【沖縄の葬儀】大切な家族を亡くした時、遺族が行う手続き

2021.10.30
【沖縄の葬儀】大切な家族を亡くした時、遺族が行う手続き

沖縄で葬儀準備の間にも、ご遺族には次々と現実的な手続きが待っていますよね。ショックも大きいなか、少しでも動きやすくするには、少し辛いことではありますが、事前に行うべき手続きを知っておき、心づもりを持っておくことが役立ちます。今回は、葬儀社を決めて打ち合わせをするまで、ご遺族が行うべき現実的な手続きをお伝えします。

ご臨終を迎えた時。家族で進める沖縄の葬儀前に行うしきたり」など、大切な家族を亡くした時に行う、昔から伝わる沖縄独自の葬儀儀礼をお伝えしてきましたが、ご遺族はこの間にも、さまざまな現実的な手続きが待っていますよね。

こんな時に頼りになる地域の隣組制度も薄れつつありますが、核家族が増えるなか、沖縄の一連の葬儀手続きを実家に頼ることもできずに、ただ途方に暮れると言う、ご遺族の声も少なくありません。

それでも沖縄でさまざまな葬儀前の手続きを済ませなければならないなか、いざと言う時に少しでも動きやすくなるためには、少し辛いことではありますが、事前に行うべき手続きを知っておき、心づもりを持っておくことが役立ちます。

また、沖縄での葬儀前の現実的な手続きを理解して、より心の負担なく進めるために、周囲に予め相談をしておく方法も良いのではないでしょうか。

今回は、沖縄で葬儀社を決めて打ち合わせをするまで、ご遺族が行うべき現実的な手続きをお伝えしますので、どうぞ参考にしてください。

沖縄の葬儀前の手続き。死亡診断書

沖縄の葬儀前の手続き。死亡診断書
大切な家族を亡くした時、沖縄の葬儀社を選ぶ前に、死亡診断書を受け取る手続きが必要です。

死亡診断書を受け取ることで死亡届を提出できますし、死亡届を出すことでご遺体を火葬するための「火葬許可証」を受け取ることができますが、亡くなった経緯によっては検死を必要とすることもあるので、注意をしてください。

ほとんどのケースで病院で最期を迎えますが、この他にもさまざまなケースがあります。

【 沖縄の葬儀前の手続き。死亡診断書 】

● 「死亡診断書」を受け取る場合 → 死亡診断書が出る時は「自然死」となります。

(1) 病院で最期を迎える … 病院で治療中に最期を迎えた時には、病院の医師が速やかに死亡診断書を出してくれる流れがほとんどです。

(2) 救急車などで病院に向かう途中で最期を迎える … 例えば病院療養中に一時帰宅した時、家で急変した時には救急車を呼ぶことで、向かう途中で最期を迎えた場合でも、「死亡診断書」を書いてもらえます。

(3) 在宅医療を選択し、自宅で最期の時を迎えた場合 … 在宅医療中、かかりつけ医が到着する前に最期を迎えたら、そのまま体を動かさずに担当医の到着を待ってください。

※ 訪問医により死亡診断書が出されます。

病院で最期を迎えたのであれば、それが事故であっても自然死として死亡診断書を受け取ることが多いです。ただし、事故の場合は病院に搬送されて24時間以上経過している場合に限ります。

沖縄の葬儀前の手続き。死体検案書

沖縄の葬儀前の手続き。死体検案書
沖縄で葬儀社との打ち合わせ前、ご遺族が行う手続きは「死亡診断書」の受け取りと、「死亡届」の提出、及び「死体火葬許可証」の提出、の3つとなりますが、検死が必要になると警察が一度ご遺体を引き取らなければなりません。

この場合、検死を終えた証明となる「死体検案書」が死亡診断書の代わりになりますが、なかには検死を嫌がるご遺族もいますので、できるだけ検死にならないポイントをお伝えします。

