですが、例えば10万円であれば(子や孫だった場合)200万円以下の税率は10%ですので、1万円で済みます。

(3)生前贈与の契約書を残す … 被相続人(故人)の生前に、贈与者と受贈者の間で財産の贈与契約書を交わすと良いでしょう。

※ 形式に決まり事はありませんが、より信頼できる書類を残すため、贈与者・受贈者の署名と捺印がある書類を作成します。

(4)最初に贈与財産であることを申告する … 相続発生の段階で、名義預金の指摘を受ける前に贈与財産であることを申告してください。最初に主張しない場合、沖縄では名義預金を疑われる可能性も高いです。

 

沖縄では名義預金を「税金逃れ」と言いますが、相続税対策のなかでは「租税回避」とも呼ばれます。必ずしも脱税ではないケースが多いものの、グレーゾーンと言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか、今回はせっかく貯めた暦年贈与を、沖縄で名義預金と疑われることのないよう、生前に済ませたい4つの対策を中心にお伝えしました。

沖縄で名義預金と判断された場合は申告漏れとして、過少申告加算税が請求されます。さらにこれが故意とされると重加算税が徴収されるでしょう。

ここにプラスして、申告期限から換算した延滞税が請求される可能性まであるので、ぜひ沖縄で名義預金と暦年贈与の違いをしっかりと理解し、安心して残したいところです。

生前贈与には暦年贈与以外にも、教育資金贈与住宅取得等資金贈与があります。なかには一度に1,500万円など、多くの生前贈与が実現する方法もあるので、検討してみてはいかがでしょうか。

※ 生前贈与3つの種類について、詳細は「【沖縄で終活】相続税を節約する生前贈与3つの種類。祭祀財産はどこまで準備する?」でお伝えしています。

 

まとめ

暦年贈与が名義預金と疑われない対策

・受贈者が印鑑と通帳を持っている
(印鑑は贈与者と違うものを用いる)

・口座のお金を回す(使う)
・時々は多く貯蓄して贈与税を支払う

・贈与が証明できる契約書を交わす
(契約書は署名と捺印が必須)

・最初に受贈財産を申告する


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