・喪中ハガキを受けてお線香を送るとは?
・お線香を送るマナーは?
・お線香を送る時のメッセージは?
毎年11月は喪中ハガキを受け取る時期ですよね。
なかには喪中ハガキを受け、初めて訃報を知ることもあります。
喪中ハガキのお返しに「喪中御見舞」としてお線香を送る人も多いでしょう。
本記事では喪中ハガキのお返しにお線香を送る時のマナーや、添えるメッセージ、家族葬など、お線香を送っても良いか?迷うケースについて解説します。
喪中ハガキのお返しに、お線香を送る?
◇喪中ハガキを受けたら「喪中御見舞い」としてお線香を送ることがあります
お線香の他、仏壇に供える供物などを送っても良いです。
ただ供物はお菓子などが多く、お相手の好みが反映されることや、お線香は「故人へのお供え物」として、間違えがありません。
<喪中ハガキが届いたら?> ●喪中御見舞を送る |
|
[送る時期] | ・喪中ハガキを受け取ったらすぐ ・年内に送る |
[内容] | ●お仏壇に供えるもの ・お線香 ・ろうそく ・供花(白い花) ・供物 |
喪中ハガキのお返しにお線香を送るのではなく、供物にする場合、お茶やクッキーなど、個包装の渇き菓子が好まれやすいです。
喪中御見舞は葬儀の供物ではなく喪中のお歳暮ですので、お酒やコーヒーなどの嗜好品でも問題はありませんが、故人が好きだった時には良い一方、分からない時にはお相手の好みに配慮しながら送ります。
喪中ハガキの対応は?
◇基本的には年賀状を送らない対応で、失礼にはなりません
ただ喪中ハガキを受けて初めて故人の訃報に触れる人も多く、お悔やみの気持ちを表す方法として、お線香を送る「喪中御見舞」が選ばれてきました。
喪家は喪中ハガキを11月下旬頃、年賀状の準備を始める前に届くように送ります。
そのため、喪中ハガキを受けてすぐに送る喪中御見舞は、通常のお歳暮と同じ時期です。
お線香を送る意味は?
◇お線香は故人へ送る供物です
喪中御見舞いに弔意を込めてお線香を送るのは、仏教の教えにおいて、お線香の煙が故人の食べ物とするためでしょう。
また昔から葬儀や法事の供物の定番であるお線香は、誰に送っても失礼に当たらず安心です。
●お香典は「香奠」
・香りを供える役割
・仏様の食べ物
葬儀では「香典」としてお金を包みますが、「香典」はお通夜や葬儀でお線香がたくさん必要になるなか、参列者が「お線香代」として包んできました。
葬儀の際には食べ物を供することもありますが、リンゴ(母性)・バナナ(父性)・みかん(子孫繁栄)などの果物が多いです。
お線香以外を送っても良い?
◇お線香を送る以外では、お菓子・お花・お茶なども選ばれます
お線香以外では仏教の教えに倣い、殺生をイメージする肉や魚、お祝いで出される昆布やかつお節などは避け、通常仏壇に供える供物も、お線香以外で送ることが可能です。
お線香以外に送るものと言えばお花ですが、供花も忌中に送るものと忌明けで変わるため、注意をしてください。
<供花を送る注意点> | |
[忌中] (四十九日まで) |
・白い花 |
[忌明け] (四十九日以降) |
●色付きの花も良い ・三色 ・五色 |
四十九日以内の忌中に送る花は「哀悼の花」ですが、四十九日の忌明けからは、故人を偲ぶ「追憶の花」へと変わるためです。
また、故人の好きな花を加えても失礼ではありません。
ブリザーブドフラワーなど、生花の雰囲気を長く保つことができるものも使用されますが、お返しを意識させず、お礼状で済ませられる範囲のものを選ぶのが基本です。
お線香を送る時の表書きは?
◇喪中ハガキのお返事にお線香を送る場合、「喪中御見舞い」です
ただし訃報から数か月以上経ってからの喪中ハガキでない場合、なかには故人が亡くなって、まだ四十九日が立っていない「忌中」のご遺族もいるでしょう。
忌中にお線香を送る時には、表書きも変わります。
<供花を送る注意点> | |
[忌中] (四十九日まで) |
・御霊前 ・御供 |
[忌明け] (四十九日以降) |
・御仏前 ・御供 |
[喪中ハガキの後] |
・喪中御見舞 ・御霊前(忌中) ・御仏前(忌明け) ・御供 |
ただし地域によって習慣の違いもあるため、気になる場合は親族に確認すると良いでしょう。
ただお線香を送る際の表書きに迷ったならば、オールマイティーに利用できる「御供」が安心です。
お線香を送る金額相場は?
◇香典で包む金額が目安です
喪中ハガキを受けて弔意を表すため、喪中御見舞としてお線香を送る場合、知人友人が通夜や葬儀に参列する際に包む香典の金額である、約3千円~5千円を目安に送ります。
<喪中御見舞の金額目安> | |
[ご香典で包む金額] | ・約3千円~5千円 |
[具体例] | ・贈答用線香(ご進物) ・ろうそくとセット |
日常的に使用するお線香は、日本線香であっても約1000円以内で収まりますが、贈答用線香は沈香など、上質なものが多いです。
桐箱に収められた贈答用線香も多くある他、ろうそくとセットになった実用的な商品もあるため、このような贈答用を喪中御見舞では選びましょう。
ただし喪中御見舞を受け取った相手は、金額相場の約1/3~1/2ほどを目安に、返礼品を選びますので、あまり高い喪中御見舞にならぬよう配慮します。
・沖縄で増えた贈答用線香☆お香典代わりに送る5つのマナー
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ヒラウコー(沖縄線香)は?
