【沖縄旧暦カレンダー2025】新暦2月(旧暦1月)☆沖縄の旧正月到来!年始行事は?

【沖縄旧暦カレンダー2025】新暦2月(旧暦1月)☆沖縄の旧正月到来!年始行事は?

2025.01.01

2025年1月29日(水)は、沖縄の旧暦1月1日(旧正月)!2025年2月はナンカヌシク(七日節句)、ジュールクニチー(十六日祭)と、旧正月から続く行事が重なるでしょう。本記事では2025年2月、旧暦1月の沖縄行事がカレンダーで分かります。

沖縄の旧暦1月1日・旧正月は2025年1月29日(水)、2025年度の2月は旧正月祝いのひと月です。旧正月明けには健康祈願や厄除け、旧正月じまいの節目が訪れますよね。

本記事を読むことで、2025年2月・沖縄の旧暦1月に行うウグァン(御願)行事、沖縄で旧正月じまいのタイミングが、旧暦カレンダーからひと目で分かります。

後半では全国的な2月の年中行事やおひな様を飾るタイミング、寒中見舞いを送るタイミングが分かる二十四節気もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。

西暦とずれる旧暦行事は毎年暦が異なりますが、2025年度は1月29日(水)が沖縄の旧正月
「ソーグァチ」になるため、2月を通して旧正月行事が続きます。

2025年2月1日は沖縄では旧暦1月4日の「ヒヌカンウンケー(火の神御迎え)」、年末年始に里帰りをしていたヒヌカン(火の神)をい迎える日です。

今回は旧暦の年末年始が1月~2月にまたがるので、旧正月行事を併せて一覧でご紹介します。どうぞ参考にしてください。

<2025年2月:沖縄の旧暦1月カレンダー>
  [暦] [旧暦行事]
●沖縄の旧暦行事
(1) ・2025年1月23日(木)
・旧暦12月24日
・ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)
・ウグァンブトゥチ(御願解き)
・ヒヌカンのお見送り
(2) ・2025年1月28日(火)
・旧暦12月30日
【大晦日】
・トゥシヌユール(年の夜)
(3) ・2025年1月29日(水)
・旧暦1月1日
【旧正月】
ソーグァッチ(旧正月)
・チィタチの拝み(1日の拝み)
(4) 2025年1月30日(木)~2月10日(月)
・旧暦1月2日~13日
・マドゥトゥシビー
(5) ・2025年1月30日(水)
・旧暦1月3日
・ハチウクシー(初起こし)
(6) ・2025年2月1日(土)
・旧暦1月4日
・ヒヌカンウンケー(火の神迎え)
(7) ・2025年2月5日(水)
・旧暦1月8日(乙巳の日)
・ウフトゥシビー
(8) ・2025年2月4日(火)
・旧暦1月7日
・ナンカヌスク(七日節句)
(9) ・2025年2月10日(月)
・旧暦1月13日
・ジューサンヤー(十三夜)
(10) ・2025年2月11日(火)
・旧暦1月14日
・ソーグァチグァー(小正月)
(11) ・2025年2月12日(水)
・旧暦1月15日
・ジューグニチの拝み(十五日の拝み)
(12) ・2025年2月13日(木)
・旧暦1月16日
・ジュールクニチー(十六日祭)
(13) ・2025年2月15日(土)
・旧暦1月18日
・ジューハチヤー(十八夜)
(14) ・2025年2月17日(月)
・旧暦1月20日
・ハチカソーグァッチ(二十日正月)
●冬土用の間日(2025年1月17日~2月22日)
(1) ・2025年1月21日(火) ・庚寅の間日
(2) ・2025年1月22日(水) ・辛卯の間日
(3) ・2025年1月24日(金) ・癸巳の間日
(4) 2025年1月26日(日) 寒の冬の土用
(冬のウナギを食べる日)
(5) ・2025年2月2日(日) ・壬寅の間日
(6) ・2025年2月3日(月) ・冬土用明け
●休日
(1) ・2025年2月11日(月) ・建国記念日
(2) ・2025年2月23日(日) ・天皇誕生日
(3) ・2025年2月24日(月) ・振替休日(天皇誕生日)
●全国の年中行事
(1) ・2025年2月3日(月) ・節分
(2) ・2025年2月6日(木) ・初午
(3) ・2025年2月14日(金) ・バレンタインデー
(4) ・2025年2月18日(火)~ ・ひな飾り事始め
●節気
(1) ・2025年1月20日(月)
~2025年2月2日(日)
・大寒(たいかん)
(2) ・2025年2月3日(月)
~2025年2月17日(月)
・立春(りっしゅん)
(3) ・2025年2月18日(火)
~2025年3月4日(火)
・雨水(うすい)

