【初盆とは】全国の初盆と沖縄のミーボンはどう違うの?沖縄の人が理解したい5つの違い

【初盆とは】全国の初盆と沖縄のミーボンはどう違うの?沖縄の人が理解したい5つの違い

2025.05.28

沖縄の初盆(みーぼん)は家族や身内のみで静かに行う家が多いですが、全国的な初盆ではお坊さんを呼んで法要を執り行う家も少なくありません。今回は、沖縄の人々が知っておくと助かる、本州の初盆に対する習慣や考え方をお伝えします。

昔ながらの沖縄の初盆とは「ミーボン(新盆)」と言い、家族のみで静かに過ごす風習がありました。

けれども全国的な初盆では、親族をご案内して読経供養による法要を執り行う地域が多いのです。沖縄のミーボンとは正反対ですよね。

本記事を読むことで、全国的な初盆とはどのようなものか?他県の親族が初盆を迎える際、沖縄の人が理解したいマナーや考え方が分かります。

初盆とは?
<全国に多いお盆日程>

月遅れ盆…新暦8月13日~15日(16日)
七月盆…新暦7月13日~15日(16日)
 

旧暦の暦をそのまま、新暦に持ってきたお盆が七月盆です。
主に関東圏内に見られ「新盆(しんぼん)」とも言われますが、沖縄のミーボンも「新盆」でややこしいため、本記事では「七月盆」として解説しています。

沖縄の旧盆は旧暦で数えるため、毎年時期が異なりますが、2025年度は沖縄の旧盆は9月初旬です。


<2025年沖縄の旧盆日程>
・旧盆…2025年9月4日(木)~6日(土)・7日(日)

沖縄の旧盆に合わせて供物を贈ると、すっかり遅くなるため注意をしてください。

初盆(はつぼん)は、故人が亡くなって初めて迎えるお盆のことを指します。
全国的な初盆と、沖縄での初盆(ミーボン)では、進め方や習慣に大きな違いがあります。
ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。

沖縄では、故人が亡くなった後、初めて迎える旧盆を「ミーボン(初盆)」と呼びます。
本州など全国的な「初盆」と比較すると、そのあり方や過ごし方に沖縄独自の特徴が見られます。

もともとは、家族だけで静かに過ごす日とされており、盛大な法要は行わないことが一般的でした。
しかし現代では、時代の流れとともに、親族を招いて法要を営む家庭も増えてきています。

沖縄のミーボン(初盆)には、全国の初盆とは異なる独自の特徴があります。
ここでは、ミーボンの代表的な習慣や風習について、ポイントごとにご紹介します。

法要の有無について
 従来の沖縄では、ミーボンに際して特別な法要は行わず、家族のみで静かに過ごすのが一般的でした。
 現在では、焼香(スーコー)を取り入れた簡素な法要を行う家庭も増えています。

静かに迎える文化
 ミーボンは、にぎやかに祝う行事ではなく、家族で静かに手を合わせる日とされています。
 旧盆とは異なり、門中(親族一族)を招かない家庭も多く、内輪だけで故人を偲ぶのが基本でした。

供え物の違い
 供物も旧盆に比べて簡素であり、一重の重箱(カタシー)料理や、果物、菓子類などを中心に用意されます。
 あくまでも控えめに、故人への思いを込めたお供えが大切にされます。

お中元の扱い
 ミーボンでのお中元は、通常のお祝いとは異なり、弔事用のお供え物として贈ります。
 仏教の教えに配慮し、肉や魚などの生臭いものは避け、果物や乾物、菓子などを選ぶのが一般的です。

ミーボンの迎え方は、家庭によってさまざまです。
時代の変化を取り入れつつも、故人への敬意と家族の心を大切にすることが何より重要といえるでしょう。

「初盆」とひとくくりに言っても、全国と沖縄では、過ごし方や儀式のあり方に大きな違いがあります。
全国的な初盆は盛大な法要が行われることが多い一方、沖縄ではより静かで家庭的なスタイルが根付いています。

ここでは、全国と沖縄、それぞれの初盆(ミーボン)の特徴を、分かりやすく整理してご紹介します。
地域ごとの文化の違いを知ることで、初盆に向かう心構えも深まるでしょう。

全国的な初盆では、故人を手厚く供養し、親族や縁者が集まって盛大な法要を行うのが一般的です。
初盆を一つの大切な区切りとして、地域社会全体で故人を見送る文化が息づいています。

