贈答用線香の選び方、送り方マナーとは?お線香を送る意味、香りでお悔やみを伝える方法

2024.03.29
贈答用線香の選び方、送り方マナーとは?お線香を送る意味、香りでお悔やみを伝える方法

贈答用線香とは人に贈るお線香です。本記事では、贈答用線香を贈るマナーや注意点、目的や香りによる料金相場や選び方が分かります。香りメッセージ「香言葉」や花言葉もご紹介しているので、贈答用線香に添える手紙に、ひと言添えてみてはいかがでしょうか。

・「贈答用線香」とは?
・贈答用線香の選び方、贈り方は?
・香りで選ぶ贈答用線香の選び方は?

贈答用線香とは、日ごろから使用するお線香ではなく、人に贈るためのお線香です。
お線香は価格帯が幅広いため、贈答用線香も目的に合わせて約千円~1万円以上まで、適した品を選ぶことができます、

本記事を読むことで、贈答用線香を贈るマナーや注意点、お線香の香りによる選び方が分かります。

後半ではお線香の香りで伝えるメッセージ「香言葉」や「花言葉」もご紹介しているので、贈答用線香に添える手紙に、香言葉によるメッセージもひと言添えてみてはいかがでしょうか。

「贈答用線香」とは

「贈答用線香」とは
◇「贈答用線香」とは人へ贈るためのお線香です

「贈答用線香」とは「進物線香」とも呼ばれ、日々お仏壇のお世話などで使用する目的ではなく、人へ贈るために包んだお線香を指します。

通夜や葬儀、法要(法事)での香典代わりとして贈る他、お彼岸やお盆などの年中行事に参列できない時、喪中ハガキで遅れて故人の訃報に触れた時などが、贈るタイミングです。

<贈答用線香を贈る理由>
[贈答用線香を贈る理由]
香典代わりとして郵送する
・故人への贈り物、追悼
・お悔やみを伝える
・ご遺族へ寄り添う気持ちを伝える
・弔問や帰省での手土産
[贈答用線香を贈るタイミング]
通夜や葬儀
・法事(法要)
・初盆、初彼岸
・お盆、お彼岸
・自宅への弔問
・喪中ハガキを受けた時

日常使いの線香は約400円ほど~2千円ほどまでの紙箱に入ったものが多いですよね。
けれども贈答用線香は、約2千円~1万円以上と幅広く、料金に合わせて紙の化粧箱や、桐箱、漆箱などで仕立てられます。

贈答用線香の選び方

◇贈答用線香は用途に合わせて適切な費用相場内で選びましょう

お線香は日常使いに適した手頃な価格帯のものも多いですが、もともとは香木(こうぼく)によるお線香もあり、上質なお線香になると1万円以上のものもあるほどです。

けれども贈答用線香を受け取った家は、いただいた金額に合わせて、お礼の品を送らなければなりませんので、先方に余計な気遣いをさせぬよう、費用相場内で納めましょう。

<目的で違う贈答用線香の費用相場>
[目的] [費用相場] [選び方]
①通夜や葬儀
(香典代わり)
約5千円~1万円 ・桐箱、漆箱入り
・伝統的な香り
・水引を掛ける
②三回忌までの法要
(香典代わり)
約3千円~5万円 桐箱入り
・伝統的な香り
・水引を掛ける
③訃報ハガキを受けた ・約3千円~5千円 桐箱入り
・伝統的な香り
・水引を掛ける
④三回忌以降の法要
(香典代わり)
約2千円~5千円 紙の化粧箱入り
・カジュアルな香りも良い
・水引は印刷
⑤初盆、初彼岸の法要
(香典代わり)
・約2千円~5千円 紙の化粧箱入り
・カジュアルな香りも良い
・水引は印刷
⑥自宅へ弔問 ・約2千円~5千円 紙の化粧箱入り
・カジュアルな香りも良い
・水引は印刷
紙袋に入れて持参
⑦年中行事
・お盆(旧盆)
・お彼岸
・シーミー(清明祭)
(旧盆はお中元代わり)
約千円~3千円 紙の化粧箱入り
(お線香ギフトセットなど)
・カジュアルな香りも良い
・水引は印刷

贈答用線香は価格帯に合わせて、だんだんとカジュアルになります。
通夜や葬儀など、訃報を受けて間もない時期に贈る贈答用線香では、伝統的な沈香や白檀などの香りを用いて、丁重に準備をする必要があるでしょう。

けれども三回忌以降の法要や命日、年中行事など、安い価格帯で贈る贈答用線香の場合、現代風のしゃぼんの他、お菓子やコーヒー、緑茶などの嗜好品の香りをしたお線香も見受けます。

