喪中はがきはいつ出す?親しい人へひと言添えても良い?年末の訃報やタブー|マナー解説

2023.07.21
喪中はがきはいつ出す?親しい人へひと言添えても良い?年末の訃報やタブー|マナー解説

「喪中はがき」は、喪中に年賀状を控えることを伝えるはがきです。日ごろから年賀状のやりとりをしている人々へ、年末前に送ります。本記事では、喪中や喪中はがきについて、出す範囲や年末年始の訃報の対応など、喪中はがきに多い疑問や、例文が分かります。

・喪中はがきとは?
・喪中はがきはいつ出す?
・喪中はがきは誰に出す?
・年末に亡くなった時の喪中はがきは?
・喪中はがきの例文は?

喪中はがき」は、喪中に年賀状を控えることを伝えるはがきです。
日ごろから年賀状のやりとりをしている人々へ、年末前に送ります。

本記事を読むことで、喪中や喪中はがきとはなにか?どこまで出すのかや、年末年始に亡くなった時の対応など、喪中はがきに多い疑問や、例文が分かります。
 

喪中はがきとは?

喪中はがきとは?
◇「喪中はがき」とは、喪に服すため年賀状を控えることを伝えるものです

喪中」は、一般的に身近な家族や親族が亡くなってから1年間を差します。
喪中は、故人を弔い偲びながら、大切な人を亡くした哀しみや喪失から、日常に戻るための期間です。

そのためお祝いや社交の場を控え慎み暮らすため、年始のお祝いである年賀状も控えなければなりません。
 

<喪中はがきとは>
[別名] 年賀欠礼状
・年賀欠礼ハガキ
[目的] ・年賀状を送らないことを伝える
[誰が送る?] 喪中の人
[誰に送る?] ・年賀状をやりとりしている人
[いつ頃送る?] 11月下旬~12月上旬

 
喪中はがきは年賀状を控えることへのご報告とお詫びですので、年内に届けます。
喪中はがきは喪中の人が送りますが、基本として故人との関係性が第二親等までが、その範囲です。
 

 

喪中はがきを出す範囲は?

◇喪中はがきは、喪中にある第二親等までの人々が出します

喪中はがきは、基本的に故人の家族が出しますが、親族でも第二親等までは喪中とされますので、同居家族のほとんどは喪中はがきを出す範囲に入るでしょう。

現在では大まかに、どの人も1年間を喪中とする傾向ですが、正確には故人との関係性で喪中期間も変わります。
 

<喪中はがきを出す範囲:第二親等とは>
[故人からみた関係] [喪中期間]
[一親等]
配偶者
・実父母
・義父母
1年~13カ月
(子ども家族)
子ども
・子どもの配偶者
3ヶ月~6ヶ月
[二親等]
(同居家族)
祖父母
・義祖父母
・3ヶ月~6ヶ月
(兄弟姉妹)
兄弟姉妹
・義兄弟姉妹
1ヶ月~3ヶ月
(孫)

・孫の配偶者
・1ヶ月~3ヶ月

 
喪中期間は明治時代に制定された「太政官布告」が基準です。
ただ太政官布告は昭和22年に無くなっているので、あくまでも目安と捉えます。

大まかには「身近な近親者が年内に亡くなった」時に出すものです。
 

喪中はがきはいつ出す?

喪中はがきはいつ出す?
◇喪中はがきを出す時期は、11月下旬~12月上旬です

喪中はがきは、日ごろ年賀状をやりとりしている人々へ送るため、相手が年賀状の準備を整える前に送らなければなりません。
とは言え、あまり早い時期に送っても失礼にあたります。
 

<喪中はがきはいつ出す?>
[タイミング] [時期] [理由]
[送り始め] ・11月初旬 ・郵便局が年賀状の発売を始める
[送る時期] ・11月中旬~12月上旬 ・年賀状の準備を始める時期
[送り納め] ・12月14日(中旬) ・郵便局が年賀状の受付を始める

 
その昔の日本では、毎年11月頃に訪れる「秋土用」に喪中はがきの準備をしました。
けれども現在の暦では、少々早い時期と感じる人もいるかもしれません。
 

●2023年の秋土用は、10月21日(土)~11月7日(火)

 
時間に余裕を持って秋土用の時期に喪中はがきの準備を進め、秋土用が過ぎた頃に送ると、丁度良い時期に差し掛かるでしょう。
喪中はがきは11月初旬から出し始め、あまり早くに喪中はがきを出すことも、控えます。
 

 

喪中はがきは誰に出す?

◇基本的には、日ごろ年賀状をやりとりしている人々です

ただし喪中はがきには、年賀状を控える欠礼状の役割がある他、家族の訃報を知らせるなど、いくつかの意味があるので、より広く送る人もいるでしょう。
 

<喪中はがきは誰に出す?>
[年賀状欠礼] 年賀状を出している人
[参列のお礼] お通夜や葬儀に参列いただいた人
[訃報を知らせる] ・故人がお世話になっていた人
・その他、訃報を知らせるべき人

 
「訃報はがきを送っているので、喪中はがきはいらないのでは?」との声もあります。
けれども訃報はがきは訃報を知らせるもの、喪中はがきは年賀状の欠礼をご報告するものです。

そのため訃報を知る人々に対しても、喪中はがきは送ると良いでしょう。
 

 

喪中はがきのマナーは?

