・沖縄で納骨式の服装マナーは?
・沖縄で納骨式のみ参列する時の服装は?
・沖縄で自然葬の納骨式の服装は?
・沖縄で納骨式に参列する、服装以外の持ち物は?
沖縄の風習では葬儀後に納骨式を行うため、葬儀の服装のまま参列する流れです。
けれども近年では沖縄でも納骨式のみ、別日に執り行うケースも増えました。
またカジュアルな形式も増え、沖縄では納骨式の服装に戸惑う声も多いです。
本記事を読むことで、さまざまなケースの沖縄での納骨式に対応した、服装マナーが分かります。
①沖縄で葬儀後の納骨式の服装
◇沖縄では葬儀後に納骨式を行う風習があります
昔ながらの沖縄では火葬後に納骨式を行うため、服装も葬儀で整えた喪服をそのまま着て参列しました。
そのため従来通りの沖縄の納骨式であれば、葬儀に着用した準喪服のまま参列することが多いです。
真夏の葬儀であれば、光沢のない無地の喪服用かりゆしウェアでも良いでしょう。
バッグを持たない男性の場合は、香典袋が入る大きなポケットサイズの喪服用かりゆしウェアもあるので、喪服用に一着用意すると便利です。
下記より、かりゆしウェア以外の準喪服マナーを男性・女性に分けて解説します。
沖縄で葬儀後、納骨式の服装:男性
◇沖縄で葬儀後に納骨式を行う場合、男性の服装はブラックスーツです
特に男性の場合はスーツの体温調整がしにくいため、夏場に屋外で行う納骨式では、喪服用かりゆしウェアが役立ちます。
ただし涼しい時期や冬場は、全国の葬儀マナーに倣った準喪服が一般的です。
<沖縄で葬儀後、納骨式の服装> ●葬儀のまま準喪服で参列 |
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[男性] | |
①ブラックスーツ | ・ダブル ・シングル |
②白のYシャツ | ・レギュラーネック (ワイドネックは不可) |
③ブラックタイ | ・無地 ・光沢ナシ ・ワンノットで結ぶ |
④黒い革靴 | ・プレーントゥ ・ストレートチップ (ウィングチップは不可) ・内羽根式 ・黒い靴下 |
沖縄では葬儀の日、遺族は長い時間を過ごします。
午前中には火葬場で火葬を済ませ、遺骨を前に葬儀を行う「骨葬」を執り行うのが一般的です。
遺骨の納骨先がある場合、沖縄では葬儀を終えた後、遺族はそのまま納骨式を行う流れになるので、遺族は一日中、火葬→葬儀→納骨式と参加します。
そのため足が痛くならないよう、歩きやすい革靴がベストです。
もしくはちょっとした移動では足を楽にできるよう、運動靴を車に置いておいても良いかもしれません。
沖縄の葬儀後、納骨式の服装:女性
◇沖縄で葬儀後に行う納骨式を行う場合、女性の服装はブラックフォーマルです
沖縄で葬儀後に行う納骨式に参列する場合、女性の服装はブラックフォーマルとなり、夏場であれば袖丈は七分丈までを心がけると良いでしょう。
少し薄手で無地のマットな黒を着用し、暑い日の屋外でも対応します。
もしくは半袖の上にジャケットを羽織るスタイルで、儀式のみジャケットを着用しても良いでしょう。
<沖縄で葬儀後、納骨式の服装> ●葬儀のまま準喪服で参列 |
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[女性] | |
①ブラックフォーマル | ・スーツ ・ワンピース ・アンサンブル (光沢ナシ) |
②ストッキング | ・透ける素材の黒 (ラメや光沢ナシ) |
③黒パンプス |
・ラウンドトゥ ・スクエアトゥ (オープントゥは不可) ・ヒールは3cm~5cm ・太めのヒール (ピンヒールは不可) ・光沢ナシ |
④アクセサリー | |
[ネックレス] | ・一連 ・パール ・ジェット |
[イヤリング] | ・一粒 ・パール ・ジェット |
⑤化粧 | ・片化粧 (ノーメイクは不可) |
「ジェット」とは木の素材でできた真っ黒な貴石で、イギリスでは「モーニングジュエリー(喪に服すジュエリー)」として、葬儀に着ける正式なアクセサリーです。
イギリス王室で主に着用され、日本でも皇室の葬儀で選ばれてきました。
かつては口紅も付けなかったのですが、現代は顔色が悪く見えるため、落ち着いた色味を指します。
