沖縄で親や家族が亡くなったら、葬儀までにまずすることは?沖縄で昔と違う10の選択肢

2024.06.05
沖縄で親や家族が亡くなったら、葬儀までにまずすることは?沖縄で昔と違う10の選択肢

沖縄で家族が亡くなったら、次から次へと決めるべき事柄があります。特に今の沖縄は、葬儀の風習が大きく変化し、喪主が決断すべきシーンが多く、後悔したご遺族の体験談も多いです。本記事では、沖縄で家族が亡くなったら決めるべき15の事柄が分かります。

・沖縄で家族が亡くなったら何をする?
・沖縄で家族が亡くなったら決めることは?
・遺骨の納骨までに決めることはある?

沖縄で家族が亡くなったら、搬送の手配や葬儀社決め、葬儀スケジュールなど、次から次へとご遺族が決めるべき事柄があります。
特に沖縄では従来の風習が大きく変化し、ご遺族の決断が重要なシーンもあるでしょう。

そのため突然の訃報では慌ててしまい、後から後悔したご遺族の体験談も多いですが、予め、沖縄で家族が亡くなったらすること、決めることを理解していると、後々まで納得できる、冷静な判断も可能です。

本記事を読むことで、沖縄で家族が亡くなった時にすること、決めるべき15の事柄が分かり、突然の時にも冷静に手順を追うことができます。

 

沖縄で家族が亡くなったら決める15のこと


◇沖縄では葬送への価値観が変化しています

従来の沖縄では家族が亡くなると、一般人でも100人以上の規模の大きな一般葬を執り行い、近しい知人友人から遠い知人まで、広く受け入れて盛大に故人を見送りました。

けれども近年では、形式的な葬儀よりも故人を心から偲ぶ近しい人々、身内のみで水入らずの葬送がしたい、と望む家族も増えています。

 

●また現代の沖縄では、古い沖縄独自の風習と、本州の風習が入り混じるようになり、どちらを選ぶかは、ご遺族の判断に委ねられるようになりました。

 
昔ながらの集落・一族単位の社会的な葬送から、個人・家族単位の心の葬送へと変化しつつあるためです。

それでは、下記より沖縄で家族が亡くなったら、まずするべきこと・決めるべき15の事柄を解説していきます。

 

沖縄で家族が亡くなったら(1)搬送依頼

沖縄で家族が亡くなったら(1)搬送依頼
◇病院の霊安室は24時間ほどで移動します

病院で家族が亡くなったら、末期の水「死に水」や、体を拭く清拭「湯灌(ゆかん)」など、ひと通りの儀礼を終えた後、病院の霊安室へ運ばれます。

ただ、病院の霊安室は一般的に数時間~24時間以上はご遺体を安置できません
この間に、ご遺族はご遺体の安置場所を決めて、葬儀社を選び、葬儀社へ安置先への搬送を依頼します。

 

①搬送を依頼

◇搬送のみの依頼もできます

病院の霊安室にご遺体が安置されている間に、搬送の依頼をしなければなりません。
そのため慌ててしまいがちですが、病院では提携している葬儀社を紹介してくれます。

一般的にはそのまま、搬送してもらった葬儀社に葬儀まで依頼しますが、葬儀社によって得意とする葬儀形式があり、費用も異なるでしょう。

「複数の葬儀社から相見積もりを取り、吟味したいけれど時間がない」と言う時には、病院が紹介してくれる葬儀社に搬送のみを依頼することも可能です。

 

 

②搬送費の目安

◇搬送費の目安は約1万円~2万円ほどです

沖縄でご遺体の搬送をする場合、搬送費は距離と時間で出されますが、基本料金は約10kmまで一律で約1万5千円~2万円ほどなので、多くはこの範疇になるでしょう。

ただし搬送車は、待っている間の留置時間にも費用が発生します。
この他、深夜~早朝の時間帯は料金の割り増し制度を設けた搬送車が多いです。

 

沖縄で家族が亡くなったら(2)搬送経路

沖縄で家族が亡くなったら(2)搬送経路
◇自宅搬送の場合、ご遺体が搬送できるか確認します

沖縄では葬儀までご遺体を自宅に搬送し、家族水入らずの通夜を過ごすご遺族も多いですが、密集した住宅街や集合住宅では、各所へ確認を取っておくと安心です。

「長く入院治療していた故人を自宅に帰してあげたい」とご遺族が望んでも、搬送が難しいケースもあるので、搬送前に確認を取っておくと、思わぬトラブルが回避できます。

 

①自治会の許可を確認

◇自治会や管理会社の許可が下りないことがあります

分譲マンションやアパートなどの集合住宅のなかには、自治会からご遺体を搬送する許可が下りないケースが散見されました。

自宅への搬送を拒否された場合、急いで葬儀社を通じて安置室を確保しなければなりませんが、コロナ渦以降、ご遺体の安置室が混雑していることが増えているので、搬送前に管理会社や自治会へ確認しましょう。

 

②搬送経路の確保

◇密集した住宅街では、搬送ができるか確認します

自治会や管理会社から許可を得ても、ご遺体が搬送できなかったケースがありました。
ご遺体を那覇市のアパートへ搬送した玉城さん(仮名)は、細い複雑な道のため、大きめの搬送車が入れなかったと言います。

また兼城さん(仮名)の体験談では、搬送車は無事に着いたものの、ご遺体を部屋まで搬送するにあたり、エレベーターに棺が入らず、さらに玄関の扉から棺が入らないトラブルが起きました。

 

