・納骨堂の費用はどれくらいかかる?
・納骨堂のタイプで費用はどれくらい違う?
・納骨堂にかかる費用の内訳は?
・納骨堂と他の永代供養との費用比較は?
・納骨料はどれくらいかかる?
納骨堂の費用は、選ぶ納骨堂のタイプや、個別に遺骨を安置できる期間「個別安置期間」が何年かなど、プランによっても大きく違います。
また納骨堂に納骨後も、年間管理料が毎年かかる施設も多いでしょう。
本記事を読むことで、納骨堂のタイプ別の費用目安や、納骨料や納骨後にかかる費用の目安、他のお墓のいらない永代供養との費用比較が分かります。
「納骨堂」とは?費用目安は?
◇納骨堂は約10万円~180万円、平均値は約45万円ほどです
そもそも「納骨堂(のうこつどう)」とは、遺骨を収蔵する屋内施設で、そのシステムや納め方に決まり事はありません。
現代の納骨堂は管理者が家族に代わり、永代に渡って遺骨の供養や管理を担う「永代供養」が付いているため、家族は継承者を立てる必要がなく、気軽にお参りできます。
・遺骨を屋内に収蔵する
・都心部に多い
・継承者がいらない(永代供養付)
・個別安置期間がある
・最終的に永代供養墓で供養される
・年間管理料がかかる施設が多い
・1柱ごとの料金システムが多い
昔はお墓を建てるまでの一時的な遺骨の保管場所として利用されてきましたが、現代は永代供養が登場し、継承者のいらない遺骨の供養方法として、お墓と同じ役割を担う存在になりました。
納骨堂の5つのタイプと費用目安
◇納骨堂は、主に5つのタイプが主流です
2024年現代、納骨堂は5つの収蔵タイプがあり、タイプによって設備や施設内のラグジュアリー感、サービスも大きく違うため、納骨堂の費用相場もタイプによって大きく変わります。
そのため納骨堂は費用の比較のみで選ぶのではなく、納骨後にどのように遺骨を供養したいかを家族で確認し、実際に現地見学をしてから決めましょう。
①自動搬送タイプ(ビル型)
②室内墓所タイプ
③仏壇タイプ
④ロッカータイプ
⑤位牌タイプ
お墓と同じ遺骨の供養方法として選ばれる納骨堂は、自動搬送タイプや室内墓所、仏壇タイプの納骨堂が多いです。
一方でロッカータイプや位牌タイプの納骨堂は昔からある納骨堂タイプで、一時預かりとしての役割も果たします。
①自動搬送タイプ納骨堂の費用目安
◇自動搬送タイプ納骨堂の費用目安は、約80万円~150万円です
「自動搬送タイプ納骨堂」とは、「ビル型」「可動型(機械型)」とも呼ばれる納骨堂システムで、日ごろ遺骨はバックヤードに納められています。
家族が参拝に行くと、参拝ブースに案内され、遺骨は機械により参拝ブースまで自動搬送される仕組みです。
<自動搬送タイプ納骨堂の費用事例> | |
[収蔵人数] | [費用事例] |
●個人(1柱) | ・約30万円~60万円 ・永代供養付き ・個別安置期間あり ・納骨費用…約2~5万円/1柱 ・年間管理料…約1~2万円/年 …など |
●夫婦(2柱) | ・約65万円~80万円 ・永代供養付き ・個別安置期間あり ・納骨費用…約2~5万円/1柱 ・年間管理料…約1~2万円/年 …など |
納骨後もお墓参りや供養がしたい家族に向いている自動搬送タイプの納骨堂は、遺骨を前にして個別法要ができる法要室を備えた施設もあります。
個別安置期間も施設によりさまざまで、約3年間~13年間など、個別安置期間が長いほど費用目安も高い傾向です。
実際に納骨堂を見学しながら、費用と併せて総合的に比較検討しましょう。
②室内墓所タイプ納骨堂の費用目安
◇室内墓所タイプ納骨堂の費用目安は、約80万円~150万円です
室内墓所タイプ納骨堂は、屋内にお墓がある施設となります。
室内墓所には屋内に墓石のお墓が並ぶ種類もあれば、自動搬送タイプ納骨堂で、参拝ブースにお墓が並ぶものもあるでしょう。
<室内墓所タイプ納骨堂の費用目安> | |
[収蔵人数] | [費用事例] |
