沖縄の七草粥、ナンカヌシク(七日節句)の過ごし方|2025年はいつ?沖縄の七草は?

沖縄の七草粥、ナンカヌシク(七日節句)の過ごし方|2025年はいつ?沖縄の七草は?

2025.01.16

沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」は旧暦1月7日・2025年2月4日(火)です。七草粥と同じですが沖縄の七草を用います。本記事ではナンカヌシク(七日節句)に調理する沖縄の七草、ナージューシー(菜雑炊)レシピや拝み方が分かります。

沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」は、旧暦1月7日に行われる旧暦行事の七草粥です。旧暦なので毎年日にちがずれますが2025年2月4日(火)

沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七草粥)」でも、全国的な七草粥と同じように季節の七草を加えた雑炊をいただきます。ただ沖縄では「沖縄の七草」を使用する点が違うでしょう。

本記事を読むことで、沖縄の旧暦1月7日の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」の過ごし方行事食沖縄の七草・健康祈願の拝み方が分かります。

沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」は、旧暦1月7日に沖縄で行う旧暦行事です。旧暦なので毎年日づけが異なりますが、2025年2月4日(火)に行います。

沖縄の旧正月、最初のウイミ(折目)がナンカヌシク(七日節句)です。ウイミ(折目)とは節目ですね、旧正月のお飾り等を片付けて日常生活へ戻る節目を表します。

全国的な新正月でも正月明け7日までは「松の内」と呼び、正月飾りの門松が飾られる7日間とされますよね。全国では松の内が明ける1月7日に七草粥をいただいた後、正月飾りを片付けると1月11日のどんと焼きで正月飾りの焚き上げをします。

沖縄でナンカヌシク(七日節句)が行われる旧暦1月7日は「人日の節句(じんじつのせっく)」にあたります。3月3日ひな祭り・5月5日子どもの日・7月7日七夕・9月9日菊酒と並ぶ五節句のひとつですね。

五節句は奇数が重なる日です。古代中国の影響で日本では奇数を縁起の良い数字とし、そんな奇数が並ぶ日を「縁起日」として重んじました。

ナンカヌシク(七日節句)のみ1月7日とするのは、元旦1月1日の代わりです。元旦は一年の幕開けですから、正月祝いの期間が終わる1月7日を代わりとしました。

人日の節句」とあるように、ナンカヌシク(七日節句)は人の心身を労わる日として、人の体に優しく健康的なナージューシー(菜雑炊)をいただき健康を祈願します。

沖縄の七草粥ナンカヌシク(七日節句)も、正月祝いの期間とされる7日間「松の内」が明ける日です。

沖縄では松の内明けの旧暦1月8日になると、正月飾りを片付けて日常生活へ戻ります。その最後の行事が旧正月のご馳走で疲れた胃腸を労わる沖縄の七草粥、ナンカヌシク(七日節句)です。

沖縄の七草粥ナンカヌシク(七日節句)の行事食は「ナージューシー(菜雑炊)」、全国的な七草粥とは違います。

けれども沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」に、沖縄独自の「春の七草」をふんだんに入れて新春を愛でながら胃腸を労わる日です。

全国的な七草粥とは?

新正月明けの1月7日にいただく七草粥は「春の七草」ですよね。全国的な新正月明けの1月7日「人日の節句」では、春の七草を七草粥に入れていただきます。

二十四節気では新暦2月3日が立春ですので、訪れ来る春に向けて季節の七草をいただいて春の訪れを祝う七草粥です。

ここでは沖縄の「春の七草」をご紹介する前に、少し全国的に知られる七草「春の七草」そして「秋の七草」をご紹介しましょう。

春の七草は新春の訪れを知らせる七草が選ばれます。ただし現代日常的に料理に使う食材はスズナ(カブ)・スズシロ(大根)くらいかもしれませんね。セリ(芹)を食べる地域もあるでしょう。

