沖縄のシジュウクンチ(四十九日)、シルイフェー(白位牌)を本位牌に交換する方法とは

2022.10.20
沖縄のシジュウクンチ(四十九日)、シルイフェー(白位牌)はどうするの?

沖縄のシジュウクンチ(四十九日)では、仮の位牌であるシルイフェー(白位牌)から、本位牌へ交換しますよね。また、本位牌へ移した後のシルイフェーはどうすれば良いでしょうか。今回は、本位牌への交換と、その後のシルイフェーの処分方法をお伝えします。

沖縄のシジュウクンチ(四十九日)は、故人が亡くなってから七日ごとに行うナンカスーコー(七日焼香)の最後のスーコー(焼香)として、シチナノカ(七七日)とも言われます。

全国的には四十九日法要を目安に納骨式を行う家が多いですが、沖縄のシジュウクンチ(四十九日)では、仮の位牌であるシルイフェー(白位牌)から、本位牌へ交換する儀礼を行う家が多い傾向です。

今回は、沖縄のシジュウクンチ(四十九日)で行うシルイフェー(白位牌)から本位牌への交換儀礼についてお伝えします。

 

(1)沖縄のシジュウクンチ(四十九日)

初七日と四十九日だけ
冒頭でお伝えしたように、沖縄のシジュウクンチ(四十九日)は、故人が亡くなってから七日毎に行うスーコー(焼香)、ナンカスーコー(七日焼香)を大切にしてきた沖縄では、その締めくくりとしての役割が強いです。

全国的にも故人様の命日から数えて四十九日、日本では仏教に倣い故人の極楽往生の審判が下ります。
そのため、仏教に倣い葬儀を執り行う本州・沖縄ともに大切な区切りの日となっていますね。

<沖縄のシジュウクンチ(四十九日)とは>
ナンカスーコー(七日焼香)の締めくくり
・忌中から忌明けとなる
・故人の魂はニライカナイ(あの世)へと成仏する
マブイワカシ(魂分かし)を行う地域もある
・仮位牌であるシルイフェー(白位牌)から本位牌へ交換する
・お仏壇がない家は、この日までに新調する

…などなどがあるでしょう。

本州ではこの日までに法要や納骨を済ませることが多いですが、沖縄は四十九日の法要に合わせ、イフェーノーシ(位牌直し)と呼ばれる位牌の儀式があります。

故人様の分身とされるシルイフェー(白位牌)に宿った魂を本位牌に移し変える儀式を執り行うのです。

トートーメーとは、沖縄の言葉であり、故人の名前や亡くなった年月日などを記入した位牌(それと同時に祖先の霊)、またその位牌の継承を指したりもします。

 

(2)シルイフェー(白位牌)は仮の位牌

(2)シルイフェー(白位牌)は仮の位牌
シルイフェー(白位牌)とは、沖縄のシジュウクンチ(四十九日)以前に用意される位牌(トートーメー)です。
沖縄では白位牌のトートーメーをシルイフェーと呼びます。

名前の通り見た目は白く、沖縄ではシジュウクンチ(四十九日)に本位牌を迎えるまでの、仮の位牌になります。
位牌(トートーメー)と同じく、故人の分身であるということには変わりはありません。

①2基のシルイフェー(白位牌)

この沖縄のシジュウクンチ(四十九日)に本位牌へと交換されるシルイフェー(白位牌)ですが、沖縄では「2基のシルイフェー(白位牌)」があることはご存知でしょうか。

<沖縄のシジュウクンチ(四十九日):2つのシルイフェー>
①野位牌枕飾りにまつられ、出棺のときに墓前に持っていって安置する仮位牌
②内位牌
…四十九日までの後飾りに安置される仮位牌

沖縄ではシジュウクンチ(四十九日)まで、上記2基のシルイフェー(白位牌)を仕立てますが、「野位牌」と「内位牌」のどちらも本位牌までの仮の位牌です。
四十九日を迎えた後は、本位牌に移し変えることでその役目を終えます。

※以下ではシンジュウクニチ(四十九日)当日のトートーメーについて、シルイフェー(白位牌)をどうするのか、トートーメーの取りかえ方法、その後のシルイフェー(白位牌)の扱いについて説明します。