●家族(2~4柱) | ・約80万円~120万円 ・永代供養付き ・個別安置期間あり ・銘板、彫刻戒名料 …など |
●代々継承墓(6~8柱) | ・約120万円~180万円 ・永代供養付き ・子どもへ継承が前提 ・墓じまい後の収蔵 |
一般的な自動搬送タイプ納骨堂との違いは、室内墓所タイプ納骨堂に家族で入るプランが多い点です。
収蔵できる柱数が多いため、代々継承墓を墓じまいした後に約6~8柱など、複数の遺骨を引っ越しできる側面もあります。
永代供養は付いているので家族は継承者を立てる必要はありませんが、家族で遺骨を収蔵できて代々お墓参りができるプランも少なくありません。
③仏壇タイプ納骨堂の費用目安
◇仏壇タイプ納骨堂の費用目安は、約45万円~150万円です
仏壇タイプ納骨堂では仏壇が並び、家族は仏壇を前にして参拝します。
仏壇の中央に遺骨が収蔵されている施設もあれば、遺骨は仏壇下や別スペースに収蔵され、仏壇には位牌が置かれている施設もあるでしょう。
<仏壇タイプ納骨堂の費用目安> | |
[収蔵人数] | [費用事例] |
●個人(1柱) | ・約30万円~45万円 ・永代供養付き ・個別安置期間あり ・位牌付き …など |
●家族(2~5柱) | ・約65万円~120万円 ・永代供養付き ・個別安置期間あり ・位牌付き(戒名料) …など |
また仏壇タイプ納骨堂は上下左右に仏壇が並ぶ施設もあれば、縦置き型仏壇で左右一列に並ぶ施設もあります。
縦置き型で遺骨を複数収蔵できる施設や、別スペースに遺骨が収蔵される施設などでは、家族で複数の遺骨を収蔵できるプランも多いです。
仏壇タイプ納骨堂ではありますが屋内施設になるため、お供え物や供え花は香りや生ものなどの問題から、参拝方法に規約を設けた施設も多いでしょう。
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④ロッカータイプ納骨堂の費用目安
◇ロッカータイプ納骨堂の費用目安は、約10万円~80万円です
ロッカータイプ納骨堂は、個別スペースが上下左右に並ぶロッカーのような収納棚に遺骨を納めます。
昔からあるので遺骨を納めるためのシンプルな造りが多く、納骨堂のなかでは、最も安い納骨タイプのひとつです。
<ロッカータイプ納骨堂の費用目安> | |
[収蔵人数] | [費用事例] |
●個人(1柱) | ・約20万円~38万円 ・永代供養付き ・個別安置期間あり ・ネームプレート料金 ・7寸骨壺収蔵スペース …など |
●夫婦(2柱) | ・約50万円~80万円 ・永代供養付き ・個別安置期間あり ・ネームプレート料金 ・夫婦2柱分の収蔵スペース …など |
ロッカータイプ納骨堂は個別安置期間によって、費用も大幅に変わるでしょう。
個別安置期間は一般的に、年間管理料(約8千円~2万円)がかかりますが、一括して支払うプランもあります。
また、現代ではロッカータイプだから全てがシンプルな造りとは限りません。
ラグジュアリー感溢れる施設や、職人による高級木材を使用した施設も見受けます。
⑤位牌タイプ納骨堂の費用目安
◇位牌タイプ納骨堂の費用目安は、約10万円~20万円です
遺骨は別の場所で収蔵され、棚には位牌が並びます。
遺骨を預かる寺院では昔から行われてきた形態で、位牌は定型のものを用意する寺院が多いでしょう。
<位牌タイプ納骨堂の費用目安> | |
[収蔵人数] | [費用事例] |
●個人(1柱) | ・約8万円~10万円 ・粉骨した遺骨を位牌に納める ・永代供養付き |
●個人(1柱) | ・約3万円~10万円 ・遺骨は永代供養墓に合祀埋葬 ・永代供養付き |
遺骨の保管方法は施設によりさまざまです。
最初から骨壺から遺骨を取り出し、他の遺骨とともに永代供養墓に合祀埋葬される安いプランもあれば、別スペースで骨壺で保管する施設もあるでしょう。