沖縄では旧正月を祝う地域が多くあるので、新正月から旧正月にかけてしめ飾り(沖縄では注連飾り)や鏡餅などを飾っておく家もあります。

沖縄では旧正月に向けた年末年始ですが、同時に全国的な新正月は締めくくりを迎えます。2025年度は新正月・旧正月が比較的近いので忙しい家が増えるかもしれません。

 

全国の新正月では毎年12月13日を一年の煤・埃を払う「煤払い(すすはらい)」の日とし、この日を新正月の準備を始める「正月事始め(しょうがつことはじめ)」とします。

沖縄の旧正月に向け、この煤払いにあたる日が旧暦12月24日です。旧暦12月24日に沖縄では住まいの大掃除を行った後、家を守護する神々様へ感謝を捧げる「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」を行います。

ヒヌカン(火の神)を祀る家では、この日に一年の祈願事を解く「ウグァンブトゥチ(御願解き)」、続いてウティン(御天)へと年末年始の里帰りをするヒヌカン(火の神)をお見送りする「上天の拝み」を行う日です。

旧暦12月24日に行うウグァン(御願)について、お供えものや拝み方など詳しくは下記コラムをご参照ください。






全国的な大晦日には年越しそばをいただきますよね。沖縄の大晦日トゥシヌユール(年の夜)では豚の骨付きアバラ肉を丁寧に煮込んだ「ソーキ」の汁物「ソーキ汁」が行事食です。

翌日旧正月には、ヒヌカン(火の神)や仏壇に「ハレの膳」を供えてお祝いをします。ハレの膳では赤飯・中味汁などの椀物・おかず・副菜を御膳に整えて供える風習です。

旧正月の朝、一番に汲んだお水は「ワカミジ(若水)」、若返りの水・命が宿る水として扱われます。子ども達にはワカミジ(若水)を母親がおでこに浸ける「ミジナディ(水撫で)」を行うなど、旧正月を祝うでしょう。

沖縄の大晦日トゥシヌユール(年の夜)~旧正月までの祝い方・過ごし方、ヒヌカン(火の神)や仏壇へのお供えものやウグァン(御願)について詳しくは、下記コラムに詳しいです。

 
 

 

沖縄で旧暦1月は旧正月祝いの1ヵ月、かつて沖縄では大晦日に豚を一頭さばいてご馳走をふんだんに作りました。現在でも沖縄の旧正月に豚肉料理は欠かせません

豚かたまり肉を煮付けるラフテー・ソーキ、豚足を軟骨がぷりぷりに柔らかくなるまで煮込むテビチなどの他、豚の耳ミミガーの和え物、豚モツを使用した中味汁もおめでたい日にふるまいます。

仏壇へのお供え物では豚肉料理に合う汁物、口をサッパリとさせる酢の物などの和え物を箸休めとして添えましょう。

沖縄で旧正月にふるまう料理は、下記コラムでさまざまなレシピをご紹介しています。どうぞ参考にして、今年は家族で手作り料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。

[沖縄旧正月の定番豚肉料理レシピ]
・沖縄の旧正月は豚正月?ソーキ・ラフテー・中味汁・テビチまで市販のお肉で簡単レシピ!
 
 
[沖縄旧正月の定番御膳料理レシピ]
・沖縄の旧正月に供える沖縄料理レシピ☆イナムドゥチ・クーブイリチー・ンムニーの作り方

沖縄旧正月の「マドゥトゥシビー」とは?

