沖縄ハーリー大会は奉納行事?ユッカヌヒーとは?竜宮神へ拝む御利益やお供え物、拝み方

2024.03.05
沖縄のユッカヌヒーとは?ハーリーは奉納行事?竜宮の神へ拝む御利益やお供え物、拝み方

沖縄のローカルハーリー大会は、旧暦5月4日「ユッカヌヒー(四日の日)」に開催されます。2024年6月9日(日)にあたり、海神様への祈願祭です。本記事では「ユッカヌヒー(四日の日)」とはどんな日か?ハーリーの由来、基礎知識が分かります。

・沖縄のハーリー大会はいつ?
・沖縄でハーリーを行う理由は?
・沖縄ハーリーを行う「ユッカヌヒー」とは?

全国的にも有名な沖縄のハーリー大会は、那覇ハーリーを除く沖縄の各地域で、旧暦5月4日「ユッカヌヒー(四日の日)」に開催されます。
旧暦5月4日は2024年6月9日(日)にあたりますが、この日は海神様への祈願祭です。

本記事では沖縄のハーリー大会を開催する「ユッカヌヒー(四日の日)」とはどんな日か?沖縄でハーリー大会を開催する理由など、見るなら知っておきたい、基礎知識が分かります。

 

沖縄のハーリー大会とは

沖縄ローカル:豊見城ハーリー
◇沖縄の旧暦5月4日、奉納行事としてサバニで競う競漕です

沖縄のハーリー大会とは、沖縄各地の漁村で行われる海神様への奉納行事として行う地域行事で、主に伝統的な沖縄の漁船「サバニ」でチームごとに競漕します。

 

<沖縄のハーリー大会とは>
●海神様への祈願祭「ユッカヌヒー(四日の日)」に行う奉納行事です。
…沖縄のユッカヌヒーは旧暦5月4日、2024年は6月9日(日)となります。

 
観光客向けイベントとなった那覇ハーリーはゴールデンウィークの新暦5月4日に開催されますが、その他、沖縄のローカルハーリー大会は、主に旧暦5月4日の開催です。

 

ユッカヌヒー(四日の日)とは

◇ユッカヌヒー(四日の日)は海神祭です

「ユッカヌヒー(四日の日)」は旧暦5月4日、2024年は6月9日(日)ですが、旧暦となり毎年暦が変わるので、注意をしてください。

 

<ユッカヌヒー(四日の日)>
●漁港で行う海神祭 ・豊漁祈願
・海の安全祈願
・海で亡くなった人の供養
・行方不明者が見つかる祈願
…など。
●行う事柄 ・海神様への祈願
・競漕ハーリー
・御願バーリー

 
沖縄のユッカヌヒー(四日の日)は、漁村では海神様へ海上安全や豊漁を祈願する日、海神様へ奉納行事として、昔ながらの沖縄の漁船「サバニ」に10人ほどの乗組員が乗り、その速さを競う競漕が有名です。

御願バーレーでは、キレイな装飾を付けた爬竜船(はりゅうせん)が、ゆっくりと港を巡回します。

那覇ハーリー大会での大型の爬竜船(はりゅうせん)が有名です。
那覇ハーリーでは地元集落の3隻の大型爬龍船(爬竜船)が、御願バーリーとしてゆっくりと一周回り、お互いの顔合わせとともに観客を魅了した後、次の一周で激しく競漕します。

 

 

 

沖縄ハーリー大会のおもちゃ市

沖縄ハーリー大会のおもちゃ市
◇昔の沖縄では、ハーリー大会当日におもちゃ市が並びました

これは旧暦5月4日のユッカヌヒー(四日の日)の翌日が、旧暦5月5日こどもの日、「グングァチグニチ(5月5日)」になるためです。

現代のような商業施設が少なかった昔の沖縄では、ハーリー大会当日に、たくさんのおもちゃ市が並びました。

現代でも出店が並び、こども達が喜ぶ様子がありますよね。
ただかつてのおもちゃ(玩具)市では、下記のような沖縄おもちゃ(玩具)があります。

 

<昔の沖縄のおもちゃ市>
●沖縄の伝統的なおもちゃ(玩具)
・チンチンウマグァー(騎馬人形)
・ウメントゥー(紙びな)
・ウッチャリクブサー(起き上がりこぼし)
・マーイ(毬)

 
昔の沖縄で子ども達はユッカヌヒーばかりは親に欲しいおもちゃ(玩具)を大手を振ってお願いできる日でした。

 

 