ただ最近は遺骨を粉骨して位牌の中に納める位牌タイプ納骨堂も少なくありません。
納骨堂の費用内訳
◇一般的に納骨堂の費用には、永代供養料が含まれています
家族に代わって施設管理者が永代に渡って遺骨の供養や管理を担うため、継承者を必要としない「永代供養」のひとつの形として、納骨堂は認知されるようになりました。
そのため一般的に納骨堂に遺骨を納める初期費用には、永代供養料が含まれたプランが多いです。
・使用料(初期費用)
・永代供養料
・年間管理料
使用料(初期費用)と永代供養料は、納骨堂に遺骨を納める初期費用に含まれるプランが一般的ですが、維持管理費用として毎年納める「年間管理料」の扱いは、納骨堂施設やプランによりさまざまです。
①納骨堂の使用料(初期費用)
◇納骨堂の使用料(初期費用)は、納骨堂を使用する費用です
納骨堂の使用料は初期費用の基本的な項目で、一般的なお墓では墓地を永代に渡り使用する権利に掛かる費用「永代使用料」にあたります。
納骨堂の契約時に支払われる「初期費用」として支払い、約3万円~20万円と施設の設備や立地などにより幅は広いです。
②納骨堂の永代供養料
◇納骨堂の永代供養料は、遺骨を永代に渡り供養する費用です
納骨堂に遺骨を納骨する初期費用に含まれる「永代供養料」は、家族に代わり施設管理者が遺骨の供養や管理を担うサービスに対する費用となります。
永代供養料を支払うことで、遺骨は永代に渡り供養・管理されます。
ただし一定年数が経つと永代供養墓に合祀埋葬され、他の遺骨と一緒に供養されることへの理解は必要です。
③納骨堂の年間管理料
◇納骨堂の年間管理料は、施設や設備の維持管理費用です
納骨堂の「年間管理料」とは、公共設備に対する維持管理費用を指し、遺骨が個別に安置されている期間は毎年支払います。
ただし個別安置期間に毎年年間管理料を支払う施設も多い一方、個別安置期間の年間管理料を一括で納める施設もあるでしょう。
特に終活による生前契約では、個別安置期間の年間管理料をまとめて一括にできるプランが多いので、事前に完済したい方は、確認してみてはいかがでしょうか。
納骨堂の費用を調整する項目
◇納骨堂の費用は、タイプや個別安置期間で大きく変動します
納骨堂の費用を安く納めるのであれば、個別安置期間が1年~3年と短い「遺骨預かり」タイプで、ごくシンプルな施設が適切です。
「永代供養墓に合祀埋葬」とは、遺骨を骨壺や骨袋から取り出して、複数の遺骨をまとめて供養する「永代供養墓」に、他の遺骨と一緒に埋葬することです。
個別のスペースや墓石を用意する必要がないので、非常に安く抑えられます。
①納骨する遺骨の数
一般的な納骨堂の費用システムで、一般墓とは違う特徴は、納骨堂が遺骨1柱ごとで計算される点です。
一般墓は一基ごとの費用であり、一般墓一基には約6~8柱の遺骨が納骨できます。
大きな一般墓になると10柱以上を納めるものもあり、遺骨を収蔵するスペース「カロート」が許す限り、納めることができるでしょう。
納骨堂の費用を安く抑えるならば、納骨する遺骨の柱数を極力少なく、必要最低限の柱数に納めます。
②個別安置期間
◇永代供養の費用は、個別安置期間に比例します
納骨堂での永代供養の費用は、遺骨を個別に安置する期間「個別安置期間」が長ければ長いほど、高くなる傾向です。
一部の位牌タイプ納骨堂のように、遺骨を最初から骨袋や骨壺から取り出して、他の遺骨と一緒に合祀埋葬される場合は、約3万円~10万円と、それだけ納骨堂の費用も安くなります。
ただ一方で、もともとお墓を建てるまでの一時的な安置場所だった納骨堂では、個別安置期間は遺骨を移動する「改葬(かいそう)」が可能ですが、合祀埋葬された後は改葬ができません。
③納骨堂のタイプ
◇納骨堂の費用相場はタイプによって大きく違います
前述したように納骨堂の費用相場は、ロッカータイプや仏壇タイプ、自動搬送タイプなど、タイプによって大きく違うでしょう。