この他、三回忌以降の法要や年中行事用の贈答用線香であれば、ロウソクとのアソートセットなども、仏壇仏具店へ行くと発見できるでしょう。

価格帯で違うお線香のランクについては、下記コラムに詳しいです。

 

贈答用線香の送り方

◇贈答用線香の表書きは「御供」が適切です

贈答用線香は、贈る時期や目的により、表書きが変わりますが、一般的に「御供」であれば、失礼にはあたりません。

例えば、四十九日までの忌中に執り行う通夜や葬儀であれば「御霊前」、四十九日法要の忌明け以降では「御仏前」など、「御供」以外の表書きは、ほとんど香典と同じです。

<贈答用線香の送り方>
①のし紙 掛け紙
・基本は内紙
(法要では外紙)
②水引 ・白×黒
双銀
③表書き ・「御供
・「御香典」
…など

通夜や葬儀であれば、通夜や葬儀が始まる1時間~3時間ほど前には会場に届くよう、すぐに手配をしましょう。

お悔やみ電報など、弔電を利用すると、弔電とともにお線香を届けてくれる品もあります。

法要に合わせて贈答用線香を贈るならば、前日には届くように手配します。
贈答用線香の包み方や送り方、到着するタイミングやマナーなどについては、下記コラムをご参照ください。

 

沖縄でも贈答用線香は日本線香

◇沖縄でも贈答用線香は日本線香です

沖縄では独自の沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」がありますが、もともとかつての沖縄で、安いヒラウコー(平御香)は日常的に使用するためのものでした。

現在では沖縄の旧暦行事において、拝み事「御願(ウガン)」に欠かせない沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」ですが、通夜や葬儀、法要で贈る贈答用線香として贈るには、あまり適していません。

<ヒラウコー(平御香)>
[形状] 日本線香6本分を繋げた板状のお線香
[主成分] でんぷん
・炭
・樹皮粉
(水で溶いて乾燥する)
[特徴] 煙が多い
・香りがない
・価格が安い

香木が使用され高級な日本線香は、「イッポンウコー(一本御香)」「カバシウコー(香り御香)」と呼ばれ、特別な拝み事「御願(ウガン)」や、贈答用線香に使用されています。

 

贈答用線香を香りで選ぶ

お線香を送るシーンごとの選び方
◇日本では聖徳太子の時代から、公家を中心に香木が知られていました

最も大きなお線香の役割は儀礼としての邪気祓いですが、公家社会では香りを楽しむことも暮らしの一部にあったようです。

そのため贈答用線香では、仏教の教えとして仏様へ供えるお線香としての役割だけではなく、ご家族へ香りの贈り物としても、選ばれるようになっています。

<贈答用線香を香りで選ぶ>
[お供養として] 仏様が香りをいただく「香食」
・煙を天へ届ける
・邪気祓い
・空間を清める
・人々の穢れを祓う
[家族への力添えとして] ・心を癒す
気持ちに寄り添う
・メッセージを伝える
[日用品として] 瞑想の一助になる
・香りで空間を演出する

西洋では香りや花々の効能を取り入れた「アロマテラピー」や「パッチフラワーレメディー」などがありますよね。

お線香は主に供養や仏教行事におけるお供え物のイメージがありますが、実は古い昔から、香りによる効能が認められてきたのです。

日本で香りを楽しむ歴史

◇お線香の香りによる効能は、聖徳太子の時代から知られていました

香りを用いて精神統一したり、瞑想や安眠へ導くなどの作用がある「アロマテラピー」は、1937年のフランスが発祥です。

一方、日本書記によると、西暦528年の仏教伝来からすでに「香」の存在は知られており、主に儀礼で使用されてきました。

<日本の歴史におけるお線香>
①西暦528年 仏教伝来
②西暦595年 ・淡路島沈香の流木が漂流
・聖徳太子が鑑定

その後、室町時代に生きた臨済宗大徳寺の僧侶、一休宗純により広められました。
一休宗純(いっきゅうそうじゅん)は、広く日本で親しまれてきた「一休さん」のモデルです。

一休さんは香道(志野流)にも深く、香りの効能を良くしっていたのでしょう。
沖縄でも、臨済宗の広がりや、中国との深い縁によりお線香の良さは伝わっています。

贈答用線香の「香十徳」

贈答用線香の「香十徳」
◇「香十徳」とは黄庭堅(こうていけん)による漢詩です

香十徳(こうじゅっとく)」とは、西暦960年~1127年まで続いた中国王朝・北宋時代に黄庭堅(こうていけん)により作られた漢詩で、後に一休さんが日本で広めました。
四文字から成る十の漢詩ですが、お線香の効能について凝縮されています。

