◇沖縄の四十九日(シジュウクンチ)では、
仮の位牌である白位牌(シルイフェー)から本位牌へ魂を移す「イフェーノーシ(位牌直し)」を行う家が多くあります。
●では、本位牌への交換はどのように進め、役目を終えた白位牌はどうすれば良いのでしょうか。
本記事では、四十九日までに準備すること、白位牌から本位牌へ移す手順、白位牌の処分方法まで解説します。
※このコラムは、沖縄の供養・仏壇に関するご相談(供養の窓口)を通じて、多くのご家族に寄り添ってきた供養ギャラリーが解説しています。本記事では記事内で自社サービスをご紹介する場合があります。(2026年9月25日更新)
沖縄の四十九日(シジュウクンチ)とは

◇沖縄の四十九日(シジュウクンチ)とは、
…故人が亡くなってから七日ごとに行うナンカスーコー(七日焼香)の、最後のスーコー(焼香)です
七七日(シチナノカ)とも呼ばれ、故人の供養の大きな区切りとなる日です。
ナンカスーコーの締めくくりと忌明け
◇シジュウクンチ(四十九日)は、四十九日までのナンカスーコーを締めくくり、忌中から忌明けを迎える日です。
…仏教にならい、故人の命日から数えて四十九日目は、故人の行き先が決まる大切な日とされてきました。
●沖縄のシジュウクンチ(四十九日)に行われること
・ナンカスーコー(七日焼香)の締めくくりのスーコー(焼香)
・忌中から忌明けとなる
・仮の位牌である白位牌(シルイフェー)から、本位牌へ魂を移す
・お仏壇がない家は、この日までに新調する
・地域によっては、マブイワカシ(魂分かし)を行う
なお、沖縄ではナンカスーコー(七日焼香)が年をまたぐのは良くないとされ、シジュウクンチ(四十九日)が年明けになる場合は、年内に繰り上げて行う家も多くあります。
[参照|中陰(四十九日)の意味]
・中陰|コトバンク
本州との違い:四十九日に位牌を本位牌へ移す
◇沖縄では葬儀の後すぐに納骨を済ませます。
…そして、四十九日には白位牌から本位牌へ魂を移す儀式を行うのが特徴です。
(本州では四十九日に納骨式を行う家が多いですよね。)
この位牌の儀式を、沖縄では「イフェーノーシ(位牌直し)」と呼びます。
【本州と沖縄の四十九日の違い】
●本州
…四十九日の法要にあわせて納骨式を行う家が多い
●沖縄
…葬儀の後すぐに納骨し、四十九日には白位牌から本位牌へ魂を移す
故人の分身とされる白位牌に宿った魂を、本位牌へ移し替えるのがイフェーノーシです。
本位牌に魂を移した後は、お仏壇の本位牌を通して、故人を供養していくことになります。
※トートーメーとは、先祖代々の故人の名前などを記した位牌札が複数納められている位牌のことで、沖縄では祖先の霊や、位牌の継承そのものを指す言葉としても使われます。
[トートーメーとは]
・沖縄の先祖代々位牌「トートーメー」とは?そもそも家を守護する「祖霊信仰」ってなに?
[参照|沖縄の祖先崇拝とトートーメー]
・祖先崇拝とトートーメー【元琉球王族、尚家が語る沖縄への想い】|OKINAWA41
白位牌(シルイフェー)とは

◇白位牌(シルイフェー)とは、四十九日(シジュウクンチ)に本位牌を迎えるまでの間、故人の分身として祀る仮の位牌です
…白木でつくられた白い位牌で、沖縄ではシルイフェーと呼ばれます。
白位牌は四十九日までの仮の位牌
◇白位牌(シルイフェー)は、葬儀の際に用意され、四十九日に本位牌へ魂を移すまで使われる仮の位牌です。
…仮の位牌とはいえ、故人の分身であることは本位牌と変わりません。
●白位牌(シルイフェー)の特徴
・白木でつくられ、塗りや装飾がない
・葬儀の際に用意される
・四十九日(シジュウクンチ)まで、故人の分身として祀る
・四十九日に本位牌へ魂を移した後は、役目を終える
四十九日までは、白位牌を通して故人を供養し、四十九日を境に本位牌へと移し替えます。
※役目を終えた白位牌の扱いについては、後の章で詳しく解説します。
野位牌と内位牌、2基の白位牌
◇沖縄では、白位牌(シルイフェー)を「野位牌」と「内位牌」の2基用意するのが特徴です。
…どちらも四十九日までの仮の位牌で、四十九日に本位牌へ魂を移すと役目を終えます。
【沖縄の2基の白位牌(シルイフェー)】
●野位牌
…枕飾りに祀り、出棺の時に墓前へ持っていって安置する仮の位牌
●内位牌
…四十九日までの後飾りに安置する仮の位牌
野位牌と内位牌の2基を用意する習わしは、本州の昔ながらの葬儀にも見られるものです。沖縄では、この2基の白位牌を、四十九日まで祀る家が多くあります。
四十九日までに準備すること

