沖縄で葬儀までにかかる費用は?家族が亡くなったら葬儀に費用がかかる10項目と体験談

2024.06.14
沖縄で葬儀までにかかる費用は?家族が亡くなったら葬儀に費用がかかる10項目と体験談

家族が亡くなったら沖縄の葬儀は、費用もそれなりにかかりそうですよね。ただ現代では参列者の少ない家族葬も増えました。本記事では、沖縄で葬儀にかかる費用項目や相場、ご遺骨の葬送、安く抑えるためのポイントや、充分な予算がない時の対策が分かります。

・沖縄で葬儀までにかかる費用は?
・家族が亡くなったら何にどれだけ費用がかかる?
・沖縄で葬儀費用はどうやって賄う?

家族が亡くなったら、約80人~100人以上と参列者を広く迎える沖縄の葬儀では、費用もそれなりにかかりそうで尻込みするご遺族もいます。

ただ現代の沖縄では、参列者の少なく葬儀費用も安い傾向にある家族葬も多いため、予算に合わせたプランを選ぶこともできるでしょう。

本記事を読むことで、沖縄で葬儀までにかかる費用項目や相場、ご遺骨の葬送にかかる費用相場、それぞれ安く抑えるためのポイントや、充分な予算がない時の対策が分かります。

 

沖縄の葬儀にかかる費用相場は?

沖縄の葬儀にかかる費用相場は?
財団法人日本消費者協会「第11回:2017年葬儀についてのアンケート調査」によると、沖縄も含めた九州地方の葬儀費用の平均値は約166万円、全国的な平均値は約195万円でした。

ただ現代では沖縄の葬儀も多様になり、費用も一概にいくらとは言えません。
傾向としては人数によって沖縄の葬儀費用も安くなりますが、棺や祭壇などのグレードや、花葬など、ご遺族の意向によっては、人数が少なくてもお金が掛かるでしょう。

 

<人数別、葬儀費用相場>
[人数] [費用相場]
①~10人 …約65万円
②11人~29人 …約108万円
③30人~49人 …約137万円
④50人~74人 …約148万円
⑤75人~99人 …約154万円
⑥100人~ …約195万円
※安心葬儀:2019年調査より

 
葬儀社との打ち合わせでは、棺や祭壇、会場など、ひとつずつ選択して費用が決まって来るため、予め予算を決めて担当者にお伝えし、費用をかける優先順位を付けて打ち合わせを進めると良いでしょう。

 

[参照]
・安心葬儀2019年調査「葬儀種別のデータ

 

①葬儀以外にも費用は掛かる

ただし、この葬儀費用の平均値には、家族が亡くなってから沖縄で葬儀が終了するまでの費用、全てが含まれている訳ではありません。
沖縄も含めて一般的に「葬儀費用」は、下記4つの項目で構成されているでしょう。

 

<沖縄の葬儀費用、4つの項目>
[費用項目] [平均値]
①葬儀一式 …平均値121.4万円
②僧侶への支払い …平均値47.3万円
③仕出し業者への支払い …平均値30.6万円
※財団法人日本消費者協会「第11回:2017年葬儀についてのアンケート調査」より

 
この他に御香典返しもありますが、いただいたご香典の約1/3~半額ほどを目安に準備するため、葬儀費用には含めないことが多いです。
また沖縄では葬儀後、参列者全員にお食事を振る舞わない選択も多いでしょう。

 

[参照]
・財団法人日本消費者協会「第11回:2017年葬儀についてのアンケート調査

 

沖縄で葬儀までにかかる10の費用

けれども家族が亡くなってから沖縄で葬儀を済ませるまでの費用には、この他にもさまざまな項目が含まれます。

例えば家族が病院で亡くなってから、自宅や葬儀社が提供する安置施設など、次の安置場所へご遺体を搬送する時には、搬送費用が掛かるなどです。

 

<沖縄で葬儀までにかかる10の費用>
[費用項目] [費用相場]
(1)搬送費 …約1万円~2万円
(2)安置費用 …約1万円~3万円/1日
(3)葬儀会場
(斎場など)
…約2万円~30万円
(4)火葬料金 …約8千円~20万円
(5)祭壇 …約18万円~80万円
(6)棺 …約3万円~25万円
(7)骨壺 …約5千円~数十万円以上
(8)遺影 …約1万円~3万円
(9)移動手段
・霊柩車
・マイクロバス等
…約1万円~10万円
(10)お布施 …約7万円~数10万円以上

 
前述したように、それぞれグレードがある他、近年では平屋戸建てを貸し切りにしたリビング葬などもあり、一概に上記の範囲内で収まるとは限りませんが、一般的な沖縄の葬儀の費用相場です。
それでは、下記よりそれぞれの項目を細かく解説します。

 

沖縄の葬儀費用(1)搬送費

沖縄の葬儀費用(1)搬送費
◇搬送費にかかる費用相場は、約1万円~2万円です

搬送費は距離と時間によって算出されます。
一般的には病院から自宅、自宅から斎場などの距離は10キロ未満が多いため、10キロ未満として約1~2万円ほどが目安です。

 

<搬送費>
[距離] [費用相場]
・10キロまで 
(基本料金)
…約1万5千円~2万円
・10キロ以上 …約3千円~5千円/10キロ

 
…状況によっては100キロ以上の中・長距離を走る搬送や、飛行機などで海を越える搬送もありますが、この場合は数十万円掛かります。

ただ飛行機で搬送したり、長距離のご遺体搬送をする選択はそれほど多くはありません。
現地で火葬を済ませて骨壺の状態で、ご遺族が持ち帰る選択が多いでしょう。

 

①搬送の注意点

ここで沖縄の葬儀費用において搬送費も、「どこからどこまでが」距離として算出されるのか、また深夜料金まで配慮したいところです。

 

<搬送の注意点>
①走行距離 ・車庫から出てご遺体を乗せるまで
・ご遺体を乗せてから搬送先まで
②留置時間
(搬送車の待機時間)
・料金が発生する
③料金割増し時間 ・深夜料金
・早朝料金

 
…以上の搬送料金も加算されることは注意をしてください。
留置時間は30分ごとに加算する業者が多いです。

ご遺体の搬出・搬入は、ご遺族の判断だけではどうにもならないので、病院の人々と相談して適切な時間帯で調整しましょう。

 

沖縄の葬儀費用(2)安置

沖縄の葬儀費用(2)安置
◇ご遺体安置にかかる費用相場は、約1万円~3万円/1日です

病室でご家族が亡くなったら、病室から院内の霊安室へ移動しますが、病院の霊安室は仮の安置場所ですので、約3時間~24時間しか安置できません

かつての沖縄ではご遺体を自宅へ搬送し、家族水入らずの通夜「ユートゥージ(夜通し)」を行ってきましたが、近年では集合住宅も増え、葬儀社が紹介する安置室へ搬送される流れが一般的です。

