今、沖縄では孤独死対策を進める50代60代が多いですよね。
高齢単身世帯が全国的にも沖縄でも増加傾向にあるなか、孤独死対策は本人はもちろん、周囲の家族が心配して行うケースが増えています。
家族が行う沖縄の孤独死対策の多くは、定期的に実家を訪問するなどがありますが、現代社会は忙しく、定期的な訪問が負担になることもあるでしょう。
そのためか近年の沖縄では自分で孤独死対策を検討する人々も少なくありません。
今回は、全国や沖縄の孤独死に関する現状と、ムリなく自分でできる沖縄で需要が高い8つの孤独死対策をお伝えします。
孤独死とは
孤独死に明確な定義はありませんが、内閣府が発表している「高齢社会白書」によると、誰にも看取られることなく最期を迎え、その後一定日数を放置されるケースを差します。
内閣府ではこの一定日数を「相当期間」と表記していますが、実際には3日以内の発見でも、沖縄・全国共に孤独死と判断されるでしょう。
<孤独死から発見までの日数と男女比>
(1)早期発見となる3日以内
・女性…47.9%
・男性…40.2%
(2)3日~14日まで
・女性…26%
・男性…28.8%
ここで男性より女性の方が早く発見されやすい点は、沖縄で孤独死を避ける対策として、注目したいひとつのポイントです。
孤独死になるとどうなるか
沖縄ではしばしば「孤独死になっても困ることはない」と言う人もいますが、やはり自分亡き後も丁寧に葬送され、そして周囲に迷惑が掛かることなく、供養されたい想いを持つ人は多いでしょう。
<沖縄で孤独死を迎えた場合の流れ>
(1)発見後、警察へ連絡
(2)遺族への連絡
(3)警察による検視、解剖
(4)遺族による遺体の引き取り
(5)葬儀
沖縄で孤独死を迎えると警察に通報され、検視を待つことになります。
検視の間は葬儀ができないなど、できれば避けたい事柄です。
孤独死によって何が困るのか
また沖縄で孤独死対策を進める場合「周囲の人々に迷惑を掛けたくない」と考える人が多いでしょう。
沖縄で孤独死を迎えた時、遺族や周囲の人々にとっては下記のような困り事が出てきます。
<孤独死によって何が困るのか>
・遺族の経済的、精神的な負担(現状回復費用など)
・不動産価値が下落する
・遺族、もしくは行政による遺体の処理
…などなどがあるでしょう。
遺族が支払う具体的な経済的負担で見ると、原状回復費用、残置物処理費用・家賃保障費用などがあり、保険適用もありますが、約80万円相当額が考えられます。
残された者の負担ではありますが、当人にとっても立つ鳥跡を濁さずではないですが、あまり良い結果ではないでしょう。
若い世代にも広がる、九州沖縄の孤独死
少し古いデータになりますが、2015年4月~2019年4月までの調査統計において、九州沖縄における孤独死の平均年齢が55.8歳、全国の平均年齢は男性60.8歳/女性60.7歳であることから、沖縄の孤独死は他県よりも若い傾向にあることが分かります。
<九州沖縄の孤独死は若い傾向>
●九州沖縄での孤独死の平均年齢…55.8歳
・孤独死に最も多い年代…60代
・1月/7月/8月に多い
厚生労働省の統計では、孤独死の死因として自死者が多い(全死因に対する自死割合=1.5%、孤独死における自死割合=11%)とされますが、今回は沖縄県内の孤独死を避ける対策をお伝えしますので、こちらは割愛します。
※2019年5月一般社団法人日本小学短期保険協会孤独死対策委員会「第4回孤独死現状レポート」より
沖縄県内での孤独死調査データ
2016年1月~2018年11月までの調査統計では、沖縄で孤独死時の平均年齢が59歳、同じく60代が144人と最も多い年代を示しています。
・60代…144人
・70代…109人
・80代…47人
沖縄県内で行われたこの調査では調査期間の3年間で431人以上、沖縄県内で孤独死者が発見され、そのうち8割が男性でした。
この調査では、沖縄県内の孤独死者の特徴として、下記の事柄が分かっています。
<沖縄県内での孤独死の特徴>
(1)飲酒による孤独死が多い
・病死(肝硬変など)
・事故死(転落死など)
(2)早期発見(1週間以内)が多い
・腐食が早いため発見が早まる傾向
沖縄県内では司法解剖の結果、肝硬変が多く飲酒が原因の病死が予想されました。
この調査では司法解剖の依頼を受けた結果から統計が出されているため、具体的な数字はさらに大きいでしょう。
※2016年1月~2018年11月、琉球大学大学院医学研究科法医学講座より
沖縄で孤独死を避ける8つの対策
前置きが長くなりましたが、このようなことから沖縄でも自分で孤独死対策を進めるシニア世代は増えました。