◇沖縄の四十九日(シジュウクンチ)までに、本位牌と、お仏壇・仏具を用意しておきましょう
…白位牌から本位牌へ魂を移すイフェーノーシは、四十九日の当日に行うため、それまでに受け入れの準備を整えておく必要があります。
●四十九日までに準備すること
・お仏壇・仏具の用意
・仏具のお清め
・読経供養をお願いする僧侶の手配
本位牌(トートーメー)の用意
◇本位牌(トートーメー)は、四十九日(シジュウクンチ)までに用意しておく必要があります。
…四十九日の当日に、白位牌から本位牌へ魂を移すためです。
●本位牌を用意するときのポイント
・故人の名前や亡くなった年月日などの文字入れが必要になる
・文字入れには日数がかかるため、早めに仏壇仏具店に相談する
・先祖代々のトートーメーがある家では、札板を追加する形になることもある
本位牌の仕立て方は、初めてトートーメーを仕立てる家か、すでに先祖代々のトートーメーがある家かによって異なります。どちらの場合も、四十九日に間に合うよう、余裕を持って準備を始めましょう。
[トートーメーの仕立て方]
・沖縄トートーメーの仕立てる方法。最初に仕立てる・すでにある家、仕立てる時期はいつ?
[位牌の文字入れ]
・【沖縄のトートーメー】位牌の文字入れは、いつ・どこで依頼するの?料金目安はいくら?
仏壇・仏具の用意とお清め
◇お仏壇や仏具がない家では、本位牌を祀るために、四十九日までにお仏壇と仏具を用意しておきましょう。
…これは本州の風習でも同じで、四十九日を目安にお仏壇を新調する家が多くあります。
●新しい仏具のお清めの方法
・新調した仏具を、最初に水で洗う
・塩水を張った容器に入れ、仏具を軽くすすぐ
・容器から出して、しっかり乾かす
しっかり乾いたら、お仏壇に配置して準備は完了です。
最近ではマンションなどでも祀りやすい、コンパクトなお仏壇を選ぶ家も増えています。
[コンパクトな仏壇の種類]
・【沖縄のトートーメー】仏壇はコンパクトな種類が人気!スペースで選ぶ、仏壇3つの種類
白位牌から本位牌へ移す手順(イフェーノーシ)

◇イフェーノーシ(位牌直し)とは、四十九日(シジュウクンチ)に、白位牌に宿った故人の魂を本位牌へ移す儀式です。
…本位牌へ魂を入れる「魂入れ」と、白位牌から魂を抜く「ヌジファー(抜魂)」を行います。
現代は僧侶の読経供養で魂を移すのが一般的
◇現代の沖縄では、四十九日の法要でお呼びした僧侶に、本位牌への魂入れの読経供養もお願いするのが一般的です。
…沖縄では、ハチナンカ(初七日)とシジュウクンチ(四十九日)に僧侶を招く家が多いため、四十九日の読経供養とあわせてお願いできます。
●現代のイフェーノーシの流れ
・四十九日の法要で、僧侶に読経供養をしてもらう
・本位牌への魂入れ(開眼供養)をお願いする
・白位牌の魂を抜く閉眼供養をお願いする
※役目を終えた白位牌は、僧侶や葬儀社などに引き取りを相談する
僧侶に読経供養をお願いすれば、次に紹介する昔ながらのヌジファーを、家族が必ず行う必要はありません。
ただ、昔と今の沖縄の風習を大切にして、読経供養と昔ながらの儀礼の両方を行う家もあります。
※地域や家によって作法が異なるため、迷ったときは、地域の人や親族の年長者に尋ねながら進めると安心です。
昔ながらのヌジファーの手順
◇ヌジファーは、白位牌の魂をお線香に移し、本位牌へ案内する儀礼です。
…昔ながらの沖縄では、火を灯さないお線香「ヒジュルウコー(冷たい御香)」を使い、家族でヌジファーを行ってきました。
唱える言葉(グイス)は、昔ながらの言い回しでなくても、現代の言葉で故人へ気持ちを伝えれば大丈夫です。
【昔ながらのヌジファーの手順】
①火を灯していないヒジュルウコーを手に持つ
・白位牌の周りを左回りに3周する
②白位牌に向ける
・ヌジファー(抜魂)の言葉を唱える
③ヒジュルウコーを持ったまま
・今度は本位牌の周りを右回りに3周する
④本位牌に向ける
・繋ぎの言葉を唱える
⑤ヒジュルウコーを、お仏壇の香炉(ウコール)に立てる
⑥お線香に火を灯す
・「ウートートゥ(あな尊い)」と伝える
・その場に集まった人みんなで手を合わせる
ヒジュルウコーをお仏壇の香炉で焚くことで、その灰が香炉の灰と混ざり、ご先祖様が香炉に宿るとされてきました。
●ヌジファー(抜魂)の言葉の例
「ウートートゥ、
本日はシジュウクンチ(四十九日)の日になりました。
これからヌジファー(抜魂)をして、
本位牌へご案内をいたします。
どうぞ〇〇の魂も、
このお線香に移っていただきますように。」
●繋ぎの言葉の例
「ウートートゥ、
本位牌までご案内をいたしました。
どうぞこの本位牌に魂を移してくださり、
安らかにお過ごしくださいますように。」
役目を終えた白位牌の処分方法

