・沖縄旧正月の小正月・二十日正月とは?
・2024年、沖縄の小正月・二十日正月はいつ?
・沖縄旧正月のお飾りを片付けるウイミ(折目)は?
旧暦行事が盛んな沖縄では、旧正月を祝いますよね、2024年2月10日(土)が旧暦1月1日、沖縄の旧正月です。
そして沖縄の旧正月では、いくつかのウイミ(折目)があり、いずれかで正月飾りを片付ける「スクノーシ(正月直し)」が行われるでしょう。
本記事を読むことで、沖縄の旧正月のウイミ(折り目)、ソーガチグァ(小正月)やハチカソーグァチ(二十日正月)のお供えものや行い方・拝み方、スクノーシ(正月直し)のタイミングが分かります。
沖縄旧正月:スクノーシ(正月直し)はいつ?
◇沖縄旧正月の終わりの節目「ウイミ」は、複数のタイミングがあります
沖縄では旧暦行事などの節目を「ウイミ(折目)」と言います。
新正月と似たタイミングですが、このウイミ(折目)の日に旧正月のお飾りを片付ける「スクノーシ(正月直し)」が行われるでしょう。
全国的な新正月では、集落で鏡開きが行われるタイミングで、正月飾りを片付ける家が多いです。
そのため広く知られるところでは、鏡餅を木槌で割り砕き、年神様をお見送りする1月11日の鏡開きを目安とし、松の内明けの1月7日に正月飾りを片付けます。
それでは、下記より沖縄旧正月で、スクノーシ(正月直し)を行う3つのタイミングをご紹介します。
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沖縄旧正月:ナンカヌシク(七日節句)
◇ナンカヌシク(七日節句)は旧暦1月7日、全国的な七草粥の日です
沖縄の七草粥「ナンカヌシク(七日節句)」は旧暦1月7日、2024年2月16日(金)にあたります。
旧正月で疲れた胃腸を労り、沖縄に生息する7種の薬草を加えた「ナージューシー(菜雑炊)」をいただく日ですが、同時に門松を飾る7日間「松の内」が明ける日です。
旧正月からの宴を締めくくり胃腸を労り、門松やしめ縄など、正月飾りを片付けるタイミングとなります。
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沖縄旧正月:ソーガチグァー(小正月)
◇ソーガチグァー(小正月)は、ハルサー(畑人)が日常生活に戻る日です
沖縄の旧正月では、旧暦1月14日をソーグァチグァー(小正月)として、旧正月に忙しかった人々が、ひと休みできる日としました。
一方で旧正月を祝った人々にとっては、仕事に戻るタイミングとされます。
特に沖縄では畑を営む人々「ハルサー(畑人)」にとって、畑仕事に戻るウイミ(折目)です。
旧暦1月2日から始まる十二支の干支日の拝みトゥシビーウグァン(年日御願)も一巡した後なので、旧正月のお飾りを片付けるスクノーシ(正月直し)に良い日でしょう。
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沖縄旧正月:ハチカソーグァチ(二十日正月)
◇ハチカソーグァチ(二十日正月)は、沖縄旧正月最後のウイミ(折目)です
沖縄の旧正月、最後のウイミ(折目)は旧暦1月20日、2024年2月29日(木)となり、主に沖縄では本島、特に首里でも多いタイミングとなります。
離島地域など沖縄の一部地域では、旧暦1月16日に行うお墓参り行事「ジュールクニチー(十六日)」を終えた後のウイミ(折目)です。
また観音信仰を持つ家庭では、旧暦1月18日に観音様への拝み「ジューハチヤー(十八夜)」も済ませ、ホッとひと息つく頃です。
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◇家族それぞれの干支日ウグァン(御願)「トゥシビーウグァン(年日御願)」を終えてすぐの暦がベストです
「トゥシビーウグァン(年日御願)」では、旧正月が明けて最初に訪れる、生まれ年と同じ干支の日に、厄祓いのウグァン(御願)を行います。
旧正月翌日の旧暦1月12日~13日、2024年2月11日(日)~2月22日に行うので、家族の干支によってはナンカヌスク(七日節句)までに終えていない家も多いでしょう。
ナンカヌシク(七日節句)の旧暦1月7日にトゥシビーウグァン(年日御願)を終えていなければ、ソーグァチグァー(小正月)、もしくはハチカソーグァチ(二十日正月)に、旧正月のお飾りを片付ける、スクノーシ(正月直し)を行います。
