家族が亡くなったら、現代の沖縄では葬儀費用以外にもさまざまな支払いがあります。
例えば昔は家族が亡くなったら、病院からご遺体を搬送する安置場所は自宅を選ぶご遺族が一般的でしたが、近年では葬儀社が提供する安置室を選ぶケースが多いでしょう。
安置環境も整い、葬儀会場(斎場)と同じ施設にあることが多いため便利ですが、施設使用料金が1日ごとに掛かる点も配慮しなければなりません。
今回は家族が亡くなったら、沖縄でご遺体搬送から葬儀終了までに支払う費用10の項目について、後半5項目を解説します。
葬儀を済ませるまでの費用、10の項目
家族が亡くなったら、沖縄で葬儀を済ませるまでの費用、大まかな10項目は下記です。
(1)~(5)に関しては前半「【家族が亡くなったら】沖縄で遺体搬送~葬儀まで、費用相場10項目|その1」でお伝えしていますが、他にも棺や祭壇、お布施などの支払いもあるでしょう。
棺や祭壇は沖縄では「葬儀一式」の費用として、葬儀社にまとめて支払いますが、お布施や遺影の準備などは、沖縄では葬儀社への費用とは別に支払う流れが多いです。
(1)搬送費…約1万円~2万円
(2)安置費用…約1万円~3万円/1日
(3)葬儀会場(斎場など)…約2万円~30万円
(4)火葬料金…約8,000円~20万円
(5)祭壇…約18万円~80万円
(6)棺…約3万円~25万円
(7)骨壷…約5,000円~数十万円以上
(8)遺影写真…約5,000円~3万円
(9)霊柩車・タクシー・マイクロバス…約1万円~10万円
(10)お布施…約7万円~数10万円以上
また棺や骨壺などは価格幅の広い項目なので、葬儀社との打ち合わせの際、予め予算を決めて担当者に相談しながら進めると良いでしょう。
・【沖縄の葬儀】葬儀社との打ち合わせ5つの項目。確認したいポイントとは
(6)棺…約3万円~25万円
沖縄の葬儀費用では、棺もグレードによって金額幅が広い項目です。
仏壇やお墓と同じように、使用する素材から金額が大きく変わります。
棺の場合は安い木棺の他、近年の沖縄では環境に優しい「エコ棺」などもあるでしょう。
①木棺…約33,000円~75,000円ほど
②エコ棺…約48,000円~122,000円ほど
③布張棺…約80,000円~120,000円ほど
④エンバー棺…約100,000円~220,000円ほど
…この他、沖縄の葬儀で棺の費用を左右する要因は、棺の大きさや形などがあります。
棺の形は大きく分けてインロー型/コフィン型/かまぼこ型/箱型などがありますが、一般的にはシンプルな箱型が選ばれるでしょう。
近年の沖縄の葬儀で多い、先に火葬を済ませてしまうスタイルでは、棺にお金を掛けない選択が多いです。
①木棺
木材を使用した棺で、ひと昔前の沖縄の葬儀では、このタイプが一般的でした。
ただひと口に木材と言っても、ヒノキや杉、桐などの上質な木材の他、ベニヤ板や芯材を貼り合わせた「フラッシュ棺」など、価格を抑えることを目的としたものもあります。
・木材の種類…ヒノキ/桐/杉/ベニヤ材/フラッシュ棺など
・彫刻
以上の2点によって木棺のグレードが決まります。
彫刻は、複雑さや、彫刻された面積(二面彫刻/三面彫刻など)によって価格幅が出てくるでしょう。
②エコ棺
再生紙や段ボールなどの素材で作られた、環境に考慮した棺がエコ棺です。
二酸化炭素の排出を抑えて、資源の再生ができます。
木棺と比べると割高傾向にありますが、自然環境を機に掛けていた故人や、樹木葬など、故人が自然葬を希望していた場合にも選ばれやすいです。
③布張棺
棺に布を貼り付けた棺で、棺を前に大きな葬儀が執り行われる場合には、このタイプを選ぶご遺族が多い傾向にあります。
・ジャガード織
・ベルベット
・布の色
・絵柄入り(プリント)
・刺繍
…などなど、布の種類が多様なので、葬儀スタイルや故人のイメージに合わせて選べる点がメリットです。
④エンバー棺
ご遺体を衛生的に保存し、元気だった頃のように処置する「エンバーミング」技術を施した、故人が入る棺です。
特に棺を前にした沖縄の葬儀において、参列者が対面できるシーンを想定して作られたものが多く、例えば蓋をアクリル板にして、広く故人のお顔が見れるような工夫も見受けられます。
(7)骨壷…約5,000円~数十万円以上
骨壺も棺や祭壇と同じく、素材や大きさによって価格幅が広い項目です。