現実的な言葉でお伝えしていますので、どうぞムリのないよう、読み進めてください。

【 沖縄の葬儀前の手続き。死体検案書 】

● 「死体検案書」を受け取る場合 → 死体検案書を受け取る場合は、警察による検死を行った場合で、死亡診断書と同じ役割です。

(1) 自分で命を亡くした場合 → 一度警察の検視を行う必要があります。

(2) 事故により、現場で命を亡くした場合 → 前述したように同じ事故死であっても病院に搬送され、1日(24時間)以上の治療を受けてきたのであれば自然死と判断されるのですが、現場で命を落とされた場合には、検死が必要です。

(3) 自宅で最期を迎え、医師の診断前にご遺体を移動した場合 → 詳しくは次項でお伝えします。

死亡診断書は故人が亡くなったその時の家族の対応によって、手続きの流れが変わってきますから、もちろん沖縄でも葬儀社にお願いすることはできません。ご家族で進めなければならない事柄です。

自宅で最期を迎えた場合

自宅で最期を迎えた場合
沖縄で葬儀社選びの前にまず必要な、死亡診断書の受け取りですが、最近では自宅で最期を迎える人々も増えています。高齢者を中心に在宅医療の広がりがその背景です。

また在宅医療だけではなく、普通に暮らしていても自宅内での容態の急変や、事故死は起きます。

【 沖縄の葬儀前に行う手続き。自宅で最期を迎えた場合 】

● 自宅内で最期を迎えた場合には、できるだけ速やかにかかりつけ医か、救急車へ連絡をしてください。

(1) 在宅医療でかかりつけ医が病院にいない場合 … 判断は担当医でなくとも構いません。そのまま他の病院でも心当たりがあれば連絡をしてみても大丈夫です。

(2) 突然の容態の急変で亡くなった場合 … 一般的には体を動かさず、まず救急車を呼んでください。

(3) 119番や病院への連絡が上手くいかない場合 … 休日や祝日などで病院と連絡が取れない、119番がなかなか繋がらない時には、110番(警察)への電話連絡も有効です。

※ 警察では警察医がいますので、警察医による判断になります。

この時、不意な出来事に家族はついつい体を動かしたり移動したくなるものですが、救急車やかかりつけ医が到着するまえに体を動かしてしまうことで、検死が必要になる事例は多いです。

まだ出生届を出していない赤ちゃん

まだ出生届を出していない赤ちゃん
まだ出生届を出していない段階で最期を迎えた赤ちゃんの場合、まず出生届を出した後に死亡届を出さなければなりません。

沖縄の葬儀社では死亡届の提出を代行してくれることはありますが、出生届及び死亡届はご遺族が手続きを済ませる事例がほとんどです。

こちらも読む進めることで心の負担が重くなるようであれば、できれば周囲の人とともに手続きを進めるようにしてください。

【 沖縄の葬儀前に行う手続き。まだ出生届を出していない 】

● 病院で出産の時を迎える妊婦さんがほとんどですが、突然の陣痛の他、自宅出産を選ぶ家庭も増えました。

(1) 妊娠中に自宅で赤ちゃんを亡くした場合 … 担当の産婦人科医で「死産証書」を出してもらいます。これが死亡診断書の代わりです。

(2) 出産後、出生届を出す前に赤ちゃんを亡くした場合 … 一度出生届を提出し、死亡届を提出します。

この場合でも、できるだけ早い段階で救急車やかかりつけ医への連絡、自宅出産を予定していたのであれば助産師さんへ連絡をして、共に手続きを進めてもらった方が、精神面でも得策です。

まずは一人で抱え込むことなく、病院や救急車、医療機関へ速やかに連絡をしてください。

「死亡」の言葉にショックを受けるとの声も少なくありません。けれどもあくまでも現世的な手続きだと考えてみてください。

供養の世界では霊魂は存在するとされています。沖縄の御願ではお線香の煙とともにイフェー(位牌)に向かい手を合わせることで、彼岸と此岸の狭間に記録される「時間」は再生されるとも言われます。

