【家族が亡くなったら】沖縄のお葬式で、昔と違う10の選択肢|その1

2022.10.11
【家族が亡くなったら】沖縄のお葬式で、昔と違う10の選択肢|その1

家族が亡くなったら昔の沖縄のお葬式は、新聞の訃報欄に掲載し広く参列者を受け入れました。けれども最近は、参列者を限定した家族葬も増え、御香典の辞退など新しい選択肢が増えています。今回は昔と違いご遺族が判断する5つの選択肢についてお伝えします。

家族が亡くなったら、ご遺族は哀しむ間もなく沖縄でもお葬式の準備を進めなければなりません。

昔ながらの沖縄のお葬式は、新聞の訃報欄に通夜やお葬式の会場・日時など、インフォメーションを掲載し、広く参列者を受け入れてきました。

けれども最近の沖縄で行うお葬式では、参列者を限定した50人以下の規模の小さな家族葬も増え、その広がりに伴い、御香典の辞退など、沖縄のお葬式におけるご遺族の選択肢が増えています。

今回は現代沖縄のお葬式で、昔と違いご遺族が判断する5つの選択肢についてお伝えします。

 

現代沖縄のお葬式、昔と違う10の選択肢

沖縄の通夜で行う喪主挨拶、5つのタイミング
ひと昔前の沖縄では、大きい規模のお葬式が一般的で、全国的に「大きな規模の方が良い供養ができる」と、形式を重んじる傾向もありました。

けれども現代の沖縄ではお葬式は「形式よりも心」として、参列する人々の数よりも、参列者のお悔みの気持ち、そして心を重視した形式が重んじられるようになっています。

<現代沖縄のお葬式。昔と違う10の選択肢>
(1)ご遺体の安置場所
(2)通夜や葬儀のスケジュール
(3)ご遺体を火葬するタイミング
(4)訃報を知らせる範囲
(5)御香典の有無
(6)会食の有無
(7)ナンカスーコーの繰り上げ
(8)納骨式の有無(日程)
(9)御香典返しの有無
(10)初盆の行い方

また沖縄においては移住者も増え、より本州の文化と近しくなることで、昔ながらの沖縄ならではのお葬式から、本州の慣習や文化も取り入れた、ちゃんぷるーにもなりつつあるでしょう。

(1)ご遺体の安置場所

(1)ご遺体の安置場所
病院で家族が亡くなったら、末期の水[死に水]や体を拭く清拭[湯灌(ゆかん)]など、ひと通りの儀礼を終えた後、病院の霊安室へ運ばれます。

病院の霊安室は一般的に数時間~24時間以上はご遺体を安置できないため、ご遺族はご遺体の安置場所を決めて葬儀社を選び、安置先へご遺体の搬送をしなければなりません。

<現代沖縄のお葬式(1)ご遺体の安置場所>昔の沖縄のお葬式…自宅へ搬送が多い
現代の沖縄のお葬式…葬儀社が提供する安置施設

斎場を持っている葬儀社であれば、斎場内にある安置施設にご遺体を安置できるため、通夜や葬儀で搬送の手間が掛からず、助かります。
葬儀社が提供する安置施設なので、良い環境でご遺体を安置できる点もメリットです。