沖縄で家族が亡くなったら(3)安置場所

沖縄で家族が亡くなったら(3)安置場所
◇葬儀社が手配する安置室に安置するご遺族が多いです

現代の沖縄では葬儀社が手配する安置室へ、ご遺体を搬送する選択が多くあります。
安置室は空調や設備も整えられ、良い環境でご遺体を安置できる点がメリットです。

ただしコロナ渦では葬儀社が提供する安置施設がひっ迫し、充分な環境でご遺体が安置できなかったケースもありました。

 

①自宅へ搬送する

◇自宅でご遺体を安置する方法です

古くからの沖縄の風習では、ご遺体は自宅で安置されてきました。
自宅でご遺体を安置する場合には、充分な環境をご遺族で準備しなければなりません。

ご遺体を安置する個室(スペース)を用意して、冷房は常時18度ほどで確保します。
ドライアイスなどの用具は、葬儀社に相談すると準備してくれるでしょう。

ご自宅にご遺体を安置するならば、火葬や葬儀は翌日が多いです。
ただ通夜となるご臨終当日は、家族水いらずで進めることが可能です。

 

 

②安置室へ搬送

◇葬儀社が提供する安置室へご遺体を搬送します

斎場を持っている葬儀社に相談すると、安置室を手配してくれますし、そうでなくても安置室を仲介してくれるでしょう。

前述したように空調は常時整えられ、良い環境でご遺体を安置できる点もメリットです。
ご遺体も約7日間ほどまで安置可能で、会葬者に合わせて火葬・葬儀スケジュールを調整することもできます。

またコロナ渦で安置室がひっ迫した際には、斎場に備えた安置室ではない、別の場所を紹介することもありました。

斎場や安置室は24時間出入りが可能な施設もありますが、一般的に開館時間があるので、開館時間内の面会になります。

 

③ご遺体の安置費用

◇安置費用は、1日につき約1万円~3万円ほどです

ただし葬儀社が提供する安置室は、ご遺体を安置している間の費用がかかります。
目安としてはご遺体の安置1日に付き、約1万円~3万円ほどになるでしょう。

ただし自宅でご遺体を安置していたとしても、ドライアイスを常備しなければならないため、1日につき約5千円~1万円ほどの費用は必須です。

 

沖縄で家族が亡くなったら(4)葬儀社

沖縄で家族が亡くなったら(4)葬儀社
◇葬儀の形式や規模を決めて、見合った葬儀社を選びます

沖縄で家族が亡くなったら、まず希望の葬儀を決めておくと葬儀社選びがスムーズです。
従来、沖縄の葬儀は一般人でも広く会葬者を受け入れる、80人~100人以上の規模の大きな一般葬が通例でした。

けれども今では、沖縄はもちろん、全国的にも多様な葬儀スタイルが生まれています。
例えば今、沖縄で人気の「家族葬」は、約30人以下の規模の小さな葬儀です。

後悔のないよう、希望の葬儀を決めて、そのような葬儀の形を得意とする葬儀社を選ぶことで、より多くのサポートが期待できます。

 

 

①葬儀会場

一般的には葬儀社を選んだら、葬儀社が提案する斎場を選びます。
会葬者の人数で小ホール・中ホール・大ホールから選ぶ流れです。

また葬儀後に精進落としなど、会食の場「お斎(おとき)」をふるまう場合、一般的に葬儀会場に隣接した部屋を借ります。

葬儀会場を安く抑えるのであれば、公営の葬儀会場がおすすめです。
ただし公営の葬儀会場を選ぶ場合、居住地の葬儀会場でなければ、料金が加算される自治体が多いでしょう。

 

②火葬場

◇火葬場は公営・市営で価格が違います

火葬料金の目安は約8千円~20万円ほどと、公営と市営の火葬場で価格幅が広くなります
火葬場も葬儀社が手配してくれる流れがほとんどですが、下記に沖縄県各地の火葬場をご紹介します。

 