特に自動搬送タイプ納骨堂は、機械式なので費用も高くなる傾向です。
下記で納骨堂のタイプ別費用相場をまとめますので、比較検討の参考にしてください。
<納骨堂のタイプ別費用相場> | |
[納骨堂タイプ] | [費用相場] |
●自動搬送タイプ | ・約80万円~150万円 |
●室内墓所タイプ | ・約80万円~150万円 |
●仏壇タイプ | ・約45万円~150万円 |
●ロッカータイプ | ・約20万円~80万円 |
●位牌タイプ | ・約10万円~20万円 |
ただし納骨堂の大まかなタイプはありますが、それぞれ遺骨の個別安置の仕方や供養方法、参拝ルールや規約は施設により異なります。
また収蔵できる遺骨の柱数も、スペースの広さなどにより違うでしょう。
納骨堂タイプや費用のみで判断せずに、実際に現地見学をして規約を確認し、納骨後の参拝や供養方法まで理解したうえで、判断することをおすすめします。
④納骨堂の設備や立地
◇納骨堂の費用は、立地や設備も影響します
屋内施設の納骨堂は、都心部に近い立地が多くアクセスが良い点がメリットです。
納骨堂の開館時間であれば、いつでも気軽に参拝できる点も良いでしょう。
けれどもマンションと同じく、地価が高い納骨堂はそれだけ費用も高くなる傾向です。
一方、納骨堂施設や設備によっても費用幅があります。
例えば、ラグジュアリー感の高い施設であればそれだけ納骨堂の費用も高い傾向です。
また年忌法要などができるよう、個別法要室を設けた施設もあります。
⑤納骨堂の管理母体
◇納骨堂には管理母体が主に3種類あります
納骨堂の管理母体は主に、民営墓地・寺院墓地・公営墓地の3種類があり、それぞれ特徴が分かれるため、納骨堂費用を抑えたいならば確認が必要です。
<納骨堂の管理母体> | |
●民営墓地 (公益社団法人) |
・寺院と提携し民間企業が管理 ・サービスが充実する傾向 ・平均的な価格帯(地価が影響) |
●寺院墓地 (宗教法人) |
・寺院が運営・管理 ・宗派に倣った手厚い供養 ・高め傾向の価格帯 |
●公営墓地 | ・自治体が運営・管理 ・募集期間に応募 (定員オーバーだと抽選) ・低め傾向の価格帯 (都心部では高め傾向) |
一般墓の場合、一般的に寺院墓地ではその寺院の宗旨宗派に倣い、その寺院に属する「檀家」になる必要がありますが、納骨堂への納骨に関しては、宗旨宗派を不問とする寺院が増えました。
あくまでも市民への行政サービスとして営利目的ではない公営墓地では、納骨堂の費用相場も低くなりますが納骨堂の数も少なく、応募期間が設けられ、定員オーバーになると抽選になる施設が多いです。
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納骨堂タイプで掛かる費用
◇納骨堂タイプによって、特別に費用がかかる場合もあります
例えば仏壇タイプであれば供養をするにあたり仏具を購入するなど、納骨堂タイプによっては、特別な費用が掛かる施設もあるでしょう。
またシンプルなロッカータイプ納骨堂であっても、遺骨とともに自分達で用意した位牌をロッカー内に納めて供養する家族もいます。
納骨堂の初期費用の他に、少しの余裕を持って予算立てをしておくと安心です。
①仏壇タイプ納骨堂の場合
◇仏壇タイプ納骨堂では、費用に仏具代や開眼供養料が掛かります
仏壇タイプ納骨堂では、仏壇と同じように供養を行うため、花立てや香炉、燭台、お倫(おりん)などの仏具を用意することが多いです。
また仏壇に位牌を祀る場合、一般的に位牌に故人の魂を入れる儀式「開眼供養(かいがんくよう)」を執り行います。
開眼供養では僧侶をお呼びして読経供養を行うため、お礼として約3万円~5万円のお布施を包むのがマナーです。
②自動搬送タイプ納骨堂の場合
◇自動搬送タイプ納骨堂では、カードキーが発行されます