沖縄ハーリーでの祈願事

沖縄ハーリーでの祈願事
◇沖縄ハーリーでは「ユガフー(世界の果報)」祈願も行います

沖縄のユッカヌヒー(四日の日)では、海神様へ海上安全や豊漁とともに、「ユガフー(世界の果報)」を祈願しました。
ユガフーは沖縄言葉で「世界の果報」となりますが、世界平和を祈願する意味です。

そこで沖縄の格地域では、海神様への奉納行事としてハーリーやすもう大会を開催し、勝者が集落のウガンジュ(拝所)へ御願を行い報告します。

 

<沖縄ハーリー:祈願事>
・海上安全
・豊漁(収入アップ)
・航海安全
・ユガフー(世界の果報)

 
沖縄ではリュウグヌカミ(竜宮の神)・ジーチヌカミ(地の神)・ウティンの神(御天の神)は「サンティン(三天)」と呼ばれる最も大きな存在ですから、祈願事も大きいためです。

一方でヒヌカン(火の神様)は家内安全、観音様は健康・子守り様、七福神は銭神様など、現世的な御利益が期待できる神々様も存在します。

 

沖縄のハーリーガニ

◇沖縄ハーリーは、ハーリーガニ(鉦)から始まります

旧暦5月4日(2024年は6月9日)のユッカヌヒー(四日の日)、その始まりはハーリー先だって打ち鳴らされる「ハーリーガニ(鉦)」です。

昔の沖縄ではハーリーが始める半月前、旧暦4月16日頃から、海や山林に立ち入ったり、山林深くの御嶽(うたき)へ参拝することを禁ずる、物忌み行事「ウミドゥミ(海留)・ヤマドゥミ(山留)」が行われてきました。

 

<沖縄のハーリーガニ(鉦)>
●地域によっては、旧暦5月4日の7日間前にハーリーガニ(鉦)が鳴ると、その禁忌が解かれ、ハーリーの練習が始まります。

 
沖縄の糸満漁港では、琉球王国の三山時代を築いた南山の王が敗れた場所として有名な、山巓毛(さんてぃんもー) の鉦が鳴り響き、始まりの合図となる旗が振り下ろされてきました。

 

沖縄ハーリー:ユッカヌヒーの行事食

沖縄ハーリー:ユッカヌヒーの行事食
◇「ちんぴん」や「ポーポー」をいただきます

戦前の沖縄では子ども達のおやつとして愛されたおやつが、ちんぴんやポーポーです。
母親が手作りしたちんぴんやポーポーを、こども達は今か今かと、楽しみに待っていたものでした。

翌日の旧暦5月5日のこどもの日にはあまがしを行事食としていただきますが、あまがしに並び、こども達に今も親しまれる沖縄のおやつです。

 

<ユッカヌヒーの行事食>
[行事食] [どんなおやつ?]
①ちんぴん ・黒糖生地を巻いた、甘い巻きおやつ
②ポーポー ・油味噌を塗って生地を巻いた、味噌味のおやつ

 
どちらも薄力粉でクレープ状に広げて焼き巻いて作ります。

家庭では母親がちんぴんとポーポーを手作りして、ヒヌカン(火の神様)とお仏壇へ供えて家族や子どもの健やかな成長を感謝した後、ウサンデーしました。

 

 

ユッカヌヒーのお供え物

◇ヒヌカンやお仏壇へ、ちんぴんやポーポーを供えます

ユッカヌヒー(四日の日)には、ちんぴんやポーポーをヒヌカン(火の神様)やお仏壇へ供え、ウサンデーしてからいただきましょう。

ウサンデー」とは、ヒヌカン(火の神様)やお仏壇(ご先祖様)へ供えたお供え物を下げ、家族でいただくことを差し、拝み事(御願)を終えてからいただく流れが丁寧です。

お供え物はちんぴん・ポーポーだけなので、お盆に一皿、お仏壇へはお箸を添えてお供えをすれば良いでしょう。

 

<ユッカヌヒーのお供え物>
[お供え先] [お供え物]
●ヒヌカン
(火の神様)
①ちんぴん、ポーポー
(お皿に供える)
②ウサク(お酒)
③マース(塩)
④ミジティー(お水)
⑤供え葉
(チャーギやクロトンなど)
●お仏壇
(ご先祖様)
①ちんぴん、ポーポー
(お皿に供える)
②ウチャトゥ(お茶)…左右2杯
③ウサク(お酒)
④供え花…左右2立て