この時間を紡ぐために出会ったともされますので、どうぞ手続きの合間、苦しいイチミ(生きる身)を感じましたら、お線香の煙とともに対話をされてはいかがでしょうか。

難しいことではありますが、どうぞ試してみてください。

死亡届の提出と、死体火葬許可証の受け取り

死亡届の提出と、死体火葬許可証の受け取り
死亡診断書を受け取ると、その隣に死亡届がありますので、ここに必要事項を記入します。これを持って役所へ提出してください。

【 沖縄の葬儀前に行う手続き。死亡届の提出 】

(1) 「死亡診断書」の隣りにある、「死亡届」に必要事項を書き込む。

(2) 「死体火葬許可証交付申請書」に必要事項を書き込む。

(3) 役所の窓口に提出する。(死亡診断書と死亡届は一枚紙になっています。この一枚と、死体火葬許可証交付申請書を一緒に提出してください。)

(4) 「死体火葬許可証」の交付。

…以上で沖縄の葬儀の後、火葬ができます。すでに沖縄の葬儀社選びが終わり、打ち合わせまで済んでいる状態でしたら、死亡届の提出及び死体火葬許可証の受け取り手続きは、沖縄の葬儀社スタッフが代行してくれる業者も多いです。

また、死亡届の提出諸々の手続きは日中、役所の窓口が空いている時間帯だけではありません。休日祝日、夜間窓口でも提出できますので、空いている時間に届けてください。

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で葬儀社スタッフに依頼できる以前、ご遺族が自分達で進めなければならない、現実的な手続きについてお伝えしました。

身近な家族を亡くしてすぐに、具体的な手続きを行わなければならないこの日々は、ご遺族にとって過酷でもありますよね。

ここでムリをすることでグリーフ(喪失の悲しみ)が長引いてしまうこともあるので、自分でキツイと感じ、また誰かに頼ることができるのであれば、遠慮なく手続きを依頼することも、後々の暮らしには大切です。

どうぞここでムリをせず、初めて出会う沖縄の葬儀社スタッフの人々でも、素直に相談をしながら、ご自身の心へも配慮しつつ、周囲の力を借りて、ひとつひとつの現実的な手続きを進めてみてください。

まとめ

葬儀社を選ぶ前に、ご遺族が行う手続きとは

・死亡診断書を受け取る
・死体検案書を受け取る場合もある
・自宅の場合はまず病院や救急車へ連絡
・胎児の場合は産院で死産証明書を受け取る
・出生届を出していない場合はまず提出する
・死亡届(死亡診断書)と死体火葬許可証交付申請書を提出する
・死体火葬許可証を受け取る
・死亡届の提出は葬儀社にお願いすることもある
・死亡届は24時間提出ができる


前の記事
次の記事

関連記事

【仏壇じまいの体験談①】娘の位牌はご先祖様と別に供養したい。仏壇じまいで喪失感が癒える
【仏壇じまいの体験談①】娘の位牌はご先祖様と別に供養したい。仏壇じまいで喪失感が癒える
沖縄のタナバタ(七夕)は仏壇の日?沖縄で旧暦7日7日「ヒーナシタナバタ」とはなに?
沖縄のタナバタ(七夕)は仏壇の日?沖縄で旧暦7日7日「ヒーナシタナバタ」とはなに?
【沖縄の葬儀】枕飾りのお供え物。沖縄は茹でた豚肉も供える
【沖縄の葬儀】枕飾りのお供え物。沖縄は茹でた豚肉も供える
宗家じゃないけどどうして?沖縄でお仏壇を仕立てる家が急増!
宗家じゃないけどどうして?沖縄でお仏壇を仕立てる家が急増!

カテゴリー

topへ戻る