(3)沖縄のシンジュウクニチ(四十九日)に行う儀式

四十九日法要で本位牌へ交換
沖縄のシジュウクンチ(四十九日)では、法要に合わせ位牌の魂を移し変える儀式、「位牌直し(イフェノーシー)」が行われます。
つまりシルイフェー(白位牌)から本位牌への魂入れの儀式です。

<沖縄のシジュウクンチ(四十九日):本位牌への交換>
●お坊さんに読経供養をしてもらい、本位牌に魂を移し変えます。

またナンカスーコー(七日焼香)は、年をまたぐことはよくないとされ、沖縄ではシンジュウクニチ(四十九日)を年内で切り上げて行うことが多いです(シルイフェーも同様)。

①沖縄の位牌直しの作法

このようなことから、シルイフェー(白位牌)から魂を移し入れる本位牌は、沖縄のシジュウクンチ(四十九日)までに用意しなければなりません。

<沖縄のシジュウクンチ(四十九日):位牌直し>
・本位牌の用意
・仏壇、仏具の用意
・仏具のお清め
・お坊さんによる魂入れ(読経供養)

それとともに仏壇・仏具がない家では、沖縄ではシジュウクンチ(四十九日)までに用意しておきましょう。
これは本州の風習としても同じです。

②仏具のお清め方法

仏具は、位牌直し前までに、お清めをしてください。

<沖縄のシジュウクンチ(四十九日):仏具のお清め>
・新調した仏具は最初に水で洗う
塩水の張った容器にいれる
・塩水の中で、仏具を軽く流す
・容器からだす
しっかり乾かす

しっかり乾いたなら仏壇に配置して準備完了です。
その後はお坊さんをお呼びし、お経によって「魂入れ」をしてからまつります。

(4)イフェノーシー(位牌直し)後のシルイフェー(白位牌)

(4)イフェノーシー(位牌直し)後のシルイフェー(白位牌)
沖縄ではシルイフェー(白位牌)から本位牌へ「魂入れ」の儀式が済むと、次は白位牌から「魂抜き」の儀式が行われます。

●この、「魂抜き」を沖縄では「ヌジファー(抜魂)」といいます。

そして「魂抜き」が終わると、シルイフェー(白位牌)は葬具とともに焼却されるのです。
以下では順を追い、まず「魂抜き」の流れをみていきましょう。

①ヒジュルウコー(冷たい御香)を左回りに三周

火の灯っていない沖縄線香、ヒジュルウコーを手に持って白位牌の周りを左回りに三周します。

②ヌジファー(抜魂)の言葉

シルイフェー(白位牌)に向け、ヌジファー(抜魂)の言葉である「ヌジファー(抜魂)のグイス」を唱えてください。

<沖縄のシジュウクンチ(四十九日):ヌジファー言葉>
「ウートゥートゥ、本日はシジュウクンチ(四十九日)の日になりました。
これからヌジファー(抜魂)をして、本位牌へご案内をいたします。
どうぞ○○の魂も、このお線香に移っていただきますように。」

…と言っても、一般家庭であれば、現代の言葉で、このようにお伝えすれば大丈夫です。

③本位牌の周りを右回りに三周

以上、ヌジファー(抜魂)のグイスを唱えたら、次は白位牌のときと同様に本位牌の周りを今度は右回りに三周回します。

④繋ぎのグイス

ヒジュルウコーを回しながら、本位牌に「繋ぎのグイス」を唱えます。
こちらも一般家庭であれば、現代の言葉で故人に伝えると良いでしょう。

<沖縄のシジュウクンチ(四十九日):繋ぎの言葉>
ウートゥートゥ、本位牌までご案内をいたしました。
どうぞこの本位牌に魂を移してくださり、ニライカナイ(極楽浄土)まで成仏してくださいますように。」

現代の沖縄のシジュウクンチ(四十九日)では、シルイフェー(白位牌)から本位牌へ交換するに当たり、お坊さんに読経供養をしていただくので、ご遺族は故人へ伝える気持ちで問題はありません。