<春の七草>
セリ(芹)
ナズナ(薺)…ペンペン草
ゴギョウ(御形)…母子草
ハコベラ(繁縷)
仏の座(田平子)
スズナ(菘)…蕪(カブ)
スズシロ(蘿蔔)…大根

今となっては日常的にあまり頻繁に食卓にあがらない食材ばかりですが、毎年春の七草の時期にスーパーに行くと、手に入りやすいよう七草のパック販売も見かけるでしょう。

それぞれにビタミンが豊富利尿作用が高い、消化に良いなどご馳走三昧だった人々の体に効果のある野菜が並びます。

秋の七草

春の七草の対として「秋の七草」もありますよね。ただ「秋の七草」は食べ物としていただく季節の野菜ではありません。

秋の七草は鑑賞を楽しむ秋を感じさせる草花で、小倉百人一首で詠まれました。参考までに秋の七草をご紹介します、春との違いが分かるのではないでしょうか。

<秋の七草>
・萩(はぎ)
・ススキ
・桔梗(ききょう)
・撫子(なでしこ)
・葛(くず)
・藤袴(ふじばかま)
・女郎花(おみなえし)

以上の七草が、鑑賞用として尊ばれた「秋の七草」です。春の七草とは違い秋の七草は観賞用なので、昔からあまり庶民に根付いていません。ただ秋を感じさせる情緒あふれる草花となります。

沖縄の七草粥:ナンカヌシク(七日節句)の七草は?

沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」でいただく七草は沖縄ならではの草花です。ただナンカヌシク(七日節句)において「沖縄の七草」を明瞭に定めている訳ではありません。

それでも、より沖縄の人々に馴染み深い、七つの野菜でいただくことが多いでしょう。また蕪(カブ)・スズシロ(大根)など、全国的な春の七草も入ることもあります。

ここでは沖縄の七草粥「ナージューシー(菜雑炊)」で用いられる七草をご紹介していきましょう。

全国的な「よもぎ」とは違い、苦味に特徴がある沖縄のよもぎです。フーチバーを入れた雑炊「フーチバージューシー」は有名ですよね。香りに特徴があるので、臭み消しとして重宝されています。

フーチバーは沖縄で薬草としても親しまれ、消臭効果殺菌作用の他、悪玉コレステロールの除去にも役立つとされてきました。血行を良くして体を温め自律神経を調整する薬草としても用いられています。

沖縄言葉で「イチョーバー」はういきょう、ハーブの「フェンネル」を差します。フェンネルはお酒に浸けたり、魚料理の臭み消しとして利用されてきました。

●沖縄の薬草としては、胃腸薬の役割です。

イチョーバーは食べ過ぎや飲み過ぎによる、胃のもたれに効くとされ、消化を助けてお腹が張っている時など、胃腸に溜まったガスを抜き、利尿作用もあります。

裏側が紫色でヌメリが強い野菜として知られ、沖縄では和え物、雑炊や吸い物などでよくいただきます。

●沖縄の薬草では「血の野菜」と言われ、疲労時に煎じていただきます。

葉の裏の紫色の色素から「血の野菜」と言われますが、この色素こそがポリフェノール、若返りの成分とされます。

老化に導く活性酸素を除去する抗酸化作用により、血圧を下げる、血糖値を抑える効果があると言われてきました。

◇沖縄の七草はンジャナバー(苦菜)です。

沖縄で飲む青汁と言えば、このニガナではないでしょうか。沖縄では「ンジャナ」や「イムンギャナー」とも言われます。沖縄ではンジャナバー(苦菜)の葉や茎をすりつぶして、健康や長寿のために飲みました。