トゥシビーウグァン(年目御願)とは、旧正月が明けて初めて迎える家族の干支日に行うウグァン(御願)行事です。干支日にあたる本人ではなく、子どもであれば親など家族が御願を行います

ヒヌカン(火の神様)と仏壇へウサギムン(お供えもの)を供えて、干支日にあたる家族の一年の安全、良い一年になることを請い願うウグァン(御願)です。

沖縄の旧暦1月2日~13日、2025年1月30日(木)~2月10日(月)に行う「マドゥトゥシビー」は、旧正月が明けて初めて訪れる家族の干支日に行うウグァン(御願)行事です。

<2025年のマドゥトゥシビー>
●2025年1月30日(木) ・旧暦1月2日…亥
●2025年1月31日(金) ・旧暦1月3日…子
●2025年2月1日(土) ・旧暦1月4日…丑
●2025年2月2日(日) ・旧暦1月5日…寅
●2025年2月3日(月) ・旧暦1月6日…卯
●2025年2月4日(火) ・旧暦1月7日…辰
●2025年2月5日(水) ・旧暦1月8日…巳(ウフトゥシビー)
●2025年2月6日(木) ・旧暦1月9日…午
●2025年2月7日(金) ・旧暦1月10日…未
●2025年2月8日(土) ・旧暦1月11日…申
●2025年2月9日(日) ・旧暦1月12日…酉
●2025年2月10日(月) ・旧暦1月13日…戌

暦には干支が付いていますので、家族の十二支に合わせて拝みます。マドゥトゥシビーはその年の干支にあたらない家族を対象としたウグァン(御願)行事です。

沖縄で「ウフトゥシビー」とは、その年の干支と同じ家族「年女・年男」の厄祓い行事です。2025年は巳年の干支にあたりますね。

全国的な厄年とは違い、沖縄ではその干支に当たる年齢を「ウフトゥシビーの厄年」とし、厄祓いを行ってきました。数え年13歳・25歳・37歳・49歳が厄年にあたります。

ただし61歳以上のウフトゥシビーは長生きをしているので長寿祝いです。沖縄のウフトゥシビーは、13歳祝い・97歳のカジマヤー(風車祝)が有名ですね。

けれども沖縄では昔から、旧暦1月2日~13日の厄祓いのウグァン(御願)が重要です。

沖縄旧暦1月3日:ハチウクシー(初起こし)

「ハチウクシー(初起こし)」は、昔の沖縄で仕事始めの儀礼、主に旧正月が明けた旧暦1月2日・旧暦1月3日に行います。

畑仕事をしている家庭では「ハチバル(初畑)」、漁業を営む家庭では「フナウクシ(舟起こし)」があります。

集落単位で行う行事として今に残るハチウクシー(初起こし)は、漁村で行うフナウクシ(舟起こし)のみでしょう。

ハチバル(初畑)は農家の家族や農村で行う仕事始めのウグァン(御願)行事です。

畑や集落を守る氏神様へ花米(お米)・ウサク(お酒)・マース(塩)を供え、お線香「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」を供えます。

ジュウゴフンウコー(十五本御香)は日本線香15本分、沖縄線香ヒラウコー(平御香)は2枚と半分のタヒラ半ですね。

山火事リスクを避けるため、火を灯さないヒジュルウコー(冷たい線香)を供えても良いでしょう。

現在も漁村で盛んに行われる、仕事始めのウグァン(御願)行事がフナウクシ(船起こし)です。漁船に豊漁旗を飾って新年を祝います。特に糸満漁港のフナウクシ(船起こし)は有名ですね。

フナウクシ(船起こし)のお供えものは花米(お米)・ウサク(お酒)・若松の3点、家庭内や漁港の祠に供えて一年の安全祈願を行います。

フナウクシ(船起こし)のウグァン(御願)で供えるお線香の本数は「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」ハチバル(初畑)と同じです。

またハチウクシー(初起こし)の日に「水の神」へ巡拝する風習も沖縄ではありました。神聖な水「ワカミジ(若水)」「ウブミジ(産水)」を汲む、産まれた土地・地元の井戸「ウフガー(産川)」へ拝み日々の感謝を捧げます。

[水の神]
・沖縄の水の神へ拝む健康祈願「カーウガミ(井泉拝み)」「カーメー(井泉参り)」とは?

