沖縄旧正月の干支拝み「マドゥトゥシビー」とは?2024年はいつ・どのように行うの?

2023.12.19
沖縄旧正月の干支拝み「マドゥトゥシビー」とは?2024年はいつ・どのように行うの?

沖縄では旧正月の翌日から12日間、家族それぞれの干支拝み「マドゥトゥシビー」が行われます。旧暦2日~13日まで、2024年は新暦2月11日(日)~2月22日(木)です。本記事では「マドゥトゥシビー」のお供えものや拝み方、注意点が分かります。

・沖縄の旧正月に行う「マドゥトゥシビー」とは?
・2024年のマドゥトゥシビーはいつ行うの?
・マドゥトゥシビーのお供えものや拝み方は?

沖縄では旧正月の旧暦1月2日~13日までの12日間、「マドゥトゥシビー」と呼ばれる家族それぞれの干支拝みが行われます。
2024年の旧暦1月2日~13日は、2024年2月11日(日)~2月22日(木)です。

本記事を読むことで、沖縄の旧正月に行う家族それぞれの干支拝み「マドゥトゥシビー」のお供えものや拝み方、注意点が分かります。

 

沖縄旧正月の「マドゥトゥシビー」とは?

沖縄旧正月の「マドゥトゥシビー」とは?
◇「マドゥトゥシビー」とは、沖縄で旧正月明け最初の干支日のウグァン(御願)です

沖縄の旧正月、旧暦1月2日~13日に掛けて12日間で行われる干支拝み「マドゥトゥシビー(隙間年日)」を行います。

旧正月明け最初に訪れる家族の干支日に、一年の守護を祈願する「ウグァン(御願)」行事です。

暦にはそれぞれ干支が付いていますが、毎年干支日が変わります
下記は2024年、沖縄の旧正月明けの旧暦1月2日から、12日間の干支日です。

 

<沖縄のマドゥトゥシビー:2024年の干支日>
[旧暦] [新暦] [干支]
●旧暦1月2日 ・2024年2月11日(日) 乙巳(巳年)
●旧暦1月3日 ・2024年2月12日(月) 丙午(午年)
●旧暦1月4日 ・2024年2月13日(火) ・戊申(申年)
※下天の拝み(ヒヌカン)
●旧暦1月5日 ・2024年2月14日(水) 戊申(申年)
●旧暦1月6日 ・2024年2月15日(木) 己酉(酉年)
●旧暦1月7日 ・2024年2月16日(金) ・庚戌(戌年)
※ナンカヌシク(七日節句)
●旧暦1月8日 ・2024年2月17日(土) ・辛亥(亥年)
●旧暦1月9日 ・2024年2月18日(日) ・壬子(子年)
●旧暦1月10日 ・2024年2月19日(月) ・癸丑(丑年)
●旧暦1月11日 ・2024年2月20日(火) ・甲寅(寅年)
●旧暦1月12日 ・2024年2月21日(水) ・乙卯(卯年)
●旧暦1月13日 ・2024年2月22日(木) [ウフトゥシビー(大年日)]
・丙辰(辰年)
※ジューサンヤ(十三夜)

 
旧暦1月13日、2024年2月22日(木)は年神様である辰年の干支日です。
沖縄では年男・年女は厄年にあたりますので、この日は厄年の祓いウグァン(御願)である「ウフトゥシビー(大年日)」のウグァン(御願)を行います。

 

 

マドゥトゥシビーの決まりごと

◇沖縄でマドゥトゥシビーは、干支日の本人以外がウグァン(御願)を行います

例えば卯年の子どもがいて、今日の日は卯年のマドゥトゥシビーであれば、干支日の本人にあたる子どもは、自分でウグァン(御願)を行いません

母親や同居家族など、他の家族が代わってマドゥトゥシビーのウグァン(御願)を行います。

 

マドゥトゥシビーの「お断り」とは

◇マドゥトゥシビーでは「ウクトゥワリ(お断り)」ができます

このように沖縄の旧正月に行うマドゥトゥシビーでは、干支日以外の家族がウグァン(御願)を行う習わしですが、現実的にはひとり暮らしの方も多いですよね。
このような場合は、「ウクトゥワリ(お断り)」をしてから本人が拝みます。