<沖縄県各地の火葬場>
●組合
(南部広域市町村圏事務組合)
①いなんせ斎苑 [住所]浦添市伊奈武瀬1-7-5
[TEL]098-869-1616
[管轄地域]
・浦添市、那覇市
・豊見城市、南風原町、与那原町、南城市、八重瀬町
・久米島町、粟国村、渡名喜村、座間味村、渡嘉敷村、
・南大東村、北大東村
②南斎場 [住所]豊見城市字豊見城925番地
[TEL]098-851-0373
[管轄地域]
・糸満市、豊見城市、南城市
・南風原町、八重瀬町、与那原町
●民間
③沖縄葬斎場
(株式会社:沖善社)
[住所]沖縄市倉敷115-5
[TEL]098-938-3452
[管轄地域]沖縄市
④石川葬祭場
(財団法人:石川葬祭場)
[住所]うるま市石川2955-2
[TEL]098-964-3516
[管轄地域]うるま市石川
⑤具志川火葬場
(財団法人:具志川火葬場)
[住所]うるま市字具志川1508
[TEL]098-974-6941
[管轄地域]うるま市字具志川
④石川葬祭場
(財団法人:石川葬祭場)
[住所]うるま市石川2955-2
[TEL]098-964-3516
[管轄地域]うるま市石川
⑤具志川火葬場
(財団法人:具志川火葬場)
[住所]うるま市字具志川1508
[TEL]098-974-6941
[管轄地域]うるま市字具志川
●市営
⑥伊良部白鳥霊園 [住所]宮古島市伊良部字佐和田大野原908-3
[TEL]0980-78-6252(212)
[管轄地域]宮古島市伊良部島
⑦名護市葬斎場 [住所]名護市大西4-20-16
[TEL]0980-52-0003
[管轄地域]名護市
⑧南城市玉城火葬場 [住所]南城市玉城富里684
[TEL]098-946-8981
[管轄地域]南城市
⑨石垣市火葬場 [住所]石垣市登野城バンナー2108 -1
[TEL]0980-82-1285
[管轄地域]石垣市
⑩宮古島市斎苑 [住所]宮古島市平良東仲宗根添3408番地
[TEL]0980-72-0758
[管轄地域]宮古島市
●村営
⑪恩納村斎場 [住所]国頭郡恩納村字恩納7071-67
[TEL]098-966-2007
[管轄地域]恩納村
⑫大宜味火葬場 [住所]大宜味村字喜如嘉板敷原232-2
[TEL]0980-44-3002
[管轄地域]大宜味村
⑬よみたん斎苑 [住所]読谷村字親志410-2
[TEL]098-958-5113
[管轄地域]読谷村
⑭伊江村立聖苑 [住所]伊江村字東江上3461-1
[TEL]0980-49-2234
[管轄地域]伊江村
⑮長楽苑 [住所]北大東村字南243-31
[TEL]09802-3-4055
[管轄地域]北大東村
⑯伊平屋村火葬場 [住所]伊平屋村字田名3256-50
[TEL]0980-46-2142
[管轄地域]伊平屋村
⑰国頭村葬斎場緑聖苑 [住所]国頭村字辺土名464
[TEL]0980-41-2101
[管轄地域]国頭村
⑱今帰仁村営火葬場 [住所]今帰仁村字仲宗根807
[TEL]0980-56-2101
[管轄地域]今帰仁村
⑲恩納村斎場 [住所]国頭郡恩納村字恩納7071-67
[TEL]098-966-2007
[管轄地域]恩納村
⑳南大東村火葬場 [住所]南大東村池之沢144
[TEL]09802-2-2036
[管轄地域]南大東村
●町営
㉑本部町火葬場 [住所]本部町字渡久地922番地
[TEL]0980-47-4576
[管轄地域]本部町
㉒久米島火葬場 [住所]久米島町字阿嘉長田原297-135
[TEL]098-985-2003
[管轄地域]久米島町
㉓金武火葬場 [住所]金武町字金武6166-2
[TEL]098-968-2460
[管轄地域]金武町
※情報が古くなっている可能性もあるため、ご利用の際にはご確認ください。

 
高齢の会葬者が多い葬儀では、火葬場から葬儀会場までのアクセスにも配慮しましょう。
葬儀会社が提供する斎場に隣接した、公営の火葬場も多いです。

 

③祭壇

◇祭壇は大きさやグレードで選びます

祭壇は大きさやグレードで費用幅が広いです。
沖縄で規模の大きな一般葬を執り行うならば、大きな会場に合わせて祭壇も大きくなるため、費用も高くなります。
一方で小さく簡素な祭壇であれば、白木祭壇で約18万円~33万円ほどが費用目安です。

近年の沖縄では「故人が好きだった花に囲まれた葬儀がしたい」などの希望で、「花葬(はなそう)」なども人気がありますが、生花を飾るため費用も約20万円~80万円ほどと、高くなる傾向にあります。

 

 

沖縄で家族が亡くなったら(5)死亡届

手続き
◇家族が亡くなったら7日以内に死亡届を提出します

家族が亡くなったら7日以内に死亡届を提出しますが、死亡届を提出すると発行される「火葬許可証」がなければご遺体の火葬ができないため、早々に死亡届を提出する流れが一般的です。

死亡届は病院で発行される死亡診断書と、隣り合わせに記載される書類で、ご遺族が提出しますが、葬儀社に委託すこともあります

 

 

①火葬許可証

◇火葬許可証は火葬場へ提出する書類です

家族が亡くなってから診断書を役所に提出すると、火葬を許可する「火葬許可証」が発行されますが、この火葬許可証を火葬場に提出しなければ、火葬はできません。

またご遺骨を分骨したい時には、火葬場で骨上げの時に済ませると手続き上便利です。

「分骨証明書」はご遺骨を分骨したことを証明する書類で、しいてはご遺骨の証明となるので、火葬場で分骨証明書を受け取ってください。
将来、分骨したご遺骨をお墓などに埋葬する際、提出が求められます。

 

 

②埋葬許可証

◇火葬場で「埋葬許可証」を受け取ります

人のご遺骨は刑法190条「死体損壊等」により、勝手に破棄したり埋葬してはなりません。
家族が亡くなったら火葬場で火葬の後、ご遺骨の証明となる「埋葬許可証」を受け取り、この埋葬許可証を墓地管理者へ提出します。

ご遺骨を埋葬せずに自宅でご遺骨を安置し供養する「手元供養」では、埋葬許可証は必要ありませんが、いずれご遺骨を納骨する時に必要ですので、大切に保管してください。

 

 

沖縄で家族が亡くなったら(6)葬儀日程

沖縄で家族が亡くなったら(6)葬儀日程
◇近年ではご臨終から日数がかかる葬儀も増えています

従来、沖縄でも全国的にも、家族が亡くなった当日の通夜・翌日の葬儀が一般的でした。
けれども近年では、ご臨終から7日間ほど経った葬儀日程も増えています。

葬儀社が提供する安置室の環境が良くなり、ご遺体の状態が良いまま安置できる日数が長くなったことも理由のひとつです。
また年末年始にかかる葬儀はタイミングによって、家族で話し合う必要があるでしょう。