お彼岸の食べ物(1)お赤飯

沖縄で旧暦1月4日、2024年2月13日(火)は、沖縄で旧暦12月24日「ウグァンブトゥチ(御願解き)」によりウティン(御天)へ里帰りされたヒヌカン(火の神)が、下天(この世)へ帰ってくる日です。

「ヒヌカンウンケー(火の神迎え)」は「ヒヌカン(火の神)下天の拝み」とも呼ばれ、下天へ帰って来るヒヌカン(火の神)を迎えます。

ヒヌカン(火の神)へ赤ウブク(赤飯)を3膳供えます。この他は日ごろのお供えものマース(お塩)・ウサク(お酒)・ミジティ(お水)・供え葉です。

日ごろと同じようにお世話をすれば良いですが、お塩が固まっていたら取り換えるなど、全て交換して清潔に整えましょう。

ヒヌカン(火の神)へ供えるお線香の本数はジュウゴフンウコー(十五本御香)です。日本線香は15本、沖縄線香ヒラウコー(平御香)は2枚と縦半分に割ったタヒラ半となります。

日本線香は簡略化して5本を供える家庭も増えました。ウコール(香炉)の大きさによって調整をしましょう。

地域によっては沖縄線香半ヒラ(半分・日本線香3本分)を5回、右から左へ順番に火を灯して、お線香の階段を作り、ヒヌカン(火の神)が下りてくる姿を迎える家庭もあります。

この他、ヒヌカンウンケー(火の神迎え)に向けて、お供えものの器やウコール(香炉)などを、潮水・塩水で洗い清める家庭もあるでしょう。

沖縄の七草粥:ナンカヌシクのお供えもの

沖縄で旧暦1月7日に行う「ナンカヌシク(七日節句)」は、全国的な七草粥と同じ役割の行事です。2025年度は2月4日(火)にあたります。

全国的には春の七草を加えた七草粥ですが、沖縄では沖縄ならではの7種の野菜と豚肉を加えた雑炊「ナージューシー(菜雑炊)」が行事食です。

また近年では7種の野菜を加えた沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」を食べて健康祈願をする家も増えました。

ヒヌカン(火の神)には日ごろのお供えものと、盆に乗せたナージューシー(菜雑炊)を供えるのみです。朝一番でヒヌカン(火の神)を担う家族がお供えし、今日の日がナンカヌシク(七日節句)であることをご報告します。

<ヒヌカン(火の神)へのお供えもの>
・ウサク(お酒)
・マース(盛り塩)
・ミジティー(お水)
・供え葉
・ナージューシー(菜雑炊)

神様であるヒヌカン(火の神)へ供えるナージューシー(菜雑炊)にお箸は必要ありません。おにナージューシー(菜雑炊)の碗のみ配膳して供えてください。

ヒヌカン(火の神)へ供えるお線香の本数(コーブン・香分)は「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」です。日本線香15本分にあたりますね。沖縄線香ヒラウコー(平御香)ならば2枚と半分です。

<ヒヌカン(火の神)へのお線香>
・日本線香…12本+3本
・沖縄線香…タヒラ半(2枚半)

近年はコンパクトな仏壇に合わせてウコール(香炉)も小さくなりました。ジュウゴフンウコー(十五本御香)では供えるスペースがなかったり、無理をして供えてウコール(香炉)が割れてしまうことも起きています。

特にヒラウコー(平御香)は煙と灰が多く出るので、無理をせずに日本線香5本に簡略化しても良いでしょう。

ご先祖様である仏壇にはナージューシー(菜雑炊)とともに箸休めになる酢の物・和え物などの副菜「ウサチ」を添えましょう。家族のご飯と同じようにお箸もお盆に添えて出します。