 

①自宅に安置

◇ドライアイスの費用相場が、約5千円~1万円/1日かかります

自宅に搬送する場合、ご遺族はご遺体を安置する部屋を用意しなければなりません。
仏間があれば仏間がベストですが、冷房を18度以下に整えるなど、環境が整う空間であればベストです。

全国的には故人は北向きに眠る「北枕」ですが、沖縄では「イリマックァー(西枕)」と言って、故人の頭は西向きに眠ります。

搬送前にご自宅にご遺族のどなたかが待機し、葬儀社にお願いして布団や枕飾りなどを整えてもらいましょう。

 

 

②葬儀社が提供する安置室

◇安置室を借りる場合、使用料が約5千円~1万円/1日かかります
ドライアイスの費用相場は、約5千円~3万円/1日です。

葬儀社が提供する安置室や、専用の安置施設の使用料は、施設によって幅が広いため、利用前に料金の確認をしてください。

一般的にはご遺体の搬送を依頼する際に、通夜や葬儀までお願いできる葬儀社を決め、その葬儀社が提供する安置室を利用することが多いです。

 

③専用安置施設

◇専用安置施設の使用料は、約1万円~2万円/1日が目安です
ドライアイスの費用相場は、約5千円~1万円/1日かかります。

最近ではコロナ禍などの影響で、葬儀社が提供する安置室がひっ迫した年がありました。
このように斎場の安置室などが利用できなかった場合、専用の安置施設にご遺体を搬送することもあります。

火葬場がひっ迫して火葬が先になるケースなど、安置費用は1日ごとに加算されるので、慎重な予算立てが必要です。

 

 

沖縄の葬儀費用(3)葬儀会場


◇沖縄で葬儀会場の費用相場は、約2万円~30万円です

沖縄の葬儀会場にかかる費用は約2万円~30万円、費用幅は公営・民営の違いの他、使用するホールも「小ホール・中ホール・大ホール」と、広さに比例します。

全国の声ですが「安い葬儀会場を選んだところ、寺院の敷地内にあるトタン屋根の建物だった」などの体験談もあるので、納得できる葬儀をしたいならば、建物の確認が取れる葬儀会場を選びましょう。

 

①公営の葬儀会場

◇公営の葬儀会場の費用相場は、約6千円~5万円です

沖縄で葬儀費用を安く抑えたい場合は、公営の葬儀会場を選ぶと良いでしょう。
全国的に葬儀会場は公営と民営がありますが、墓地などと同じく公営の施設が割安です。
ただし居住する地域の施設でないと、価格が上がることが多いので確認をしてください。

 

②民営の葬儀会場

◇民営の葬儀会場の費用相場は、約1万円~30万円です

沖縄では火葬場と葬儀会場(斎場)が隣接している施設でも、火葬場のみ公営の施設で、葬儀会場(斎場)は民営場合も少なくありません。
この場合は民営と同様の価格帯になるので、この点も注意が必要です。

 

③沖縄県の公営斎場

沖縄県内の公営斎場は、葬儀社に相談する他、役所で尋ねても対応してくれます。
下記は沖縄県内の公営斎場ですが、あくまでも一例としてご紹介していますので、ご利用の際には、必ず役所や葬儀社で確認をしてください。

 

<沖縄県の公営斎場>
①名護市葬祭場 [住所]〒905-0018
沖縄県名護市大西4丁目20−16
[TEL]098-052-3279
[HP]名護市役所
②金武火葬場 [住所]〒904-1201
沖縄県国頭郡金武町金武6166−2
[TEL]098-968-6733
[HP]金武町HP
③沖縄葬祭場 [住所]〒904-2145
沖縄県沖縄市倉敷111−5
[TEL]098-938-3452
[HP]沖縄市HP
④国頭村葬祭場緑聖苑 [住所]〒905-1411
沖縄県国頭郡国頭村辺土名464
[TEL]098-041-2477
[HP]国頭村HP
⑤大宜味火葬場 [住所]〒905-1303
沖縄県国頭郡大宜味村喜如嘉 板敷原232-2
[TEL]098-044-3003
[HP]大宜味村HP
⑧読谷村老人福祉センターセーラ苑
(公共施設)
[住所]〒904-0301
沖縄県中頭郡中頭郡読谷村座喜味1976
[TEL]098-921-5006
[HP]読谷村老人福祉センターセーラ苑
⑨嘉手納町葬祭場 [住所]〒904-0201
沖縄県中頭郡嘉手納町久得245
[TEL]098-956-1111
[HP]嘉手納町HP
⑩伊江村立聖苑 [住所]〒905-0501
沖縄県国頭郡伊江村東江上3461−1
[TEL]098-049-5626
[HP]伊江村HP
⑪伊是名村斎苑 [住所]〒905-0605
沖縄県島尻郡伊是名村勢理客4565−185
[TEL]0980-45-2601
[HP]伊是名村HP
⑫久米島斎場 [住所]〒905-0541
沖縄県島尻郡久米島町儀間2009-14
[TEL]098-985-7842
[HP]久米島町HP
⑬宮古島市斎苑 [住所]〒906-0007
沖縄県宮古島市平良東仲宗根添3408
[TEL]0980-72-0758
[HP]宮古島市HP
⑭今帰仁村斎苑 〒905-00400沖縄県国頭郡今帰仁村字仲宗根804
[HP]今帰仁村HP
※情報が古くなっている可能性もあります。事前に確認をして、ご利用ください。

 
民営葬儀場も沖縄各所にあります。
公営斎場の多くは公営火葬場と併設している施設が多いため、ご遺族は移動をしやすく、バスなどの移動手段も必要のない立地も多いです。

ただし公営火葬場と併設している斎場でも、民営斎場も多くあります。
一般的に公営斎場は使用料が安い傾向にあるので、使用料が気になる方は確認を取ると良いでしょう。

 

沖縄の葬儀費用(4)火葬

火葬場で両親の骨を分骨
◇沖縄で火葬費用相場は、約8千円~20万円です

沖縄では葬儀会場の費用と同じく、火葬料金も公営と市営によって価格幅があります
ただ公営の火葬場でも、地域によって価格幅は広いでしょう。

公営火葬場で最も安い費用だと、約8千円(読谷村村営火葬場)などがありますが、約7万5千円ほど(具志川葬斎場・住民以外)かかるケースもあるためです。

(上記金額は一例です
情報が古くなっている可能性もあるので、事前に具体的な料金を確認してください。)

 