 

 

①すぐに葬儀を行う

従来の沖縄では、家族が亡くなった当日の夜に通夜が執り行われ、翌日に葬儀というスケジュールが一般的でした。

昔の沖縄の通夜は「ユートゥージ(夜通し)」と呼ばれ、ごく近しい身内のみで執り行い、会葬者を受け入れないもので、ご遺族は名前の通り、夜通し故人に寄り添い、お線香を欠かさずに供えます。

けれども近年では安置室にご遺体を安置するご遺族が多く、開館時間にご遺体と面会をして、夜はぐっすりと眠り、翌日の葬儀に臨む流れが一般的です。

 

②日にちをおいた葬儀

現代では、ご臨終から数日~7日後に執り行う葬儀も増えました。
自宅でご遺体を安置する場合、一般的には「長くて1週間」と言われますが、実際には3日間ほどが目安でしょう。

一方、葬儀社が提供する安置施設は7日後までご遺体を安置する事例も多く、会葬者が参列しやすい週末に葬儀日程を合わせる選択も増えています。

また沖縄の場合、火葬してからご遺骨を前に葬儀を執り行う「骨葬」の風習があるため、早くにご家族のみで火葬をした後、会葬者に合わせて葬儀日程を決めるパターンも多いです。

 

③ご遺体の安置費用

斎場や葬儀社が提供する安置室は、ご遺体の安置環境が整っていて助かりますが、1日ごとに施設使用料が掛かるため注意をしてください。

施設によって異なりますが、目安として施設使用料約5千円~3万円/1日、これにドライアイスの料金約1万円~2万円/1日が目安です。

 

④5日間安置した体験談

母親が97歳で亡くなり、喪主として葬儀を執り行った上原さん(仮名)は、火葬場の空きがなく、葬儀社が提供する安置室に4日間、ご遺体を安置しました。

母親が亡くなった日は月曜日、葬儀社に案内された安置室にすぐに搬送されますが、火葬場の予約は金曜日の午前中となり、月曜日~木曜日の4日間、ご遺体を安置します。

 

●ご遺体の安置費用は約1万5千円、4日間で合計約6万円です。

 
そして金曜日の午前中に身内のみで火葬を済ませた後、ご遺骨は自宅に持ち帰り、土曜日に家族のみの通夜式を、日曜日の午前中から葬儀を骨葬にて執り行いました。

 

沖縄で家族が亡くなったら(7)火葬

沖縄で家族が亡くなったら(7)火葬
◇沖縄では「骨葬」の風習があります

全国的には棺に入ったご遺体を前に葬儀・告別式を執り行い、最期の別れの儀式を済ませた後に、霊柩車に棺が納められ、会葬者に見送られながら火葬場へ出発する流れが一般的です。

けれども沖縄では、昔から葬儀当日の午前中に火葬を済ませて、ご遺骨の状態で午後からの葬儀となります。
現代の沖縄でも一般的に火葬後に葬儀を執り行う「骨葬」です。

ただ家族や親族に本州からの出身者が多く、会葬者が少ない家族葬を選ぶ場合などは、棺を前に葬儀を行う本州式の葬儀スタイルを選ぶこともあるでしょう。

 

①骨葬

従来の沖縄の風習に倣い、故人が亡くなった夜は身内のみの通夜を執り行い、葬儀当日の午前中に火葬を済ませた後、葬儀になる流れです。

ただ近年では、ご臨終から日数がある葬儀が増えました。
そのためご家族で早々に火葬を済ませてご遺骨の状態とし、ゆっくりと葬儀の日程調整をするご遺族も見受けます。

 

②葬儀の後に火葬

家族や親族への配慮から、棺を前に執り行う葬儀も見受けるようになりました。
棺を前に葬儀を執り行う場合、葬儀までのご遺体安置が必要です。
また祭壇に合わせて棺のグレードを選びます。

葬儀が終わると一般参列者は退場して、斎場の入り口で待機する流れです。
身内は最期の別れの儀式として、棺で眠る故人にお別れを告げて花を手向けます。

別れの儀式が終わると、斎場の入り口で待機してくださっている会葬者に向け、喪主の挨拶を行った後、会葬者に見送られながら火葬場へ向かいます。

 

 

沖縄で家族が亡くなったら(8)訃報

沖縄で家族が亡くなったら(8)訃報
◇会葬者を限定する葬儀では、個別に訃報を伝えます

従来の沖縄の一般葬では、一般人でも広く会葬者を迎えたため、新聞の訃報欄(お悔やみ欄)に葬儀情報を掲載しました。

けれども会葬者を限定した家族葬の場合、誰でも会葬者を受け入れることができないため、個別に訃報を届けなればなりません。

 

①新聞に掲載

◇訃報欄(お悔やみ欄)で一斉に情報を伝えます

沖縄では毎朝、訃報欄(お悔やみ欄)を確認する人は多いでしょう。
知り合いの訃報を確認すると、新聞の情報をもとに葬儀に駆け付ける流れです。

また現代では新聞を取っていない若い世代も増えましたが、インターネットでも「お悔み情報」が確認できるようになりました。

 

②荼毘広告料の一例

新聞の訃報欄(お悔やみ欄)に掲載する料金は「荼毘広告料(だびこうこくりょう)」と呼ばれ、掲載人数・スペースの大きさで料金が変わります。

金城さん(仮名)はご遺族8人の氏名とともに、沖縄の主要新聞社2社の訃報欄(お悔やみ欄)、そしてネットにもお悔やみ情報を掲載しました。

新聞1紙で約6万円×2紙、ネットのお悔やみ情報が約2万円でしたので、合計14万円の荼毘広告料がかかっています。

 

