過去帳とは?位牌とは?何のために必要なの?位牌との違いや使い方・置き方を詳しく解説

2023.04.01
過去帳とは?位牌とは?何のために必要なの?位牌との違いや使い方・置き方を詳しく解説

過去帳とは、故人の戒名(法名)や没年月日などの情報を記載する帳面です。浄土真宗で使用された仏具ですが、今では宗旨宗派を問わず、沖縄でも仏壇じまいなどで用いられるようになりました。今回は過去帳の使い方、位牌の代用としての選択肢をご紹介します。

過去帳とは、故人の戒名(法名)や没年月日などの情報を記載する帳面です。

浄土真宗で使用された仏具ですが、今では宗旨宗派を問わず、沖縄でも仏壇じまいなどで用いられるようになりました。

・過去帳の意味とは?
・過去帳と位牌とは違うの?
・過去帳の準備や使い方、処分の仕方は?

本記事を読むことで、過去帳の使い方が分かり、仏壇じまいにおける位牌の代用の選択肢が広がりますので、ぜひ最後までお読みください。

 

過去帳とは

過去帳とは
◇過去帳(かこちょう)とは、俗名(法名)、俗名、没年月日など、先祖代々の情報を書き記した帳面です

もともとは位牌を用いない浄土真宗で、位牌代わりに用いられたものですが、現代では宗旨宗派を問わず、ご先祖様を取りまとめる目的で使用されています。

<過去帳とは:何を書くの?>
・戒名(法名)
・俗名
・没年月日
・没年齢
・続柄

沖縄では仏壇のコンパクト化による、沖縄位牌の処分や仏壇じまいに伴い、沖縄位牌の代用として用いられるようになりました。

過去帳に記載される内容は位牌とほぼ同じです。詳しくは下記コラムをご参照ください。
そもそも位牌とは?本当に必要?お仏壇なし位牌はどうする?位牌の代わりになる仏具は?

 

なぜ過去帳を用意するの?

◇ご先祖様から子孫へ向けて、先祖代々の系譜を知らせる役割があります

子孫は過去帳を読むことでご先祖様を遡ることができるため、会ったことのない遠いご先祖様の存在を知り、系譜を辿ることが可能です。

<なぜ過去帳を用意するの?>
・その家の先祖代々の系譜
・弔い上げを終えたご先祖様
・位牌の代わり(浄土真宗など)

1600年代から始まったとされる過去帳は「戸籍」の役割を担ってきました。寺請け制度により寺院に管理されていた時代、菩提寺が檀家の構成や歴史を把握するために使用しています。

寺請け制度とは、集落の寺院「菩提寺(ぼだいじ)」に家が属し「檀家(だんか)」となることで、寺院が集落の役所に似た役割を果たす制度です。

檀家とは何か?については下記をご参照ください。
「檀家制度」とは、「戒名」は必ず必要?菩提寺(檀那寺)との関係性

 

過去帳の別の呼び名は?

過去帳の別の呼び名は?
◇過去帳は、鬼籍(きせき)・点鬼簿(てんきぼ)の呼び名の他、キリスト教や神道でも違う名前があります

過去帳は過去帖(かこちょう)とも書く他、キリスト教や神道でも過去帳に代わるものがあり、沖縄の祖霊信仰や無宗教でも用いるようになりました。

<過去帳とは:別の呼び名>
①その他の呼び名
・鬼籍(きせき)
・点鬼簿(てんきぼ)
・過去帖(かこちょう)②キリスト教
・信徒籍台帳(信徒記録票)③神道
・霊簿(りょうぼ)

特に菩提寺が根付いておらず、独自の宗教観を持つ沖縄において、現代の過去帳は家で保管する先祖代々の記録帳です。仏教でも菩提寺と家の双方で保管する寺院もあります。

けれどもキリスト教や神道では「信仰する者の記録」として、教会や神社で保管する傾向にあります。ただし、過去帳の扱いに正解や間違いはありません。

 

位牌とは

位牌とは
◇位牌とは、故人の霊魂が宿る依り代です

位牌とは故人そのもの、霊魂が宿る依り代とされます。ただ位牌には過去帳と同じく、戒名(法名)や俗名、没年月日・没年齢などの情報が記載されるでしょう。

位牌は故人が亡くなってすぐに仕立てる白木位牌(仮位牌)、四十九日法要に合わせて準備する本位牌があり、四十九日をもって本位牌へ交換します。

<位牌とは?>
・故人の霊魂が宿る依り代
戒名、俗名、没年月日、享年などを書く
・供養の対象

祖霊信仰の沖縄で位牌は仏壇の中央の配置です。一方、本州では御本尊が中央に祀られ、その脇に位牌が祀られます。

全国的には故人1人に付き1位牌を仕立てる家が多いですが、沖縄ではご先祖様の位牌が集まる「沖縄位牌」が一般的です。

 

過去帳と位牌はどう違う?

◇全国的には過去帳は系譜の役割を、位牌は依り代の役割を果たすとされます

けれども人が亡くなるとすぐに成仏するとされる浄土真宗では、そもそも霊魂が残らないため位牌を仕立てません。

法要の時は過去帳より対象のご先祖様のページを開き、見台に置いて、過去帳を前に供養します。

位牌について、詳しくは下記コラムをご参照ください。
そもそも位牌とは?本当に必要?お仏壇なし位牌はどうする?位牌の代わりになる仏具は?

