【2026年度最新版】旧暦12月8日、沖縄のムーチー(鬼もち)はいつ?意味・作り方・行い方を解説!

【2026年度最新版】旧暦12月8日、沖縄のムーチー(鬼もち)はいつ?意味・作り方・行い方を解説!

2025.11.01

2026年度最新版。旧暦12月8日は沖縄の健康祈願行事「ムーチー(鬼もち)」の日。2026年は1月26日(月)!ムーチーの意味・由来・作り方・お供えの仕方を詳しく解説します。ヒヌカンやお仏壇への拝み方、ハチムーチー(初ムーチー)など種類も紹介した最新版ガイドです。

旧暦12月8日に行う「ムーチー(鬼もち)」は、冬の寒さが厳しくなる時期に行われる健康祈願行事です。
2026年は1月26日(月)にあたります。

ムーチーは、家族の健康と厄除けを祈って月桃(サンニン)の葉で包んだおもちを蒸し、ヒヌカン(火の神)やお仏壇にお供えします。
寒い時期に体を強くし、鬼(悪疫)を祓う意味が込められており、沖縄では今も保育園や家庭で親しまれる伝統行事のひとつです。

本記事では、ムーチーの由来にまつわる昔話、ムーチーの作り方や拝み方、ハチムーチー(初ムーチー)などの種類まで詳しく紹介します。
2026年のムーチーを正しく迎えるための最新版ガイドとして、行事の意味を改めて確認しましょう。

全国的なおもちはもち米から作りますが、沖縄のおもちは「もち粉」を水で溶いたタネを蒸しておもちを作りますよね。

蒸す時に月桃(サンニン)の葉に巻くことも、ムーチー(鬼もち)の特徴です。月桃(サンニン)の個性的で強い香りが厄祓いに役立ちます。

寒さが厳しくなる時期に風邪などの流行り病、悪疫を祓う「ムーチー(鬼もち)」は、毎年旧暦12月8日です。

旧暦なので毎年、新暦での暦は異なりますが2026年度は1月26日(月)となります。新正月のお祝い間もない時期です。

取り分け子どもに向けて、寒い冬に悪疫を祓い健康を祈願する行事として親しまれてきました。この他、家に災いの侵入を防いだり、あらゆる鬼を追い祓う行事として知られています。

沖縄ではムーチー(鬼もち)行事が行われる旧暦12月8日頃が、最も寒くなる時期です。この時期の底冷えする寒さを「ムーチービーサー(ムーチーの寒さ)」と言います。

真冬に行う悪霊・悪疫払いですから、風邪やインフルエンザなどの流行り病を追い払う意味合いもあるでしょう。

ではなぜムーチー(鬼もち)が厄祓い・鬼祓いとなったのかと言えば、鬼になった兄を退治した、沖縄の昔話が由来です。

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ムーチー(鬼もち)にまつわる沖縄の昔話では、鬼と化して人食いになった兄をやっつけるため、妹は兄の好物だったおもちに鉄釘を入れて退治します。

「昔々、両親が亡くなり二人で暮らしてきた兄妹がいました。
妹は大きくなり結婚をして家を出ると、優しかったはずの兄は寂しさで鬼と化してしまいます。
とうとう鬼と化した兄は、集落の子ども達を襲っては食らうようになりました。

ある日妹は兄から家に呼ばれ我が子を連れて家に訪れますが、我が子も兄に襲われてしまいます。

そこで妹は兄の好物だったおもちに釘や瓦を入れた「ムーチー(鬼もち)」を作り、「たまにはピクニックをしませんか?」と、兄を崖まで呼び寄せました。

そこで「美味しい、美味しい」とムーチー(鬼もち)を食べて、鉄や瓦で重くなった兄を崖から落とし海に沈め、人食い鬼と化した兄を退治します。」

妹が崖から兄を落とし退治した日が旧暦12月8日です!沖縄ではこの昔話を由来として、ムーチー(鬼もち)行事が行われるようになりました。

現代のムーチー(鬼もち)に鉄や瓦は入っていませんが、個性的な香りから邪気を払うとされる月桃の葉でもちを包み蒸していただきます。

全国的にはもち米を炊いてつきますが、沖縄のおもちは多くがもち粉から作ります。黒糖や紅芋、ウコンなどの粉末を加えた、カラフルなムーチー(鬼もち)も人気です。

また沖縄のスーパーでは「ムーチーミックス」など、簡単に作れるセットも販売されているので上手に利用するのも良いでしょう。

悪疫・疫病などの鬼を祓うムーチー(鬼もち)では、香りのクセが強い月桃(サンニン)の葉にもちのタネを包み蒸します。

 <ムーチー(鬼もち)の材料>
 ・月桃(サンニン)の葉…8枚~12枚ほど
 ・もち粉…1袋(内容量800gほど)
 ・お水…700mlほど
 ・…少々
 ・(ビニール紐など)