死産とは?
◇弔事のはがきは縦書きで、前文は使いません
喪中はがきや訃報はがきなど、弔事の手紙では時候の挨拶などの前文は用いず、最初から本文に入ります。
 

<喪中はがきのマナーとは>
[書き方のマナー] 時候の挨拶は省く
・最初の文字を下げない
句読点を付けない
・漢数字で数字を書く
・お祝いの言葉は避ける
[その他のマナー] シンプルなはがきを使用
・お祝い事の報告をしない
・私的な事柄を書かない(雑談)

 
基本的に喪中はがきは縦書きを良しとしますが、現代は印刷会社で横書きのテンプレートも見受けるようになりました。
送る相手の年齢層や関係性を鑑みながら判断しても良いでしょう。
 

喪中はがきに添え書きは?

◇喪中はがきの添え書きは、基本的には行いません

年賀状などを送る時には、ひと言メッセージを添える「添え書き」をしばしば行いますが、喪中はがきは弔事であり、目的が年賀状欠礼です。

基本的には簡潔な文面で要件のみを伝えます。

けれども、喪中はがきの添え書きがマナーに反している訳ではないので、親しい人、故人が生前にお世話になった人には、直筆でお礼を添えても良いかもしれません。
 

喪中はがきの書き方は?

喪中はがきの書き方は?
◇喪中はがきは、年賀欠礼の挨拶から始まります

喪中はがきの目的は、年賀状を控えることの報告とお詫びですので、まず年賀欠礼の挨拶から始めると良いでしょう。
基本的に下記5つの構成で書き進めます。
 

<喪中はがき5つの構成>
(1)年賀状欠礼のお詫びと挨拶
(2)故人の訃報 ・喪主との続柄
・故人の氏名
・享年月日
・故人の没年齢
(3)日ごろのご厚意への感謝
(4)書いた日付け
(5)差出人 ・ご遺族の氏名
・住所
・連絡先

 
喪中はがきには必ずと言った決まり事はありません
ただ基本的な文章構成を知りながら、文例を基に整えると失礼にならないでしょう。
 

喪中はがきの続柄の書き方は?

◇差出人からみた続柄は、夫・妻などで問題ありません

喪中はがきは訃報の連絡を含むため、文面には差出人から見た続柄が添えられます。
ただ常日頃から使用している「妻」「父」などの表記で良いでしょう。
 

<喪中はがきの「続柄」の書き方は?>
[故人からみた関係] [書き方]
[一親等]
・配偶者 妻・家内、夫・主人など
・実父母 父・実父、母・実母など
・義父母 …父・義父、母・義母など
(子ども家族)
・子ども …長男、次男、長女、次女など
[二親等]
(同居家族)
・祖父母 …祖父、祖母など
・義祖父母 …義祖父、義祖母など
(兄弟姉妹)
・兄弟姉妹 …兄、弟、姉、妹など
・義兄弟姉妹 …義兄、義弟、義姉、義妹など
(孫)
・孫 …孫、孫息子、孫娘など

 
夫婦連名、家族連名で送る喪中はがきなら、続柄は夫から見た続柄で合わせるのが一般的です。

ただ義母の場合、夫婦いずれかのお母様なので「母」と表記することが多いでしょう。
「○○(妻の名)の父、○○が…」などと続きます。
 

基本的な喪中はがきの例文

◇妻を亡くした時の喪中はがき例文

「今年〇月○○日に 妻○○○○が○○歳にて永眠いたしました
新年のご挨拶につきましては 謹んでご遠慮させていただきます

本年中に賜りましたご厚情に 深く感謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほど どうぞよろしくお願い申し上げます

令和5年〇月〇日
○○○○(差出人)
(住所)
(連絡先)」
 

年賀状を受けたい時の喪中はがき例文

◇実父を亡くした時、年賀状を受けたい時の喪中はがき例文
 

「今年〇月〇日に父○○○○が○○歳にて天寿を全ういたしました
生前に承りましたご厚情に深謝いたします

こちらから新年のごあいさつは申し上げませんが
年賀状のないお正月はさみしいものです

みなさまからの年賀状を楽しみにお待ち申し上げます

令和5年〇月〇日
○○○○(差出人)
(住所)
(連絡先)」

 
基本的には「年賀」もお祝いの言葉に該当しますが、喪中でも年賀状を受け取りたいご遺族はいます。

また12月の訃報で、喪中はがきが年賀状の差出時期である12月15日に、到着が間に合わないケースも少なくありません。
このような場合は年賀状を受け付ける旨を伝えても良いでしょう。
 

年末の訃報、喪中はがきは?