学生のノーメイクは失礼にあたりませんが、大人で葬儀のノーメイクは、かえってマナー違反になるため、顔色が悪く見えないよう片化粧で整えましょう。
準喪服マナーについて、詳しくは下記コラムでご参照ください。
②沖縄で納骨式のみ行う服装
◇沖縄で納骨式のみ行う服装は、参列者でドレスコートを揃えます
沖縄で葬儀後の納骨式の服装なら、葬儀で着用した準喪服のまま参列すれば良いですが、納骨式のみ行う服装は、タイミングで判断します。
基本的には施主がドレスコードを決めて、参列者全員に伝えて統一してください。
一方で施主の判断ポイントは、タイミングや状況から判断します。
僧侶も呼ばず家族のみで納骨する場合には、普段着など、ごくカジュアルな服装での参列もあるでしょう。
<沖縄で納骨式のみの服装の判断基準> | |
[タイミング] | |
●四十九日まで(忌中) | ・準喪服を着用 |
●四十九日以降(忌明け) | ・準喪服を着用 ・指定があれば平服 |
●一年以降(喪明け) | ・平服を着用 |
[状況] | |
●僧侶をお呼びする | ・準喪服 ・平服 |
●参列者が多い | ・準喪服 ・平服 |
●家族のみ | ・平服 ・カジュアルな服装 |
●辺境地にあるお墓 | ・平服 ・運動靴 ・カジュアルな服装 |
ただし沖縄の個人墓地に建つお墓は、辺境地にあることもしばしばです。
転倒など怪我のリスクも生じますので、歩きやすい服装・足元で参列します。
(施主であれば、案内ハガキなどで記載しておくと丁寧です。)
大切なポイントは、参列者同士でドレスコードを合わせることなので、迷ったら施主へ相談してみてはいかがでしょうか。
沖縄で忌中に行う納骨式の服装
◇四十九日までの忌中は、準喪服が一般的です
故人が亡くなってから四十九日までは「忌中(きちゅう)」と呼ばれ、故人の魂はあの世とこの世を彷徨う存在となります。
まだ故人の魂が成仏していないこの時期に行う納骨式の服装は、弔意を表すこと、また追善供養の意味合いも込めて、葬儀と同じ準喪服での参列が基本です。
けれども前述したように、お墓の立地環境や納骨式の規模などにより、施主が平服、もしくは「動きやすい服装・足元」と判断した場合には、それに倣います。
沖縄で喪中に行う納骨式の服装
◇四十九日から一周忌までの喪中は、準喪服が一般的です
四十九日後の忌明けから一周忌までに沖縄で納骨式がある時の服装は、遺族は喪に服す「喪中」ですので、準喪服で参列すると良いでしょう。
沖縄で葬儀や法要、納骨式の服装には、故人との関係性により「格」があるためです。
弔事における「格」は、故人との関係性が深いほど格が高くなり、血縁関係など関係性が浅いほど低くなります。
<弔事における服装の「格」> ●高い方から解説 |
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[格式] | [服装] |
●正喪服 ・喪主、遺族 |
・和装など ・スカート丈が長い (くるぶし丈など) |
●準喪服 ・遺族、親族 ・一般参列者 |
・ブラックスーツ ・ブラックフォーマル (洋装) |
●平服 ・三回忌以降の法要など |
・畏まったお出かけ着 ・落ち着いた色で整える |
一般参列者は遺族よりも格上の服装で参列できないため、施主側が平服であれば、同じく平服での参列が好ましいでしょう。
沖縄で喪明け後、納骨式の服装:男性
◇沖縄で喪明け後、納骨式の服装は平服が一般的です
故人が亡くなり1年目の祥月命日である「一周忌」を過ぎると、遺族も喪が明けます。沖縄で喪明けに納骨式を行う服装は、平服での参加が多いでしょう。
ただし沖縄では三回忌以降を喪明けとする地域や家もあります。
この場合は準喪服で参列するケースもあるので、事前に確認をしてください。
<沖縄で喪明け後の納骨式の服装:男性> ●「平服」は畏まったお出かけ着です |
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[男性] | |
①ビジネススーツ | ・黒 ・ダークグレー ・濃紺 |
②Yシャツ | ・レギュラーネック (ワイドネックは不可) ・薄いブルー ・白など |