お線香はもともと、漢方で知られる丁子(ちょうじ)や桂皮(けいひ)、麝香(じゃこう)などから作られたため、その香りも、さまざまな効能があるとされました。

①感格鬼神

感格鬼神(かんかくきじん)」の訳は「その感は鬼神の格まで至る」です。
お線香の香りによりセジ(霊感)が現れる、感覚は研ぎ澄まされ集中し、神様である「鬼神(きじん)」と繋がります。

②清淨心身

清淨心身(しょうじょうしんじん)」の意訳は「心身は清浄にす」です。
お線香の香りや煙によって、心身を浄化して清らかになる、もしくは清らかに保つ効能を表します。

③能除汚穢

能除汚穢(のうじょおえ)」の訳は、「能く汚穢(おわい)を除く」です。
「汚穢(おわい)」とは、人々にまとわりつく汚れや穢れを指し、お線香の香りにより、これらの汚穢を取り除くと書いています。

④能覺睡眠

能覺睡眠(のうかくすいみん)」の訳は「能く睡眠から覺す」です。
言葉の通り、お線香の香りを嗅ぐことでスッキリとし、よく睡眠から目覚める、眠気から覚める、眠気覚ましの効能を説いています。

⑤静中成友

静中成友(せいちゅうじょうゆう)」の意訳は「静中の友と成る」です。
お線香の香りに親しみ、楽しむことで、孤独な時間や静かな時間を愛するようになり、孤独で静寂な時間が味方をし、安らぎを覚えると伝えています。

⑥塵裏偸閑

塵裏偸閑(じんりゆかん)」の訳は「塵裏(じんり)にも閑(ひま)を偸(ぬす)む」です。
「塵裏(じんり)」は、ひとつひとつを区分けすることを指します。

忙しい日々のなかでも、ひとつひとつのなかに時間「閑(ひま)」を見つける、ゆとりやくつろぎを得ると説いた漢詩です。

⑦多而不厭

多而不厭(たじふえん)」の訳は「多くして厭(いと)わず」です。
「厭わず」とは嫌がったり、避けることをしないと言う意味があります。
多くあっても嫌がったり、邪魔になることはありません。

⑧寡而為足

寡而為足(かにいそく)」の訳は「寡(すくな)くして足れり」です。
言葉の通り、お線香は少なくても構わない、お線香が少なくても、充分に香ると言っています。

⑨久蔵不朽

久蔵不朽(きゅうぞうふきゅう)」の訳は「久しく蔵えても不朽(朽ちず)」です。
お線香は時間が経っても朽ちることがありません。
長く蔵などに保管しておいても、ずっと朽ちることなく、火を灯せば常に同じように香りを届けてくれます。

⑩常用無障

常用無障(じょうようむしょう)」の訳は「常に用いて障り無し」です。
お線香は常に焚いていても、いつ使用しても害がなく、日常的に使用できることを書いています。

葬儀に送る贈答用線香の香り

お線香を送る金額相場の考え方
◇通夜や葬儀では、仏教に則した香りのお線香を選びます

通夜や葬儀に香典の代わりに贈答用線香を選ぶ時には、寺院で扱う仏教と馴染み深い、伝統的な香りのお線香を選ぶと良いでしょう。

<通夜や葬儀に適した贈答用線香>
・沈香(じんこう)
・白檀(びゃくだん)
・伽羅(きゃら)

沈香は「寺院の香り」のイメージも強く、仏教では瞑想などに用いる香りです。
心を落ち着かせる効能が広く知られているため、お悔みやご遺族へ寄り添う気持ちを伝えることができます。

また近年では、マンション住まいなど家庭環境への配慮から、煙が少なく消臭効果があるとされる備長炭(びんちょうたん)を原料とした贈答用線香も選ばれるようになりました。

贈答用線香①沈香

◇沈香は心を落ち着かせると言われます

沈香(じんこう)は白檀とともに沈静作用があるとされ、瞑想にも用いられる香りで、人々の心を静かに落ち着かせてくれる香りが特徴です。

<贈答用線香①沈香>
[花言葉] 甘美な思い出
・青春の喜び
・永遠
[香言葉] いつまでも朽ちない想い
(あなたの想いは生きている限り朽ちません)
静けさのなかの安らぎ
(悲しみのなかにも、あなたを想うと安らぎを感じます)