全国の初盆では、主に次のような特徴が見られます。

● 僧侶を招いて読経を行う
● 親族や友人が多数集まり、焼香や供養を行う
● 法要の後に会食(精進料理)を設けることが多い
● 仏壇や祭壇を特別に飾り付け、華やかに設える

特に地域によっては、初盆が故人への最大の弔いの場とされることもあり、
事前の準備や当日の進行にも力を入れる傾向があります。
初盆を通じて、故人との別れを改めて噛みしめる、そんな意味合いが強い地域も少なくありません。

沖縄における初盆は、「ミーボン(初盆)」は、全国的な初盆と比べると、より静かで、家庭的な雰囲気を重んじる傾向が強いのが特徴でした。

沖縄のミーボン(初盆)を全国的な初盆と比較すると、主に次のような習慣が見られます。

● 家族のみで静かに手を合わせる
● 門中(親族集団)を招かず、身内だけで過ごすことが多い
● 供物は控えめで、一重の重箱(カタシー)料理を供える
● 焼香(スーコー)のみを行う家庭もある
● 近年は親族を招く家も増えているが、基本は控えめなスタイル

沖縄では、賑やかに集まるよりも、故人を心静かに迎えることが大切にされています。
時代の変化とともに形式が変わりつつあるものの、ミーボン本来の精神──
「静かに、故人を想う心」──は今も大切に受け継がれています。

沖縄の旧盆、重箱料理の基本

初盆を迎えるにあたって、故人への供養のためにいくつかの準備が必要です。
沖縄のミーボンでも、必要最低限の供物を整える習慣が受け継がれています。

重箱料理(カタシー)
 → ご先祖様へのお供え用に、野菜料理や豆腐料理などを中心としたシンプルな重箱料理を用意します。
  1段だけの小さな重箱(カタシー)にまとめる家庭もあります。

線香
 → 沖縄特有の太い束線香(ウコール)を使用し、仏前や墓前に供えます。
  ミーボンでは大げさにせず、家族で静かに手を合わせる形が主流です。

果物や菓子
 → 生臭いものを避け、清らかなお供え物として、季節の果物や乾き菓子を選びます。

香炉やろうそく立て
 → 仏壇の前に簡素な祭壇を整え、ろうそくを灯して故人をお迎えします。

地域や家庭によって若干の違いはありますが、「簡素に、心を込めて」が沖縄の初盆準備の基本です。

ミーボンを迎えたあとは、旧盆本番に向けて心の準備を整えていきます。
沖縄の旧盆は、ミーボンの静けさとは対照的に、ご先祖様をもてなし、送り出す大きな行事(ウークイ)へと続きます。

ミーボン後の期間
 → 初盆(ミーボン)が終わった後も、旧盆までの間は故人の霊を心の中で大切に迎える準備期間と考えます。
  大きな行事は行わず、仏壇に手を合わせて日々祈りを捧げます。

旧盆の準備
 → ソーローウンケー(精霊迎え)に向けて、仏壇や墓前の掃除、供物の準備を整えます。
  重箱料理やお供え物、線香なども、旧盆に向けて少しずつ手配していきます。

心構え
 → ミーボンからウークイ(精霊送り)までは、ご先祖様とのつながりを感じながら、
  「静かに、そして丁寧に過ごす」ことを心がけるのが沖縄ならではの作法です。

沖縄のミーボン(初盆)は喪中に迎えるお祝い事(沖縄でお盆はご先祖様が帰省するため、おもてなし・お祝いとしての供養行事と捉えます。)として、弔事として心静かに過ごすことが基本です。

忌中(きちゅう)とは、故人の魂がまだこの世にとどまっているとされる期間。
この間に初盆を行うことは、全国的にも沖縄でも基本的には避けられています

ただし、宗派や地域によっては対応が異なり、浄土真宗など一部では忌中に関係なく初盆を行うこともあります(この点については後述します)。

「忌中」とは、故人が亡くなった日から四十九日までの期間を指します。
この間は、喪に服し、神事や祝い事を慎む期間とされています。

仏教では、亡くなった方の魂が四十九日間かけて旅をし、裁きを受けて成仏すると考えられています。

そのため、忌中に供養や儀式を盛大に行うことは控え、四十九日(忌明け)を経てから初盆を迎えるのが一般的です。

忌中が「宗教的・儀式的な期間」であるのに対し、喪中は「社会的なマナー」としての意味合いが強いものです。

喪中期間は一般的に一年間とされることが多く、その間は年賀状を控えたり、結婚式などのお祝い事への参加を遠慮したりします。
初盆はこの「喪中期間内」に行われる重要な供養行事のひとつです。