③個別に知らせる

家族葬を執り行った山田さん(仮名)は、本州の風習に倣い、個別にご案内ハガキを郵送しました。

家族葬は33人の会葬者をご案内し、そのうち13人は直接SNSや電話を利用して伝えた後、残る20人は、葬儀のご案内ハガキを郵送しています。

ご案内ハガキの印刷代金が1枚35円、郵送料が1枚63円でしたので、20枚×98円で1,960円かかりました。

 

沖縄で家族が亡くなったら(9)ご香典

沖縄で家族が亡くなったら(9)ご香典
◇ご香典を辞退する選択も増えています

従来の会葬者を広く受け入れる沖縄の一般葬では、持参するご香典の金額相場も約千円~3千円と、全国的な相場と比べてとても低い傾向にありました。

それでも約80人~100人以上の大きな規模だったため、ご遺族にとっては大きな相互扶助となったのです。

けれども規模の小さな家族葬では、ご香典の金額相場が約5千円~3万円ほどになり、沖縄では喪主やご遺族側が対応に迷うケースも出てきました。

 

①ご香典を受け取る

会葬者が約80人~100人以上の規模の大きな沖縄の一般葬であれば、会葬者が持参するご香典も、従来の沖縄の風習に倣い約千円~3千円ほどでしょう。
そのため香典辞退の選択はほとんどありません。

喪主は従来の沖縄の一般葬と変わらず、会葬返礼品を用意して会葬者がお帰りになる時、お礼とともにお渡しします。

 

②香典辞退

約10人~50人以下の規模が小さな家族葬などでは、本州の風習に倣った相場でご香典を包む会葬者が増えます。

関係性が故人の知人友人でも、ご香典金額が5千円~1万円以上を包むこともあり、喪主としては香典返しの手間を省くために、香典辞退をご案内状で申し出る選択も多いです。

会葬者としては香典辞退の場合、弔意を表す方法として供花・供物を検討する人もいますので、香典辞退とともに供花・供物を辞退するかどうかも判断します。
供花・供物の辞退をする場合は、併せてご案内ハガキに記載しましょう。

 

③香典返しは3千円までが目安

◇一般的に3千円以下のご香典には、香典返しの必要がありません

沖縄でも全国的にも、一般的に約3千円以下のご香典をいただいた場合、ご香典をいただいたお礼の品「香典返し」を改めてお送りする必要がないと考えます。

そのため、そもそもご香典の金額相場が千円~3千円の沖縄では、香典返しを送る風習があまりありません。

けれども約5千円以上のご香典をいただいた場合、喪主はお礼としていただいた香典金額の約1/3~1/2ほどを金額目安に、お礼の品を送るのがマナーです。
また香典返しは、四十九日の忌明け後、7日間までを目安に送ります。

 

 

沖縄で家族が亡くなったら(10)お斎

沖縄で家族が亡くなったら(10)お斎
◇「お斎」とは、法要後の会食です

「お斎(おとき)」とは、葬儀や法要の後に喪主・施主がお礼として、会葬者へふるまうお食事の席となり、通夜の後は「通夜ぶるまい」、葬儀の後は「精進落とし」がこれのあたります。

お斎をふるまう場合、会食の時間は葬儀や法要の後、約2時間ほどが目安です。
お斎の前後で喪主挨拶を行い、故人と生前に親しかった知人友人や親族へ、献杯をお願いしても良いでしょう。

 

①お斎はない

会葬者が多い昔ながらの沖縄の一般葬では、会葬者は葬儀会場に到着すると、列をなしてお焼香済ませた後、すぐに帰るスタイルです。

会葬者の人数も約80人~100人以上と大規模になるため、ひとりひとりへ会食の場を設けるほどの余裕はなく、基本的に葬儀後にお斎(精進落とし)をふるまう風習は、沖縄にはありません

 

②お斎がある

全国的な葬儀はご案内をして会葬者を受け入れるため、喪主・施主は会葬者の人数を把握しています。

そのためお斎(精進落とし)の準備を進めやすく、会葬の後に別会場へご案内し、お礼として精進料理をふるまう葬儀が一般的です。

葬儀のご案内ハガキでお斎のご案内を済ませているため、会葬者もお斎にかかる費用を考慮してご香典金額を決めます。

 

③手土産に配る

近年の沖縄ではお斎のある・なしではなく、中間的な選択をする喪主も増えました。
一般会葬者を広く受け入れながら、葬儀後のお斎へご案内する人々は限定する葬儀や、仕出し弁当の手配も増えています。

仕出し弁当はコロナ渦に全国的にも広がったふるまいで、会葬者がお帰りになる際、精進料理の幕の内弁当など、手土産として約千円~3千円ほどのお弁当をお渡しする流れです。

また葬儀会場の隣に別会場を用意して、希望する会葬者は別会場で仕出し弁当をいただいてから帰る葬儀もあります。

 

 

沖縄で家族が亡くなったら(11)ナンカスーコー

沖縄の葬儀とスーコーの特徴
◇四十九日まで七日ごとに行う法要がナンカスーコーです

ナンカスーコー(七日焼香)」とは、故人が亡くなった翌日から数えて七日ごとに執り行う、四十九日までのスーコー(焼香)となります。

沖縄の「スーコー(焼香)」とは全国的な法要のことですが、独自の祖霊信仰が根付いている沖縄では、必ずしも僧侶をお呼びして読経供養を行う訳ではありません。

全国的にも七日ごとに週忌法要はありますが、一般的にごく近しい身内のみで執り行い、初七日と忌中が明ける四十九日法要のみ、会葬者をご案内します。

 