一般的には月桃(サンニン)ですが、「クファムーチー(桑ムーチー)」など桑の葉を用いることもあるでしょう。

またお子様の好みに合わせて黒糖などのフレーバーを加え、カラフルなムーチー(鬼もち)で楽しむ家庭も増えました。

沖縄では市販のもち粉に水・お塩を加えてタネを作ります。大きめのボウルにもち粉を入れて、少しずつ水とお塩を加えながら練って行くと良いでしょう。

おもちのタネが耳たぶほどの柔らかさになったら、同じ大きさに整うよう均等に分けます。

月桃の葉を広げたら、中央に②で作ったおもちのタネを置きましょう。そして月桃(サンニン)の葉をたたむようにおもちを包みます。

包んだムーチー(鬼もち)は形が崩れないよう、中央をビニール紐で結んでください。現代ではビニール紐で結ぶ家庭が多いですよね。

プレーンの他にも黒糖や紅芋など、カラフルなムーチー(鬼もち)を作ったら、その色に合わせたビニール紐を使うと、開く前から分かりやすくて便利でしょう。

③で包んだムーチー(鬼もち)を蒸し器に並べて蒸したら完成です!約40分~60分ほどで仕上がります。

蒸しあがったムーチー(鬼もち)は、子ども達の年齢分をそれぞれ分けてビニール紐でつなぎ合わせておきましょう。

両脇から2本、つなげておくと良いですね。ムーチー(鬼もち)行事では家の梁などに掛け、子どもの健康祈願を行うためです。

ムーチー(鬼もち)には、いくつかの種類があります。かつて男の子は強い子になるよう「クファムーチー(桑鬼もち)」を作りました。

月桃(サンニン)の葉よりも大きな桑(クファ)などに包んで蒸します。このようにムーチー(鬼もち)には、供え方や状況によりいくつかの種類を供えてきました。

「サギムーチー(下げ鬼もち)」は、軒先や梁に吊るすムーチー(鬼もち)です。中央ではなくムーチー(鬼もち)の両端にビニール紐を結んでつなげます。

特に子どもがいる家庭では子どもの年齢分だけビニール紐などでつなぎ合わせたムーチー(鬼もち)を、軒先などに吊るして健康祈願を行ってきました。

この健康祈願が「サギムーチー(下げ鬼もち)」です。並んで吊るす家が多く、軒先のないマンションなどでは梁などに吊るします。

「力ムーチー(力鬼もち)」は大きな桑の葉で包むムーチー(鬼もち)です。昔は男の子のためのムーチー(鬼もち)でした。「クファムーチー(桑鬼もち)」ですね。

 ●桑(クファ)の葉は月桃(サンニン)よりもずっと大きな葉です。この大きな桑(クファ)の葉でおもちを包むことで、家庭の男の子達が「力持ち」になるよう祈願してきました。

ただ現代においてチカラムーチー(力鬼もち)は、あまりに大きなおもちなので、あまり見かけなくなりましたよね。

大きくて包みにくいですが、葉っぱの中央におもちを乗せて包むように葉を重ねてみてください。手前から束ねて折り曲げながら、葉の一つをぐるぐる巻きにしていくと包みやすいです。

かつての沖縄では健康に初めてのムーチー(鬼もち)の日を迎えたことを祝い、次の一年も流行り病から守っていただくように祈願したのですね。

ハチムーチー(初鬼もち)の日、家族は作ったムーチー(鬼もち)を親族や近所の人々へ配ることで幸せを配ります。

ぜひ「皆様のお見守りのお陰で、無事にハチムーチー(初鬼もち)を迎えました。」と感謝のご挨拶をしながら届けましょう!

旧暦12月8日(2026年1月26日月曜日)の朝に、ヒヌカン(火の神様)へムーチー(鬼もち)をそれぞれ3個お供えします。

ヒヌカン(火の神様)にはムーチー(鬼もち)のお供えをしながら、今日の日がムーチーであることをご報告しましょう。ヒヌカン(火の神様)には滞りなく行事が進むようお見守りを祈願することが目的です。

オススメ モダン仏壇
ヒヌカン(火の神)の2つの始め方

ヒヌカン(火の神)にはムーチー(鬼もち)を3個、お箸などは添えずに供えます。その前に日頃のお供え物は入れ替えるなどして、清潔に整えましょう。

ミジトゥ(お水)は一度全てを捨てて入れ替え、マース(お塩)が固まっていたら捨ててサラサラな塩に交換します。供え葉(チャーギ・クロトンなど)も枯れていたら新しい葉に交換しましょう。

 <ヒヌカン(火の神)へのお供え物>
 ・ミジトゥ(お水)
 ・マース(お塩)
 ・供え葉(チャーギ)
 ・ムーチー(鬼もち)3個

ムーチー(鬼もち)3個はお皿に並べて供えます。神様へのお供え物ですので、お箸などは添えなくても良いでしょう。

ヒヌカン(火の神)に供えるお線香の本数は日本線香15本分の「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」です。

日本線香6本文がくっついて一枚板になっている沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」であればタヒラ半(2枚半)をウコール(香炉)に供えます。

 <ヒヌカン(火の神)のお線香>
 ・日本線香…15本もしくは5本
 ・沖縄線香…タヒラ半(2枚半)