沈香の誕生花は2月10日、2月23日、12月15日
心を落ち着かせる効能から、故人への贈り物としてだけではなく、ご遺族へ寄り添う気持ちも伝えます。

贈答用線香②白檀

◇白檀はノスタルジックな甘さのある香りです

白檀はアルマオイルでは「サンダルウッド」の香り、優しく甘い香りが特徴となり、お線香では香木やお香としても親しまれています。

誕生花は6月14日、沈香と同様に心を落ち着かせる鎮静効果があり、頭痛や不眠症への効能も有名です。

<贈答用線香②白檀>
[花言葉] ・意見が違うね
[香言葉] 目を閉じてあなたを想う
・目を閉じれば、あなたがいる
・悲しみはいつか温かな思い出に変わる

香木としても愛される白檀のなかでも、「老山白檀」と呼ばれるインドのマイソールで採掘される白檀は高級になるでしょう。

贈答用線香③伽羅

◇伽羅は沈香の最高級品です

伽羅(きゃら)は沈香のなかでも最高級品の香木であり、特にベトナム産が知られています。

香木として火を付けずとも香りに深みがあり、その人気から採掘が繰り返され、現在は希少なことから、さらに高級品になりました。

<贈答用線香③伽羅>
[花言葉] ・哀しみ
・慰め
・高尚(風格)
[香言葉] ・あなたを想い哀しい
あなたの思うと慰められます
・あなたには風格があります

伽羅線香は「言葉には表現できない」とも言われる濃厚な香りが特徴で、火を灯すとさらに温かく包まれる香りです。

贈答用線香④備長炭

◇備長炭は臭いを抑えるお線香です

近年、贈答用線香でも選ばれるようになった備長炭(びんちょうたん)は、むしろお線香の香りを抑えて、日々煙を気にせず供養ができるとして人気が出ました。
また備長炭の消臭効果から「リビング線香」とも言われます。

<贈答用線香④備長炭>
[香言葉] ・あまり神経を削らないで
・高ぶった心を静めてください

備長炭は消臭としても知られますよね。
よく焚いて仕上がることから、備長炭の欠片は「お守り」としても扱われます。

法要に送る贈答用線香の香り

まとめ:贈答用線香は気軽に贈ることができます
◇三回忌以降の法要や年中行事では、カジュアルな香りも人気です

贈答用線香では、一般的に「ギフト線香」などと呼ばれる、約千円~3千円以内の価格帯で、気軽に贈るカジュアルなギフトもあります。

三回忌以降の法要や、お盆(旧盆)・お彼岸などの年中行事のみならず、日ごろから故人への贈り物として、毎月の命日弔問時の手土産にも、カジュアルな贈答用線香は気軽に贈ることができるでしょう。

贈答用鉛鉱⑤金木犀

◇緊張した心をほぐすとされます

金木犀は日本人にも馴染み深い香りで、リナロールと呼ばれる成分がリラックス効果を促し、緊張をほぐすとされます。

<贈答用鉛鉱⑤金木犀>
[花言葉] ・あまり神経を削らないで
・高ぶった心を静めてください
[香言葉] ・若返る心
・イライラは開放する
辛い日々を流して美しくなる

誕生花は10月1日・6日・7日、11月2日・24日と秋口の贈答用線香に適した香りです。
安眠効果も期待できます。

贈答用線香⑥向日葵

◇向日葵の香りがするお線香は、明るく華やぎを運んでくれます

近年見受ける向日葵の香りがするお線香は、白檀の他、漢方で利用される丁子(ちょうし)や桂皮(けいひ)などを配合したお線香が多いでしょう。

<贈答用線香⑥向日葵>
[花言葉] 愛慕
・崇拝
・あなただけを見つめる
・憧れ
[香言葉] ・あなたを慕います
わたしの目にはあなたが見える

向日葵の誕生花は7月6日・20日、8月2日・5日・31日と、花が咲き誇る花期も夏真っ盛りの季節です。
お盆やお中元などに贈る贈答用線香に適しています。

贈答用線香⑦ラベンダー

◇高級線香としても選ばれる、質の高い香りです

ラベンダーは、頭痛や鎮痛を緩和するともされ、自律神経を整える落ち着いた香りが特徴で、防虫効果や抗菌・殺菌効果もあるとされます。
広く馴染み深い香りなので、贈答用線香としても選ばれやすいでしょう。

<贈答用線香⑦ラベンダー>
[花言葉] ・私に応えてください
・沈黙
・期待
・疑惑
[香言葉] ・若い頃の思い出
・哀しみを解き放つ眠り
懐かしさとともに心を静める