①公営火葬場

◇沖縄で公営火葬場の費用相場は、約8千円~7万5千円です

沖縄では葬儀会場と同じく、火葬場も地域住民とそれ以外の人で料金が違います

具志川葬斎場では、うるま市民・具志川市民は約3万5千円の火葬料金であるところ、地域住民以外の場合は約7万5千円と割引が適用されません。

なかには地域住民しか利用できない火葬場もあるので、公営の場合は使用できるかどうか、確認をすると安心です。

(上記金額は一例です
情報が古くなっている可能性もあるので、事前に具体的な料金を確認してください。)

 

②民営火葬場

◇沖縄で民営火葬場の費用相場は、約3万円~20万円です

民営火葬場とは、民間企業や葬儀社、寺院などが管理運営をする火葬場となり、公営火葬場と比べると費用が割高になるものの、比較的スケジュール調整が立てやすい傾向にあります。

設備が充実した火葬場が多く、近年では火葬場で葬儀を済ませる「直葬」のニーズにも対応した施設も少なくありません。

 

③沖縄県の公営火葬場

沖縄県内の公営火葬場は、葬儀社に相談しても良いですし、個人で進めるならば、故人が居住していた地域の役所に相談してみても、対応してくれます。
集落内に火葬場がない地域もありますが、近隣地域の公営火葬場が利用できるでしょう。

下記は沖縄県内にある公営火葬場の一例ですが、情報が古くなっている可能性もあるので、必ず事前に確認をして利用してください。

 

<沖縄県内の公営火葬場の一例>
①伊良部白鳥霊園 [住所]宮古島市伊良部字佐和田大野原908-3
[TEL]0980-78-6252(212)
[管轄地域]宮古島市伊良部島
②名護市葬斎場 [住所]名護市大西4-20-16
[TEL]0980-52-0003
[管轄地域]名護市
③南城市玉城火葬場 [住所]南城市玉城富里684
[TEL]098-946-8981
[管轄地域]南城市
④石垣市火葬場 [住所]石垣市登野城バンナー2108 -1
[TEL]0980-82-1285
[管轄地域]石垣市
⑤宮古島市斎苑 [住所]宮古島市平良東仲宗根添3408番地
[TEL]0980-72-0758
[管轄地域]宮古島市
⑥恩納村斎場 [住所]国頭郡恩納村字恩納7071-67
[TEL]098-966-2007
[管轄地域]恩納村
⑦大宜味火葬場 [住所]大宜味村字喜如嘉板敷原232-2
[TEL]0980-44-3002
[管轄地域]大宜味村
⑧よみたん斎苑 [住所]読谷村字親志410-2
[TEL]098-958-5113
[管轄地域]読谷村
⑨伊江村立聖苑 [住所]伊江村字東江上3461-1
[TEL]0980-49-2234
[管轄地域]伊江村
⑩長楽苑 [住所]北大東村字南243-31
[TEL]09802-3-4055
[管轄地域]北大東村
⑪伊平屋村火葬場 [住所]伊平屋村字田名3256-50
[TEL]0980-46-2142
[管轄地域]伊平屋村
⑫国頭村葬斎場緑聖苑 [住所]国頭村字辺土名464
[TEL]0980-41-2101
[管轄地域]国頭村
⑬今帰仁村営火葬場 [住所]今帰仁村字仲宗根807
[TEL]0980-56-2101
[管轄地域]今帰仁村
⑭恩納村斎場 [住所]国頭郡恩納村字恩納7071-67
[TEL]098-966-2007
[管轄地域]恩納村
⑮南大東村火葬場 [住所]南大東村池之沢144
[TEL]09802-2-2036
[管轄地域]南大東村
⑯本部町火葬場 [住所]本部町字渡久地922番地
[TEL]0980-47-4576
[管轄地域]本部町
⑰久米島火葬場 [住所]久米島町字阿嘉長田原297-135
[TEL]098-985-2003
[管轄地域]久米島町
⑱金武火葬場 [住所]金武町字金武6166-2
[TEL]098-968-2460
[管轄地域]金武町
※情報が古くなっている可能性もあります。事前に確認をして、ご利用ください。

 
民営の火葬場は組合や民間企業による火葬場などがあり、葬儀社に相談できます。
葬儀社が所有する火葬場など、民営の火葬場や斎場は各地にあるので予約もしやすい点がメリットです。

 

沖縄の葬儀費用(5)祭壇

沖縄の葬儀費用(5)祭壇
◇祭壇の費用相場は、約18万円~80万円と幅広いです

沖縄の葬儀費用では祭壇こそ、選ぶグレードによって大きな幅があるでしょう。
ただ大きな会場に小さな祭壇ではバランスが取れないので、葬儀会場の大きさに合わせる必要はあります。
また祭壇は大きく2つの種類に分かれ、種類によっても価格幅が大きいです。

 

①白木祭壇

◇白木祭壇の費用相場は、約18万円~33万円です

沖縄だけではなく、全国的にも広く使われる祭壇が「白木祭壇」、白木を用いた仏式の祭壇ですので、主に仏式の葬儀で用いられます。

白木祭壇は葬儀会場の大きさに合わせて作られ、大きいほど費用も高いです。
葬儀会場の備品であることが多く、一般的にはレンタル使用することになるでしょう。

 

②生花祭壇

◇生花祭壇の費用相場は、約20万円~80万円です

生花祭壇」は生花で囲まれた祭壇となり、フラワーデザイナーがご遺族の希望を聞きながら作り上げるため、白木祭壇と比べても比較的自由に演出できます。

ただ生花祭壇は、選ぶ花々やグレードによって費用幅が大きく変化するのも特徴です。
大きな祭壇でグレードが高い生花祭壇になると、100万円以上のケースもある一方、現代では低コストプランもあるため、まず予算を決めて打ち合わせをしてください。

 

沖縄の葬儀費用(6)棺

沖縄の葬儀費用(6)棺
◇沖縄で棺にかかる費用相場は、約3万円~25万円です

沖縄の葬儀費用では、棺もグレードによって金額幅が広い項目です。
仏壇やお墓と同じように、使用する素材から金額が大きく変わります
棺の場合は安い木棺の他、近年の沖縄では環境に優しい「エコ棺」などもあるでしょう。

 

●また、沖縄の葬儀で棺の費用を左右する要因は棺の大きさや形があります。

 
棺の形はインロー型、コフィン型、かまぼこ型、箱型など、種類もさまざまです。
ただ棺の費用を安く抑えるために、一般的に沖縄ではシンプルな箱型が選ばれます。

沖縄では先に火葬を済ませて、ご遺骨の状態で葬儀を進める「骨葬」の風習があるためです。

 

①木棺

◇木棺の費用相場は、約3万3千円~7万5千円です

「木棺」とは木材を使用した棺で、かつての沖縄では木棺が基本でした。
木棺の金額「グレード」は、使用する木材や彫刻による判断が大きいです。

グレードの高い木棺では、ヒノキ・杉・桐などの上質な木材を使います。
一方、費用を安く抑えた木棺ではベニヤ板を使用したり、芯材を貼り合わせた「フラッシュ棺」なども安いです。