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ジュールクニチー(十六日)を行う場合
◇旧暦1月16日のジュールクニチー(十六日)を行う家では、ハチカソーグァチ(二十日正月)が適切です
また旧暦1月16日、2024年2月25日(日)のあの世の正月「グソー(後生)の正月」を執り行う家では、ジュールクニチー(十六日)を終えた後で良いでしょう。
ただしジュールクニチー(十六日)は弔事のひとつです。
特に家族を亡くして1年~3年に行う供養「ミージュールクニチー(新十六日)」を執り行うのであれば、沖縄ではお祝い事である旧正月も控えめです。
そのためスクノーシ(正月直し)とは呼べないほどの、簡単な片付けになるでしょう。
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沖縄旧正月:小正月はイモウイミー
◇沖縄ではハルサー(畑人)にとっては、芋の豊作祈願「イモウイミー」でもあります
沖縄で旧暦1月14日、2024年2月23日(金)は、畑仕事をするハルサー(畑人)にとって、今年一年の豊穣を祝うイモウイミー(芋折目)です。
全国的には2月8日に年神様もみなお帰りになった後、正月飾りも片付け、落ち着いた頃に行う、日常生活(野良仕事)に戻る「事八日(ことようか)」行事があります。
沖縄のイモウイミー(芋折目)は、この事八日と役割が日通っています。
[スクノーシ(正月直し)]
・本島北部地域
・トゥシビーウグァン(年日御願)を終えた家
このようなことから、沖縄でソーガチグァ(小正月)のウイミ(折目)には、おめでたい芋料理を、お仏壇にお供えする家が多い傾向です。
日ごろ供えるお仏壇へのお供えもの「ウサギムン(お供えもの)」はそのままに、別に「ハレの膳」として、ンムニー(芋煮)や昆布などの縁起物を供えてください。
小正月のお供えもの
◇おめでたいンムニー(芋煮)やテビチ(豚足)などの御膳を供えます
沖縄のソーガチグァー(小正月)で供えるお供えもの「ウサギムン」は、おめでたい日にも用意をするンムニー(芋煮)です。
この他にはおめでたい日の縁起の良いご馳走が良いのですが、テビチ(豚足)など、特別な豚肉料理のご馳走が多いでしょう。
<小正月のお供えもの> ●お供え先…お仏壇 |
|
[日ごろのウサギムン] | ・ウサク(お酒)…中央に1杯 ・ウチャトゥ(お茶)…2杯(左右一対) ・供え花…2つ(位牌の左右) |
[小正月のウサギムン] ●御膳を供える |
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①ご馳走 | ・ンムニー(芋煮) ・テビチ(豚足) ・ラフテー(豚三枚肉の煮物) |
②ウサチ(酢の物) | ・扇形の紅白大根 (一部は赤く染める) ・ミミガー |
③ウブク(ご飯) | ・白ご飯 ・お赤飯でも良い ・お箸を添える |
「ンムニー(芋煮)」は、ターンム(田芋)や紫芋などをお砂糖と水でひたすら茹でながら練り上げる、栗きんとんのような触感の料理です。
おめでたい日なので、色の付いた紫イモなどのお芋も好まれます。
ンムニー(芋煮)やテビチ(豚足)、ラフテーは、圧力鍋での調理なら時間も短縮されて便利ですよ。
豚肉料理も多いですが、畑仕事の事始めとして一年の豊作祈願も兼ねているので、ンムニー(芋煮)を供える家庭も多いです。
ソーガチグァー(小正月)のお線香
ソーガチグァー(小正月)のお線香は、ジュウニフンウコー(十二本御香)です。
日本線香では12本、もしくは略式の4本を供え、ヒラウコー(平御香)ならタヒラ(2枚)を供えます。
日本線香が6本、横についた板状の沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」を供える家が多いですが、香り高く、その昔は高級とされた日本線香が好ましいでしょう。
沖縄の旧正月:最後のウイミ(折目)二十日正月
◇沖縄の旧正月で最後となるウイミ(折目)が、ハチカソーグァチ(二十日正月)です
旧暦1月20日、2024年2月29日(木)は、沖縄の旧正月最後のウイミ(折目)となるハチカソーグァチ(二十日正月)となります。
ジュールクニチー(十六日)を行わない地域であれば、ソーガチグァー(小正月)の頃には、沖縄で旧正月のお飾りを片付ける「スクノーシ(正月直し)」を済ませている家がほとんどでしょう。
