【沖縄のヒヌカン】旧暦1日・15日ヒヌカンの拝み方☆お供え物やお線香の本数を解説!

2022.12.21
【沖縄のヒヌカン】旧暦1日・15日ヒヌカンの拝み方☆お供え物やお線香の本数を解説!

コロナ禍を迎え不安定な時代に突入した沖縄で今、ヒヌカンを求める人々が急速に増えていますよね。今回は、ヒヌカンを迎え入れたヤー(家)で行う、チィタチ(1日)・ジューグニチ(15日)の拝み方を、それぞれの拝みの意味合いとともにお伝えします。

沖縄では現代もヒヌカン信仰が残りますが、拝み方に関する相談も少なくありません。
ヒヌカンを祀る家庭では、台所を担う家族が担い手となり、毎月旧暦1日と15日に祈願と感謝の御願を捧げてきました。

●この1日と15日の拝みに関して…、
・ヒヌカンへのお供え物
・お線香の本数
・拝みのグイス(祝詞)

今回は、ヒヌカンへの基本的な拝み方を解説します。
地域や家庭によってもヒヌカンへの拝み方に違いはありますが、参考のひとつとしてはいかがでしょうか。

ヒヌカンへの拝みは1日と15日

昔ながらの沖縄のヒヌカン(火の神)
●ヒヌカンへの拝みは、毎月旧暦1日と15日です

沖縄の御願は太陰暦で行うため、旧暦1日は月が新月、旧暦15日は満月を迎えるタイミングです。

そこで半月に一度、ヒヌカンを祀る家庭では、家の安泰や円満、平和旧暦1日に祈願し、旧暦15日には、無事に祈願が届いたこと(無事に家族が半月を過ごしている)への感謝を捧げます。

<ヒヌカンへの拝み方:1日と15日>
[1]旧暦1日(新月)…祈願
[2]旧暦15日(満月)…感謝

沖縄の御願では農耕儀礼においても「豊作祈願」→「豊作祭」と、祈願と感謝の行事がセットです。
そこでヒヌカン信仰では家庭平和に関して、この祈願と感謝が永遠に続けられています。

ヒヌカンへのお供え物

ヒヌカンへのお供え物
●ヒヌカンへのお供え物は、[1]日ごろのお供え物と、[2]旧暦1日・旧暦15日のお供え物で少しずつ違います

また沖縄にはムーチー(鬼餅)チクザキ(菊酒)など、さまざまな旧暦行事がありますが、沖縄でヒヌカンを祀る家々にとって、ヒヌカンは旧暦行事の日にまず、お供え物をして報告をする存在です。

<ヒヌカンへの拝み方:お供え物>
[1]日ごろのお供え物
[2]旧暦1日・旧暦15日のお供え物
[3]旧暦行事ごとのお供え物

旧暦行事ではそれぞれ、行事食をいただきますので、家庭でいただく行事食をまず、ヒヌカンとお仏壇(ご先祖様)へお供えしてから、旧暦行事を行うイメージです。

例えば、旧暦12月8日に訪れるムーチー(鬼餅)では、月桃の葉で巻いたムーチー(鬼餅)をいただきますが、これを当日の朝にヒヌカンとお仏壇に供えて、ご報告するイメージでしょう。

[1]日ごろのお供え物

●日々のお勤めで供えるものは、お塩、ミジトゥ(水)、ウサク(お酒)、そして白ウブク(白ご飯)です

この他、沖縄でヒヌカンを仕立てる時にはハナイチ(花立て)に供え葉を差しますので、その時々で枯れているようなら差し替えてください。
供え葉はお仏壇のような菊などの花ではなく、クロトンやチャーギなどの神葉です。

<ヒヌカンの拝み方:日ごろのお供え物>
(1)供え葉(チャーギなど)
(2)ミジティ(お水)
(3)ウサク(お酒)
(4)白ウブク(白ご飯)
(5)お塩

ミジティ(お水)ウサク(お酒)を供える際には、少なくなったコップに継ぎ足すのではなく、一度全てを捨ててから、改めて新しいミジティ(お水)やウサク(お酒)を入れてください。

・継ぎ足しではなく、新しく入れ替える
・お塩は湿気を吸い固くなったら替える
・白ウブク(白ご飯)は最初のご飯

現在では毎朝ご飯を炊く家も少なくなりましたが、もしも朝、ヒヌカンを拝む前にご飯が炊き上がるご家庭でしたら、炊き上がった最初のご飯を、家族がいただく前に供えましょう。
(もちろん、でき得る限りで大丈夫です。)

[2]旧暦1日・旧暦15日のお供え物

●旧暦1日、旧暦15日のお供え物では、ウブク(ご飯)が3膳になります

沖縄の言葉で旧暦1日を「チィタチ」、旧暦15日を「ジューグニチ」と言うため、旧暦1月の祈願は「チィタチの拝み」、旧暦15日の感謝は「ジューグニチの拝み」と言い、台所を担う女性は朝一番で拝んできました。

<ヒヌカンへの拝み方:旧暦1日・15日>
(1)供え葉(チャーギなど)
(2)ミジティ(お水)
(3)ウサク(お酒)
(4)白ウブク(白ご飯)…3膳
(5)お塩

特にこの時は、お塩などの様子を確認し、湿気により固まるなら取り替えましょう。
旧暦行事と重なることも多く、この他にご馳走を供える家庭もありますが、この場合には神様へのお供え物として、お箸などは添えません