<仏壇へのお供えもの>
・ウチャトゥ(お茶)×2杯
・ウサク(お酒)
・供え花×2つ
・ナージューシー(菜雑炊)
・ウサチ(酢の物・和え物)

先祖代々位牌トートーメーなど、複数のご先祖様を祀る家ではお箸も複数供える家が多いでしょう。大きな仏壇ではナージューシー(菜雑炊)のお盆も複数供える家もあります。

仏壇にご先祖様へ供えるお線香は日本線香12本分にあたる「ジュウニフンウコー(十二本御香)」です。お線香6本分を板状にくっ付けた沖縄線香ヒラウコー(平御香)であれば、2枚のタヒラですね。

<仏壇へのお線香>
・日本線香…12本
・沖縄線香…タヒラ(2枚)

仏壇には世帯主である家長がお線香を供えて拝みます。家族でそれぞれにお線香を供える時には「サンブンウコー(三本御香)」を供えてください。

サンブンウコー(三本御香)は日本線香3本分、ヒラウコー(平御香)は縦半分に割った半ヒラですね。サンブンウコー(三本御香)も簡略化し日本線香1本のみ供えても良いです。

沖縄旧暦1月13日:ジューサンヤー(十三夜)

沖縄で旧暦1月13日に行う「ジューサンヤー(十三夜)」は、「カンティーオー(関帝王)」を祀る家で行う例祭です。2025年度の旧暦1月13日は2025年2月10日(月)にあたります。

「カンティーオー(関帝王)」はジングトゥ(金銭)の神様です。

沖縄では商売の神様として「関帝信仰」があり、かつては琉球王朝や中国から来た「久米三十六姓」の人々が、カンティーオー(関帝王)をトゥクヌマ(床の間)に祀ってきました。

沖縄ではトゥクヌマ(床の間)にトゥクシン(床神)が鎮座されると伝わっています。呼び名はトゥクシン(床神)、もしくはトゥクヌカミ(床の神)です。

かつて沖縄でジューサンヤー(十三夜)を拝む家は、ジングトゥ(金銭)の神様カンティーオー(関帝王)の掛け軸を床の間に祀ってきたのでしょう。

ただ現在ではそもそもトゥクヌマ(床の間)がないなどの事情で、リビングにお供えものを飾る家も見受けます。

<トゥクヌマ(床の間)のお供えもの>
・ウサク(お酒) ・徳利(とっくり)
・おちょこにお酒
・果物の盛り合わせ ・りんご
・バナナ
・みかん
・お菓子の盛り合わせ

主に男性を守護する神様で立身出世や金運、子孫繁栄など現世利益に強いとされます。トゥクヌマ(床の間)にご利益のある掛け紙を飾ることで、特にその祈願が叶うと信じられてきました。

ジューサンヤー(十三夜)でトゥクヌマ(床の間)に供えるお線香は、日本線香12本分の「ジュウニフンウコー(十二本御香)」です。

日本線香なら12本、沖縄線香ヒラウコー(平御香)は2枚分のタヒラを供えます。小さなウコール(香炉)などで日本線香12本を供えきれない時は、簡略化して4本を供えてください。

カンティーオー(関帝王)は「三国志」で有名な関羽(かんう)です。沖縄では波の上宮の近く「天尊廟」に祀られています。

現代では関帝信仰を持つ家庭でも、床の間にカンティーオー(関帝王)の掛け軸がない家も多く、このような家庭ではリビングにお供えものを供えながら、天尊廟まで拝みに行く人々も少なくありません。

小正月・二十日正月とは?