ジュールクニチー(十六日)を行う家では、ハチカソーグァチ(二十日正月)のタイミングでのスクノーシ(正月直し)が適切です。
[スクノーシ(正月直し)の家]
・本島の一部地域
・離島地域
・ジュールクニチー(十六日)行事がある離島地域
・離島地域出身の家族がいる家庭
・家族が3年以内に亡くなっている家庭
沖縄では離島地域にジュールクニチー(十六日)のお墓参り行事が根付いています。
また本島でも離島出身の人々は、那覇市の三重城(みえぐすく)で、故郷に向かい、ジュールクニチー(十六日)の供養を行う家があるでしょう。
沖縄本島では家族が亡くなって間もない時期は、お祝い行事のお墓参り「シーミー(清明祭)」を控えて、代わりにジュールクニチー(十六日)を行います。
二十日正月のお供えもの
◇ハチカソーグァチ(二十日正月)では、ご馳走を供えます
沖縄の旧正月、最後のウイミ(折目)となるハチカソーグァチ(二十日正月)では、ヒヌカン(火の神)とお仏壇(祖霊神)へ、それぞれ供える家庭が多いです。
ソーグァチグァー(小正月)にはンムニー(芋煮)を供える家庭が多いのですが、ハチカソーグァチ(二十日正月)には、ラフテーなどのご馳走を供えます。
<二十日正月のお供えもの> | |
①お供え先…ヒヌカン(火の神) | |
[日ごろのウサギムン] | ・ウサク(お酒) ・ミジティ(お水) ・マース(盛り塩) ・神木(供え葉) |
[二十日正月] | |
・ウチャワキ(お茶脇) (ご馳走を盛りつける) |
・お盆に乗せる |
②お供え先…お仏壇(祖霊神) | |
[日ごろのウサギムン] | ・ウサク(お酒)…中央に1杯 ・ウチャトゥ(お茶)…2杯(左右一対) ・供え花…2つ(位牌の左右) |
[小正月] ●御膳を供える |
|
①ウチャワキ(お茶脇) (ご馳走を盛りつける) |
・お盆に乗せる |
②ウサチ(酢の物) | ・扇形の紅白大根 (一部は赤く染める) ・ミミガー …など |
③お箸を添える |
那覇市首里地域ではハチカソーグァチ(二十日正月)に、田芋を煮た「タームニー(田芋煮)」が供えられます。
タームニー(田芋煮)は、親芋からたくさんの子芋・孫芋が育つターンム(田芋)は、沖縄で子孫繁栄の縁起物だからです。
二十日正月の拝み言葉
◇家族で旧正月のおもてなしができたことに感謝します
ハチカソーグァチ(二十日正月)にお供えものを供えたら、ヒヌカン(火の神)には日ごろ台所に立つ家族が手を合わせ、本日がハチカソーグァチ(二十日正月)であること、旧正月の終わりを告げます。
お仏壇にはお供えものを供えた後、家族で下記のように拝んでください。
「ウートゥートゥー ウヤフジガナシー(あな尊き ご先祖様)、
今年もブジ(無事)に年神様のおもてなしができました、ありがとうございます。
クリカラ(これから)正月飾りを片付けますが、今後もどうぞミーマンティー ウタビニスーリー(お見守りくださいますように)、
ウートゥートゥー(あな尊い)。」
沖縄でハチカソーグァチ(二十日正月)が行われる旧暦1月20日、2024年2月29日(木)は、那覇市辻ではじゅりうま祭りが行われてきました。
女性が正装をして木馬にまたがり列をなし、最後に一年の祈願を行います。
まとめ:沖縄旧正月のウイミ(折目)は小正月・二十日正月です
沖縄の旧正月、旧暦1月1日は2024年2月10日(土)、旧正月へ向けた年末の準備が旧暦12月24日の2024年2月3日(土)から始まります。
そして沖縄で旧正月と最後のウイミ(折目)とされる暦が旧暦1月20日、2024年2月29日(木)のハチカソーグァチ(二十日正月)ですから、2024年2月ままるまる旧暦1月、旧正月月間と言えるでしょう。
新正月を祝う現代の沖縄では、新正月からしめ縄を玄関に飾り、沖縄の旧正月を経て、いずれかのウイミ(折目)に、正月飾りの片づけスクノーシ(正月直し)を行うまで、1か月近く、飾り続ける家庭もあります。
まとめ
沖縄で旧正月の終わりはいつ?
[旧正月の節目]
①ナンカヌシク(七日節句)
・旧暦1月7日(2024年2月16日)
②ソーガチグァー(小正月)
・旧暦1月14日(2024年2月23日)
③ハチカソーグァチ(二十日正月)
・旧暦1月20日(2024年2月29日)[片付けの節目]
・トゥシビーウグァン(年日御願)の後
・ジュールクニチー(十六日)の後[お供えもの]
・小正月…ンムニー(芋煮)
・二十日正月…ご馳走
※首里はタームニー(田芋煮)