また、有名な窯元が作った骨壺などになると数十万円以上掛かることもあります。
最近では手元供養の選択も増えたため、粉骨して入れるような小さくオシャレな骨壺も見られるようになりました。
(8)遺影写真…約5,000円~30,000円
ひと昔前と違い、現代は遺影写真をご遺族が自分で加工して準備をするケースも増えました。
この場合には印刷代など、材料費と印刷料金で済むでしょう。
●ただ「キチンと遺影を準備したい」と検討するのであれば、約5,000円~30,000円ほどが目安です。
①自分で加工する…材料費(約1,000円~5,000円ほど)
②業者に加工を依頼する…約5,000円~10,000円ほど
③遺影写真として撮影する…約25,000円~30,000円ほど
③の遺影写真として新たに撮影するパターンは、主に終活ですので、家族が亡くなったら基本的には、①か②、いずれかになるでしょう。
・【沖縄の葬儀】遺影写真を準備する3つのパターンと選び方、料金相場
(9)霊柩車・タクシー・マイクロバス…約1万円~10万円
沖縄の葬儀では、霊柩車も搬送車と同じ料金計算を採用する業者が多いです。
そのため一般的には、下記のような計算でしょう。
・10キロまでの基本料金…約15,000円~20,000円ほど
・10キロ以上の追加料金…約3,000円~5,000円/10キロ毎
・深夜料金/早朝料金/留置料金
また、マイクロバスは参列者が葬儀会場(斎場)から火葬場へ移動する際に準備します。
葬儀会場(斎場)から火葬場まで距離がある、参列者に高齢者が多い場合などで必要です。
●マイクロバス…約40,000円~100,000円/1台ほど
こちらも待機時間やマイクロバスの大きさ(乗車人数)などにより金額が変わるでしょう。
葬儀会場(斎場)と火葬場が隣接した施設も多いので、マイクロバスの費用を抑えたい場合には、移動距離のない施設を選ぶのも一案です。
・【家族が亡くなったら】沖縄で遺体搬送~葬儀まで、費用相場10項目|その1
(10)お布施…約7万円~数10万円以上
「お布施」は読経供養を依頼した僧侶へ包むお金です。
全国的には特定の寺院の信家となる「檀家制度」が根付いてきた歴史があるため、信仰する「菩提寺(ぼだいじ)」のご住職に読経供養を依頼しました。
けれども沖縄ではそもそも檀家制度がないため、近隣の寺院や葬儀社に相談して、読経供養を依頼します。
そのため包む金額に迷ったら、葬儀社スタッフなどに訪ねてみても良いでしょう。
・読経供養に対するお布施…約5万円~8万円が目安
・戒名を付ける場合…約3万円~20万円以上
葬儀を寺院で執り行うのであれば、お布施と一緒に会場使用料をお渡しすることも多いです。
葬儀社に支払うお金とは別に包むことも多いため、打ち合わせの際に葬儀社に確認をしてください。
・沖縄の法要でお布施を包む。僧侶へ渡す時の準備やマナーとは
戒名をどうするか
全国的に家族が亡くなると、僧侶に戒名を付けていただきます。
ただし、そもそも檀家制度の歴史がない沖縄では、御位牌に俗名を彫る(書く)家も多く、必ずしも戒名が必要な訳ではありません。
・沖縄で法要に包むお布施の金額目安。沖縄で戒名まで依頼する?
最後に
今回は、家族が亡くなったら、沖縄で葬儀を済ませるまでに支払う費用を10の項目に分けてお伝えしました。
最後に戒名についてお伝えしましたが、宗旨宗派を問わない民間霊園の広がりにより、沖縄に限らず全国的にも檀家制度から離れる(離檀)家が増えています。
そのため全国的にも戒名を付けない家や、読経供養を行わない自由葬も見受けられるようになりました。
ただ一方で、余命宣告を受けた人々などが仏教の教えに支えられる体験談も多いです。
それぞれの家庭や、生前の故人をイメージして、適切な方法を選んでください。
・沖縄で戒名は付けるの?寺院墓地にお墓を建てる他県に見る「檀家制度」とは
まとめ
沖縄で葬儀が終わるまでの費用とは|その2
●その1
(1)搬送費…約1万円~2万円
(2)安置費用…約1万円~3万円/1日
(3)葬儀会場(斎場など)…約2万円~30万円
(4)火葬料金…約8,000円~20万円
(5)祭壇…約18万円~80万円●その2
(6)棺…約3万円~25万円
(7)骨壷…約5千円~数十万円以上
(8)遺影写真…約1万円~3万円
(9)霊柩車・タクシー・マイクロバス…約1万円~10万円
(10)お布施…約7万円~数10万円以上