一方、グレードが高い木棺の彫刻は、複雑で美しいモチーフが彫られ、二面彫刻よりも三面彫刻の方が彫刻面積も広く、高くなるでしょう。

 

②エコ棺

◇エコ棺の費用相場は、約4万8千円~12万2千円です

再生紙や段ボールなどの素材で作られた、環境に考慮した棺がエコ棺です。
二酸化炭素の排出を抑えて、資源の再生ができます。

木棺と比べると割高傾向にありますが、自然環境を機に掛けていた故人や、樹木葬など、故人が自然葬を希望していた場合にも選ばれやすいでしょう。

 

③布張棺

◇布張棺の費用相場は、約8万円~12万円です

棺に布を貼り付けた棺で、棺を前に大きな葬儀が執り行われる場合には、このタイプを選ぶご遺族が多い傾向にあります。

ジャガード織・ベルベット・布の色・絵柄入り(プリント)・刺繍など、布の種類が多様なので、葬儀スタイルや故人のイメージに合わせて選べる点がメリットです。

 

④エンバー棺

◇エンバー棺の費用相場は、約10万円~22万円です

「エンバー棺」では、ご遺体を衛生的に保存して、元気だった頃のように処置する「エンバーミング」技術を施します。

沖縄では棺を前にした葬儀は少ないですが、家族葬の増加とともに、少ない人数で棺を前に故人と最期の別れを希望する喪主も増えました。

このようなお別れのシーンで、例えば蓋をアクリル板にして、広く故人のお顔が見れるようなエンバー棺も見受けます。

 

沖縄の葬儀費用(7)骨壺

まとめ:手元供養とは、手元でご遺骨の管理供養をすることです
◇沖縄で骨壺の葬儀費用は、約5千円~数十万円以上です

骨壺も棺や祭壇と同じく、素材や大きさによって費用幅があります。
火葬場で用意されるシンプルな骨壺であれば、約5千円ほどです。
けれどもデザイン性が高い骨壺や、七宝焼きの骨壺になると、数万円とかかる骨壺もあるでしょう。

また、有名な窯元が作った骨壺などになると、数十万円以上掛かることもあります。
最近では手元供養の選択も増えたため、粉骨して入れるような小さくオシャレな骨壺も見られるようになりました。

 

沖縄の葬儀費用(8)遺影

遺影写真
◇沖縄で遺影にかかる費用相場は、約千円~3万円です

現代の遺影は、ご遺族が加工して準備するケースも増えました。
この場合は紙や印刷代など、材料費と印刷料金で済ため約千円~と割安です。

ただ「キチンと遺影を準備したい」と検討するのであれば、約5千円~3万円ほどが費用相場になります。

 

①自分で加工

◇自分で加工する遺影の費用相場は、約千円~3千円以上です

故人の遺影をご遺族が加工・印刷した場合、費用は印刷紙やインク代のみです。
今では印刷機がなくても、コンビニで写真印刷が手軽にできるでしょう。

ただ上質な印刷を希望すると、約千円~3千円はかかることがあります。
遺影を飾る写真立てにもグレードがあるので、思わぬ費用がかかる体験談もありました。

また、しっかりと故人のお顔が映る写真が残されているのであれば、ご遺族も加工しやすいのですが、スナップ写真から切り取るなど、技術を要する加工の場合は、業者に依頼してしまうと便利です。

 

②業者に加工を依頼

◇業者に依頼する費用相場は、約5千円~1万円です

スナップ写真から故人のお顔を切り抜きたかったり、好きな表情だけど服装がカジュアルすぎる、など、遺影を選ぶのに迷うことがあれば、業者に依頼して加工してもらうと良いでしょう。

あまりに小さいと難しいケースもありますが、現代ではスナップ写真から加工したり、服装などを変える加工を受け付けてくれる業者もあります。

 

③遺影を撮影

◇遺影を撮影する費用目安は、約2万5千円~3万円です

家族が亡くなってからできる方法ではありませんが、しばしば終活を通して、故人が自分で遺影を撮影していることがあります

そのため終活をしている様子が伺えた故人であれば、いちど自分で撮影した遺影が残っていないか、確認をすると良いでしょう。

ちなみに自分で納得できる遺影を撮影したい場合、遺影撮影ができるカメラスタジオもあり、費用目安は約2万5千円~3万円です。

 

[終活]
・沖縄で行う終活の優先順位は?終活でやるべき10の事柄をチェック!何歳で始めるべき?

 

沖縄の葬儀費用(9)霊柩車

沖縄の葬儀費用(9)霊柩車
◇沖縄で霊柩車やマイクロバスなど、移動費用は約1万円~10万円が相場です

沖縄の葬儀では霊柩車も、多くのケースで搬送車と同じ料金計算方法を採用します。
そのため一般的には、下記のような計算式になるでしょう。

 

<霊柩車の費用相場>
●計算式 [基本料金(10キロまで)]+[追加料金(10キロ以上)]
●費用相場
①10キロまで
(基本料金)
・1万5千円~2万円ほど
②10キロ以上
(追加料金)
・約3千円~5千円/10キロ毎
③追加料金 ・深夜料金
・早朝料金
・留置料金

 
霊柩車で注意したい追加料金の項目も、基本的には搬送車と同じです。
霊柩車が待っている間も「留置料金」がかかりますし、霊柩車ではあまり利用しませんが、深夜~早朝に霊柩車を出す場合には深夜料金・早朝料金がかかります。

 

①マイクロバス

◇マイクロバスの費用相場は、約4万円~10万円です

高齢の参列者が多い場合など、マイクロバスも検討しましょう。
マイクロバスは参列者が、葬儀会場(斎場)から火葬場へ移動する際に準備します。

葬儀会場(斎場)から火葬場まで距離がある、参列者に高齢者が多い場合などで必要です。
マイクロバスも霊柩車と同じく、留置時間や大きさ(乗車人数)により料金が変わります。

葬儀会場(斎場)と火葬場が隣接した施設も多いので、マイクロバスの費用を抑えたい場合には、移動距離のない施設を選ぶのも一案です。

 

沖縄の葬儀費用(10)お布施

沖縄の葬儀費用(10)お布施
◇沖縄でお布施を包む費用相場は、約3万円~数10万円以上です

「お布施」は読経供養を依頼した僧侶へ包むお金です。
全国的には特定の寺院の信家となる「檀家制度」が根付いてきた歴史があるため、信仰する「菩提寺(ぼだいじ)」のご住職に読経供養を依頼しました。

けれども沖縄ではそもそも檀家制度がないため、近隣の寺院や葬儀社に相談して、読経供養を依頼します。
そのため包む金額に迷ったら、葬儀社スタッフなどに訪ねてみても良いでしょう。

 