◇役目を終えた白位牌は、お焚き上げをして丁寧に送ります
…本位牌へ魂を移した後の白位牌には、もう故人の魂は宿っていないとされます。
それでも、ただごみとして捨てるのではなく、手順を踏んでお焚き上げをするのが習わしです。
昔ながらの処分方法
◇昔ながらの沖縄では、白位牌を墓前で焼却していました。
…葬儀で使った葬具とともに焼却し、その灰をお墓の香炉の灰に混ぜて、お焚き上げとしてきました。
●昔ながらの白位牌のお焚き上げの手順
①葬具とともに、お墓の前で白位牌を焼却する
②灰になるまで、しっかり焼却する
③その灰を、内位牌の前に置かれていた香炉(ウコール)の灰と一緒にする
④お墓に置かれている香炉の灰に混ぜる
ただ現代では、住宅地の近くのお墓など、屋外での焼却が難しい場所も多くあります。
無理に自分たちで焼却せず、次に紹介する方法で相談するのがおすすめです。
[トートーメーのお焚き上げ]
・【沖縄のトートーメー】沖縄の儀礼に倣ったトートーメーのお焚き上げとは?自ら行う方法
現代は僧侶や仏壇仏具店、葬儀社に相談
◇現代では、僧侶に閉眼供養をしてもらうのが一般的です。
…閉眼供養の後の白位牌は、本位牌を仕立てた仏壇仏具店、葬儀をお願いした葬儀社などで、引き取ってもらえることが多くあります。
●役目を終えた白位牌の主な相談先
・四十九日の読経供養をお願いした僧侶
・本位牌やお仏壇を用意した仏壇仏具店
・葬儀をお願いした葬儀社
引き取りの可否や費用は、依頼先によって異なります。
四十九日の日程が決まったら、白位牌の扱いもあわせて相談しておくと、当日に慌てずに済みます。
【スタッフのマメ知識】
「位牌の取り替えを間違えると、ご先祖様の祟りがある」と心配される方もいらっしゃいます。
ですが、大切な家族にご先祖様が祟りを起こすとは、考えられません。
作法に自信がないときは、「不足があればお許しください」と、心を込めてお伝えすれば大丈夫です。
まとめ:沖縄の四十九日は、白位牌から本位牌へ魂を移す大切な日

◇沖縄の四十九日では、白位牌から本位牌へ魂を移すイフェーノーシを行います。
…現代では、四十九日の法要でお呼びした僧侶に、本位牌の魂入れと白位牌の閉眼供養をお願いするのが一般的です。
僧侶の手配は、近隣の寺院に相談するほか、本位牌やお仏壇を用意した仏壇仏具店で紹介してもらえることもあります。
●沖縄の四十九日の位牌交換のポイント
・白位牌(シルイフェー)は、四十九日までの仮の位牌
・四十九日までに、本位牌とお仏壇・仏具を用意しておく
・現代は、僧侶の読経供養で本位牌への魂入れと白位牌の閉眼供養を行う
・昔ながらの沖縄では、ヒジュルウコーを使ったヌジファーで魂を移してきた
・役目を終えた白位牌は、僧侶や仏壇仏具店、葬儀社に引き取りを相談する
読経供養のお布施は、1回につき3万円〜5万円ほどが目安です。
四十九日の法要とあわせて、本位牌への魂入れなども依頼する場合は、事前に僧侶へ相談しておくと安心です。
作法は地域や家によっても異なるため、迷ったときは親族の年長者や、仏壇仏具店にも相談しながら進めましょう。
[トートーメーの買い替え]
・沖縄で古いトートーメーを、新しく買い替えたい!タブーもリセットする買い替え方とは?