◇ソーグァチグァー(小正月)は、旧正月の節目(ウイミ)です。

ソーグァチグァー(小正月)は旧暦1月14日、2025年2月11日(火)建国記念日にあたります。旧正月のお飾りを片付ける節目「ウイミ(折目)」です。

ただし旧正月の終わりを告げる節目(ウイミ)は、沖縄では地域によっていくつかあります。ソーグァチグァー(小正月)は主に沖縄本島北部地域に多いでしょう。

仏壇へ供える日々のお供えのお世話をしましょう。沖縄の仏壇は左右対になっているので、ご位牌の下の段、中央に供えるウサク(お酒)以外は左右2対です。

<日々のお供え>
・ウチャトゥ(お茶)…左右2杯
・ウサク(お酒)…1杯
・供え花…左右2立

ウチャトゥ(お茶)は朝一番に汲んだお水で立てて、一番茶を供えましょう。ウサク(お酒)は泡盛・日本酒どちらでも構いません。全て捨てて注ぎなおしてくださいね。

供え花も枯れていたら交換します。菊などの仏花は花もちも良くおすすめです。3色~5色ほどの花々を用意して問題はありません。

ソーグァチグァー(小正月)は豊作祈願でもあるので、ご馳走を供えます。おめでたい料理が適切なので、水で芋を似たンムニー(芋煮)や豚足の煮物などが多く供えられてきました。

<祝い膳>
・ウチャワキ(お茶脇)…ご馳走
・ご飯
・ウサチ…箸休め
・お箸

ウチャワキ(お茶脇)はご先祖様へ供える御馳走ですが、供えた後に家族でいただくので、豚肉の角煮「ラフテー」や豚アバラ肉の煮もの「ソーキ」など、家族も喜ぶご馳走を用意します。

「ウサチ」は酢の物・和え物などですね、キュウリとわかめの酢の物などでも良いですし、沖縄の食材ゴーヤやモーウィなどを使用しても良いかもしれません。

[ウサチレシピなど]
・沖縄の旧正月に供える沖縄料理レシピ☆イナムドゥチ・クーブイリチー・ンムニーの作り方

仏壇へ供えるお線香の本数はジュウニフンウコー(十二本御香)、日本線香12本分・沖縄線香ヒラウコー(平御香)はタヒラ(2枚)にあたります。

日本線香12本を供えるには小さなウコール(香炉)であれば4本に簡略化しても良いですね。日本線香は「カバシウコー(香り御香)」と言って、かつての沖縄では香りのある貴重なお線香でした。

2023年8月16日:沖縄旧暦7月1日ヒヌカン

ヒヌカン(火の神)を祀る家庭では、毎年新月と満月の日にマース(お塩)などを交換して、日ごろの感謝や祈願事を行います。

ジューグニチの拝みは旧暦15日、満月の暦はウグァン(御願)が叶った感謝を捧げる日です。白ウブク(白ご飯)を3膳供えてヒヌカン(火の神)へ拝みましょう。

旧正月明けの2025年2月12日(水)は旧暦1月15日、毎月行うヒヌカン(火の神)へのジューグニチの拝み(十五日の拝み)です。

 
 

まとめ:沖縄のジュールクニチー(十六日祭)はあの世の正月です

沖縄で旧暦1月16日「ジュールクニチー(十六日祭)」、沖縄では「グソー正月(あの世の正月)」と言われています。旧暦1月16日は2025年2月13日(木)、主に離島地域を中心にしてお墓参りをします。

沖縄のお墓参り行事は毎年4月頃、二十四節気は清明の節気に行う「シーミー(清明祭)」が有名ですよね。シーミー(清明祭)は主に沖縄本島で行われるお墓参り行事です。

一方でジュールクニチー(十六日祭)は主に沖縄の離島地域で行われてきました。沖縄本島では、沖縄の離島出身者が三重城に訪れて故郷の島へ向かいウグァン(御願)を捧げる「遥拝」を行います。

一方、沖縄本島では「ミージュールクニチー(新十六日祭)」の風習があります。「ミージュールクニチー(新十六日祭)」は、家族が亡くなってから初めて迎えるジュールクニチー(十六日)です。