 

①ナンカスーコー

◇奇数のナンカスーコーは会葬者を受け入れます

沖縄のナンカスーコー(七日焼香)は、奇数週のナンカスーコー「ウフナンカ」は、会葬者を受け入れる風習がありました。

初七日(ハチナンカ)・三七日(ミナンカ)・五七日(イチナンカ)・七七日となる四十九日(シジュウクンチ)が奇数週のウフナンカとなり、お供え物に重箱料理を供えて、故人を偲びます。

来客に対応できる充分な仏間が自宅であれば、葬儀会社に法要の手配をしなくても、気軽に会葬者を受け入れることができるでしょう。

 

 

②ナンカスーコーをまとめる

◇ナンカスーコーを葬儀の日にまとめて行います

近年の沖縄ではナンカスーコーの供養を、葬儀の日にまとめて執り行う「繰り上げ(繰り込み)ナンカスーコー」が増えました。
僧侶に依頼して、複数回の供養をまとめて済ませてもらう方法です。

全国的にも初七日を葬儀とまとめる選択が増え、「繰り上げ(繰り込み)初七日」などと呼ばれています。

喪主の負担を軽減する他、現代では自宅に会葬者を受け入れることが難しく、別会場を手配したりと準備も大変になってきたことが理由です。

この場合、一般的に葬儀の次のスーコー(焼香)は、シジュウクンチ(四十九日)となるでししょう。

 

 

沖縄で家族が亡くなったら(12)スーコーのまとめ方

沖縄で家族が亡くなったら(12)スーコーのまとめ方
◇スーコー(焼香)をまとめるタイミングを決めます

沖縄の葬儀は、火葬を済ませた後に行う「骨葬」が多いため、基本的には火葬を済ませた後にご遺骨を前に葬儀を執り行い、葬儀の最中にスーコー(焼香)をまとめる流れです。

ただ葬儀の後に火葬場へ行く場合、葬儀のどのタイミングでスーコー(焼香)をまとめるかを決めなければなりません。

火葬を済ませた後に、葬儀会場に戻ってスーコー(焼香)をまとめる方法もありますし、葬儀会場で火葬前にまとめる方法もあります。

 

①骨葬の繰り上げナンカスーコー

◇火葬を済ませて葬儀の最中にまとめます

従来の沖縄の風習に倣い、午前中に火葬を済ませて、午後から葬儀を執り行う場合、ご遺骨を前に葬儀の読経供養を行った後、そのままスーコー(焼香)をまとめる儀式へと移る流れが一般的です。

火葬の後にスーコー(焼香)をまとめる方法を「繰り上げナンカスーコー(七日焼香)」といいます。

 

<骨葬の繰り上げナンカスーコー>
●火葬場 ・火葬
●葬儀会場へ移動 ・葬儀・告別式
・繰り上げナンカスーコー
●葬儀後 ・お斎(精進落とし)

 
火葬を済ませてしまうとご遺体の搬送に伴う搬送経路の確保や、(通夜や葬儀まで日数が掛かる場合の)ご遺体の安置などへの配慮が必要ありません。

繰り上げナンカスーコーにおいても、火葬場と葬儀会場を行ったり来たりする必要がないため、喪主の負担も軽減されます。

 

②繰り上げナンカスーコー

◇火葬場から、葬儀会場へ戻ります

棺を前に執り行う葬儀において、火葬後に執り行う繰り上げナンカスーコーでは、一連の葬儀を終えた後、火葬場に移動して火葬をしてから、再び葬儀会場へ移動してスーコー(焼香)をまとめる流れです。

 

<繰り上げナンカスーコー>
●葬儀会場 ・葬儀・告別式
・出棺
●火葬場へ移動 ・火葬
●葬儀会場へ移動 ・繰り上げナンカスーコー
●葬儀後 ・お斎(精進落とし)

 
ただし沖縄ではお斎(精進落とし)がない場合も多いでしょう。
全国的には棺を前に執り行う葬儀が一般的なので、繰り上げ初七日を選ぶと、火葬場と葬儀会場を行ったり来たりすることになります。

沖縄でも火葬や繰り上げナンカスーコーは、ごく近しい身内のみで移動しますが、一日のなかで移動距離も長く、併せて納骨式まで済ませるご遺族も多いため、移動の少ない骨葬の選択が多いです。

 

③繰り込みナンカスーコー

◇火葬の前にナンカスーコーをまとめます

棺を前に葬儀を執り行う場合でも、火葬する前の葬儀の最中にナンカスーコーをまとめた後、葬儀の後に火葬場へ移動することで、ご遺族の移動の手間が軽減されます。

火葬の前にナンカスーコー(七日焼香)をまとめる形式の呼び名は「繰り上げナンカスーコー」、全国的には「繰り上げ初七日」です。

 

<繰り込みナンカスーコー>
●葬儀会場 ・葬儀・告別式
・繰り込みナンカスーコー
・出棺
●火葬場へ移動 ・火葬
●葬儀後 ・精進落とし
(火葬場で火葬をしている間)