 

過去帳を準備する

現代の沖縄で人気仏具の選び方
◇過去帳は仏壇仏具屋さんで購入できます

仏壇仏具店の他、ネットショップでも購入する人が増えました。沖縄では沖縄位牌の代用として過去帳を祀るために、見台(過去帳台)を共に購入する家も多いです。

<過去帳とは:どこで準備する?>
●仏壇仏具店で仏具として販売されています。
・過去帳…約3,300円~約68,000円
・見台(過去帳台)…約5,500円~約17,000円
・文字入れ…約1,500円~約6,000円/1霊位

沖縄で文字入れは、過去帳を購入した仏壇仏具店で依頼する流れが多いでしょう。全国的には菩提寺のご住職へ依頼することもあります。

また沖縄では位牌札も家族が記入する家も多いです。沖縄において位牌の代用となる過去帳もまた、自分達で記入しても問題はありません。

 

過去帳はいつ準備する?

◇沖縄で過去帳は①沖縄位牌をしまう時、②四十九日法要、のタイミングが多いです

過去帳に故人の情報を記入するタイミングは、白木位牌(仮位牌)から本位牌へ交換する四十九日法要の後が多いでしょう。本州では四十九日法要後、菩提寺のご住職や、四十九日法要を依頼した僧侶へお願いすることも多いです。

<過去帳とは:いつ準備する?>
①沖縄位牌がある場合
・沖縄位牌をしまう(お焚き上げ)する
・ご先祖様の位牌札をお焚き上げする
・本位牌ととに過去帳にも記入

②沖縄位牌がない場合
・白木位牌(仮位牌)をお焚き上げする

沖縄位牌がある家では、沖縄位牌をお焚き上げや永代供養によりしまう時、位牌札からご先祖様の情報を過去帳に書き写します。

また家族が亡くなり、ご先祖様の位牌札が位牌立てから外れた時に過去帳を準備して、外れたご先祖様の位牌札から、情報を書き写す家もあるでしょう。

沖縄位牌と過去帳の双方がある家では、本位牌へ交換するタイミングで、本位牌と過去帳、両方に故人の情報を記入する家が多いです。

※沖縄で白木位牌(仮位牌)を本位牌へ交換する方法は、下記コラムをご参照ください。
沖縄のシジュウクンチ(四十九日)、シルイフェー(白位牌)を本位牌に交換する方法とは

 

過去帳の種類

過去帳の種類
◇過去帳には、和綴じ製本と折本の2つの種類があります

また過去帳の相場が約5,500円~約68,000円と価格幅が広かった理由は、表紙の仕様です。和綴じ製本は糸で綴られた仕様が多く、表紙が黒檀や紫檀などの唐木や蒔絵など、豪華な仕様も幅広くあります。

<過去帳とは:2つの種類>
①和綴じ製本 寺院での使用が多い 高価な傾向
②折本 家での使用が多い 安価な傾向

そのため和綴じ製本による過去帳は「寺院用」、折本は「在家用」とも呼ばれますが、沖縄ではそもそも檀家制度がないので、予算と好みで選ぶ家が多いです。

和綴じ製本は糊などを使わない昔ながらの製本技術で閉じているため、ほどけても修復がしやすく、長く使用できるでしょう。

 

過去帳の使い方

過去帳の使い方
◇過去帳は①引き出しに保管する、②仏壇に祀る、2つの配置です

本州のお仏壇には御本尊を中央上段に配置するため、過去帳も沖縄位牌のように中央に祀ることなく、御本尊よりも下段に祀るとされます。けれども沖縄で位牌代わりに過去帳を祀る場合、お仏壇の中央に祀る判断もあるでしょう。

<過去帳とは:どこに置く?>
①御本尊がある 全国 下段・向かって右側に配置
②保管 全国・沖縄 引き出しなどに保管し、法要で出す
③御本尊がない 沖縄 仏壇の上段、中央に配置

御本尊がない沖縄で御位牌代わりに使用する場合、お仏壇の中央に配置することもあります。全国的には近年増えた無宗教の家でも見受けることがあるでしょう。

また仏壇じまいにより仏壇・祭壇自体がない家、お仏壇があっても過去帳を置かない家は、普段は引き出しなどにしまっておいて、法要では該当する故人のページを開き供養する流れです。

 

過去帳の処分の仕方は?

過去帳の処分の仕方は?
◇過去帳の処分の仕方は、考え方が2つに分かれます

過去帳を位牌代わりに祀るなど、供養の対象と捉えていた家では、過去帳は丁重に扱うべき仏具です。一方で過去帳を家の系譜としてのみ捉えてきた家では、先祖代々の情報が分かる、魂の入っていない仏具と捉える家もあります。

<過去帳とは:処分の仕方>
①処分にあたり供養はしない
・魂が宿っていない
・魂入れ(開眼供養)をしていない

②処分にあたり供養をする
・霊魂が宿る位牌代わり
・大切に取り扱ってきたため
・お焚き上げをする

不安があれば仏壇仏具店や法要を依頼した僧侶、菩提寺がある家では菩提寺のご住職に相談して、適切な処分方法を仰ぐと良いでしょう。

また「過去帳はいつまでも持っていても良いですか?」との相談もありますが、長く保管することに何の問題もありません。

 

過去帳はご先祖様のとりまとめに便利です

過去帳はご先祖様のとりまとめに便利です
もともとは浄土真宗で用いられてきた過去帳ですが、今では宗旨宗派を問わず、キリスト教や神道・無宗教の家まで、その家のご先祖様をとりまとめる目的で扱われるようになりました。

祖霊信仰の元、檀家制度のない沖縄では、浄土真宗と同じく過去帳を位牌代わりとして、供養の対象とするなど、大切に扱う家が多いでしょう。

本記事を読んでご先祖様から子々孫々と伝え続ける家の系譜として、過去帳を取り入れてみてはいかがでしょうか。


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