沖縄本島地域ではシーミー(清明祭)がお墓参り行事ですが、シーミー(清明祭)は慶事です。一方でジュールクニチー(十六日祭)は弔事として行います。

そのため喪中の家族はシーミー(清明祭)は行わず、代わりにジュールクニチー(十六日祭)に供養をしてきました。

一部地域では家族が亡くなってから約3年まではシーミー(清明祭)を控え、ジュールクニチー(十六日祭)を行います。

初めて旧正月を迎えたミーサー(新霊)がいる家庭でも、この世の正月となる旧正月はお祝い事を控え、ジュールクニチー(十六日)に故人を囲み供養します。

沖縄旧暦1月18日:ジューハチヤー(十八夜)

沖縄の旧暦1月18日は、旧正月明けで初めて迎える観音様との縁日「ジューハチヤー(十八夜)」です。沖縄でトゥクヌマ(床の間)に観音様の掛け軸を飾るなど、観音様を信仰する家では観音拝みを行ってきました。

昔の沖縄ではジューハチヤー(十八夜)の夜、月が昇り始める頃から地域の観音堂や観音様を祀る宗家に集まり拝みを捧げる風習があります。

沖縄で観音信仰は家族の健康、とりわけ病弱な子どもの病気平癒にご利益があると信じられ、子どもや子年生まれの守護として信仰されてきました。

ジューハチヤー(十八夜)でのお供え先参拝先の観音堂、そしてトゥクヌマ(床の間)です。現代はトゥクヌマ(床の間)がない家も多いので、リビングでも良いですね。

花米(ハナグミ)」と呼ばれるお米を2皿、その中央に7回すすいだお米「アライグミ(洗い米)」を供えます。

さらにウサク(お酒)を供えましょう。徳利(とっくり)を左右に2本、その中央におちょこに注いだウサク(お酒)です。

お盆に供えて問題はありませんが、花米(ハナグミ)やウサク(お酒)はビンシー(瓶子)があれば、ビンシー(瓶子)に整えると便利です。「ビンシー(瓶子)」とは沖縄のウグァン(御願)道具のひとつで木の箱ですね。

お盆には果物の盛り合わせも供えましょう。母性を表すりんご・父性を表すバナナ・子孫繁栄を表すみかんを供えるのが一般的です。

子どもの健康祈願として観音様を信仰する家もあるので、観音堂では紅白まんじゅうを供えることもあるでしょう。

ジューハチヤー(十八夜)で供えるお線香は「ジュウニフンウコー(十二本御香)」です。日本線香は12本・もしくは簡略化して4本ですね。沖縄線香ヒラウコー(平御香)であれば2枚のタヒラを供えましょう。

観音様へのウグァン(御願)が旧暦18日に行われるのは、毎月18日が観音様との縁日とされるためです。毎月ウグァン(御願)を行っても良いのですが、沖縄では「正五九月」よ呼ばれる忌み月、1月・5月・9月の18日をジューハチヤー(十八日夜)とします。

沖縄でトートーメーのお焚き上げとは

沖縄で毎年旧暦1月20日は「ハチカソーグァッチ(二十日正月)」、旧暦1月14日に続く旧正月の終わりを告げる節目(ウイミ)となります。

次回の旧暦1月20日、ハチカソーグァッチ(二十日正月)は2025年2月17日(月)!

主に本島地域、離島地域ではハチカソーグァチ(二十日正月)に旧正月飾りを片付け、ヒヌカン(火の神)やお仏壇にご馳走を供えて感謝を捧げる拝みが一般的です。

ヒヌカン(火の神)を担う家族がお供えものとしてご馳走皿を供え、今日の日がハチカソーグァッチ(二十日正月)であることをお伝えします。

<ヒヌカン(火の神)へのお供え>
・ウサク(お酒)
・マース(盛り塩)
・ミジティー(お水)
・供え葉
・ウチャワキ(ご馳走)

ウチャワキ(お茶脇)はご馳走のおかずです。その日の食事を少し豪華にして、最初に取り分けて供えましょう。やはりラフテー(豚の角煮)やソーキ(豚骨付きアバラ肉の煮付け)など、豚肉料理が好まれます。