 
棺を前にした葬儀で、繰り込みナンカスーコーを執り行う場合、火葬場で火葬をしている間に軽食をふるまう、精進落としの席を設けるケースもあります。
移動の手間暇もなくなり、スムーズな葬儀の一日を進めることができるでしょう。

 

沖縄で家族が亡くなったら(13)納骨式

沖縄で家族が亡くなったら(13)納骨式
◇納骨式をどのタイミングで行うか選択します

ご遺体を風に晒して風化させる葬送「風葬」の歴史がある沖縄では、火葬が義務付けられた後も、納骨するお墓がある限り、葬儀当日の納骨式が一般的です。

けれども近年では沖縄でも、そもそも「門中墓や先祖代々墓に埋葬したくない」など、ご遺骨の納骨先をゆっくりと考えたいご遺族も増えました。

 

①葬儀当日

門中墓や先祖代々墓、もしくは生前から契約していたお墓や永代供養の契約をしている場合など、すでに納骨先があるご遺骨は、沖縄では葬儀の後に納骨します。

納骨式を改めて執り行う必要がないため費用もかさみません。
また家族や親族も葬儀の流れで納骨式まで参加できるので、スケジュール調整の必要がなく、よりスムーズな納骨ができるでしょう。

 

②四十九日の納骨

全国的な風習では、納骨式は故人が成仏する忌明けとなる四十九日法要の後に納骨式を執り行います。
そのため四十九日法要までにお墓やお仏壇の準備を進める風習がありました。

沖縄でも四十九日の期間が丁度良い期間になるため、全国的な風習に倣い、四十九日法要を目安に納骨式の準備を進めるご遺族も多いです。

また沖縄の四十九日法要「シジュウクンチ」では、仮位牌から本位牌へ交換する儀式も行います。

 

 

 

③納骨に期限はない

「納骨はいつまでに済ませなければならないの?」
「早く納骨しなければ、故人の魂は成仏しない」

…などと納骨を慌てるご遺族もいますが、実は納骨をするのに、法的にも宗教的にも、特別な期限はありません

葬儀や四十九日法要など、親族が集まる機会に納骨式まで済ませることで、スケジュール調整の必要もなく便利ですが、納骨先に迷っているならば、ゆっくりと検討しても問題はありません。

現代では自宅にご遺骨を安置する「手元供養」も広がり、大切な家族を亡くした喪失感を癒す「グリーフケア」の一助にもなっています

 

 

沖縄で家族が亡くなったら(14)納骨先

沖縄で家族が亡くなったら(14)納骨先
◇ご遺骨の納骨先を決めます

納骨するお墓がない場合、ご遺骨を何らかの方法で供養しなければなりません。

従来の沖縄では門中墓や先祖代々墓などに納骨してきましたが、近年ではお墓の継承者問題から、墓じまいをする家も増えました。

また終活の広がりにより故人の遺志が残るケースが増え、門中墓や先祖代々墓が残る場合でも、故人の遺志により納骨しない判断も見受けます。

 

[終活の進め方]
・沖縄で行う終活の優先順位は?終活でやるべき10の事柄をチェック!何歳で始めるべき?

 

①門中墓

沖縄で父方の血族が入る門中墓、もしくは先祖代々墓がある場合、葬儀当日に納骨まで済ませる流れが一般的です。

また次男以降の家族など、門中墓や先祖代々墓に入らない故人でも、新しく個別墓を建てて納骨する判断もあるでしょう。

沖縄では昔から、墓主が名義人となる個人墓地にお墓を建ててきましたが、今では墓地管理者が管理する霊園などの「墓地」にお墓を建てることが推奨されています。

 

[霊園とは]
・霊園とは?墓苑や墓地、寺院との違いは?それぞれの特徴や選び方、メリット・デメリット

 

②納骨堂

納骨先がないけれど、ご遺骨を残しておきたい場合は納骨堂の選択肢もあります。
納骨堂はご遺骨を個別に収蔵するスペースが提供される屋内施設です。

かつてはお墓を建てるまでの一時的なご遺骨の安置場所として利用されてきましたが、現在ではラグジュアリーな施設や参拝ブースが設けられた納骨堂が増え、お墓と並ぶ遺骨供養のひとつの方法として認知されています。

 

 

 

③永代供養

「永代供養」とは家族に代わり、永代に渡って霊園など墓地管理者がご遺骨の管理や供養を担うサービスを指し、継承者がいなくてお墓が建てられないケースなどで便利です。

ただし永代に渡り「個別に」ご遺骨が管理される訳ではないので注意をしてください。
永代供養墓(合祀墓)は、ひとつの供養塔のもと、ご遺骨はひとつの場所に他のご遺骨と一緒に合祀されるため、後々、ご遺骨は個別に残りません。

納骨堂も永代供養のひとつですが、契約した一定期間はご遺骨が個別で安置され、一定期間が過ぎると、霊園内の永代供養墓(合祀墓)へ合祀される仕組みが多いです。

 

[永代供養墓]
・【2024年最新ランキング】沖縄でおすすめの永代供養墓トップ13件、口コミも紹介!