改めてまとめると、初盆は四十九日(忌明け)を過ぎた後に行うことが基本です。
忌中の間に初盆を行うことは全国的にも沖縄でもほとんどありません。

しかし、宗派によっては忌中の考え方が異なる場合もあります。
特に浄土真宗では、「亡くなった直後から成仏している」と捉えるため、忌中という概念が薄く、四十九日を待たずに初盆供養を行うこともあります。

また、地域や家族の事情によって柔軟に対応するケースも増えてきています。

初盆を迎えるためには、四十九日(忌明け)を済ませていることが原則です。
ただし、お盆初日に四十九日法要を行い、同時に初盆供養を行うことも可能です。

ここでは、全国の7月盆・8月盆・沖縄の旧盆における「2025年に初盆を迎える区切り日」を詳しく整理します。

全国的な7月盆は、新暦7月13日(日)~15日(火)に行われます。
この期間に初盆を迎えるためには、四十九日が7月13日(日)までに明けていることが必要です。

つまり、2025年5月25日(日)以前に亡くなった方が、2025年の7月盆で初盆を迎えることができます。

項目日付
初盆の中心日2025年7月13日(日)
四十九日が明けている必要日7月13日(日)まで
区切りとなる亡くなった日2025年5月25日(日)以前

月遅れ盆(一般的なお盆)は、新暦8月13日(水)~15日(金)に行われます。
この期間に初盆を迎えるには、四十九日が8月13日(水)までに明けていることが必要です。

つまり、2025年6月24日(火)以前に亡くなった方が、2025年の8月盆で初盆を迎えることができます。

項目日付
初盆の中心日2025年8月13日(水)
四十九日が明けている必要日8月13日(水)まで
区切りとなる亡くなった日2025年6月26日(木)以前

沖縄の旧盆は、新暦9月4日(木)~6日(土)にあたります。
この期間に初盆を迎えるには、四十九日が9月4日(木)までに明けている必要があります。

つまり、2025年7月17日(木)以前に亡くなった方が、2025年の旧盆で初盆を迎えることができます。

項目日付
初盆の中心日2025年9月5日(金)
四十九日が明けている必要日9月4日(木)まで
区切りとなる亡くなった日2025年7月18日(金)以前

四十九日(忌明け)が、各お盆開始前に済んでいなければ、初盆は「翌年」に持ち越しとなります。

沖縄では旧盆が基本ですが、親族の出身地や地域によっても、7月盆・8月盆・沖縄旧盆と異なかもしれません。状況に応じた対応が求められます。

お盆の種類初盆の中心日四十九日が明ける期限区切りとなる亡くなった日
全国の7月盆7月15日(火)7月13日(日)まで2025年5月26日(月)以前
月遅れ8月盆8月15日(金)8月13日(水)まで2025年6月26日(木)以前
沖縄の旧盆9月5日(金)9月4日(木)まで2025年7月18日(金)以前

迷った場合は、菩提寺・葬儀社・親族に相談すると安心です。

仏壇のお参り:毎日のお供え物は?

その理由は浄土真宗の教え「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」の考え方により、そもそも忌中や冥土の道と言った概念がないためです。
 

<浄土真宗の初盆とは>
●「往生即成仏」とは、人は亡くなってすぐ成仏することを差します。

…浄土真宗の御本尊「阿弥陀如来(あみだにょらい)」の他力本願により、人が亡くなると、どのような人でもすぐに極楽浄土へ連れて行ってくれるためです。

 
「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」とは、よく恐怖のシーンで日本人が口にしますが、これが浄土真宗であり阿弥陀如来の力とされます。

全国には仏教宗派がありますが、浄土真宗においては忌中関係なく、故人が亡くなって最初のお盆が初盆です。

沖縄の人々が「初盆」で理解したいこと

浄土真宗の説明で「仏教宗派とは?」と疑問に思った人もいるかもしれません。
独自の御願文化を持つ沖縄には、そもそも檀家制度がないためです。

近年では宗旨宗派を問わない民間霊園が増えましたが、かつては地域の寺院が管理する寺院墓地に先祖代々のお墓を建て、埋葬してきました。
 

<全国の初盆と檀家制度>
●檀家制度とは
・家で代々信仰する寺院
・先祖代々墓が建つ

全国では檀家制度により、お通夜や葬儀、法要など一切の供養を、お墓が建つ寺院墓地のご住職に相談・依頼する習慣があり、初盆法要も同じです。

昔から個人が所有する墓地にお墓を建てる「個人墓地」の風習がある沖縄とは、この点で大きく違うでしょう。

「初盆法要は菩提寺に依頼する」とは?