③ネクタイ | ・落ち着いた地味な色 ・シンプルなデザイン (無地、ストライプなど) ・シングルノット |
④足元 | ・黒い靴下 ・黒の革靴 (光沢ナシ) |
男性の平服は基本的に、落ち着いた色合いのビジネススーツです。
イメージとしては公務員や営業職の人々が着用する、清潔感のあるビジネススーツを目安に整えると良いでしょう。
Yシャツの襟もとがワイドネックだったり、ネクタイが二回巻きつけるダブルノットだったりすると、デザイン的でカジュアルな印象を与えるため、基本の服装で整えます。
沖縄で喪明け後、納骨式の服装:女性
◇女性の「平服」は、畏まったお出かけ着です
女性も喪明け後に行う納骨式の服装は、平服でも良いでしょう。
特に納骨式は屋外で行うため、平服であればパンツスーツも歩きやすくおすすめです。
ただし男性同様、グレーや濃紺など落ち着いた色で整えます。
<沖縄で喪明け後の納骨式の服装:女性> ●落ち着いた色で整えます |
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①落ち着いたお出かけ着 | ・ワンピース ・アンサンブル ・パンツスーツ …など |
②深く落ち着いた色 | ・ダークグレー ・深緑 ・黒 …など |
③アクセサリー | ●葬儀マナーに倣う ・一連ネックレス ・ひと粒イヤリング ・パール ・ジェット …など |
④足元 | ●葬儀マナーに倣う ・透ける黒ストッキング ・黒パンプス (ラウンドトゥー) |
女性の平服のイメージは、皇室などで女性が着用するお出かけ着です。
三年忌以降になると沖縄ではより身内のみでの納骨式が増え、それに伴い服装もどんどんカジュアルになります。
ただこのような場合は家族のみで行う納骨式が多いでしょう。
③沖縄で読経供養がある納骨式の服装
◇読経供養がある沖縄の納骨式では、服装マナーにも配慮します
沖縄では僧侶を呼ばず、家族のみで執り行う納骨式も多いです。
僧侶を読んで読経供養を行わない家族のみの納骨式ならば、動きやすいカジュアルな服装で参加しても良いでしょう。
●けれども僧侶をお呼びして読経供養をお願いする場合、僧侶へ敬意を表した服用として、最低でも格式は平服に留めます。
また沖縄の納骨式に案内されて服装に迷った時には、年長者にアドバイスを求めることも、解決策としてはおすすめです。
平服における注意点
◇平服であっても、故人に敬意を表した服装が基本です
「平服」の意味は普段着ですが、弔事における平服は必ずしも普段のままの服装で良い、と言う訳ではありません。
喪が明けてから、沖縄で納骨式を行う服装はカジュアルな服装も多いですが弔事なので、普段着すぎたりおしゃれをして主張し過ぎることなく、故人へ敬意を表すことを優先します。
<平服における注意点> | |
●派手な服装を避ける | ・露出のある服装 ・華美な演出 ・過多なアクセサリー ・ネイル ・派手な色 |
●カジュアル過ぎる服装 | ・アメカジ風 ・原色の運動靴 ・ダメージジーンズ ・キャップ、帽子の着用 ・目立つキーチェーンなど |
カジュアルな服装でも動きやすく、転倒や怪我のリスクを避けることが目的なので、パンツもチノパンほどに留めるよう、配慮してください。
沖縄の納骨式をカジュアルな服装で参加する場合は、家族のみが多いでしょう。
石材業者にお墓の開閉を依頼したとしても、スタッフも動きやすいツナギなどが多いので、服装を機に掛ける必要はありません。
沖縄で夏場の納骨式での服装は?
◇黒のかりゆしウェアを着用しても、失礼にはあたりません
沖縄では暑い夏場に通夜や葬儀でも、黒のかりゆしウェアを着用します。
そのため沖縄の納骨式でも、夏場の服装は黒のかりゆしウェアが多いでしょう。
光沢のないマットな黒のかりゆしウェアを選びますが、最近では香典袋が入るポケットが付いた、喪服用の無地黒かりゆしウェアが増えました。
また女性は夏場もアンサンブルやワンピースなどが多いですが、露出は控えます。
スカート丈はひざ下より短くせず、袖丈はひじを出さない七分丈がベストです。
半袖を着用したい場合には、上からジャケットなどを羽織り、調整しましょう。
・葬儀や通夜に参列する服装・喪服マナーとは?女性と男性・子どもや夏場のジャケットは?