 

[沖縄の永代供養墓サービス例]
永代供養・納骨堂「沖縄霊廟」

 

④自然葬

樹木葬や散骨など、ご遺骨が自然に還元される遺骨供養です。
海を愛した故人など、自然回帰を希望する人々にニーズが高いものの、ご遺骨は自然に還元されるため、個別に残ることはありません

沖縄では粉骨したご遺骨を海に撒く「海洋散骨」が多く選ばれます。
散骨してしまうと供養塔などの参拝対象もありませんが、依頼する散骨業者によっては、墓碑に俗名を彫刻するなどのメモリアルサービスから選ぶことも可能です。

 

 

 

⑤手元供養

ご遺骨を自宅や手元で供養する遺骨供養が「手元供養」です。
仏壇やステージ(祭壇)を仕立ててご遺骨を祀る方法や、ペンダントなどのアクセサリーに粉骨したご遺骨を納めて持ち歩く方法などがあります。

現代の手元供養は、ご遺骨を粉骨してコンパクトにおしゃれにまとめるスタイルが多いですが、費用を抑えた手元供養であれば、どのように祀っても問題はありません。

 

 

[手元供養が相談できるお店]
供養ギャラリー那覇店、南風原店

 

沖縄で家族が亡くなったら(15)香典返し

沖縄で家族が亡くなったら(15)香典返し
◇香典返しの渡し方を検討します

昔ながらの沖縄の一般葬では、いただくご香典の金額相場も千円~3千円と低い傾向だったため、香典返しも用意する風習もありませんでした。

全国的にも香典返しをお渡しする相場は、約3千円以上とされるため、沖縄のように多くはないものの、約3千円以下のご香典をいただいた相手には、香典返しを送る必要はないとされます。

そのため反対に香典辞退の申し入れがあった時、香典返しの心配をかけないように配慮して、敢えて3千円以下の供花や供物を持参する会葬者もいるほどです。

 

①会葬返礼品とする

昔ながらの沖縄のご香典で包む金額相場は、約千円~3千円となります。
また、沖縄では「不幸が重なる」ことを避けるため、お札を重ねることを避けて千円のご香典を包む人が多いでしょう。

会葬返礼品の料金目安は約5百円~千円台が多いため、金額的にも丁度、会葬返礼品でまとめると、香典返しの代わりになります。

 

②当日返し

沖縄でも人数を限定した家族葬などでは、会葬者のご香典で包む金額相場が、知人友人で約5千円~1万円と、高くなる傾向です。

けれども四十九日の後に改めて香典返しを送るのは手間暇がかかるため、葬儀当日、お帰りの際に香典返しをお渡ししてしまう「当日返し」が増えました。

当日返しの香典返しで選ぶ品の費用目安は約2千円~3千円ほど、会葬返礼品は本来、会葬いただいたことへのお礼の品ですので、会葬返礼品とは別の袋に包んでお渡しします。

また当日返しは香典返しと気付かない会葬者もいらっしゃるため、会葬御礼状に「なお、御香典のお礼は本日の返礼品をもって代えさせていただきます。」と、一言添えておくと良いでしょう。

 

③香典返しを送る

香典返しは本来、四十九日を過ぎてから7日後までを目安に、自宅へ送るものです。
香典返しの品は、ご香典の約1/3~1/2の金額を目安に選びましょう。

四十九日までは、ご遺族は死の穢れをまとう「忌中」とされ、穢れが移らないよう、、故人と近しい関係性にあるご遺族は、忌中に品を送ることを避ける風習がありました。

そのため本来であれば、忌明けの四十九日以降に香典返しを送ります
また約3万円以上のご香典をいただいた会葬者などには、当日返しをお渡ししている場合でも、改めて香典返しを送る流れが一般的です。

 

 

【番外編】初盆はどうする?

【番外編】初盆はどうする?
◇初盆とは、忌明けに初めて迎えるお盆です

初盆(はつぼん)」とは、故人が亡くなって忌中が明けた後、初めて迎えるお盆を指し、沖縄では「ミーボン」などと呼ばれます。

忌中の四十九日が明けた後に迎えるお盆ですから、亡くなった年と同じ年に初盆を迎える人もいれば、翌年になる人もいるでしょう。

 

①初盆法要を執り行う

◇全国的には初盆法要を執り行います

全国で迎えるお盆は、僧侶をお呼びして初盆法要を執り行うため、通常のお盆よりも大きな規模になるでしょう。

家族・親族や、故人と生前に親しくしていた人々へ初盆法要のご案内をして、あの世に行ってから初めての帰省となる故人が、自宅までの道を迷わぬよう、目印となる「白提灯」を玄関先に飾ります。

 

 

②家族のみで静かに行う

◇沖縄の初盆「ミーボン」は、家族のみで静かに進める風習があります

沖縄では、地域によって期間は異なるものの、故人が亡くなってから1年~3年を喪中とし、この期間中はシーミー(清明祭)は避け、旧盆は家族のみで静かに行い、賑やかに年中行事を行うことを避けてきました。

けれども近年の沖縄では、葬儀社に依頼し初盆法要を執り行う家族も少なくありません。
初盆法要は追善供養の役割もあるので、家族のみで初盆法要を執り行うこともできます。

 

 

まとめ:沖縄では家族葬の選択も増えました

(1)現代沖縄で増える葬儀「家族葬」とは
従来の沖縄では家族が亡くなったら、迷うこともなく新聞の訃報欄(お悔やみ欄)に葬儀情報を掲載し、規模の大きな一般葬を執り行ってきましたが、現代では、規模の小さな家族葬の選択も増えています。

家族が亡くなる時には、突然であっても、そうでなくても、判断に迷ってしまう、戸惑ってしまうことが多いため、元気なうちから家族で理想の葬儀スタイルや、遺骨供養の方法などを話し合っておくことをおすすめします。

また、近年の沖縄では終活を進める高齢の人々も増え、エンディングノートを残しているケースもあるので、ご遺族で決める前に、終活の記録が残っていないかも確認してみると安心です。

 

 


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