◇喪中御見舞には、贈答用の日本線香が選ばれています
ヒラウコー(平御香)は日本線香6本分をくっ付けた沖縄線香です。
平な板のような形状なので、沖縄では「ヒラウコー(平御香)」と呼ばれます。
ヒラウコー(平御香)は一袋100円台の商品も多くリーズナブルで、沖縄のスーパーでも多く販売しているため、日常的な拝み事では多く使われているでしょう。
けれどもヒラウコー(平御香)には香りがなく、昔の沖縄では価格が高い日本線香の代用品として利用する家族も多くいました。
<ヒラウコー(平御香)と日本線香> | |
[ヒラウコー(平御香)] | ●日常的に利用される ●日常的な御願行事で利用 ・価格が安い ・香りがない ・煙と灰が多く出る |
[日本線香] | ●贈答用として選ばれる ●法要、供養で利用 ●大切な御願で利用 ・価格が高め ・香りがある ・小さな仏壇(香炉)に最適 |
香り高い日本線香は「カバシウコー(香り御香)」と言われ、ここぞ!と言う時の御願や拝み事に用いられてきた存在です。
そこで喪中ハガキを受けて、弔意を表すために送る喪中御見舞でも、でき得る限りの弔意として、美しく整えられた贈答用線香を選ぶ人が多い傾向にあります。
日本線香には香りの種類がある
◇日本線香では、さまざまな香りの種類があります
伝統的な日本線香の香りは「沈香(じんこう)」です。
喪中御見舞で選ぶ際に香りに迷う時には、沈香を選ぶと安心でしょう。
この沈香には仏教的な意味合いも大きいため、どのような相手にも好印象です。
また香りにはそれぞれ香言葉があるため、喪中御見舞に添える手紙で、香言葉をご紹介しても良いかもしれません。
<香言葉> | |
●沈香 (じんこう) |
・いつまでも朽ちない想い (あなたの想いは生きている限り朽ちません) ・静けさのなかの安らぎ (悲しみのなかにも、あなたを想うと安らぎを感じます) |
●白檀 (びゃくだん) (サンダルウッド) |
・目を閉じてあなたを想う (目を閉じれば、あなたがいます) ・不安な気持ちを落ち着かせる (悲しみはいつか温かな思い出に変わります) |
●桜 (さくら) (クマリン) |
・夢で逢いましょう (夢のなかであなたに会えます) ・悪疫から守る (故人がこの世の悪しきものから、あなたを守ってくれます) |
●竹炭 (チクタン) |
・高ぶった心を静める (あまり神経を削らないでください) |
最近では竹炭入りで煙の少ないお線香が、マンションなど、煙が充満しやすい部屋でも供えやすく実用的なため人気です。
また竹炭はマイナスイオンが発生しやすい効能があり、香言葉と同じように、心を静めるリラックス効果があります。
・沖縄でお線香を贈る人が急増☆お香で違うメッセージとは
お線香を送る時のメッセージは?
◇喪中御見舞としてお線香を送る時には、一筆箋ほどのメッセージを添えます
喪中御見舞でお線香を送る時、一筆箋でお悔やみの言葉を添えると弔意が伝わるでしょう。
<喪中御見舞のメッセージ文例> | |
[文例1] | |
「ご訃報に接し心からお悔やみ申し上げます ご生前のお力添えに深く感謝申し上げます また尊敬の念をもって 心からご冥福をお祈り申し上げます」 |
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[文例2] | |
「訃報に接し心から哀悼の意を表し 安らかにお眠りいただけますようお祈り申し上げます ごくわずかではございますが 心ばかりのお線香をお送りいたします お供えいただけますと幸いです」 |
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[文例3] | |
「年賀欠礼のお知らせをいただき大変驚かされました 遅ればせながら謹んでご冥福をお祈り申し上げます 心ばかりのお線香をお送りさせていただきます もしよろしければ、お供えいただければと存じます」 |
この他にも喪中ハガキにより故人の訃報に触れた場合には、「突然の訃報を受け誠に残念でなりません」や、「突然の悲報に接し 心からお悔やみ申し上げます」などの言葉でも良いでしょう。
忌み言葉には注意をして、手紙を添えます。
まとめ:家族葬でもお線香を送ることはできます
喪中ハガキにより故人の訃報に触れたら、弔意を表す目的で喪中御見舞を送る人が多いです。
喪中御見舞は故人を供養する、故人への供物としての役割がありますから、魂の食事とされる「香」として、お線香を送ると良いでしょう。
また身内のみで執り行う家族葬の後、喪中ハガキが届いたケースでは、お線香を送るかどうか迷う人も多いですが、供物や供花、香典辞退の一文がなければ、失礼には当たりません。
喪中御見舞にはメッセージを添えるとともに、お線香にも香りの種類があるので、香言葉から選び、故人へのメッセージとしても良いでしょう。