 
ちんぴんやポーポーの供え方に決まり事はないのですが、沖縄では偶数を「陰の数字」奇数を「陽の数字」とするので、基本的に奇数を大切にします。特に「3」の数字は好まれる傾向です。

そのため一皿にちんぴんを3個・ポーポーを4個で合計7個など、数字を気にして供える人も多いでしょう。

 

ユッカヌヒーのお線香

◇ヒヌカン(火の神)とお仏壇では供えるお線香の本数が違います

旧暦5月4日のユッカヌヒー(四日の日)では、ヒヌカン(火の神)やお仏壇の他、海神祈願をするウガンジュ(拝所)などでもお線香を供えるでしょう。

それぞれ本数は違いますが、覚え方として神様にはジュウゴフンウコー(十五本御香)、ご先祖様にはジュウニフンウコー(十二本御香)が基本です。

 

<ユッカヌヒーのお線香>
[お供え先] [お線香の本数]
①ヒヌカン
(火の神様)
●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
日本線香…15本、もしくは5本
沖縄線香(平御香)…タヒラ半(2枚半)
②お仏壇
(ご先祖様)
●ジュウニフンウコー(十二本御香)
日本線香…12本、もしくは4本
沖縄線香(平御香)…タヒラ(2枚)

 
昔の沖縄では大きなお仏壇でしたが、近年では住まいに合わせてコンパクトなお仏壇も増え、それに伴い小さなウコール(香炉)が選ばれるようになりました。

このようなことから「三位一体」として、日本線香15本であれば5本日本線香12本であれば4本を供える家庭も増えています。

 

 

沖縄ハーリー:ユッカヌヒーの参拝

沖縄ハーリー:ユッカヌヒーの参拝
◇海神祭のユッカヌヒーでは、龍神様を参拝する人もいます

ユッカヌヒー(四日の日)は海神様への祈願行事ですから、集落のウガンジュ(拝所)の他、龍神様を参拝する人も多いです。

沖縄ではユッカヌヒー(四日の日)に集落のウガンジュ(拝所)を訪れて祈願を行う家もありますが、この場合はビンシー(瓶子)に入れるお供え物に倣う人が多いでしょう。

沖縄には多くのリュウグヌカミ(竜宮の神)の祠がありますが、ユッカヌヒー(四日の日)では集落の竜神様や、産土神(うぶすながみ)となるウガンジュ(拝所)へ参拝します。

 

<ユッカヌヒー(四日の日)とは:参拝>
[奥段] ・ウサク(お酒)
[前段] ・花米(中央)、洗い米(両脇)

 
花米(ハナグミ)」とは乾いたお米、洗い米は7回濯いだお米です。
ただし屋外での拝み事(御願)では、お供え物が地域や家によって違いもあるでしょう。
花米の上に「クバンチン」として30円を置いたり、クバンチン(30円)のみを供える家もあります。

 

 

参拝ではヒジュルウコー(冷たい線香)

◇「ヒジュルウコー(冷たい線香)」とは、火を灯さないお線香です

現代の沖縄では、屋外のウガンジュ(拝所)へ参拝する場合、火の元の安全から、火を灯さないヒジュルウコー(冷たい線香)で拝む方法が良いとされます。

屋外のウガンジュ(拝所)へ参拝するなら、火の元の観点から、お線香は火を灯さないヒジュルウコー(冷たい線香)が良しとされる傾向です。

 

<ヒジュルウコーの供え方>
①シルカビ(白紙)を敷く
②お線香をシルカビ(白紙)の上に置く
③ウサク(お酒)とお供え物を供える
④拝み(御願)を捧げる
⑤供えたヒジュルウコーをシルカビ(白紙)に包む
⑥シルカビ(白紙)に包んだヒジュルウコーを、白封筒に入れる
⑦自宅でウコール(香炉)に供える

 
ただ、ヒジュルウコー(冷たい線香)の供え方に厳格な決まり事はありません。

とは言え、拝み(御願)の後には持ち帰り、家のヒヌカン(火の神様)やお仏壇のウコール(香炉)へくべると丁寧です。

 

 

ウガンジュ(拝所)で火を灯す場合

◇お線香の火を灯す場合、カビバーチ(火鉢)が安全です

屋外のウガンジュ(拝所)で、お線香に火を灯すならば、沖縄ではカビバーチ(火鉢)を持参して、最後に焚き上げると安全でしょう。

カビバーチ(火鉢)」とは、アルミボウルなどに水を張った火鉢で、花火の後処理のように、最後はそのなかに入れます。

 