沖縄で孤独死対策を進める人々は一般的に女性が多いですが、前述の統計によると、女性よりも男性の方が孤独死による発見が遅れる傾向です。
その理由のひとつには、女性の方が男性よりも地域交流が盛んなことがあるでしょう。
このようなことから、沖縄で孤独死を避ける大きなポイントは、日々誰かと関わることです。
<沖縄で孤独死を避ける8つの対策>
(1)地域活動に参加する
(2)仕事をする
(3)見守りサービスの利用
(4)通所サービスの利用
(5)見守り家電を入れる
(6)サービス付き高齢者向け住宅に住む
(7)定期的な散歩と挨拶
(8)新聞を取る
まだ元気なうちは地域活動や仕事など、定期的に通う場所を作ると良いでしょう。
要支援や要介護状態になったら、通所サービス(ディケアなど)を利用するのも一案です。
特に男性は妻が亡くなりおひとりさまになると、家に引きこもりがちになります。
週に1回・2回でも良いので定期的な交流が役立ちます。
外へ出ることも難しい場合には、今の時代ですからSNSも有効です。
(1)地域活動に参加する
沖縄では孤独死対策としてだけではなく、充実したシニアライフとしてもおすすめの方法が、地域活動やボランティア活動への参加です。
沖縄では自治体も活発なので、自治体の他、民生委員として活動する方法もあります。
<沖縄の孤独死対策(1)地域活動に参加>
・各自治体にシニアボランティア制度について問い合わせる
・(沖縄南部)平和ガイドボランティア(不定期に募集)
…などなどの方法があります。
自治体によるシニアボランティア制度はポイント制によるものが多く、元気な時のボランティアによってポイントを貯めて、要介護状態になった時に役立てるシステムが多いです。
一例としては、今帰仁村のシニアボランティアポイント制度などがあります。
※今帰仁村シニアボランティアポイント制度
(2)仕事をする
前述の「第4回孤独死現状レポート」では、孤独死による第一発見者において、職業上の関係者が53%と半数以上を占めていました。
親族による発見が19.8%、友人では12.6%ですから、職業上の関係を保つことが、いかに沖縄でも孤独死を避ける対策になるかが分かるでしょう。
<沖縄の孤独死対策(2)仕事をする>
●高齢者無料職業紹介事業
…沖縄県社会福祉協議会、沖縄県福祉人材研修センターでは、60歳以上の高齢者世代へ向けた職業紹介事業を行っています。
前述のシニアボランティアにも共通する部分がありますが、目的を持って集まる現場では出勤時間などの約束事があるため、周囲の人々が「おかしいな」と気付きやすいです。
(3)見守りサービスの利用
見守りサービスは自治体でも民間企業でも多く行われるようになりました。
ヤクルトや新聞配達など、定期的な配達の度に声掛けをする、なかの様子を確認するなどの見守りが人気です。
なかでも近年の沖縄で人気がある見守りサービスが、健康的なお弁当の宅配と兼ねた民間企業の見守りサービスです。
<沖縄の孤独死対策(3)見守りサービスの利用>
(1)沖縄タイムス販売店会県連合会…高齢者見守りサービス(098-860-3566)
(2)コープおきなわ…お弁当宅配サービス(0800-200-8300)
(3)ヤクルト…地域見守りネットワーク(0120-8960-95)
この他、各自治体でも定期的な見回りによる見守りサービスを行っていたり、警備会社などの見回りサービスも見受けられるようになりました。
特に高齢者へ向けたお弁当の宅配サービスは健康管理も兼ねていて一石二鳥です。
(4)通所サービスの利用
沖縄での孤独死対策であれば、自治体も活発なので元気なうちは地域活動やボランティアに精を出したり、多くのシニアが仕事をしています。
けれども要支援や要介護などで、仕事やボランティアが難しくなった時には、介護サービスを利用することで、定期的な交流が期待できておすすめです。
<沖縄で孤独死対策(4)通所サービスの利用>
●要支援や要介護認定を受けたら、地域包括支援センターでケアマネージャーにケアプランを立ててもらいましょう。
介護保険のサービス内であれば、ケアプランから無料で受けることができ、定期的に活動する場を見つけることができます。
「こんなお遊戯みたいなことはできないよ!」との声もありますが、今ではさまざまなプログラムが用意されているので、いくつかの施設を見学することで自分にあったケアプランに出会うかもしれません。
(5)見守り家電を入れる
沖縄では孤独死対策と言っても、毎日の充実したシニアライフが大切ですから、もっと自由に過ごしたい人も多いです。
<沖縄の孤独死対策(5)見守り家電を入れる>
・パナソニック 屋内カメラキット…25,400円
・みてるちゃん…4,990円(Yahoo!)