①お布施

◇僧侶へ包むお布施の相場は、約3万円~10万円です

仏教の教えとしてはお布施は徳行のひとつ、仏教修行として行うものですが、沖縄の葬儀で僧侶へお布施を包む目的は、読経供養に対してお渡しします。

お布施は決まった料金を提示されるタイプのお金ではないので、喪主が金額を決めて良いのですが、沖縄の葬儀では、1回の読経供養に付き約3万円~5万円ほどが費用相場です。

また僧侶が出張されている場合、約3千円~5千円ほどの「御車代」を、会食の場を設けたものの、僧侶が欠席される場合は、約5千円~2万円ほどの「御膳代」を包みます。

 

 

②戒名

◇僧侶へ戒名の名づけを依頼する費用相場は、約3万円~20万円以上です

「戒名」とは仏教においてお釈迦様の弟子になった時の名前ですので、一般的に人が亡くなった時に戒名を付ける習慣がありますが、本来は生きている間にも、得度により戒名が付けられます。

本来は生前の行いによって戒名の位が分かれ、良い行いをしていると位の高い戒名がもらえるのですが、現代では費用が高いほど、位の高い戒名を得られる仕組みです。

 

③戒名をどうするか

◇沖縄では俗名で供養するご遺族も多いです

沖縄で仕立てる先祖代々のご位牌「トートーメー」は、もともと俗名を記載します。
また沖縄には独自の祖霊信仰が根付き、仏教に倣う風習ばかりではありません。
そのため沖縄の場合、環境が許すならば、戒名を付けるご遺族ばかりではないでしょう。

全国的には特定の寺院「菩提寺」に属する「檀家制度」があり、菩提寺の境内にお墓を建てて、ご遺骨を埋葬してきました。

そのため菩提寺のご住職から戒名をいただかないと、ご遺骨をお墓に埋葬できない事情もありましたが、沖縄では個人墓地のお墓も多いです。

また最近沖縄に登場した民間霊園なども、宗旨宗派を問わない墓地が多く、必ずしも戒名を付ける必要はありません

 

 

 

沖縄で葬儀後、納骨先にかかる費用

沖縄で家族が亡くなったら(7)火葬
◇沖縄では葬儀後、すぐに納骨式を行います

門中墓や先祖代々墓など、すでに納骨先があるご遺骨は、沖縄では葬儀当日、葬儀・告別式の後にそのまま納骨式まで行う流れが一般的です。

既存のお墓に納骨する場合、納骨先では「納骨式」を行うため、ここでも読経供養を依頼する僧侶へお布施をお渡しします。

納骨式で包むお布施の費用相場も、葬儀でのお布施と同じく約3万円~5万円ほどです。
ただし1回の読経供養に対するお布施の費用相場なので、葬儀と納骨式で2回の読経供養を依頼したならば、約5万円~10万円と多めに包むようにしてください。

 

 

①お墓を建てる

◇新しくお墓を建てる費用相場は、約150万円~300万円以上です

新しくお墓を建てる場合、墓石代がかかるのでコンパクトなお墓を建てるとしても費用相場は、約150万円~300万円以上と高くなります。

ただし門中墓や先祖代々墓など、子どもや孫の代まで長く使用するお墓であれば、一基建てると、ご遺骨を納骨するカロートに入る限り、個別に費用はかかりません。

今までは個人墓地にお墓を建てる風習がありましたが、現代では日本の法律に合わず、また墓主不在の無縁墓も問題になっています。

近年のお墓にも、無縁墓にならない永代供養を付ける霊園が多いです。
沖縄県では新しいお墓を建てるにあたり、墓地管理者がいる霊園や墓苑に建てることを推奨しています。

 

[霊園とは]
・霊園とは?墓苑や墓地、寺院との違いは?それぞれの特徴や選び方、メリット・デメリット

 

②永代供養墓(合祀墓)

◇永代供養墓の費用相場は、約5万円~30万円です

永代供養墓は合祀墓・合葬墓・合同墓などとも呼ばれ、ひとつの供養塔に他のご遺骨と一緒に合祀されます。

永代供養墓によっては、墓碑に故人の名前を記載できるなど、メモリアルサービスメニューもあるでしょう。

「永代供養」とは、墓地管理者にご遺骨の供養や管理を永代に渡り任せることを指し、個別にご遺骨が残る納骨堂や室内墓所も、永代供養のひとつです。
(そのため納骨堂や室内墓所でも、契約した年数が過ぎると合祀されます。)

お墓のない遺骨供養としては最も安い納骨先ですが、ご遺骨は個別に残りません。

 

[永代供養墓]
・【2024年最新ランキング】沖縄でおすすめの永代供養墓トップ13件、口コミも紹介!

 

③納骨堂

◇納骨堂の費用相場は、約10万円~120万円ほどです

納骨堂はご遺骨を収蔵できる屋内スペースで、かつてはお墓を建てるまでなど、ご遺骨の一時的な安置場所として利用されてきました。

けれども現代では納骨堂を遺骨供養のひとつの形として受け入れられるようになり、ニーズに合わせて納骨堂の種類が多様になっています。

従来のロッカー型納骨堂もあれば、参拝ブースに案内されて、ご遺骨がブースに搬送される「自動搬送型納骨堂(ビル型納骨堂)」もあり、法要室を設けた施設もあるほどです。

継承者を必要としない永代供養プランでありながら個別にご遺骨は残り、長く故人を参拝する墓所として選ばれるようになりました。

 

 

 

④室内墓所

◇室内墓所の費用相場は、約50万円~180万円です

屋内のお墓「室内墓所」は、ご夫婦や家族でご遺骨が納骨できる屋内施設です。
全国的には屋内にお墓が並ぶ室内墓所もありますが、お墓型納骨堂などとも呼ばれます。

沖縄県内では、お墓がある参拝ブースに案内され、ブースにご遺骨が機械制御により搬送される「自動搬送型納骨堂(ビル型納骨堂)」が一般的です。

継承者を必要としない永代供養ですが、ご遺骨の個別安置期間が17年・33年・50年など、ご遺骨の弔い上げと同じくらいの長期プランである室内墓所が多く、納骨できる人数も「家族用」があり、4人~8人納骨できるプランもあります。

 

 

[沖縄県の室内墓所]
・永代供養、室内墓所「琉球御廟
・「想い出参拝」のお墓「久遠の想い

 

⑤樹木葬

◇樹木葬の費用相場は、約5万円~100万円です

もともと「樹木葬」は樹木のふもとに、骨壺から取り出したご遺骨を埋葬し、土に還る自然葬型でしたが、現代ではニーズに対応して永代供養型も登場しています。

永代供養型の樹木葬は、霊園の特別区画に美しい草花で囲まれた庭園を造り、そのなかで眠ることができる永代供養付きプランです。

美しい草花で囲まれた区画では、個別に納骨できるスペースが提供され、その上には小さな墓碑が置かれるため、納骨後も個別に参拝できます。

そして契約した一定年数が過ぎると、霊園内の永代供養墓に合祀される仕組みです。
近年では、鎌倉新書による新しく建てるお墓アンケートで、一般墓を抑えて48.7%のシェアとなりました。