●沖縄の薬草では抗ウィルス作用があり、風邪や解熱として用います。

胃腸系の病気にも効果があるとされ、動脈硬化にも働きがあるとして、全国的な青汁のようにいただきます。

アクが強く苦いため、和えていただく時にはしばらく水に浸けて調理しましょう。

◇沖縄の七草は別名「長命草」とも呼ばれるサクナです。

沖縄の特に離島地域では「長寿草」「長命草」として、根を煎じた健康茶健康酒として親しまれてきました。またサクナは夜間頻尿残尿感にも効果があるとされます。

●沖縄の薬草としては神経痛・リウマチ・高血圧・肝臓病など、万病薬として用いられてきました

またヤギ汁などの臭み消しとしても有名です。煎じたサクナ(長命草)は、風邪薬咳止めにも用いられています。

◇沖縄の七草はカンダバー(やさいかずら)です。

沖縄でカンダバー(やさいかずら)は、クセがなく食べやすいツル状の野菜なので、あらゆる調理法ができます。
若葉は汁物の具に適していますし、煮物やさっと茹でて和え物にもなるでしょう。

●沖縄の薬草としては食物繊維が多く整腸作用に優れ、抗酸化作用も期待できます。

カンダバーを加えた沖縄風炊き込みご飯「カンダバージューシー」もあるように、ジューシーでいただく家庭が多いのです。丈夫なので家庭菜園にも向いているでしょう。

ノビルは強く成長する植物で、ニラやネギのような強い香りがあります。沖縄では酢の物煮びたしなどで、戦後の大変な時期にも食べてきました。

●沖縄では整腸作用や気管支炎、扁桃腺に効果がある他、五十肩や肩こり、切り傷にも用い着てきたオールマイティーな薬草です。

昔の沖縄ではともかく収穫しやすい薬草がノビルでした。ノビルを一株見ると、その周辺にたくさん生えていることが多く、お腹を満たしてくれる存在です。

この他にも、その時々で生えている野菜から、胃腸や体を労わるものを入れてきました。

以上が沖縄で代表的な、ナンカヌシク(七日節句)にいただく七草粥の薬草ですが、この他にも根野菜として、島にんじんなどを使う家もあります。

<さまざまな沖縄の七草>
・島にんじん
・デーニクバー(大根の葉)
・ビラ(ねぎ)
・シマナー(高菜)
・ンスナバー(不断草)

特にフーチバーは、沖縄で七草粥、ナンカヌスク(七日節句)にいただくナージューシー(菜雑炊)の定番です。

広い地域で親しまれてきたフーチバーは沖縄そばのお供には欠かせませんし、その昔には干したフーチバーを入浴剤にも用いてきました。

ナージューシーの作り

沖縄の七草粥ナンカヌスク(七日節句)では、ボロボロジューシー(雑炊)を作るお家もあれば、定番の沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」をいただく家庭も増え、さまざまです。

ただ沖縄の七草粥ナンカヌシク(七日節句)は、大晦日から豚肉料理で疲れた胃腸を労わる目的があります。ご家族の年齢や健康状態を意識しながら、食べやすいナージューシー(菜雑炊)をいただきましょう!

まとめ:沖縄の七草粥の行事食は「ナージューシー(菜雑炊)」です

沖縄風炊き込みご飯であるジューシーを雑炊にした沖縄料理がボロボロジューシーです。沖縄のナンカヌシク(七日節句)でいただくナージューシー(菜雑炊)は、このボロボロナージューシーも多くありました。

現代でも、高齢の方就学前のお子様がいらっしゃる家庭などでは、ボロボロジューシーも良いでしょう。沖縄野菜をふんだんに入れて最初から雑炊にしても良いですし、ご家族の健康状態や好みに合わせてジューシーを雑炊にしても美味しいです。

ナージューシー(菜雑炊)は地域によって「ナナタテジューシー(七品雑炊)」と言われます。

ナージューシー(菜雑炊)と同じく基本的には沖縄野菜七品を入れますが、胃腸を労わる薬草を入れた雑炊、厄払いになる独特な香りを持つ薬草などを加えます。

本州の野菜が入って来る現在では沖縄野菜の七品だけではなく、現代に合わせたニラやネギ、ほうれん草やにんじんなども多いです。

また子どもにはエノキや舞茸などの椎茸類を入れても喜ばれるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