多くの自動搬送タイプ納骨堂では、カードキーが発行されるため、カードキーの費用が掛かるでしょう。
カードキーにより自動的に参拝ブースに故人の遺骨が搬送され、家族は遺骨を前に参拝できる仕組みです。
この他、自動搬送タイプ納骨堂では、共通の骨壺(収蔵厨子)や彫刻代金などが初期費用に含まれるプランもあるでしょう。
③位牌タイプ納骨堂の場合
◇位牌タイプ納骨堂では、位牌費用がかかります
位牌タイプ納骨堂では、施設側で共通の位牌を提供する仕組みが一般的です。
そのため納骨堂が提供する位牌を購入することになるでしょう。
また宗旨宗派は問わないものの、寺院墓地が提供する位牌タイプ納骨堂では、戒名(法名)が付けられることもあり、この場合は戒名(法名)料がかかります。
無宗教として戒名(法名)を付けないとする家であれば、確認を取りましょう。
戒名(法名)を付けたくない場合には、宗旨宗派を問わない民間霊園や公営墓地が提供する納骨堂が、よりトラブルリスクがありません。
納骨堂の費用を安く抑えるには?
◇納骨堂の費用は、それぞれの項目で安いタイプを選ぶことです
納骨堂の費用は約10万円~180万円と幅広いため、予算を抑えるためには、それぞれの選択肢で最も安いものを選ぶことになるでしょう。
納骨堂の費用を抑えるにあたり注意をしたいポイントは、納骨堂は1柱あたりの費用システムが多いという点です。
お墓は一基約150万円~180万円以上とされますが、一般的に6~8柱ほどが納骨できるうえ、納骨できる限り、柱数に制限はありません。
一方、納骨堂は「1柱○○円」の費用システムが多いため、特に墓じまいで取り出した複数の遺骨を納める場合は、総合的な比較検討が必要です。
①必要最低限の人数で契約する
◇納骨堂は1柱ごとの費用システムです
納骨堂は収蔵する遺骨1柱ごとに費用が設定するため、家族タイプなど多くの遺骨が収蔵できる余裕のあるスペースを契約すると、それだけ納骨堂の初期費用もかかります。
例えば、4柱以上が収蔵できる家族用の広いスペースで契約しても、収蔵する柱数が1柱~2柱であれば、それだけロスが生じる計算です。
②安い納骨堂タイプを選ぶ
◇ロッカーや位牌タイプ納骨堂は安め傾向です
納骨堂の費用を極力抑えるのであれば、シンプルなロッカータイプや位牌タイプ納骨堂などを選ぶと、約10万円~20万円の安いプランもあるでしょう。
設備に費用が掛かる自動搬送タイプ納骨堂や、屋内墓所で墓石を建てる納骨堂などは、それだけ費用が掛かります。
③公営墓地の納骨堂を探す
◇公営墓地の納骨堂は費用も安いプランが多いです
あくまでも住民への行政サービスとして提供される自治体を運営母体とした公営墓地が提供する納骨堂では、利用しやすいよう費用を抑えています。
ただし公営墓地の納骨堂は数も少なく、募集期間を設けて希望者を募るため、いつでも契約できる訳ではありません。
また希望者が多ければ抽選となりますが、契約できれば納骨堂の初期費用はもちろん、契約後の年間管理料も約3千円ほどと安め傾向です。
④郊外の納骨堂を選ぶ
◇郊外の納骨堂は、費用が都心部よりも安め傾向です
屋内施設となる納骨堂は広い敷地を必要としないため、都心部に位置する納骨堂も多く、便利なアクセスを魅力とする施設も多くあります。
けれどもマンションと同じように、納骨堂の費用は立地も影響するため、少しアクセスが不便でも郊外の納骨堂を選ぶことで、費用を抑えることができるでしょう。
車社会の沖縄では本州ほど立地を意識する必要はありませんが、シーミー(清明祭)など、参拝時期が重なる家族が多いため、駐車場の台数は確認すると、より便利です。
⑤個別安置期間は短い方が安い
◇納骨堂の安い費用を優先するならば、安置期間を短くします
個別安置期間が短い納骨堂を選ぶことで費用を抑えることができますが、個別安置期間を過ぎると、一般的に遺骨は永代供養墓に合祀埋葬されることも理解して、期間を判断しなければなりません。