 

 

 

⑥海洋散骨

◇海洋散骨の費用相場は、約10円~50万円です

海洋散骨はご遺骨を2mm以下のパウダー状に粉骨した後、海に撒く自然葬です。
海洋散骨は散骨の仕方により、費用幅が約10円~50万円と幅広くなります。

散骨業者にご遺骨ごと依頼して委託する委託散骨は費用が安く収まりますが、ご遺族は散骨に立ち会うことができません。

一方、船をチャーターしてご遺族で散骨セレモニーを行う場合、費用も高い傾向です。
故人の名を刻むメモリアルプレートや、海を眺める墓碑に故人の名を彫刻するなどのメモリアルサービスを備えたプランもあります。

 

 

[沖縄の海洋散骨]
・美しい海に抱かれて眠る「美ら海

 

⑦手元供養

◇手元供養の費用相場は、約3千円~80万円です

手元供養はご遺骨を自宅に祀り供養する遺骨供養なので、ご遺骨をそのまま祀っても良いですし、仏壇を仕立てて祀ることもできます。
そのため費用幅は広く、予算に合わせた手元供養ができるでしょう。

暮らしに合わせた現代の手元供養では、ご遺骨を粉骨して小さな骨壺にまとめます。
粉骨にあたり約3万円ほどの費用がかかりますが、散骨など、他のプランと併せるご遺族も多いです。

 

 

[沖縄県の手元供養]
供養ギャラリー那覇・南風原店

 

沖縄で納骨後にかかる費用

沖縄で位牌分けは個人の位牌
◇沖縄では葬儀の後、位牌や仏壇の準備もします

従来の沖縄の風習では、葬儀の後、四十九日までに位牌を用意して、白木位牌(仮位牌)から本位牌へ交換する儀式を行ってきました。

ただ先祖代々位牌「トートーメー」に記載される故人の場合、トートーメーの名前札に名前を記載するだけです。

現代では僧侶から戒名の名付けを依頼するご遺族が多いですが、もともと沖縄では俗名を位牌に記載してきたので、必ずしも戒名を記載する必要はありません。

また名前は仏壇仏具店に依頼して丁寧に記載したり、彫刻すると綺麗ですが、昔はご遺族が手書きで書き入れることも多くありました。

 

 

①位牌を仕立てる

◇位牌を仕立てる費用相場は、約1万円~10円ほどです

新しく位牌を仕立てる場合、個別の位牌でも塗り位牌や唐木位牌、モダン位牌など、素材によって費用幅は広くなります。

ご先祖様が並ぶ沖縄位牌を新しく仕立てる場合、始まりは1人用・3人用など、小さなものから仕立てるご遺族が多いですが、1人用でも約3万円前後の費用相場です。

7人2段台付きになると約7万円台、9人2段台付き、11人2段台付きなどになると、10万円を超えるトートーメーもあるでしょう。

ただ近年では、トートーメーの継承問題が深刻化していることから、「そもそも位牌を仕立てない」選択肢も増えています。

 

 

 

②仏壇を仕立てる

◇仏壇は、約10万円ほどから仕立てることができます

仏壇は高いイメージがありますが、近年はインテリア要素が高い「家具調仏壇(モダン仏壇)]や、暮らしのなかでマッチするコンパクトな仏壇が登場し、安く購入できるお手頃な仏壇も増えました。

棚の上に乗せるコンパクトな棚置き型家具調仏壇(モダン仏壇)であれば、約10万円ほどの価格帯から購入することもできるでしょう。

一方、昔ながらの沖縄仏壇、全国的にも重厚な唐木仏壇など、仏壇によっては50万円、80万円を超えるものもあります。

ただし近年では仏壇も仕立てずに、写真を飾って故人を偲び供養するご遺族も増え、家から個人へ、より自由な供養の形を見受けるようになりました。

 

 

[家具調仏壇(モダン仏壇)を扱う店舗]
供養ギャラリー那覇・南風原店

 

[沖縄仏壇を扱う店舗]
お仏壇の赤嶺

 

③四十九日法要

◇四十九日法要でも、お布施を包みお渡しします

沖縄では「シジュウクンチ(四十九日)」と呼ばれる四十九日法要ですが、現代では本州の風習に倣い、僧侶をお呼びして読経供養を行うご遺族が多いです。

僧侶をお呼びして四十九日法要を執り行う場合、葬儀と同じく1回の読経供養に付き、3万円~5万円を目安に、お布施を包みお渡しします。

この他、自宅でない場合には会場使用料がかかるでしょう。
沖縄では葬儀当日の納骨式が多いですが、四十九日法要に納骨式まで行う場合、納骨式の費用もかかります。

 

[沖縄のシジュウクンチ(四十九日)]
沖縄のシジュウクンチ(四十九日)☆お供え物と進め方

 

④香典返し

◇ご香典の、約1/3~1/2を目安に品を選びます

「香典返し」とは、葬儀のご香典をいただいたお礼に、忌中が明けた四十九日以降にお送りする品で、いただいたご香典の約1/3~1/2の金額が目安です。

ただし香典返しは全国的に、約3千円以上のご香典をいただいた参列者に対してお送りするため、約千円~3千円のご香典相場になっている沖縄では、あまり香典返しの風習がありません。

人数を限定した家族葬などで、約3千円以上のご香典をいただいた時にお返しします。
近年では改めて香典返しを送る手間暇を省略するため、葬儀当日に手土産としてお渡しする香典返し「当日返し」の選択も増えました。

 

 

⑤相続税

◇1千万までの相続税の税率は、約10%です

家族が亡くなったら葬儀や法要、ご遺骨の供養と併せて相続手続きも、約10か月以内に進めなければなりません。

お墓や仏壇などの継承する祭祀財産以外は、申告すると実家から全て相続財産です。
ざっくりと大まかな目安ですが、1千万までの相続税税率は10%、1千万~3千万までは約15%、1億までは約30%の相続税率がかかります。

相続人間で揉めて相続が複雑になると、弁護士費用など思わぬ費用も掛かりますので、お互いに譲歩しながら、スムーズに進めるよう、配慮も必要です。

 

沖縄で葬儀費用は誰が払う?