沖縄で永代供養の納骨式での服装
◇自然葬の納骨式では、カジュアルな服装が一般的です
沖縄で単体で行う納骨式は、お墓に納骨するばかりではなく、お墓のいらない永代供養も増えました。
「永代供養(えいたいくよう)」とは、家族の代わりに霊園や寺院が遺骨の管理や供養を永代に渡り担ってくれることを指し、お墓の維持管理への負担が大幅に軽減され、継承者の必要がありません。
<永代供養の種類> | |
●自然葬 | ・樹木葬 ・海洋散骨 |
●永代供養 | ・永代供養墓(合葬墓) ・集合墓 ・納骨堂 …など |
ただし、納骨堂や集合墓など、一定期間は個別に遺骨を安置する「個別安置期間」を設けたプランがあるものの、最終的には合祀される仕組みが多いです。
「合祀(ごうし)」とは、他の遺骨と一緒に埋葬・供養されることを指し、一度合祀されると、個別に遺骨を取り出すことはできません。
けれども個別安置期間を弔い上げと同じ33年・50年とするものもあり、家族は遺骨の維持管理への負担なく供養ができるため、新しい形の遺骨供養として人気です。
このような永代供養を選ぶ場合は、沖縄で納骨式の服装も少し変化します。
①沖縄で自然葬の納骨式での服装
◇自然葬での納骨式では、カジュアルな服装が多いです
自然葬は、遺骨を自然に還します。
そのため自然葬には海洋散骨、樹木葬、里山散骨などがありますが、いずれも自然のなかで納骨式を行うことが多いです。
基本的には施主の判断によりますが、沖縄では一般的に納骨式の服装も、下記のようにカジュアルなケースが多いでしょう。
<自然葬の種類と服装> | |
[自然葬の種類] | [服装] |
●樹木葬 (樹木のふもとに埋葬) |
・喪中…準喪服 ・喪明け…平服 |
●海洋散骨 (海に遺骨を撒く) |
・カジュアルな服装 ・平服 ・歩きやすい靴 |
●里山散骨 (山林に遺骨を撒く) |
・カジュアルな服装 ・運動靴 ・登山スタイル |
●空葬 (空に遺骨を撒く) |
・カジュアルな服装 ・平服 ・歩きやすい靴 |
自然葬は仏教に倣ったものではないので、故人を偲ぶセレモニーの要素はありますが、よりカジュアルな儀礼が多いです。
自然深い山林まで足を運んだり、海の沖合いまで船をチャーターして行く自然葬では、動きやすい服装で、転倒や怪我のリスクを回避します。
沖縄で納骨式を伴う葬儀の服装は?
◇沖縄で納骨式を伴う葬儀の服装は、葬儀の形式に倣います
父方の血族が入る「門中墓」など、すでに納骨するお墓がある遺骨は、葬儀当日に納骨されるため、納骨式の参列者は葬儀の服装のままです。
そのため従来の沖縄では、納骨式の服装も準喪服となるでしょう。
けれども近年では、そもそもカジュアルな形式の葬儀も増えました。
その変化に伴い、沖縄では葬儀当日の納骨式の服装マナーも変化しつつあります。
①一般葬での服装マナー
◇沖縄で従来の一般葬では、納骨式の服装も準喪服です
「一般葬」は従来の沖縄の葬儀形式で、沖縄では80人以上の参列者を迎え入れるなど、規模の大きなものが多いでしょう。
そのため従来の沖縄の葬儀であれば、納骨式まで一貫して服装も準喪服で良いです。
女性は本来、ワンピースやアンサンブルなどのスカートですが、火葬~納骨式までお手伝いが多ければ、光沢のないマットな黒無地のパンツスーツも見受けます。
仕事内容によって、黒無地のエプロンやバッグ、スリッパなどを持参して、動きやすく、楽にお手伝いができるようにしましょう。
②家族葬での服装マナー
◇家族葬では平服での参列が多いです
「家族葬」とは、家族やごく近しい身内のみで執り行う葬儀で、15人以下の規模が多い傾向にあります。
ただ「家族葬」とひと口に言っても、規模や形式はさまざまですので、基本的には施主の意向に倣うと良いでしょう。
…案内状に服装まで記載していることが多いので確認をしてください。
お墓の場所によっては、転倒や事故リスクを避けるため、案内状に「運動靴」「歩きやすい靴」「動きやすい服装」などの指定があります。
また故人と気ごころ知れるからこそ案内が来ていますので、ご遺族に確認をしてみても良いでしょう。
③一日葬での服装マナー