また個別安置期間は年間管理料を支払う納骨堂が多いため、費用は納骨後のランニングコストも併せて比較検討をしましょう。
<個別安置期間の年間管理料比較> ●年間管理料を1万円とする |
|
[期間] | [金額] |
・3年間 | …3万円 |
・5年間 | …5万円 |
・13年間 | …13万円 |
・33年間 | …33万円 |
・50年間 | …50万円 |
ちなみに寺院墓地では年間管理料をお布施として包んだり、「護持会費(ごじかいひ)」と呼ぶこともあるでしょう。
もしも遺骨を個別に安置する必要がなければ、最初から遺骨が合祀埋葬される永代供養墓や、個別に取り出すことのできない仕組みが多い樹木葬などの選択もあります。
納骨堂以外の永代供養との費用比較
◇個別安置期間のない永代供養墓は納骨堂よりも安い傾向です
納骨堂はお墓よりも費用を安く遺骨を供養でき、一度納骨すると、お墓の維持管理や継承者を必要としない永代供養のひとつですが、永代供養墓よりも高い傾向があります。
2024年1月に1,791件へ向けて実施された「第15回お墓の消費者全国実態調査」では、それぞれの購入価格平均として、下記のような結果が出ました。
<納骨堂、永代供養墓、樹木葬の費用比較> | |
[葬送方法] | [費用平均] |
①納骨堂 | ・平均約80.3万円 (個別安置期間あり) |
②樹木葬 | ・平均約63.7万円 (改葬できない可能性あり) |
③一般墓 | ・平均約149.5万円 (代々継承の選択あり) |
納骨堂は一定期間内であれば、個別に遺骨が安置され、その間は遺骨を他のお墓などに移動する「改葬(かいそう)」が可能です。
また遺骨に向かい家族が参拝できるメリットがあります。
けれども永代供養墓は、一度埋葬すると改めて取り出すことができません。
①納骨堂と永代供養墓の費用比較
◇永代供養墓(合祀墓)の費用目安は、約3万円~30万円です
「永代供養墓」では、最初から遺骨を骨壺や骨袋から取り出して、大きなカロート(遺骨の埋葬スペース)に、他の遺骨と一緒に合祀埋葬されます。
永代供養墓の他にも「供養塔」や「合祀墓」「合葬墓」とも呼ばれ、仏教宗派の総本山で合祀埋葬する場合は「本山納骨」とも呼ばれる遺骨の供養方法です。
施設の設備や納骨後の法要、納骨時に墓碑に名前を彫刻するなど、墓地によって違うため価格幅はありますが、基本的に永代供養墓は納骨堂よりも安い傾向にあります。
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②納骨堂と樹木葬との費用比較
◇樹木葬の費用目安は、約20万円~80万円です
「樹木葬」とは遺骨を自然に還す自然葬のひとつで、樹木のふもとに遺骨を埋葬して、長い時間をかけてゆっくりと土に還す遺骨の葬送方法となります。
ただ近年では「ガーデニング型樹木葬」も人気があり、ガーデニング樹木葬では、イングリッシュガーデンのような美しい花々や樹々が溢れる庭園で、一定期間を個別の納骨スペースに納骨される仕組みです。
最初から土に還す自然葬としての樹木葬では、納骨後の年間管理料を払わないプランが一般的です。
③納骨堂と一般墓との費用比較
◇一般墓の費用平均は、約149.5万円です
コンパクトなお墓が増えた今、なかには100万円前後のお墓を販売する霊園も見受けるようになりましたが、全国的な一般墓の建墓費用平均は、約149.5万円でした。
一般墓を霊園に建てる場合、墓地を永代に渡り使用する権利「永代使用権」へ支払う料金「永代使用料」と、墓石代が掛かるため、どうしても納骨堂よりは高くなります。
また一般墓に、継承者を必要としない「永代供養」を付加することもできますが、この場合、永代供養料として全国平均約40万円が掛かる傾向です。
納骨堂への納骨式で掛かる費用は?