沖縄では春の七草ではなく七穀を加えて雑炊にした「七穀ジューシー」をいただく地域もあります。

七穀にシマナー(からし菜)サクナ(長寿草)などの葉野菜を入れても良いでしょう。七穀は家や地域によりさまざまですが、一例では下記の7種などです。

<七穀の一例>
(あわ)…もっちり甘い
(きび)…黄色く細かい
(ひえ)…食物繊維が豊富
大麦(おおむぎ)…食物繊維・カルシウムが豊富
蕎麦(そば)…タンパク質・ビタミン豊富
はと麦…ふっくらと噛み応え、旨味が深い
アマランサス…プチプチとした食感
古代米(赤米)…少量入れるだけで赤くなる

大麦は青汁などでも多用されるようにカルシウム食物繊維が豊富で消化も良く、健康に良い雑穀です。また沖縄では古代米(赤米)・粟(あわ)などが定番ですね。

沖縄の離島では粟を育てていたため七穀ジューシーで健康祈願をする家庭も多く見受けます。近年では七穀ミックスなども小袋で販売されているので、手軽に作ってみてはいかがでしょうか。

まとめ:沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」は旧暦1月7日

近年では雑炊ではなく炊き込みご飯ジューシーをいただく家庭も増えましたが、今回はボロボロナージューシー(菜雑炊)でいただきましょう!

沖縄の葉野菜をふんだんに入れますよね。基本的には沖縄風炊き込みご飯ジューシーに葉野菜を入れるので、賽の目切りをした豚肉を入れるとコクが出て美味しいです。

ただここでは葉野菜だけのナージューシー(菜雑炊)でご紹介します。

旧正月時期になると沖縄のスーパーでも出回ってはいるのですが、地元の市場へ出向くと地域で採れたバリエーション豊かな野菜が販売されているのでおすすめです。

<ナージューシー(菜雑炊)の材料>
お米…カップ1
…約6カップ
沖縄の葉野菜七種
ゴマ…適量

[味付け]

だし汁(白だし)
味噌
…など

ナージューシー(菜雑炊)は塩のみの味付けも多いですが、現代ではだし汁で炊いたり、味噌を加えて味付けをする家庭も多いでしょう。

豚肉を入れるならば豚三枚肉のブロックを下茹でして、賽の目切りにして入れましょう。豚肉のアクを取りながらじっくり茹でた茹で汁を「豚だし汁」として利用するのもおすすめです。

炊飯器で「おかゆ」に合わせて水をセットしお粥を作ったら、そこに細かく刻んだ「沖縄の七草」を入れた後、塩・ゴマ・白だしを入れて調整します。

島にんじんなどの根野菜は、ふかす・煮るなど下ごしらえがポイントです。

最後に溶いた卵を加えると、お子様にも美味しいでしょう。炊飯器以外で作る、簡単なナージューシー(菜雑炊)の作り方は七草粥のコラムでお伝えしています。

沖縄の七草粥:ナンカヌシクのお供えもの

沖縄の七草粥、ナンカヌスク(七日節句)では、イチミ(生きる身)がいただく前に、ヒヌカン(火の神様)とお仏壇へ、ナージューシー(菜雑炊)を供えるのが習わしです。

沖縄でナンカヌスク(七日節句)は健康祈願行事ですので、お供えものの「ウサギムン」を供える時には、手を合わせて家族の健康を願ってください。

お盆にナージューシー(菜雑炊)を整え、お箸などは添えずに供えます。

ヒヌカン(火の神)へ供える時のお線香は、ジュウゴフンウコー(十五本御香)です。お線香はジュウゴフンウコー(十五本御香)、日本線香は15本・もしくは略式の5本を供えます。

沖縄線香のヒラウコー(平御香)なら、タヒラ半(2枚と半分)を供えてください。

「ウートゥートゥー、
(あな尊き)

ヒヌカンヌウカミガナシー
(ヒヌカンの神様)