 

<マドゥトゥシビーのウクトゥワリ(お断り)>
●最初に理由を告げ、お断りをします。
・干支日本人がウグァン(御願)をする
・干支日に拝み忘れてしまった
・仏滅などで次の干支日に回した

 
この他にも、沖縄の旧正月明け最初の干支日に「拝み忘れてしまった!」と言う事態もあるでしょう。
また「仏滅に当たる」として、次回の干支日に延長する家庭も見受けます。

大切なことは、今年まで無事に生きていること・暮らしていることへの感謝です。
今年も一年無事に健康、安全に過ごせますように」と平穏を祈願します。

 

沖縄旧正月のマドゥトゥシビー:ヒヌカン(火の神)

沖縄旧正月のマドゥトゥシビー:ヒヌカン(火の神)
◇ヒヌカン(火の神)へ拝む良い時間は、午前中です

沖縄で旧正月明け12日間で行うマドゥトゥシビー(隙間年日)では、ヒヌカン(火の神)とお仏壇(祖霊神)へ向かい拝みます。

人数が多いほど毎日のことなので、午前中の朝一番で行われることが多いです。
干支日にあたる人以外の家族であれば、誰でもウグァン(御願)ができますが、昔から沖縄では、主に母親が拝む家庭が多いです。

 

ヒヌカン(火の神)へのお供えもの

沖縄旧正月のマドゥトゥシビー(隙間年日)に、ヒヌカン(火の神)へ供えるお供えものは、「赤ウブク(赤ご飯)」と呼ばれる赤飯を3膳です。

赤ウブクは赤飯の他、沖縄で販売されている古代米や、赤い着色料を白ご飯に混ぜて赤くするものもあります。

 

<ヒヌカン(火の神)へのお供え物>
[日ごろのお供えもの] 神木(供え葉)
(チャーギやクロトンなど)
・ウサク(お酒)
・ミジティ(お水)
・マース(盛り塩)
[マドゥトゥシビー] 赤ウブク(赤飯)…3膳
[お線香] ●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
日本線香15本、もしくは略式で5本
・ヒラウコー(平御香)…タヒラ半(2枚半)

 
ヒヌカン(火の神)祭壇は、台所に祀るコンパクトなものが多いです。
そのため、ご飯茶碗ではさすがに大きいでしょう。

お酒をいただく「おちょこ」を利用したり、仏具の仏飯器を日ごろから3膳用意しても役立ちます。

沖縄では旧正月のマドゥトゥシビーに限らず、ヒヌカン(火の神)にも「ウブク(ご飯)3膳」がお供え物に多いためです。

 

沖縄旧正月のマドゥトゥシビー:お仏壇

沖縄旧正月のマドゥトゥシビー:お仏壇
◇沖縄のお仏壇は左右対称に供えますが、近年のコンパクト仏壇では1つずつでも構いません

昔から沖縄では旧正月に限らず、お供えものは祖霊神であるトートーメー(先祖代々位牌)と、二段目のウサク(お酒)、三段目のウコール(香炉)を中心として、左右対称に、お供えものの「ウサギムン」を配置します。

けれども近年は、現代の住まいの間取りや暮らしに合わせて、コンパクトでシンプル仏壇も増えました。

 

●そのため左右対称に配置するには、お仏壇が小さい家庭も多いです。

 
コンパクトな棚上仏壇、手元供養で扱うようなミニ仏壇でお祀りしている家庭では、ひと通り、1つずつのウサギムン(お供えもの)が揃っていれば、問題はありません。

 

 

お仏壇(祖霊神)へのお供えもの

◇赤ウブク2杯、ご馳走のウチャワキ(お茶脇)を供えます

沖縄旧正月のマドゥトゥシビーでは、赤飯などの赤ウブクの他、ウチャワキ(お茶脇)を供えてください。

ウチャワキ(お茶脇)」とは、ご馳走ですがささやかなご馳走です。
豚の三枚肉の煮付けやゴボウの煮物など、美味しいご馳走を作って、お皿に盛りつけます。

 