◇納骨式では、僧侶へお布施をお渡しします
納骨堂へ納骨する際、一般的に納骨式を執り行いますよね。
この際、僧侶をお呼びして読経供養を行いますので、そのお礼としてお布施を包みお渡しするでしょう。
①お布施
②会食代(お斎)
③供花・供物代
一般墓に納骨する場合は、墓石業者に墓石の開閉を依頼するため、さらに費用が掛かりますが、納骨堂では墓石の開閉は必要ありません。
またごく身内のみで執り行う納骨式で、法要後の会食を行わないものであれば、会食代も必要なくなります。
①お布施
◇お布施は約3万円~5万円を包みます
納骨式で読経供養を依頼する場合、僧侶には1回の読経供養に付き、約3万円~5万円を包むのが一般的です。
<お布施を包む目安> | |
[項目] | [費用目安] |
①お布施 | …約3万円~5万円/1回 |
②ご車代 | …約3千円~5千円(タクシー代) |
③ご膳代 | …約3千円~1万円(会食代) |
そのため四十九日法要など、同日に他の法要も伴う場合には、その1.5~2倍ほどを目安として、約5万円~7万円ほどを包むことになるでしょう。
ただし沖縄は特定の菩提寺を持たない家が多いため、無宗教と同じく、必要がなければ読経供養を省略することもあります。
読経供養を省略する納骨式では、当然お布施の費用も掛かりません。
②会食代(お斎)
◇会食(お斎)がある場合、約3千円~2万円/1人、平均は8千円/1品ほどです
法要後に会食を振る舞う「お斎(おとき)」の場を設けるならば、約3千円~2万円/1人ほどの費用がかかります。
沖縄ではごく身内のみで納骨式が執り行われ、納骨後に振る舞う会食も省略されることが多く、手土産として500円/1人ほどの仕出し弁当に留めることも多いでしょう。
③供花・供物代
◇供花・供物代は約千円~3千円ほどです
屋内の限られたスペースに納骨する納骨堂での納骨式の場合、供花や供物もささやかなものとなる場合が多く、それほど費用は掛かりません。
また納骨堂施設によっては、香りの強い花や食べ物の持ち込みを禁止する規約もあるでしょう。
火の用心の観点から、お線香も禁止する納骨堂もあるため、規約をよく確認し、供花や供物もなく、規定通りの参拝でも問題はありません。
まとめ:納骨堂の費用は約10万円~180万円、平均値は約80万円です
納骨堂の費用は約10万円~180万円と幅があるため、納骨堂を検討するならば、納骨後の供養方法や納骨する柱数(人数)を考慮し、予算と優先順位を決めて探すと良いでしょう。
一時的に遺骨を納骨するものの、いずれお墓を建てる計画があるならば、個別安置期間を短く設けて、できるだけ早く遺骨を移動する「改葬(かいそう)」を済ませてしまった方が、全体的な予算は抑えることができるでしょう。
一方、お墓と同じように遺骨の葬送方法として利用するならば、個別安置期間を約33年間ほど設けた納骨堂もあるものの、費用は個別安置期間に比例傾向です。
また納骨堂の個別安置期間に家族が契約更新できる規約もあります。
納骨堂を検討する際、将来的に遺骨を残したい場合には、契約更新の可否も確認すると安心です。
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