年末の訃報、喪中はがきは?
◇年末に家族が亡くなった場合は、寒中見舞いを代わりとします

12月に家族が亡くなり喪中となった場合、12月上旬と下旬で対応は変わるでしょう。
喪中はがきを出す時期は11月初旬~12月中旬までとされるためです。
 

<年末の喪中はがきの対応>
[到着が12月14日まで] 喪中はがきを出す
・年賀状は投函しない
[到着が12月15日以降] ・喪中はがきを控える
寒中見舞いを代わりとする
・年賀状は投函しない
[年賀状を受け取る] ・喪中はがきを出す
年賀状を受け取る旨を記載する

 
郵便局の年賀状受付が12月15日以降ですので、喪中はがきの到着が12月15日を過ぎてしまうと、相手は投函後に喪中を知ることになります。
 

年賀状を投函してしまったら?

◇まだ配達されていない時期であれば、配達停止の手続きが取れます

年賀状を出した後にご家族が亡くなり喪中となってしまったら、投函した年賀状の配達手続きができるかもしれません。
年賀状の配達停止手続きを、「年賀状の取り戻し請求」と言います。
 

<年賀状の取り戻し請求>
[年賀状の場所] [料金]
[差出地の集配局] ・無料
[配達郵便局] ・420円
[その他の郵便局] ・580円

 
投函する前に準備をしていた年賀状も、郵便局の窓口へ持って行くことで、返品はできないものの、切手やはがきと交換してくれるでしょう。
 

喪中はがきの代わり「寒中見舞い」とは?いつ出す?

喪中はがきの代わり「寒中見舞い」とは?いつ出す?
◇「寒中見舞い」とは、寒い時期に相手の健康を気遣う挨拶状です

寒中見舞いは、寒い時期に相手の健康を気遣う御挨拶状です。
主に高齢の人々や寒冷地に住む人々へ送ります。
 

<寒中見舞いとは>
[出す時期] ●松の内明け~2月4日頃
[松の内] 北日本…1月7日まで
東日本…1月7日まで
西日本…1月15日まで

 
二十四節気の小寒から立春にあたる、毎年1月5日頃~2月4日頃までの時期ですが、お正月の「松の内」が明けた頃から出すと良いでしょう。
ただし松の内は地域により期間が違うので、注意をしてください。
 

寒中見舞いのマナーとは?

◇寒中見舞いには、相手の体を気遣う一文を添えます

寒中見舞いは本来、寒さが増す時期に相手の健康を気遣い送る挨拶状です。
喪中はがきが間に合わずに寒中見舞いになったものの、一文を添えましょう。
 

<寒中見舞いのマナーとは>
[どういう時に出す?] 喪中はがきを出せなかった
・年賀状を出していない相手から、年賀状が来た
・喪中の人へ挨拶がしたい
・喪中と知らず、年賀状を出していたお詫び
・高齢や豪雪地などで、相手を気遣うご挨拶
[内容、構成] 寒中見舞いのご挨拶
・相手の健康を気遣う
年賀状欠礼のお詫び
(年賀状のお礼)
・近況報告
・締めのご挨拶
・日付
・差出人
[喪中での寒中見舞いマナー] 年賀はがきは避ける
・切手は普通切手
・句読点を付けない

 
喪中はがきを送れずに寒中見舞いを送る場合、注意をしたいマナーは切手です。
年賀や結婚式など、慶事用の切手を避けることはもちろんですが、寒中見舞いは弔事の手紙えはないので、弔事用切手も控えてください
 

通常の寒中見舞い例文

◇年賀状を受け取っていない

「寒中お見舞い申し上げます
酷寒のみぎり お変わりなくなくお過ごしでしょうか

服喪中のため年始のご挨拶を差し控えさせていただきました
ご通知が遅くなりましたことをお詫び申し上げます

本年もどうぞ変わらぬご厚誼のほど 宜しくお願い申し上げます

令和5年〇月○○日
○○○○」
 

年賀状のお礼を添えた寒中見舞い例文

◇年賀状を受け取っている

「寒中お伺い申し上げます
寒さはこれからが本番ですが皆様にはお変わりございませんか

新年早々お年始状有りがたく頂戴いたしました
皆様には佳き年をお迎えになられたご様子
心からお喜び申し上げます

母(続柄)の喪中のため
年末年始のごあいさつを控えさせていただきました
昨年中にお知らせすべきところ
年を越してしまい ご無礼をご容赦願います

旧年中に賜りました ご厚情を深謝いたしますとともに
今年も変わらぬご厚誼のほど お願い申し上げます

令和5年〇月○○日
○○○○」
 

まとめ:喪中はがきは11月初旬~12月中旬までに出します

まとめ:喪中はがきは11月初旬~12月中旬までに出します
喪中はがきは年賀状を控えることを相手に伝えるものです。
そのため郵便局が年賀状はがきを販売する11月初旬から、年賀状の受付が始まる12月中旬までに出すと良いでしょう。

また「年賀」のお祝いを含まない年始の御挨拶状「年始状」を出す方法もあります。
2011年の東日本大震災から広がった風習です。

年始状は喪中や喪中の人々へ送る他、年内に災害などを受けた人々に出すご挨拶にも適しています。

年始状」は年賀状ではなく通常はがきで、お祝いの文言を避けて送ると良いです。
喪中はがきや寒中見舞いの他、年始状も検討されてみてはいかがでしょうか。
 


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