<お線香に火を灯す場合>
①お線香に火を灯して供える
②シルカビ(白紙)とウサク(お酒)を供える
③拝み(御願)を捧げる
④カビバーチ(火鉢)でシルカビ(白紙)を焚く
⑤お線香をカビバーチ(火鉢)に入れる
⑥ウサク(お酒)をかける
⑦お供え物をカビバーチ(火鉢)に入れる
⑧しっかりと消火して持ち帰る

 
煙で焚き上げることで、お線香の他のお供え物もウティン(御天)へ届くとされます。
また沖縄のウガンジュ(拝所)山林の奥に鎮座するものも多く、火事になると大変なので、しっかりと鎮火して持ち帰ると安心です。

 

ユッカヌヒー(四日の日)の拝み方

ユッカヌヒー(四日の日)の拝み方
◇現代では、今の言葉で家族の健康を祈願しても問題はありません

家庭で行うユッカヌヒー(四日の日)とは、家族や子どもの健康や健やかな成長、安全ですので、家族の健康や安全を祈願します。

「沖縄言葉でグイス(祝詞)を唱えなければ!」「順番は…」と気にする人も多いですよね。

ただ沖縄言葉で語り掛けている内容なので、お経とは少し違います
そのため心を込めて下記のような内容をご報告すれば、家庭の祈願は問題ありません。

 

<ユッカヌヒー(四日の日)の拝み方>
「ウートゥートゥー リュウグヌウカミガナシー
(あな尊き 竜宮の神様、)

チューヤ グングァッチヌユッカヌヒー ナトゥリビィン。
(今日は五月四日のユッカヌヒーになりました。)

クマンカイ チンピンポーポー ウサギティ、ウキトゥイジュラスワ ウタビミスーリー。
(ここにちんぴんポーポーを供えますので、受け取ってください。)

チャー 〇〇ヌチネーサンムトゥ ウマムイジュラスワ ウタビミスーリ、
(この〇〇(氏)の家をお見守りいただき、)

リュウグヌカミヌミグミ ウキヤビティ、カラダガンジュー・ドゥーガンジューアラチ、マクトゥニ ウシリガフー ディービル。
(竜宮の神の恵みを受けて、体は丈夫に元気にしていただき、誠にありがとうございます。)

クリカラン チャーヤーグワ ミーマンティー ウタビミスーリー。
(これからもこの家を、見守っていてください。)

ウートゥートゥー。
(ああ尊い。)」

 
拝みが足りない「ウグァンブスク(御願不足)」を心配する声もありますよね。
けれども、昔ながらの風習を学ぶ姿勢を持ち取り入れながらも、神様仏様を畏敬の念で拝む心があれば、誰もが気軽に始めて良いのではないでしょうか。

沖縄のリュウグヌカミ(竜宮の神)は多数あります。
下記では旧暦3月3日に参拝する人が多い、龍神様をご紹介していますので、ご参照ください。

 

 

まとめ:沖縄ハーリーの日は、海神様への祈願祭です

沖縄ローカル:糸満ハーレー
沖縄ハーリー大会は、新暦で開催される那覇ハーリーを除いては、沖縄各地の漁村で旧暦5月4日のユッカヌヒー(四日の日)に行われます。

この旧暦5月4日のユッカヌヒー(四日の日)は、本来沖縄のうみんちゅ(海人)が、豊漁や航海の安全などを祈願する海神祭の日であり、沖縄のハーリー大会は、海神様へ奉納する奉納行事です。

そして、翌日の旧暦5月5日は沖縄ではこどもの日!
糸満ハーレー大会は旧暦5月4日、旧暦5月5日の2日間にわたり開催され、漁港では多くの出店が並び、こども達もおもちゃを買うなどしています。

 

 

まとめ

沖縄ハーリー大会は海神祭
●海神様への祈願祭
・豊漁
・海上安全
・ユガフー(世界の果報)

 
●ハーリー大会
・海神様への奉納行事
・勝者が地域の拝所へ報告

 
●ユッカヌヒー(四日の日)の行事食
・ちんぴん…黒糖の沖縄クレープ
・ポーポー…油味噌の沖縄クレープ

 
●ちんぴんやポーポーをお供え
・ヒヌカン(火の神様)
・トゥクシン(床の神)
・お仏壇(ご先祖様)

 
●集落の海神様へ参拝
・ウサク(お酒)
・花米(中央)
・洗い米(両脇)
・ヒジュルウコーが良い

 

 


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