◇沖縄の一日葬は、準喪服での参列が多いです
「一日葬」とは、通夜を行わず火葬と葬儀(告別式)を一日で済ませる形式となります。
もともと沖縄では通夜に参列者を迎え入れず、身内のみで故人を偲ぶ風習があるため、規模の小さな「一日葬」は、いわゆる沖縄の家族葬です。
…沖縄では納骨式も同日であれば、服装もそのままでしょう。
とは言え、お墓が辺境地にある場合、家族のみで行う沖縄の納骨式も多いため、カジュアルな服装に着替えてお墓へ向かうこともあります。
遠方から参列する場合には、施主に確認して着替えを準備しても良いかもしれません。
④直葬での服装マナー
◇直葬でも準喪服での参列が多いです
「直葬」とは「火葬式」とも呼ばれ、火葬場で故人とのお別れを済ませる葬儀となり、最もシンプルな形式と言えます。
家族やごく近しい身内のみで執り行う直葬が一般的ですが、火葬場でお別れの儀を済ませることから、準喪服での参列が多く、そのまま納骨式になるでしょう。
ただし家族葬や直葬などの新しい形の葬儀は、施主の意向に倣うことが基本です。
沖縄で葬儀当日に納骨式まで声掛けがあれば、服装までその場で確認することをおすすめします。
・【沖縄の葬儀】家族葬や一日葬、ホテル葬。現代10の葬儀スタイル|その1
沖縄で納骨式の服装以外の持ち物は?
◇沖縄の納骨式に案内されたら、香典を持参します
沖縄で納骨式のみ参列する場合でも、香典は持参するのがマナーです。
一方、葬儀や四十九日法要など、他の法要の後で納骨式へ参列する場合には、改めて香典を準備する必要はありません。
葬儀や法要の香典を多めに包むと良いでしょう。
また沖縄で香典の表書きは、納骨式を行うタイミングで変わります。
①納骨式の香典の表書き
◇四十九日以降の納骨式は「御仏前」です
香典の表書きは忌中である四十九日前の納骨式と、忌明け後の四十九日以降の納骨式で表書きも変わるので注意をしてください。
表書きが変わるのは仏教的な教えにより、四十九日まで故人の魂はあの世とこの世を彷徨う存在「霊魂」であり、四十九日をもって成仏するとされるためです。
<時期で違う納骨式の表書き> | |
[時期] | [表書き] |
・忌中 (四十九日まで) |
…「御霊前」 |
・忌明け (四十九日以降) |
…「御仏前」 |
沖縄では特定の寺院に属する檀家制度が根付いていないため、あまり気にする人も少ないですが、依頼した僧侶が浄土真宗であれば、四十九日前でも「御仏前」となります。
これは浄土真宗において、人は亡くなるとすぐに成仏すると説くためです。
ただ沖縄では臨済宗の寺院が多いでしょう。
②納骨式の香典はいくら包む?
◇沖縄で納骨式の香典相場は、約千円~5万円です
一般的に沖縄では納骨式の香典相場は約千円~5千円ですが、平均的には千円、もしくは3千円が多い傾向にあります。
葬儀や四十九日法要など、他の法要と併せて包む場合には約3千円ほどを目安とし、納骨式のみであれば千円も多いです。
ただし本州式の納骨式では約5千円~1万円となるので、注意をしてください。
特に、会食「お斎(おとき)」の場を設けている納骨式に参列する場合、会食代として多めに包むようにしましょう。
香典金額が5千円未満であれば、香典袋も水引が印刷された簡易的なものを選びます。
香典の包み方や渡し方マナーについて、詳しくは下記コラムをご参照ください。
・沖縄で御香典を包むマナー。中袋やお札の向き、連名で出す注意点
③香典は袱紗に包む
◇香典は袱紗(ふくさ)に包んで持ち歩きます
香典は裸で持ち歩くことのないよう、袱紗(ふくさ)に入れて持ち歩いてください。
「袱紗(ふくさ)」とは、香典袋や祝儀袋を持ち歩くための入れ物で、小風呂敷形式のものもあります。
一般的には仏壇仏具店やデパートなどで購入しますが、最近ではコンビニや100円均一でも見かけるようになりました。
ただし慶事と弔事で袱紗(ふくさ)の選び方やマナーが違うので注意をしてください。
納骨式をはじめとする弔事の袱紗(ふくさ)は、深緑や光沢のないマットな黒など、落ち着いた色の無地、派手にならないものを選びます。
④沖縄で数珠はどうする?