今日は
ナンカヌスク(七日節句)の日です。

これからウグァン(御願)をいたしますので、
ブジ(無事)に行わせてくださいますように…。

ウートゥートゥー
(あな尊い)」

お盆にナージューシー(菜雑炊)ウサチ(酢の物・和え物)お箸とともに供えます。ウサチ(酢の物・和え物)はキュウリの酢の物など、軽く添える箸休めの品で良いでしょう。

また沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」で、ヒヌカン(火の神)とお仏壇へのお供えものの違いはお箸です。

神様にはお箸を添えずにお供えしますが、ご先祖様にはお箸を添えます。故人一人を祀っている場合は1膳に1箸、複数であれば2膳に2箸を供えると良いでしょう。

お仏壇(祖霊神)へのお線香はジュウニフンウコー(十二本御香)です。日本線香は12本、もしくは略式の4本を供えてください。

沖縄線香のヒラウコー(平御香)では、タヒラ(2枚)を供えます。

[ウサチ(酢の物)など沖縄料理]
・沖縄の旧正月に供える沖縄料理レシピ☆イナムドゥチ・クーブイリチー・ンムニーの作り方
オススメ モダン仏壇
「ウートゥートゥー
(あな尊き)

ウヤフジガナシー
(ご先祖様)

今年もブジ(無事)に
ナンカヌシク(七日節句)の日を迎えました。
いつもお見守りいただきありがとうございます。

ナージューシー(菜雑炊)に
ウサチ(和え物)を供えておりますので、
どうぞお受け取りください。

新しい○○の年も
家族みな無事で
健康に過ごすことができますよう

ミーマンティーウタビミスーリー
(どうぞ見守っていてください)、

ウートゥートゥー
(あな尊い)。」
正月終わりは「鏡開き」だけ?

沖縄では家庭によって、七草粥「ナンカヌスク(七日節句)」の日に、旧正月の正月飾りやお供えものを片付ける「スクノーシ(節句直し)」を行います。

ただし一般的に旧正月明けの一連のウグァン(御願)を終えている場合です。

そのため旧正月明け最初の干支日に、それぞれ家族の一年を祈願する「マドゥトゥシビー」や「ウフトゥシビー(厄年の家族)」を終えていなければなりません。

ウフトゥシビー(大年目)」とは、その年の年女・年男にあたる人々の厄除け・健康祈願を行う沖縄のウグァン(御願)行事です。

旧正月が明けて初めて訪れる干支日に、本人以外の家族がヒヌカン(火の神)・仏壇へお供え物をして拝みます。

2025年の干支は巳年ですよね。旧正月が明けて最初に訪れる巳の日は2025年2月5日(水)・旧暦1月8日、友引・乙巳の暦です。

旧暦1月8日なのでナンカヌシク(七日節句)を終えた翌日、ウフトゥシビーのウグァン(御願)を済ませたら、正月飾りを片付けるスクノーシ(節句直し)ができますね。

ウフトゥシビーのお供え物や拝み方については、下記コラムをご参照ください。

マドゥトゥシビー」とは、年女・年男にあたらない人々の厄除け・健康祈願のウグァン(御願)です。干支日にあたる本人ではなく、他の家族がウグァン(御願)をしましょう。

マドゥトゥシビーでも旧正月が明けて最初に訪れる、家族の干支日にヒヌカン(火の神)・仏壇に向けて拝みます。参考までに2025年旧正月明けの干支日をご紹介します。

<2025年旧正月明けの干支日>
●2025年1月30日(木)
・旧暦1月2日
…亥
●2025年1月31日(金)
・旧暦1月3日
…子
●2025年2月1日(土)
・旧暦1月4日
…丑
●2025年2月2日(日)
・旧暦1月5日
…寅
●2025年2月3日(月)
・旧暦1月6日
…卯
●2025年2月4日(火)
・旧暦1月7日
…辰
●2025年2月5日(水)
・旧暦1月8日
…巳
(ウフトゥシビー)
●2025年2月6日(木)
・旧暦1月9日
…午
●2025年2月7日(金)
・旧暦1月10日
…未
●2025年2月8日(土)
・旧暦1月11日
…申
●2025年2月9日(日)
・旧暦1月12日
…酉
●2025年2月10日(月)
・旧暦1月13日
…戌