日本線香では本来15本を供えるのですが、最近はヒヌカン(火の神)祭壇もコンパクトになりました。それに伴いウコール(香炉)も小さなものが選ばれています。

あまりに多くのお線香を供えるとウコール(香炉)が割れてしまうことがあるので、5本のみを供える家庭も増えました。

沖縄の厄年ウフトゥシビー:お仏壇

お仏壇へのお供え物もムーチー(鬼もち)3個を供えます。お仏壇も日頃のお供え物を清潔に整えた後に供えましょう。

お仏壇に供える日頃のお供え物はウチャトゥ(お茶)・ウサク(お酒)・供え花です。ウチャトゥ(お茶)・ウサク(お酒)は継ぎ足すのではなく、一度全てを捨ててから入れ替えます。

 <お仏壇へのお供え物>
 ・ウチャトゥ(お茶)
 ・ウサク(お酒)
 ・供え花(菊など)
 ・ムーチー(鬼もち)3個

供え花に決まり事はありませんが菊などの仏花が良いでしょう。ユリも選ばれますが仏壇に花粉が付くとなかなか取れません。お水を清潔に入れ替えて供えます。

お仏壇のムーチー(鬼もち)3個、ジューシーなどのご飯を供える時はお箸を添えますが、ムーチー(鬼もち)は手でいただけるので、そのまま供えても良いでしょう。

ムーチー(鬼もち)でお仏壇へ供えるお線香の本数はジュウニフンウコー(十二本御香)、日本線香12本分です。

 <お仏壇のお線香>
 ・日本線香…12本もしくは4本
 ・沖縄線香…タヒラ(2枚)

お線香については、本来は香りをウティン(御天)へ届けるとして、香りがより高いカバシウコー(香御香)とされる日本線香もおすすめです。ただ沖縄では沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」が一般的に根付いています。

ヒヌカン(火の神)掃除のタブー

グイス(祝詞)とは拝み言葉ですが、現代の言葉で伝えても構いません。確かに沖縄言葉のグイス(祝詞)もありますが、一般家庭では現代の言葉で丁寧に日頃のお見守りへの感謝と、今後の健康祈願を唱えれば問題ないでしょう。

ヒヌカン(火の神様)とお仏壇には、下記の3点を伝えることを意識します。

 <ムーチー(鬼もち)で伝えること>
 ・本日がムーチー(鬼もち)の日であること
 ・日ごろのお見守りへの感謝
 ・今後の健康祈願

「ウートゥートゥー」など、沖縄の拝み言葉として今も残るものであれば積極的に使いましょう。けれども心から伝えることが大切なので、現代の言葉と合わせても良いです。

ここでは具体的なムーチー(鬼もち)の拝み言葉「グイス(祝詞)」の一例をご紹介します。参考にしながら、自分なりの言葉でお伝えしてください。

ウートゥートゥー、ヒヌカン(ウヤフジ)ガナシー
(あな尊き ヒヌカン・ご先祖様)

今日はムーチー(鬼もち)の日でございます。縁起よきムーチー(鬼もち)をお供えいたしましたので、どうぞお受け取りください。

そしてヤナカジ・シタナカジ(悪い風・穢れた風)を押し退け、祓いのけ、代わりに福徳を招き入れてくださいますように。

クワッウマンチャー(子々孫々)みんなが体も頑丈に元気で家庭円満でありますよう、どうぞ見守っていてください。

ウートゥートゥー。
(あな尊い)。」

家によっても違いますので、また、ユタやノロとしてではなく、一家庭での拝み事ですので、日ごろ話しかけるように必要な事柄をお伝えできれば、細かな部分は問題ありません。

位牌 48時間仕上げ

旧暦行事が今も残る沖縄ですが、特にムーチー(鬼もち)は現代の若い世代にも根付く行事です。

ムーチー(鬼もちムーチー(鬼もち)は、寒い冬に悪疫を祓い、家族の健康を願う旧暦行事です。
2026年は1月26日(月)にあたります。
ヒヌカン(火の神)やお仏壇へのお供え、子どもの年齢分を吊るす「サギムーチー」など、沖縄ならではの形で今も受け継がれています。

ムーチーを通してご先祖様や神様への感謝を伝えるとともに、寒さを乗り切る力を授かる——それがこの行事の本質です。
2026年度も、家庭で手作りのムーチーを囲みながら、健康と無病息災を祈る温かい時間を過ごしましょう。

ムーチー(鬼もち)とは

[ムーチーとは]
・旧暦12月8日
・健康祈願行事
・2026年1月26日(月)

[由来]
・鬼になった兄を妹が退治
・ムーチーで海に沈めた
(鉄や釘をおもちに入れた)

[ムーチーの作り方]
・もち粉でおもちをつくる
・月桃の葉で包んで蒸す

[ムーチーの種類]
・サギムーチー
(子どもの年齢分吊るす)
・チカラムーチー
(桑の葉で包んだムーチー)
・ハチムーチー
(産まれて初めてのムーチー)

[豆知識]
・ハチムーチーは近所に配る
・ヒヌカンとお仏壇にもお供えをする
・スーパーでも販売している

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