ヒヌカン(火の神)に供えるお線香の本数は「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」です。

日本線香は15本・もしくは簡略化して5本ですね。沖縄線香ヒラウコー(平御香)では2枚と半分に割った「タヒラ半」です。

ヒヌカン(火の神)は主に台所に立つ家族がお世話を担います。他の者が触れることをタブーとする地域もあるので、ヒヌカン(火の神)を担う家族が行いましょう。

仏壇へ日ごろのお供えものはウチャトゥ(お茶)を左右に一対の2杯、中央にウサク(お酒)を1杯、ご位牌の左右に供え花を2立です。近年増えたコンパクト仏壇の場合は、それぞれ1つずつを供えていることもあるでしょう。

さらにハチカソーグァッチ(二十日正月)では、ご馳走を盛り付けた「ウチャワキ(お茶脇)」、箸休めの副菜「ウサチ(酢のもの・和え物)」をお盆に整えて供えます。ご先祖様にはお箸もお盆に添えて供えましょう。

首里など本島地域では、ソーグァチグァー(小正月)同様におめでたい食材として、ンムニー(芋煮)を供える家庭も多いです。

ハチカソーグァッチ(二十日正月)で仏壇へ供えるお線香の本数は「ジュウニフンウコー(十二本御香)」となります。

日本線香は12本・もしくは4本、沖縄線香ヒラウコー(平御香)は2枚のタヒラですね。

世帯主である家長が主に拝みますが、その他の家族が続いて拝む場合はサンブンウコー(三本御香)を供えます。

サンブンウコー(三本御香)」は日本線香3本分、簡略化すると1本です。沖縄線香ヒラウコー(平御香)では縦半分に割った半ヒラを供えます。

2025年2月の二十四節気

大寒から始まる2月の二十四節気は、節分前後に立春を迎えます。2025年の立春は2月3日、正に節分の日ですね。

2025年2月20日(木)には雨水の節気に入ります。全国的に雨水の節気に入ると早々にひな飾りを飾り始めました。もともとお雛様は川に流して厄災を祓う紙雛だったので、水と相性が良いとされるためです。

<2025年2月:沖縄の旧暦1月の節気>
【二十四節気】大寒(たいかん)
●七十二候
(末候) ・鶏始乳
(にわとりはじめてとやにつく)
・1月30日(木)~2月2日(日)
【二十四節気】立春(りっしゅん)
●七十二候
(初候) ・東風解凍
(はるかぜこおりをとく)
・2月3日(月)~2月7日(金)
(次候) ・黄鶯睍睆
(うぐいすなく)
・2月8日(土)~2月12日(水)
(末候) ・魚上氷
(うおこおりをいずる)
・2月13日(木)~2月17日(月)
【二十四節気】雨水(うすい)
●七十二候
(初候) ・土脉潤起
(つちのしょううるおいおこる)
・2月18日(火)~2月22日(土)
(次候) ・霞始靆
(かすみはじめてたなびく)
・2月23日(日)~2月27日(木)
(末候) ・草木萌動
(そうもくめばえいずる)
・2月28日(金)~3月4日(火)

寒中見舞いは春が訪れる立春までに済ませる御挨拶なので、立春が過ぎたら控えます。2025年の立春は2月3日(月)なので、できれば1月中にはご挨拶を済ませましょう。

2月の時候の御挨拶は「余寒の候」「晩冬の候」などです。言葉としては「余寒なお去り厳しき折ではございますが、皆さまお身体を大切にお過ごしください。」などです。

沖縄の旧正月を閉じる暦の選び方

2025年2月は沖縄の旧暦1月4日~2月1日、旧正月明けのさまざまなウグァン(御願)行事が訪れる1ヵ月です。特に離島地域ではお墓参り行事ジュールクニチー(十六日祭)がありますね。

全国的な年中行事としては、立春にあたる2025年2月3日(月)の節分です。沖縄でも恵方巻や豆まきの風習が定着しました。

また公休日は2月11日(火)建国記念の他、2月23日(日)が天皇誕生日にあたります。翌日2月24日(月)は振替休日になるので3連休を楽しむことができるでしょう!

 
 
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