元旦は避けて旧暦1月2日からカウントしてください。旧暦1月2日~12日間で干支が一周するので遅くとも旧暦1月13日、2025年2月10日には全てのマドゥトゥシビーのウグァン(御願)が終わりますね。

マドゥトゥシビーについてお供え物や拝み方など、詳しくは下記コラムをご参照ください。

沖縄の旧正月を閉じる暦の選び方

十二支の干支日が巡る旧暦1月2日~1月13日、2025年1月30日(木)~2月10日(月)です。ナンカヌシク(七日節句)に全てのウグァン(御願)を終えている家ばかりではないでしょう。

この場合は旧暦1月14日のソーガチグァー(小正月)、旧暦1月20日のハチカソーグァチ(二十日正月)が、旧正月のウイミ(節目)・旧正月飾りを片付けるタイミングです。

このタイミングでヒヌカン(火の神)やお仏壇に報告し、片付けても良いでしょう。

沖縄で「ソーグァチグァー(小正月)」は旧暦1月14日、旧正月のお祝い期間は台所で忙しくしていた人々がひと息ついてお休みする日です。

2025年度は2月11日(火)がソーガチグァー(小正月)、建国記念日で公休日ですね。かつては奉公人が旧正月からひと息ついてお休みをいただく日とされました。小豆粥などをいただいて小豆の赤から邪気を祓います。

ハチカソーグァチ(二十日正月)」は旧暦1月20日、最終的な旧正月祝いを締めくくる日です。旧暦1月16日「ジュールクニチー(十六日祭)」も終えて、いよいよ旧正月が終わります

2025年度は2月17日(月)、沖縄ではハチカソーグァチ(二十日正月)の頃には、ほとんどの家で日常生活へ戻っているでしょう。

ちなみにジュールクニチー(十六日祭)はあの世の正月です。一部離島地域ではお墓参りの一大行事でもあり、喪中の家ではジュールクニチー(十六日祭)にお墓参りをして、静かに旧正月を終える日になるでしょう。

オススメ モダン仏壇
沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」とは?

沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」は、毎年旧暦1月7日・2025年度は節分明けの2025年2月4日(火)にあたります。

沖縄では沖縄の葉野菜を7種類加えた「ナージューシー(菜雑炊)」が行事食です。沖縄の市場で販売されている沖縄野菜をふんだんに加えれば良いのですが、ンジャナバー(苦菜)やフーチバー(よもぎ)・ノビルは香りも強く、クセがあるかもしれません。

春の七草に大根やカブがあるように、沖縄のナージューシー(菜雑炊)も必ずしも葉野菜でなければいけない決まり事はないので、島ニンジンシブイなどを代用するのもおすすめです。

まとめ

沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」

①沖縄の七草
・フーチバー(よもぎ)
・イーチョーバー(ういきょう)
・ハンダマ(水前寺菜)
・ンジャナバー(苦菜)
・サクナ(長命草)
・カンダバー(野菜かずら)
・ノビル

[その他]
・島にんじん
・デーニクバー(大根の葉)
・ビラ(ねぎ)
・シマナー(高菜)
・ンスナバー(不断草)
など

②ヒヌカンへのお供えもの
・ナージューシー(菜雑炊)
[お線香]
●ジュウゴフンウコー
(十五本御香)

③お仏壇へのお供えもの
・ナージューシー(菜雑炊)
・ウサチ(酢の物)
・お箸を添える[お線香]
●ジュウニフンウコー
(十二本御香)

④スクノーシ(正月直し)
・旧正月飾りを片付けること
・トゥシビーの拝みを終えた家

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