ラベンダーの誕生花は7月5日・10日、12月3日ですが、一般的に通年、いつ贈っても問題のない香りです。

贈答用線香⑧橙

◇橙(だいだい)はスッキリとした甘みと苦味のある香りです

橙(だいだい)は柑橘系の香りで、スッキリとした甘みとほのかに香る苦味が、疲れた心に若さと元気を取り戻してくれます。

<贈答用線香⑧橙>
[花言葉] ・相思相愛
・代々栄える
[香言葉] ・元気を出して
・あなたといると明るくなる
・誰とも仲良くなれる人

年中行事で贈る贈答用線香であれば、橙(だいだい)は「代々栄える」の語呂合わせがあるため、縁起の良いものとして喜ばれるでしょう。
橙の誕生花は4月24日、9月7日・24日、過ごしやすい春先・秋口に適しています。

贈答用線香⑨沈丁花

◇沈丁花の香りは品の良さが魅力です

沈丁花は甘い香りのなかにも品の良さを感じさせ、緑が際立つ爽やかさに魅力があります。

沈丁花の香りはどこか沈香にも似ており、本物の沈丁花は、その香りの広がりから「千里香」の別名もあるほどです。

<贈答用線香⑨沈丁花>
[花言葉] ・不死
・不滅
永遠
[香言葉] 春の訪れ
・忙しい日々のなか、ふとあなたを想う
・あなたの香りが横切る

沈丁花の誕生花は2月10日・23日と、12月15日
沈香よりもカジュアルでフローラルな香りがするため、より気軽な贈答用線香に適しています。

贈答用線香⑩桜

◇桜の香りがするお線香は、春を感じさせる贈答用線香です

桜の香りがするお線香では、桜皮ポリフェノールを配合して、桜の春らしい香りを届けます。
宇野千代のお線香「淡墨(うすずみ)の桜」などの贈答用線香が有名です。

<贈答用線香⑩桜>
[花言葉] ・純潔
・私を忘れないで
・心が美しい
[香言葉] あなたを想うと幸福に包まれる
・夢のなかであなたに会える
・この世の悪しきものから、あなたを守る

桜の誕生花は4月1日・2日・9日・13日・21日と、全て4月です。
実際に桜のお線香は、何よりも春の訪れを感じさせるものとして選ばれやすく、特に春のお彼岸などで贈られることが多いでしょう。

贈答用線香⑪蓮の花

◇仏教の象徴的な花が、蓮の花です

蓮の花は泥水のなかでも美しい花を咲かせるため、香典袋にも描かれるなど、仏教における象徴的な花として知られています。

蓮の花のお線香は、白檀とフローラルな花々を配合した香りが多く、贈答用線香のなかには煙の少ない少煙タイプのお線香を多く見受けるでしょう。

<贈答用線香⑪蓮の花>
[花言葉] ・清らかな心
・神聖
・救済
・休養
[香言葉] あなたとの思い出が私を強くする
・毎日あなたを想う時間
・赤らむ頬

蓮の花の誕生花は7月3日・8日、8月15日、9月26日ではありますが、前述したように仏教の象徴的な花となるため、通年選ばれる香りでしょう。
またお線香と合わせて、蓮の花を造形したロウソクを贈ることもあります。

贈答用線香⑫嗜好品の香り

◇近年では嗜好品の香りのお線香も販売されています

近年はコーヒーや緑茶など、嗜好品の香りも販売されるようになりました。
キャラメルなど、お菓子メーカーと共同で開発し、あらゆる香りのお線香が登場しています。

<贈答用線香⑫緑茶>
[花言葉] ・追憶
・純愛
[香言葉] ・良い思い出のみを残す
温かな懐かしい人

今回は、比較的古くから販売されている緑茶の香言葉をご紹介しました。
緑茶の誕生花は11月29日ですが、こちらも通年贈ることができるでしょう。

まとめ:贈答用線香は気軽に贈ることができます

まとめ:贈答用線香は気軽に贈ることができます
贈答用線香は進物線香とも呼ばれますが、現代ではより気軽に贈るお線香を「贈答用線香」とし、進物線香と分ける考え方も見受けるようになりました。

贈答用線香・進物線香は、基本的には通夜や葬儀、法要などに参列できない場合に、香典代わりに送ったり、後日ご自宅へ弔問する際に贈るお線香です。

けれども近年では、故人に贈る品、故人のご家族に寄り添う気持ちを表す品として、コロナ禍を経て、お悔やみを伝える、よりカジュアルな手段としても利用されるようになっています。


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