⑤ヒジュルウコー(冷たい御香)をウコール(香炉)へ

ヌジファー(抜魂)に使用したヒジュルウコー(冷たい御香)は、ウコール(香炉)に拝してください。

お仏壇のウコール(香炉)にヒジュルウコー(冷たい御香)を灯すことで、ウコールの灰に混ざり、ご先祖様がウコール(香炉)に宿ります。

⑥火を灯して合掌

最後に火を灯して、「ウートゥートゥー(あな尊い)」と、その場に集まった人々で手を合わせれば終了です。

現代はお防さんに読経供養をしてもらう

現代ではお坊さんに読経供養してもらうのが一般的ではありますが、地域や家によっても異なってきます。
昔と今の沖縄の風習を尊重して、双方の儀礼を行う家もありますよね。

●昔ながらの沖縄の持つ独特な風習のひとつの特徴ですので、その地域や家での作法に従って行うよう、地域の人々や高齢の親族に尋ねながら、倣うと良いでしょう。

 

(5)役目を終えた白位牌、どうするの?

(5)役目を終えた白位牌、どうするの?
説明しましたように、イフェノーシーを終えた故人様の魂はお墓に移っているわけです。
そしてヌジファー後の魂の宿らない白位牌はお焚き上げをします。
ですが、ただ焼却するのではお焚き上げにはなりません。
お焚き上げにも手順があるのです。

<シルイフェー(白位牌)のお焚き上げ>
① 葬具とともにお墓の前で焼却する
② 灰になるまで焼却
②の灰をウコール(内位牌の前に置かれた)の灰といっしょにする
④ お墓に置かれているウコール(香炉)の灰に混ぜる
⑤ 完了!

…この方法は位牌の取りかえと同じような流れになるので、覚えておくと葬儀を終えてからも役に立ちます。

●ただ現代では、役目を終えたシルイフェー(白位牌)も、
・読経供養をしてくれた僧侶
仏壇仏具店
・葬儀社

…などで引き取ってくれることが多いので、相談してみてはいかがでしょうか。

※「位牌の取りかえにも注意しなければ祖先の祟りがある」と言われますが、故人やご先祖様が大切な家族に祟りを起こすでしょうか
不足があればお許しください。」とお伝えすれば大丈夫です。

 

最後に

今回は沖縄のシジュウクンチ(四十九日)に行う、シルイフェー(白位牌)から本位牌への交換儀礼についてお伝えしました。

本文中では昔ながらの沖縄の儀礼として、ヌジファー(抜魂)の仕方をお伝えしましたが、現代の沖縄では、シジュウクンチ(四十九日)のスーコー(焼香)でお呼びしたお坊さんへ、本位牌へ交換する読経供養まで依頼するので、必ず行う必要はないでしょう。

お坊さんの手配は、近隣の寺院のご住職に相談したり、お仏壇を新調したなら仏壇・仏具屋さんでも、お坊さんの紹介をしてくれます。

また最近では、ネット上でも「僧侶派遣」サイトがあるので検索してみるのも一案です。

一般的に読経供養をお願いした時、お布施の金額は約3万円/1回の読経供養ですが、四十九日法要と本位牌への交換など、複数の読経供養をお願いするので、約5万円~7万円ほどは包む家が多いでしょう。

※沖縄でトートーメー(位牌)の取り替えや書き換えがしたい場合は、下記に詳しいです。
沖縄で古いトートーメーを、新しく買い替えたい!タブーもリセットする買い替え方とは?

 

まとめ

四十九日にシルイフェー(白位牌)はどうするの?

●四十九日まで、白位牌は2基ある
・野位牌(屋外)
・内位牌(屋内)

●本位牌への交換「位牌直し」
・本位牌の用意
・仏壇、仏具の用意
・仏具のお清め
・お坊さんによる魂入れ(読経供養)

●白位牌の魂抜き
・ヒジュルウコーに魂を移す
・本位牌に魂を入れる
・ヒジュルウコーを仏壇の香炉に供える

●役目を終えた白位牌
① 葬具とともにお墓の前で焼却する
② 灰になるまで焼却
③ ②の灰をウコール(内位牌の前に置かれた)の灰といっしょにする
④ お墓に置かれているウコール(香炉)の灰に混ぜる
⑤ 完了!


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