時には人との交流を控えて、ひとりの時間に没頭したい時期もありますよね。
このような場合は、見守り家電に頼りましょう。
(6)サービス付き高齢者向け住宅に住む
最近の沖縄では孤独死対策としてサービス付き高齢者向け住宅に住む人も増えています。
<沖縄の孤独死対策(6)サービス付き高齢者向け住宅>
・有料老人ホーム愛 平和…入居時0円、7.0万円/月(098-942-4305)
・イリーゼ今帰仁…入居時0円、9.7万円~11.7万円/月(0120-12-2943)
マイホームだった戸建ての家は、子ども達が成人して独立してからは広すぎると感じる人も少なくありません。
(7)定期的な散歩と挨拶
定期的な散歩によって、同じ時間帯に散歩をしている近所の人々と顔を合わせるだけでも、周囲から異変を感じてもらいやすいです。
できれば挨拶を交わすことで印象も深く、さらに親しみやすくなるため、「あれ?」と思った時にアクションを起こしやすいでしょう。
<沖縄の孤独死対策(7)定期的な散歩と挨拶>
●そのため最近では、沖縄のおひとりさま世帯の孤独死対策として、ペットを飼うケースが増えています。
ペットを介した近所の人々との交流があること、定期的な散歩が習慣づく他、おひとりさま世帯の寂しさを和らげる、精神的な効果もあるため、老人うつや痴呆症の予防と言う観点からもおすすめです。
(8)新聞を取る
ネット社会が広がる現代では新聞を取らない世帯も増えましたが、沖縄のおひとりさま世帯では孤独死対策として新聞を取るケースが増えています。
<沖縄の孤独死対策(8)新聞を取る>
●新聞を取ることで毎日新聞が配達され、それを郵便受けから取って読むサイクルができるため、新聞が郵便受けにたまることで、周囲から異変を感じてもらいやすいためです。
また前述したように、沖縄の新聞社では配達とともに見守りサービスも行っているため、発見される確率が高くなるでしょう。
最後に
以上が沖縄の孤独死における現状と、8つの対策です。
最初にお伝えしたように、沖縄の孤独死は50代60代の若い世代にも多い点が特徴的で、特に男性の飲酒による孤独死ケースが目立ちます。
そのため自宅でひとりで飲酒をする時には、お風呂に入らない、お酒の量を控えるなど、日々の心遣いも必要です。
さらに健康面まで気遣い、お酒を飲まない休肝日を設けるなど、自分を労わる習慣をぜひ付けてください。
その他、転倒により動けないまま、周囲と連絡が取れないケースなども少なくありません。
高齢の両親がひとり暮らしをしている家族などは、本文中の見守りカメラや人感センサーなどの利用の他、定期的な電話も心掛けてみてはいかがでしょうか。
※沖縄のシニアライフに関しては、下記にも詳しいです。
・【沖縄で老後資金計画】定年後も仕事をしたい!経験を生かす12の職業/strong>
・【沖縄のおひとりさま老後】定年後の過ごし方☆イキイキおすすめ6つの生き方
まとめ
沖縄で孤独死を避ける8つの対策
(1)地域活動に参加する
(2)仕事をする
(3)見守りサービスの利用
(4)通所サービスの利用
(5)見守り家電を入れる
(6)サービス付き高齢者向け住宅に住む
(7)定期的な散歩と挨拶
(8)新聞を取る