沖縄で葬儀費用は誰が払う?
◇葬儀費用は相続財産から支払うことができます

家族が亡くなった時、お墓を建てたり仏壇を仕立てても、この費用はご遺族からの出費となりますが、葬儀費用は故人の相続財産から支払うことができる費用です。

ただし故人の銀行口座は、金融機関が故人の死を知った時点から凍結されます。

凍結されると、相続人全員の了解が必要になるなど、預金を引き出すことが難しくなるので、喪主・施主が立て替える、ご遺族で負担するなど、他の方法も併せて検討しましょう。

 

①故人の財産から払う

◇葬儀費用は故人の預貯金財産から利用できます

故人が亡くなった後も、葬儀費用に関しては相続財産から支払うことが可能です。
相続としては、故人の預貯金財産から葬儀費用を支払った後、残った相続財産を相続人全員で分割します。

故人の預貯金口座が凍結していない場合、相続人全員が同意しているならば、故人の預貯金口座から引き出して支払うことも可能です。

ただし後々になって思わぬトラブルが起きぬよう、故人の預貯金財産を引き出す時には、他の相続人と複数人で立ち合うと良いでしょう。

 

 

②香典から払う

◇葬儀費用は、葬儀後に請求する葬儀社が多いです

会葬返礼品など変動する費用も多いため、沖縄の葬儀社の多くは葬儀の7日後までなど、葬儀の後に葬儀費用を請求します。

そのため参列者が持参したご香典を、そのまま葬儀費用に充てることも可能です。
もともとご香典は、葬儀や遺骨供養など、ご遺族の負担を軽減する相互扶助の役割があります。

葬儀当日に終わったらすぐ請求する葬儀社も稀にありますが、事情を話して形を整え、後日ご香典から支払う方法も一案です。

 

 

③喪主や施主が立て替える

喪主(施主)に充分な予算がある場合、沖縄では葬儀費用を一時的に立て替え、遺産分割協議を終えて故人の財産を扱えるようになってから、葬儀費用を受け取る判断も多いです。

葬儀費用は故人の預貯金財産から支払うこともできますが、相続人のうち一人だけがお金を引き出すと、後々になって思わぬトラブルにもなり兼ねません。
誤解を招く行動を取るよりは、立て替える方が手続きも簡単ですし安心です。

 

④分担して払う

沖縄では葬儀費用をご遺族や親族で、分担して支払う判断もあります。
日頃から親族間で毎月お金を出し合い、積み立ててきた模合を、葬儀費用に充てることもあるでしょう。

喪主(施主)になったものの、葬儀費用に不安があるならば、まず家族・親族に相談して負担を分担してもらうことも大切です。

 

⑤分割払いを利用する

◇メモリアルローンなどを利用し、分割で支払う方法です

突然のことで手元に準備がなく、故人の預貯金財産からも充分な葬儀費用が賄えないケースなどでは、分割払いで支払うこともあります。
多目的ローンやカードローンでも分割払いはできますが、金利が高くなるでしょう。

人数の少ない家族葬を行った兼城さん(仮名)は、葬儀社に相談した結果、葬儀社が提供するメモリアルローンを利用しています。

葬儀費用に目的が絞られているため審査も早く、金利もカードローンや多目的ローンと比較して低くなりました。

 

 

⑥補助金申請をする

◇国民保険に加入していた故人は「葬祭費」が支給されます

故人が後期高齢者医療保険に加入していた場合、故人が亡くなってから2年以内に、葬儀を執り行った喪主(施主)が申請をすると支給される補助金が「葬祭費」です。
葬祭費は自治体により異なり、全国的には約2万円~7万円が支給されます。

沖縄県内の一例では、糸満市やうるま市で約2万円、浦添市や南城市では約3万円、沖縄市では約5万円が支給されました。
(ただし葬祭費は年度・条件で変化するので、あくまでも参考としてください。)

また社会保険では、同じく故人が亡くなってから2年以内に申請をすることで、約5万円ほどの「埋葬料」が支給されることがあります。

 

 

⑦葬祭扶助

◇経済的に葬儀費用を賄えない場合、葬祭扶助を受けることができます
「福祉葬」「民生葬」も、葬祭扶助による葬儀です。

故人やご遺族が生活保護を受けていたなど、明らかに葬儀費用を賄えない状態だと認められた時には、葬祭扶助により葬儀を執り行うことができますが、条件を満たさなければなりません。

火葬場で葬儀まで済ませる「直葬」など、自治体が葬儀費用を代わりに負担する形で、条件によっては0円でもできます。

葬祭扶助で支給される金額の上限は自治体によって異なり、一例としては大人で約20万6千円が上限、子どもは約16万4千円などです。

 

 

沖縄の葬儀費用体験談:一般葬

沖縄の葬儀費用体験談:一般葬
◇一般葬を行った上原さんの葬儀費用は約108万9千円でした

従来の沖縄の一般葬は、一般人でも約80人~100人以上の参列者も多く、葬儀会場も広くなるために、祭壇もそれなりの大きさのものを準備しなければなりません。

個別にご案内状を出すことはありませんが、新聞2紙に荼毘広告を掲載しなければならず、確実な参列者の人数が分からないため、約110人を想定して会葬礼状や返礼品を準備しました。

葬儀社と打ち合わせする時には、予算オーバーにならないよう、大まかな沖縄の葬儀費用相場を理解したら、まず予算を伝えるのも良い方法です。

 

①祭壇セットの費用

①祭壇セットの費用
◇葬儀社から祭壇セットの提案を受けることが多いです

上原さんの打ち合わせでは、約40万円の祭壇セット・約50万円の祭壇セットが葬儀社から提案されました。

祭壇セットの費用の違いは、祭壇の大きさ・種類・グレード、棺の種類やグレード、骨壺の種類グレードの違いが大きく影響しています。

会場も大きく生花で囲みたかったので約50万円の祭壇セットを選択しました。
セット料金の提案から入るので、忙しいなかでも進めやすいと感じています。

 

②荼毘広告費用

◇沖縄の主要新聞紙2紙と、ネット情報への掲載を依頼します

「荼毘広告(だびこうこく)」とは、新聞のお悔み欄に訃報を掲載することです。

広く参列者を受け入れる沖縄の一般葬では、個別に葬儀のご案内状を出しません。
その代わりに、新聞紙2紙の「お悔やみ欄(訃報欄)」に葬儀情報を掲載します。

ご遺族の掲載人数が8名、主要新聞紙1紙に付き約7万6千円がかかりました。
新聞紙を取らない世帯にも配慮しネットのお悔み欄にも掲載、料金は2万2千円です。

 

③沖縄の一般葬にかかった費用合計

上原さんのケースでは、祭壇セットは大きめの約50万円の祭壇を選びます。
斎場使用料も約10万前後の料金からありましたが、翌日の葬儀で安置費用が必要なかったことで、少しグレードを上げて依頼しています。

 