お線香の本数

【沖縄のお供養】御願で違う☆ヒラウコー(お線香)の本数とは
●旧暦1日・15日にヒヌカンへ供えるお線香の本数は、ジュウゴフンウコー(十五本御香)です

ジュウゴフンウコー(十五本御香)」は、お線香が15本と意味し、日本線香であれば15本、ヒラウコー(平御香=沖縄線香)であれば、「タヒラ半(2枚半)」です。

ヒラウコー(平御香)はお線香を6本くっ付けた板状のお線香ですので、「タヒラ半(2枚半)」であれば2枚と半分を割って3本分にします。

<ヒヌカンへの拝み方:ジュウゴフンウコー(十五本御香)>
●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・ヒラウコー(平御香)…タヒラ半(2枚半)

…ただ最近ではお線香を15本供える大きなウコール(香炉)を整えるほど、大きなヒヌカンスペースを持たない家庭が多いです。
そのためサンティン(三天)を一神として、日本線香5本(15本÷3)で拝む家庭が増えました。

サンブンウコー(三本御香)

●日々供えるヒヌカンへのお線香は、サンブンウコー(三本御香)です

ヒラウコー(平御香)を半分に割って供えても良いですが、今では日本線香3本を毎日供える家庭が多いでしょう。

<ヒヌカンへの拝み方:サンブンウコー(三本御香)>
日本線香3本、もしくは1本
・ヒラウコー(平御香)…半ヒラ(半分)

サンブンウコー(三本御香)は、日々のヒヌカンへの拝みばかりではなく、お仏壇へはお客様が供える本数でもあり、この世のサンティン(三天)を表します。

・ウティン(御天)
・ジーチ(地)
・リュウグ(竜宮=海)

こちらもジュウゴフンウコー(十五本御香)と同じように、この世を作るサンティン(三天)を一神とし、日本線香1本(3本÷1)で供える家庭が増えました。

それでも現代の沖縄では朝が忙しいですよね。
最近では半分の長さ、短めの日本線香が販売されています。
短めのお線香をを供えることで、忙しい朝にも早く終わるでしょう。

ヒヌカンへ拝みのグイス

●昔ながらの拝みのグイスはありますが、現代の言葉で感謝を伝えても問題はありません

全国的な神社の祝詞とは違い、沖縄の御願で扱うグイスは沖縄言葉で構成されます。
そのため基本的な内容と儀礼を持ってすれば、現代の言葉で日々ヒヌカンに話しかけ、悩みを相談することで、絆を築くことになるでしょう。

<ヒヌカンの拝み方:グイス>
「ウートゥートゥー、ヒヌカンガナシ
(あな尊き ヒヌカン様)チューヤ チィータチヌヒー ディービル。
(今日は1日の日でございます。)マンヌゥスリカバサウコー、ウブク、ウサギャビーングトゥー、
香り高いお線香とご飯をお供えしましたので、ウキトゥイジュラサー ウタビミスーリー。
(どうぞ受け取ってくださいませ。)チャー ウマムイジュラスァ アラチ ウタビミスーリー、
(いつもお守りくださいまして、)マクトゥニ ウシリガフーディービル
誠にありがたいことでございます。)

クリカラアトゥンチャァ、
(どうぞこれから後のことも、)

カラタガンジュー ドゥーガンジュー
体も丈夫、身も丈夫、)

クェーブー、ミーフー、チュラサカバサ アラチ、
食べる運、健康運、良いことが現れますよう、)

ウタビミスーリー、ウートゥートゥー
(お導きください、あな尊き。)」

ヒヌカンは家を守護する神様ですので、御嶽(うたき)などで拝む時のように、住所や干支などの自己紹介を最初に添える必要はありません。

①本日の日
②お供え物
③感謝
④祈願事
⑤締めの言葉

…以上が大まかな流れですが、「今日の良き日」とさらに加えたり、気になる事柄(チムカガイ)を相談する日もあるでしょう。

けれどもヒヌカンを遠くの御嶽と結ぶ「遥拝所(ようはいしょ)」として利用する場合には、拝み方なども変わります。

※遠くの御嶽(うたき)や拝み処と繋ぐ拝み方については、下記をご参照ください。
【沖縄のヒヌカン】ヒヌカンを遠くの御嶽(うたき)と繋ぐ方法☆遥拝所としての役割とは

 

最後に

以上が、沖縄で基本的なヒヌカンへの拝み方です。
沖縄ではヒヌカンを家庭に祀ることを嫌がる人も多いですが、これは拝み事を怠った時に起きる祟り「ウグァンブスク(御願不足)」を恐れるためでしょう。

・ヒヌカンへの拝みを怠ると祟りが起きる
・旧暦行事をこなさなければならない

…などの声がありますが、自然神を信仰するアミニズム文化に近い沖縄の御願文化では、台風や津波などの自然災害も含め、あらゆる暮らしのうえでの不幸事と「祟り」と処理してきたきらいもあります。

本来ヒヌカンは慈悲深い神様とされ、家(台所)を担い、家族を案じる主婦(その昔は)を支える守護神でもありました。

未来の分からぬ不安のなか、ヒヌカンを迎え入れ毎日手を合わせることは、家族を守る想いを支える一助となってくれるでしょう。

ヒヌカンも最初から仕立てる時代になりました。詳しくは下記をご参照ください。
【沖縄のヒヌカン】ヒヌカンの始め方。最初から仕立てる・引き継ぐ、2つの方法を解説!

 

まとめ

旧暦1日15日、日々のヒヌカンへの拝み方
●ヒヌカンへのお供え物
・供え葉(チャーギなど)
・ミジティ(お水)
・ウサク(お酒)
・白ウブク(旧暦1日15日は3膳)
・お塩

●お線香の本数
・旧暦1日15日…十五本御香
・毎日…三本御香

●拝みのグイス(祝詞)
・本日の日
・お供え物
・感謝
・祈願事
・締めの言葉


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