現代の住宅事情で変化

また現代の沖縄では那覇市浦添市などの都心部を中心に、分譲マンションやアパート住まいが多いなど、現代社会ならではの住宅事情もあります。

「長く入院治療していた故人を自宅に帰してあげたい」とご遺族が望んでも、搬送が難しいケースもあるので、安置場所を決める前に確認を取っておくと良いでしょう。

<現代沖縄のお葬式。安置場所の確認>①集合住宅で自治会や管理会社の許可が下りない

②搬送経路が確保できない
・自宅近くまで搬送車が入らない
・エレベーターなど棺の搬送経路が確保できない
・玄関の扉に棺が入らない

③充分なご遺体の安置環境が確保できない
・ご遺体を安置するスペースがない
・冷房など、ご遺体を保つ環境がない

…などなどの事情により、自宅にご遺体を搬送できないケースは少なくありません。

近年ではコロナ禍により、葬儀社や斎場が安置スペースを提供できないケースも見受けますが、斎場以外にもご遺体の安置スペースを提供する施設もしばしば見受けます。

(2)通夜や葬儀のスケジュール

お通夜の写真
以前、沖縄で執り行うお葬式の多くは、当日か翌日には通夜、その翌日には葬儀が執り行われてきました。

けれども葬儀社で提供する安置施設の環境向上も背景に、通夜や葬儀まで日数が掛かる、沖縄のお葬式も増えています。

<現代沖縄のお葬式(2)スケジュール>昔の沖縄のお葬式…すぐに通夜・葬儀が行われる
現代の沖縄のお葬式…数日~7日後の通夜や葬儀も増えた

自宅でご遺体を安置する場合、一般的には「長くて1週間」と言われますが、実際には3日間ほどが目安でしょう。

一方、葬儀社が提供する安置施設では7日後までご遺体を安置する事例も多く、参列者が参列しやすい週末に葬儀日程を合わせる選択も増えました。

●例えば月曜日に家族が亡くなったら…、
月曜日~金曜日の5日間、ご遺体を安置
土曜日に通夜
・日曜日に葬儀・告別式

…などです。
ただし、葬儀社の安置施設はご遺体の安置環境が整っていますが、1日ごとに施設使用料が掛かるため注意をしてください。

施設によって異なりますが、目安として施設使用料約5千円~3万円/1日、これにドライアイスの料金約1万円~2万円/1日が目安です。

(3)ご遺体を火葬するタイミング

(3)ご遺体を火葬するタイミング
また近年、沖縄のお葬式では、そもそもご遺体を長く安置しない選択肢が増えています。

前述したように現代沖縄では、お葬式までご遺体を安置する充分な環境は整えることができますが、日数が掛かるだけご遺族の負担も大きいです。

<現代沖縄のお葬式(3)火葬のタイミング>昔の沖縄のお葬式…葬儀・告別式の後に火葬
現代の沖縄のお葬式…火葬した後の通夜や葬儀

現代沖縄のお葬式では、先に家族で火葬を済ませ、焼骨した後の骨壺を前に通夜や葬儀を執り行う流れが増えました。

(4)訃報を知らせる範囲

(4)訃報を知らせる範囲
昔の沖縄のお葬式では、家族が亡くなったらご遺族はまず、新聞の訃報欄(お悔み欄)に故人の訃報と、通夜や葬儀の日程、喪主やご遺族の名前などを掲載しました。

沖縄では毎朝、訃報欄を確認して、知人友人の訃報が掲載されているのを確認すると、訃報欄に掲載された情報をもとに、葬儀に駆け付ける流れです。

今も沖縄の一般葬では同じ流れですが、ご遺族の負担を軽減するため、また故人の遺志などから、参列者を制限した沖縄のお葬式「家族葬」も増えています。

<現代沖縄のお葬式(4)訃報を知らせる範囲>昔の沖縄のお葬式…新聞の訃報欄に掲載
現代の沖縄のお葬式…特定の人々にのみ知らせる

また昔と同じように広く参列者を受け入れる沖縄のお葬式では、反対に新聞の訃報欄以外にも、ネットのお悔み情報にも掲載するようになりました。

新聞の訃報欄は、掲載人数やスペースの大きさによって幅がありますが、例えば8人の記載があれば6万円ほどが目安になり、沖縄では主要新聞社2紙に掲載するのが一般的なので、荼毘広告料だけでも約12万円以上掛かるでしょう。

またネットのお悔み情報も、目安として約2万円以上です。

※沖縄のお葬式に掛かる費用などについては下記に詳しいです。
【沖縄の葬儀】費用は一般葬と家族葬ではどれくらい違う?5つの項目で検証

 

(5)御香典の有無

【沖縄の葬儀】お香典はいくら包む?状況立場で判断する金額目安
そして現代沖縄のお葬式では、家族葬など約10人~30人ほどの参列者など、規模の小さい葬儀が増えると同時に、「御香典辞退」のスタイルも増えています。

<現代沖縄のお葬式(5)御香典の有無>
●御香典を辞退することで、御香典返しを準備する必要がありません。

ただし沖縄のお葬式で家族葬を選んだ体験談では、葬儀後に自宅へ弔問に訪れる人々も多く、その際に御香典を持参する人がほとんどでした。

この場合、御香典返しを準備していないご遺族が多いので、千円~3千円ほどの御香典に御香典返しを準備して、さらに郵送費用や手間暇が掛かたため、「返って負担が大きくなった」と回想する声もあります。

御香典辞退では、相互扶助が期待できない

規模の小さな沖縄のお葬式を執り行う時、後々のご遺族の負担を軽減するよう、御香典や供花、花輪などの辞退を申し出る場合が多いです。

けれども家族葬で参列者を限定したからと言って、一定の料金は支払わなければなりません。

霊柩車/搬送車
・火葬料金
・遺体安置料金
祭壇セット一式

…などなどです。
さらに音楽葬や花葬など、ご遺族にこだわりがあれば、一般的な葬儀よりも費用が掛かりますが、御香典がなければ、それだけ沖縄のお葬式費用が掛かることも理解して決めてください。

※ご遺体の搬送費用など、より細かな沖縄のお葬式での費用項目は下記に詳しいです。
【家族が亡くなったら】沖縄で遺体搬送~葬儀まで、費用相場10項目|その1

 

最後に

今回は、現代の沖縄で昔と違うお葬式のスタイルや、新しい選択肢についてお伝えしました。

もともと檀家制度がない沖縄では、特定の寺院やご住職に倣う傾向は少ないのですが、それでもお坊さんをお呼びして読経供養を行う、一般的な葬儀を執り行いますよね。

けれども最近では、お坊さんの読経供養を行わず、仏式やキリスト教式など、特定の宗旨宗派に倣わない沖縄のお葬式「自由葬」も増えました。

ホテルを会場として会員制で故人と近しい人々を集うなど、沖縄では新しいお葬式のスタイルです。
(「【沖縄の葬儀】家族葬や一日葬、ホテル葬。現代10の葬儀スタイル|その1」に詳しいです。)

※また、現代沖縄の新しい葬儀の選択肢、後半の5項目については、下記をご参照ください。
【家族が亡くなったら】沖縄のお葬式で、昔と違う10の選択肢|その2

まとめ

現代沖縄の新しい葬儀、10の選択肢とは|その1
<その1>
(1)ご遺体の安置場所
(2)通夜や葬儀のスケジュール
(3)ご遺体を火葬するタイミング
(4)訃報を知らせる範囲
(5)御香典の有無

———-
<その2>
(6)会食の有無
(7)ナンカスーコーの繰り上げ
(8)納骨式の有無(日程)
(9)御香典返しの有無
(10)初盆の行い方


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