昔から個人墓地が一般的だった沖縄ではピンときませんよね。
全国ではお墓を建て管理する寺院と檀家制度を交わし、その寺院を「菩提寺(ぼだいじ)」「檀那寺(だんなでら)」などと呼ぶためです。

<初盆法要は菩提寺に依頼>
●菩提寺(ぼだいじ)、檀那寺(だんなでら)
・お墓が建つ寺院墓地
・代々家が信仰する寺院

●檀家(だんか)
・特定の寺院に入信した家
・檀家は菩提寺にお布施を渡して支援する

 
「お布施」とは仏教の修行として、また寺院への支援としてお金を包み渡す「財施(ざいせ)」です。ただ現代のお布施は一般的に、寺院のご住職の働きに対するお礼でしょう。
 

・墓地の年間管理料として
・法要の読経供養のお礼として

 
ただし近年では宗旨宗派を問わない民間霊園が増えました。
そこで寺院墓地からお墓を引っ越す「改葬(かいそう)」を済ませて、離檀する家も増えています。

「離檀(りだん)」とは、寺院の檀家から離れることです。
離檀により無宗教になる家も増え、本州の習慣も変わりつつあります。
 

[檀家制度とは]
「檀家制度」とは、「戒名」は必ず必要?菩提寺(檀那寺)との関係性

他県の親族が初盆を迎える場合

他県で親族が初盆を迎える場合、多くは初盆法要を執り行うため、近しい関係性の親族であれば、ご案内が届くかもしれません。
ただ家族のみで初盆法要を行うなど、ご案内がないケースもあるでしょう。
 

<他県の親族が初盆を迎える場合>
・初盆法要に参列する
・初盆のご香典を送る
・初盆の供物を送る

初盆法要の案内がない場合、家族や親族と相談をしながら、先方が手間取らない程度に心遣いを伝えます。ご香典や供花、供物などを送ると良いでしょう。

初盆は、故人が亡くなって初めて迎える特別なお盆。
法要の案内が届いたら、できる限り参列し、故人やご遺族への敬意を表したいところです。

この時、初盆が「喪中(もちゅう)」か「喪明け(もあけ)」かによって、服装マナーが異なるため、事前に確認しておくと安心です。
喪中・喪明けで適した服装を選び、失礼のないよう心がけましょう。

故人が亡くなってから1年以内、つまりまだ喪中期間中の初盆法要では、
「略式喪服(りゃくしきもふく)」で参列するのが一般的です。

性別推奨される服装
男性ブラックスーツ(ネクタイ・靴・靴下も黒で統一)
女性ブラックフォーマル(光沢を避けた地味な黒のスーツやワンピース)

香典を持参する場合も、香典袋は黒白の結び切りを選びます。

故人が亡くなってから1年を超えて迎える初盆では、
喪明け(もあけ)とみなされ、ややカジュアルな服装でも失礼にあたりません。

ただし、平服(ひらふく)と言っても、弔事にふさわしい控えめな装いを選びます。

性別推奨される服装
男性ダーク系(黒・濃紺・チャコールグレーなど)のビジネススーツ
女性地味な色(黒・紺・グレーなど)のシンプルなワンピースやスーツ

「平服」とは、格式張った礼服ではない通常の服装を指しますが、
弔事の場合は以下のポイントに注意しましょう。

  • 色は黒・紺・グレーなどのダークトーン
  • 光沢のある素材や大柄な模様は避ける
  • アクセサリーはパール一連など控えめなもの
  • 男性のネクタイや靴下も、できれば黒や濃い色で揃える