◇沖縄では数珠はあまり根付いていません
独自の祖霊文化がある沖縄では、本州のように数珠が根付いていないため、葬儀でも持参しない人を見受けます。
ただ現代では沖縄でも僧侶をお呼びした納骨式が多く、法要や葬儀マナーも本州に倣う形式が増えました。
そのためどの宗旨宗派でも対応する、短い輪の「簡易数珠」「片手数珠」を持っていると安心です。
数珠も仏壇仏具店やデパート、近年では100円均一でも見かけることがあります。
⑤納骨式のハンカチマナー
◇ハンカチは無地の白・黒を持っておくと良いでしょう
家族や近しい身内にとって、納骨式はひとつの区切れでもあります。
また納骨することによって、故人が本当に遠くへ行ったと実感する家族も少なくありません。
そのためマットな白か黒無地のハンカチは持参しておくと、何かと訳に立つでしょう。
イニシャルなどの刺繍や、派手にならない抑えたレースほどの飾りであれば、失礼にはあたりません。
⑥納骨式でのアクセサリー
◇納骨式でもアクセサリーマナーは葬儀に倣います
沖縄の納骨式で服装が平服指定であったとしても、アクセサリーマナーは葬儀に倣うのが基本です。
男性であれば結婚指輪のみ、時計なども華美なデザインは避け、革靴などもバックルなどにゴールドなどの飾りを避けます。
女性のアクセサリーはパールの一連ネックレス、ひと粒イヤリングに留め、化粧も片化粧を基本とし、華美なアイシャドウやまつ毛メイクを避け、アイラインやチークも極力控えます。
⑦納骨式のヘアースタイル
◇長い髪は後ろにまとめ、カラーは黒くします
アクセサリーマナーと同じく、ヘアースタイルも葬儀マナーに倣うと良いでしょう。
長い髪は黒や茶色のシンプルなゴムで後ろにまとめます。
またヘアカラーをしている場合、1日のみ対応できるヘアースプレーも販売しているので黒くしておくと好印象です。
喪服は真っ黒なのでフケも目立ちやすいため、気になる方は、即効性のフケ防止スプレーや、頭皮の保湿スプレーも役立ちます。
⑧納骨式でネイルカラーをしていたら?
◇ネイルは除去して参列しましょう
基本的に弔事においてネイルなどの華美な装飾はマナー違反です。
けれども通夜や葬儀は突然の訃報も多く、ネイルはすぐに除去できないケースもあるため、上からネイルを塗ったり、レースの黒手袋で対応する人もいます。
けれども日程が決まっている納骨式に参列するならば、ネイルはその前に除去するのがマナーです。
基本的には一切のネイルを塗りませんが、最近では健康的な爪色にするため、透明のネイルを塗る人も見受けます。
まとめ:沖縄で納骨式の服装は、TPOに対応します
かつては葬儀の後、そのまま野辺送りをして納骨式を行ってきましたが、現代では葬儀当日の納骨式だけではなくなりました。
本州に倣い四十九日法要の後に納骨式を行うケースや、お墓や納骨先の準備が整わないことから、一周忌や三周忌、なかには七回忌を過ぎての納骨式も見受けます。
また沖縄では辺境地にお墓があることも多く、カジュアルな服装で納骨式を執り行うケースもあるでしょう。
そもそも檀家制度が根付いていない沖縄では、僧侶をお呼びせず、家族のみで執り行う納骨式もあります。
そのため基本的には沖縄では納骨式のタイミングや環境に合わせて服装を選びながら、不安があれば施主に確認すると安心です。