<お仏壇へのお供えもの>
[日ごろのお供えもの]
①供え花 2立て
・一段目、位牌の左右
②ウサク(お酒) 1杯
・二段目、中央
③ウチャトゥ(お茶) 2杯
・二段目、お酒の左右
[マドゥトゥシビー]
④赤ウブク(赤飯) 2膳
・二段目、お茶の左右
⑤ウチャワキ(お茶脇) 1皿
・盆に乗せる
・お箸を添える
[お線香] ●ジュウニフンウコー
(十二本御香)
日本線香…15本、もしくは5本
ヒラウコー(平御香)…タヒラ(2枚)

 
昔の沖縄では旧正月の御馳走は、豚肉料理でした。
最近は家族がいただくご馳走のご飯をお仏壇に供える家庭が多いです。

特に沖縄旧正月のマドゥトゥシビーは、大きな御願行事ではありません。
ささやかなご馳走のおかずを添えて良いでしょう。

 

沖縄旧正月のマドゥトゥシビー、拝み方

沖縄旧正月のマドゥトゥシビー、拝み方
◇干支日の家族が、新しい年も健康に力強く進むよう、御守護を祈願します

沖縄旧正月に行うマドゥトゥシビーの拝みは、干支日を迎えた家族それぞれが、新しい年を12か月12時間、健康に元気に、力強く歩めるように、神々様へ御守護を祈るウグァン(御願)です。

下記は拝み方の一例ですので、干支などはご自身の家族に当てはめてください。

 

<沖縄旧正月マドゥトゥシビーの拝み方>
「ウートゥートゥー ウヤフジガナシー(あな尊き ご先祖様)、

本日は亥年生まれの男と、その結び(配偶者)、卯年生まれの女から産まれました、子年の男の子(女の子)の年日となりました。

ウサク(お酒)と赤ウブクとともに、厄祓い、健康願いをしておりますので、どうぞ受け取っていただきますように。

いつも子年産まれの男の子(女の子)の御守護をいただきまして、マクトゥニ(誠に)ありがとうございます。
お陰様で心も体も元気に健康に過ごしております。

どうぞ今年も一年、無事に御守護いただき、身体も強く心も健康に過ごせますよう、学道も強く進めますよう、お見守りいただきますように。

ウートゥートゥー(あな尊い)。」

 
大まかにですが、このような内容をお伝えすると良いでしょう。
昔ながらの沖縄言葉で祈願する「グイス(祝詞)」もありますが、家庭で行う沖縄旧正月のマドゥトゥシビーであれば、日ごろの言葉でも構いません。

そして神様に話しかけるように、その家族に対する心配事(病気やケガ、健康など)をお伝えし、無事に守っていただけますよう、お願いします。

 

まとめ:沖縄旧正月のマドゥトゥシビーは干支拝みです

まとめ:沖縄旧正月のマドゥトゥシビーは干支拝みです
沖縄の旧正月に、家族の一年の御守護を祈願するマドゥトゥシビーのウグァン(御願)を行いたいけれど、ヒヌカン(火の神)やお仏壇がない家庭もありますよね。

この場合も、家庭内には多くの神々様が家と家族を守護していますので、コチラにウトゥーシドゥクル(お通し処)になってもらいましょう。

 

・トゥパシラヌカミ(戸柱の神)…玄関
・フールヌカミ(トイレの神)…トイレ

 
フールヌカミ(トイレの神)は、魔を祓う驚異的な力があります。
他人からの噂や嫉妬、邪気に悩んでいる方は、フールヌカミ(トイレの神)が良いでしょう。

またトゥパシラヌカミ(戸柱の神)は、いわゆる大黒柱、玄関から外に向かって拝みます。

 

まとめ

沖縄旧正月のマドゥトゥシビー
●干支日以外の家族が拝む
・旧正月明け、家族の最初の干支日
・日がずれたらウクトゥワリ(お断り)
・年男、年女はウフトゥシビー

①ヒヌカン
・日ごろのお供え
・赤ウブク(赤飯)3膳
・十五本御香

②お仏壇
・日ごろのお供え
・赤ウブク(赤飯)
・ウチャワキ(おかず皿)
・十二本御香

③拝み方
・干支日の家族
・お供えもの
・御守護への感謝
・今年一年の御守護を願う

 



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