特に女性は、透け感のある服や華美なデザインは控え、
「落ち着いた印象」を大切にすると安心です。
 

故人の兄弟姉妹など、近しい関係性になると約1万円~3万円ほどを包むこともあります。

本来ご香典は相互扶助の役割があるので、状況や関係性により、気持ちをプラスすることもあるでしょう。
 

<初盆法要のご香典相場>
・遠い親族…約5千円~1万円
・近い親族…約1万円~3万円
・家族…約3万円~10万円

施主でなければ基本的に約5千円~1万円ほどを包むと良いです。
ただ全国的な法要では、会食の席を設けている施主が多いため、会食代をプラスします。
 

・会食の席がある場合…約3千円~5千円プラス

また基本的に初盆法要に準備するご香典は、弔事用に包みます。
金額も数字で割り切れる偶数は「縁が切れる」と忌まれますので、5千円・1万5千円・3万円と、奇数の数字で金額を整えるのがマナーです。

初盆法要にご香典を送る

基本的なことですが、ご香典は現金ですので現金書留で送ります
現金書留封筒だからと現金をそのまま入れる人がいますが、現金書留で郵送する時にも、不祝儀袋で整えて送ってください。
 

<初盆法要のご香典を郵送する>
●大きな現金書留封筒であれば、不祝儀袋ごと入ります。

 
ご香典を現金書留で送る方法は、昔から用いられてきましたが、まだまだ驚く家も多いようです。

そこで施主に気を使わせないよう、現金ではなくお供物の品を郵送する人も多いでしょう。
 

[ご香典の郵送]
・【葬儀・法要マナー】沖縄からご香典の郵送はできる?ご香典の送り方・郵送のマナーとは

初盆法要に供物を送る

沖縄の旧盆で持参するお中元は、慶事用として包装しますが、初盆法要で送る品は弔事用の供物になるので注意をしてください。

初盆法要に送る供物は、故人のご家族に寄り添う気持ちの他、故人を弔い偲ぶ目的があります。そのため沖縄の旧盆で持参するお中元のように、お菓子や日用品ではなく、故人へ供えて欲しい品を選んでも良いでしょう。
 

<初盆法要に供物を送る>
[表書き]供物、ご香典、ご仏前
[選ぶ品]
・お線香
・供え花
・果物
・菓子折り(落雁など)
…など。

「御香典」や「御供物」などで良いですが、初盆では忌中(四十九日)を過ぎているので「御霊前」は用いません。「御霊前」は四十九日を過ぎていない、まだ成仏していない霊に対して供えるものです。
 

例えば、仏教のタブーにより殺生を連想させる肉や魚はタブーです。
果物は他県でも供えますが、お盆は3日間に渡ることに配慮し、腐りやすい果物は避け、香りにも配慮してください。
 

<初盆の供物のタブー>
●供物
・香辛料やネギ類…臭いがキツイ
・肉や魚…殺生を連想
・その他、生もの…腐りやすい

●供花
・トゲのある花
・ツタのある花
・毒のある花
・臭いのキツイ花
・縁起の悪い花(椿、黒百合など)

などなどがあります。
故人の嗜好や状況によっては、アルコール類にも配慮が必要になるので、最も安心できる供物として、お線香類は好まれます。

身体のない故人の魂は香りを食べるとも言われるため、良い香りのお線香は、昔から供養事で贈られるご進物です。

神道で初盆は行うの?

初盆は仏教の供養行事ですが、神道でも初盆に変わものが「初盆祭」や「新御霊祭(あらみたままつり)」です。
神道の家にも供物を送ることがありますが、神道の供物は少し違います。
 

<初盆の供物:神道の場合>
●神道の初盆祭に多い供物
・お酒
・果物

●神道の初盆祭にタブーの供物
・お線香

仏式の初盆法要でお線香は最適な供物ですが、神道では用いません。
故人やご家族の宗教に適切な供物を選びます。

また神道では仏教と違い、魚や海産物などもご馳走として供えるでしょう。
ただ郵送する場合には、日持ちがして扱いやすいものを選ぶと安心です。

全国的には初盆法要を執り行います

昔ながらの沖縄の風習では、初盆は家族のみで静かに過ごしますが、全国的には親族をご案内し、初盆法要を執り行います。

そのため配偶者の実家など、他県で初盆を迎える親族がいたら、初盆法要に参列するか、参列できなければ供物やご香典を送ると良いでしょう。
 

・一方キリスト教では初盆はありません。贈るとすれば献花です。

近年では都心部を中心に、沖縄の初盆でも法要を行うようになっています。
確認をして家族の意向に倣い、故人を供養してください。

[沖縄で初盆法要を執り行うには?]
・【沖縄の初盆法要】進め方と流れを解説|準備から当日の作法まで

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