<沖縄の一般葬体験談:費用合計>
①葬儀全般 祭壇セット…約50万円
返礼品…約14万円(700円×200名)
会葬礼状…約2万2千円(110円×200名)
②荼毘広告料 新聞紙2紙…約14万7千円
ネット掲載…約2万円
③お布施 お布施…約6万円
お車代…約5千円
④会場使用料 …約15万円
⑤火葬費用 …約4万5千円
⑥合計 …約108万9千円

 
上原家は南部の火葬場を利用し4万5千円でしたが、那覇市内では2万5千円ほどの地域もあり、火葬費用も自治体や火葬場によって、費用幅が広いです。

葬儀の後、上原家はそのまま門中墓へ納骨式を行いました。
大きなお墓の門扉を開けるため、約3万円で石材業者へ依頼しています。

 

沖縄の葬儀費用体験談:家族葬

縄の葬儀費用体験談:家族葬
◇家族葬を行った比嘉さんの葬儀費用は約43万4千円でした

比嘉家は広く会葬客を受け入れない家族葬を選びました。
高齢の父親が亡くなり、ごく近しい身内や知人友人へ電話をしましたが、広い範囲では四十九日法要後、納骨を済ませてから事後報告とするつもりです。
そのため荼毘広告は必要なく、翌日に自宅で葬儀を行っています。

 

①祭壇セット

◇コンパクトな祭壇セットは、約18万円からありました

祭壇セットは18万円のグレードからありましたが「棺や骨壺のグレードを上げたい」「お花をたくさん飾ってあげたい」との想いから30万円のグレードを選んでいます。

まるで自宅のような一棟貸し切りの葬儀会場も提案されましたが、父親は長く老人ホームで暮らしてきたため、「帰りたい」と言っていた自宅で葬儀を行うことに決めました。

自宅葬になるため、葬儀会場の使用料は一切かかりません。
けれども自宅葬を行うにあたり、近所の人々に駐車場誘導や、受け付けのお手伝いを依頼したので、心づけとして、お1人3千円ほど、5人に依頼したので1万5千円お渡ししています。

 

②30人限定の家族葬

◇30人をご案内した家族葬ですが、電話でご報告しています

新聞紙に掲載する荼毘広告がない、人数が限定された家族葬では、一般的に「ご案内状」として葬儀情報を掲載したハガキを送りますよね。

ただ比嘉さんの場合、参列する人々がほとんどご家族と親族、また故人が生前から親しくしていた近所に住む友人知人だったため、ほとんど電話や、直接お会いして伝えました。

ハガキを印刷する費用相場は約30円~50円ほど/1枚、さらに切手代が68円/1枚です。
大雑把に約100円として、30人では3千円ほどかかりますが、今回はご案内状を送る費用がかかっていません。

 

③家族葬にかかった費用

比嘉さんのケースでは祭壇が約30万円かかっているので、約18万円の最もグレードの低い祭壇セットを選ぶと、より費用を抑えることができるでしょう。

けれども安い祭壇セットはそれだけ小さくて簡素にもなり兼ねません。
葬儀会場と照らし合わせて、ご遺族が納得できるグレードの祭壇を選びましょう。

 

<沖縄の家族葬体験談:費用合計>
①葬儀全般 祭壇セット…約30万円
返礼品…約2万1千円(700円×30名)
会葬礼状…約3千円(100円×30名)
②荼毘広告料 …0円
③お布施 お布施…約6万円
お車代…約5千円
④会場使用料 …約1万5千円(自宅葬)
⑤火葬費用 …約4万5千円
⑥合計 …約43万4千円

 
こちらには費用として計上していませんが、30人の参列者は示し合わせ、各々に故人が好きだった花々をたくさん持参しました。

そのため祭壇は参列者が作り上げた生花祭壇になり、弔電や供物、そして多くのフラワーアレンジメントも届いたため、思った以上に豪華な祭壇になっています。

 

香典で葬儀費用を賄う

まとめ:沖縄の香典相場は、葬儀形式から判断しましょう
◇ご香典は本来、相互扶助の役割があります

沖縄の規模の大きな一般葬は費用も高くなりますが、会葬客の御香典による相互扶助も期待できます。

上原家の体験談でも分かるように、100人以上の葬儀費用は100万円を超え予算面で大きくはなりますが、参列者も多いのでご香典金額も多いです。

 

①上原家のご香典金額

今回、沖縄で一般葬を行った上原家では、ご香典をいただいた人数が196人でした。
参列者が持参するご香典はもちろん、参列者のなかには他の人々のご香典を託されて持参している人々や、合同でご香典を包む人々もいたためです。

 

<上原家のご香典:196人>
(連名/郵送あり)
・千円 …78人(7万8千円)
・3千円 …65人(19万5千円)
・5千円 …36人(18万円)
・1万円 …11人(11万円)
・5万円 …1人(5万円)
・10万円 …1人(10万円)
※郵送3万円 …3人(9万円)
●合計 …80万3千円

 
従来の規模の大きな沖縄の一般葬に参列する場合、ほとんどの参列者が千円~3千円のご香典を準備するでしょう。

けれども近年では5千円以上のご香典を持参する人々も多く、また親族や家族が包むご香典は費用が高くなりました。

 

②比嘉家のご香典金額

人数限定で行った比嘉家では、予定通り参列客は30人です。
広く葬儀情報を流していないため、故人が親しくしていた参列者のご家族から郵送でご香典をいただいたものの、一般葬のように参列者以外からのご香典はありません。

 

<比嘉家のご香典:30人>
(郵送あり)
・3千円 …5人(1万5千円)
・5千円 …20人(10万円)
・1万円 …3人(3万円)
・5万円 …1人(5万円)
・10万円 …1人(10万円)
※郵送3万円 …3人(9万円)
●合計 …38万5千円

 
ただ比嘉家の場合、ほとんどが3千円以上のご香典なので、四十九日法要の後にご香典返しを送るつもりです。

今回は突然のことで、慌てて沖縄に駆け付けたものの、すでに本州に帰った親族や参列者も多く郵送料がかかるため、一律で葬儀用のカタログギフトを送ることにしました。

 

まとめ:沖縄では葬儀費用を抑えた家族葬が増えています

沖縄で家族が亡くなったら(10)お斎
従来の沖縄では広く参列者を受け入れる大きな規模の一般葬を執り行う風習がありましたが、近年では喪主の高齢化や、核家族化により、小さな規模の家族葬が増えました。

家族葬は個別に葬儀のご案内をするなど、手間暇がかかりますが、人数が限定されているため予算を立てやすい点もメリットです。

また30人以下の小さい規模の家族葬では、喪主(施主)が参列者へのお礼の気持ちとして、会食の場を設ける沖縄の葬儀も増えています。
人数が限定されることから、会場やお食事の予約が取りやすいためでもあるでしょう。

下記コラムでは沖縄の家族葬と一般葬でかかる費用が、具体的にどの項目で、どれくらい違うかがわかりますので、こちらも併せてご参照ください。

 

 


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